生地とフィリングがさかさまになった、タルト・タタン。
ずっと以前だけど挑戦したことがありました。
だけど・・まだお菓子などそんなに焼いたことがなかった頃のこと、本で魅せられたキャラメル色のリンゴの艶には程遠いものが出来上がったような・・。
この本の舞台は下町の片隅にある小さなフレンチレストラン。
「パ・マル(悪くない)」なんて変わった名前をつけちゃう、風変わりなシェフ三舟は、フランスでの修行時代についた「サムライ」のあだ名そのままの無精ひげに束ねた髪。
厨房の向こうにこんなルックスの無口なシェフ・・を想像すると二の足を踏みそうだけど。
「パ・マル」は、確かに悪くない(笑)
気取らない、フランスの家庭料理の温かさに思わずごっくん!
シェフお得意のデセールが私の大好きな焼き菓子やタルトだっていうのも嬉しい。
無口なシェフをフォローする温和な志村さんや俳句が趣味だというソムリエの金子さん、そしてギャルソンでもあり、この本の語り手の僕。
4人の従業員のハーモニーも心地よくて。
悪くないどころか!とっても居心地のよいお店なんですよね。
お店を訪れた人々の、ちょっとした謎や、不可思議な事件。
それは日常の、ほんの些細なことだけど。
誰もが見逃してしまうようなミステリーを三舟シェフの目は見逃さない。
絶品料理とともに解き明かされる謎解きの鮮やかさ。
それがとても暖かいのは、決まって登場するシェフお手製のヴァン・ショーのせいかしら。
赤ワインをお湯で割り、オレンジの輪切りとクローブ、シナモン。
ワインだけでも温まる、だけど加えられたスパイスで香りとコクが深くなり、
もっと美味しく暖まる。
4人のビストロ「パ・マル」もそんなお店なんですね。
「タルト・タタン さかさまの人生も また楽し」金子さんをまねて作ってみたけど・・どうでしょう(笑)
おまけ
ヴァン・ショーを読んで思い出した~ワイン入りスパイスティー~
紅茶とワインで作る伝統的なクリスマスドリンク、クリスマスキャロルを歌う人たちにご馳走した飲み物だそうです。
(8~10杯分)
おなべに濃い目に入れたストレートティー(ダージリンやケニア)を450cc、つぶしたクローブまたはナツメグをティースプーン2分の1、シナモンスティック1本、グラニュー糖100g、赤ワイン(辛口)1200cc、レモン2個をスライスして種を除いたものを入れ、弱火にかけて沸騰しないように温めます。パンチボールなどにいれ、りんごのスライスを浮かべます。
こちらも暖まりますよ~。
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