Slow Dream 「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」
FC2ブログ

Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。




「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」 :: 2023/09/18(Mon)

ヴェネチュアの亡霊

9月18日(祝)イオンシネマ高松東にて、『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊』を鑑賞しました♪

本当なら『グランツーリスモ』を観る予定だったのですが、この日朝一番のポアロが1番スクリーン上映と知って急遽変更!!
邦画推しの高松東で(ミッションインポッシブルクラスでない)洋画が1番スクリーンって珍しいですからネ。

ベネチアで隠遁生活を過ごしていたポアロは、霊媒師のトリックを見破るために、子供の亡霊が出るという謎めいた屋敷での降霊会に参加する。
しかし、その招待客が、人間には不可能と思われる方法で殺害され、ポアロ自身も命を狙われることに…。
はたしてこの殺人事件の真犯人は、人間か、亡霊か──世界一の名探偵ポアロが超常現象の謎に挑む、水上の都市ベネチアを舞台にした迷宮ミステリーが幕を開ける。
                                 <公式サイト より>




ケネス・ブラナーが演じるポアロシリーズ『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』に続き、第3弾。

原作はアガサ・クリスティの1969年出版「ハロウィン・パーティ」。
よく知られた前2作と違ってどちらかというと、地味な小作品、なぜこの作品を第3弾に?と意外だったのですが、これはもう、原作は忘れてしまってOKなくらい、全くの別物。
よく映画と原作は別物・・・といいますが、本作に至っては舞台からストーリーから、被害者も設定もすべて違う
同じなのはハロウィンパーティが行われたこと(舞台もやり方も全然違いますが)と、アリアドニ・オリヴァ―夫人が登場すること、あと何人かの名前だけです。
いやしかし、ここまで違うと(よくクリスティのひ孫さんのOKが出てものです)これはもう、ケネスオリジナルの、新作ポアロと思っていいのじゃないでしょうか。
そういう点では「これ、いったいどうなるの!?」と、とても新鮮な気持ちで楽しめました(*^-^*)

舞台は(原作の)イギリスの田舎からベネチアへ。
ポアロは引退し、仕事からも人間からも距離を置く日々。そんな中、旧知のオリヴァ―夫人に引っ張ってこられたハロウィンパーティ、そしてそのあとの降霊会。
秩序と理論を重んじるポアロですが、ただならぬ雰囲気を醸しだす屋敷と、ミシェル・ヨー演じる霊媒師の存在によっていつものポアロらしさは薄れ。いないはずの少女の声が聞こえたり、(ほかの人には見えない)その姿を目撃したり・・・と、かってないピンチに見舞われます。
犯人は館の中にいる人間なのか、それとも亡霊の仕業なのか・・・・。

第3弾のケネスポアロ、今回のなによりの特色はこの独特の雰囲気です~!!
ベネチアの古いいわくつきの館での降霊会、灰色の脳細胞の持ち主ポアロを襲う超常現象、ミステリアスを通り越してホラー色漂う。いやーー、まさか、ポアロでホラーミステリーが見れるとは思いませんでしたが、舞台つくりが上手い。ベネチアってこういう妖しく美しい雰囲気が似合いすぎますね。
そして水の都。アッピルボビング(水の中のリンゴを手を使わずにかじるゲーム)というハロウィン独特のゲームがひとつの鍵となっているので、もしかしたらケネスはそこから水→ベネチアを連想したのかもしれませんが、ゴンドラや館のまわりの水の波も雰囲気をいっそう盛り上げます。

ただ・・・雰囲気にすっかり魅せられましたが、はて❔雰囲気を除いて純粋に推理部分だけを見てみると、ミステリーとしては弱くて、納得いかない部分も多かった~。密室のあの殺人事件、あれは無理ありすぎでは・・・!?
あと、この映画のオリヴァー夫人の使い方はこう来たか!と驚きではありましたが、原作ファンとしては、オリヴァー夫人(クリスティの分身と言われる)の天然さ、力の抜け加減が好きなので、てっきり暗いムードを癒す存在かと思っていましたよ。えらく抜け目ないはしっこい夫人でしたねぇ。
そして、何より!ミシェル・ヨーがもったいなさすぎるゾーーーー。
父想いのレオポルド少年は、「ベルファスト」のバディだったとは!本作でもすごく上手い原作とは月とスッポン、段違いのいいキャラでした。

でも、ホラーテイストだったわりには、本作、後味が良かったのが好き。「ナイル」の下船は悲し過ぎたけど、本作の未来には希望があって救われました。
4作目あるかな?さて、ケネスは次どんな作品を選ぶんだろう?ケネスのポアロは硬くて重ためなので、すこ~しやわらかく楽しい軽めの作品も観たい気がします(*^-^*)


IMG_20230918_172201_(600_x_400_ピクセル)

毎年秋になると読み返す、我が家の古~~い原作本。
殺されるのが子どもという部分がショッキングではあるのですが、世にも美しいお庭が出てきたり、妖精のような少女が出てきたりと、(映画のホラーテイストとは全然違う)こちらは、童話的な雰囲気が漂うミステリーです。
  1. 映画タイトル(は行)
  2. | trackback:0
  3. | comment:10
<<東山魁夷美術展&月イチ★クラシック「アキ・カウリスマキ作品」 | top | 「Pearl パール」>>


comment

お邪魔します。

お疲れさまです。
そうそう、前2作と違いマイナーな感じの私の知らない話なんで凄く楽しみにはしていました。
ひたすら奇麗な探偵ものという感じ。
私の場合も大きなシアターでやってくれたので、そこは良かったですわ。映画はやはり大きなスクリーンですよ。
  1. 2023/09/20(Wed) 07:27:46 |
  2. URL |
  3. ゾンビマン #-
  4. [ 編集 ]

>ゾンビマンさん

おはようございます。
私もいったいどんなお話になってるのか、逆にとても楽しみでした♪あまり知られていない小作品なので、改変もやりやすかったのかもしれませんね!(^^)!

ベネチアの景観、お屋敷の雰囲気、映像が素晴らしかったですよね。雰囲気で押してきましたネ i-235

スクリーンが大きいとテンションもあがりますね。「グランツーリスモ」も1番スクリーンで観たいのですが・・・。
  1. 2023/09/20(Wed) 08:27:12 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

瞳さん こんばんは。
楽しみにしていらしたケネスポアロの新作、見にいらしたのですね。
原作とかなり違っているようですが、原作を読んでいない私には
新鮮な気持ちで楽しめそうです。
ミシェル・ヨーの霊媒師も気になる~
怪しげな雰囲気も楽しめそうで
ハロウィーンが近づく今の季節のぴったりですね。
  1. 2023/09/23(Sat) 18:59:26 |
  2. URL |
  3. セレンディピティ #.usTzc9U
  4. [ 編集 ]

世の中はハロウィン

瞳さん☆
すっかり浮世離れした日々で、世の中ハロウィンだったの忘れてました!(笑)
瞳さんは原作のファンなのね〜
予告編でかなーりホラーテイストだったので、逆にトリックありなら安心して見られそうです。
でも探偵物で無理ゲーなトリックはちょっと萎えますね。
  1. 2023/09/23(Sat) 19:17:07 |
  2. URL |
  3. ノルウェーまだ~む #gVQMq6Z2
  4. [ 編集 ]

>セレンディピティさん

こんばんは。
本作、原作とは全く違うケネスオリジナルポアロでした!
新作みたいで楽しめましたよ~。
なにせベネチアという舞台が美しくて、ちょっとこわ~いところもあるのですが、まさにハロウィンが近い今の季節にぴったりでした。
セレンさんのお好きなミシェル、存在感ありましたよ~。ただ、なんと贅沢な使い方、勿体ない~~!と驚いちゃいました。
  1. 2023/09/24(Sun) 21:23:04 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

>ノルウェーまだ~むさん

おかえりなさい~。お疲れのところ、コメントありがとうございます。
我が家も今日かぼちゃ飾ってみましたよ。お店とかすっかりハロウィンですよね。

クリスティが大好きで、本作も(そこまで有名ではありませんが)この季節には毎年読み返します!(^^)!

ベネチアの館が雰囲気あってホラーテイストにぴったりでしたよ。ちょっとミステリー的には納得いかないところがあるのですが、論理と秩序を語るポアロのピンチは新鮮です。
  1. 2023/09/24(Sun) 21:27:34 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

こんばんは。
私もクリスティのファンです。と言っても小説を読んだのは数十年前。
デヴィッド・スーシェのTVドラマ「名探偵ポワロ」とか、
単発のBBC製作のポワロものはよく見ました。
林檎でTV版思い出しましたね。
でもほんとクリスティの孫の怒り買わなかったのかな?
ストーリーも配役も違ってましたよね。
でもホラーっぽいところは気に入りました。
ティナ・フェイ演じるオリヴァがポワロ以上の存在感でniceでした。
ジュード・ヒルの大人過ぎるキャラが面白い。
ブラナーは再びポワロ映画作るのでしょうか?
  1. 2023/09/28(Thu) 19:49:04 |
  2. URL |
  3. margot2005 #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

>margot2005さん

おはようございます。
コメントありがとうございます。

margotさんもクリスティお好きなんですね♡
スーシェのポワロ、イイですよね~!!あっ!そうなんです、林檎でTV版、私も思い出しました。再見して見ようかなと思ってます。

ひ孫さん、記事で読んだのですが、最初はかなり戸惑ったそうですよ~。だってね、原作とは全くの別物ですよね。
ホラーっぽさ、新鮮で面白かったですね。舞台つくりはかなり凝ってましたね。
オリヴァ夫人も原作とは違うキャラになっていましたが、ケネスのポアロには(ああいうキャラの方が)合ってるかな?とも感じました。
ジュード・ヒル、上手いですよね~♪
きっとケネス、作ると思います!(^^)!次はどのお話を選ぶのかが気になります。
  1. 2023/09/29(Fri) 09:20:52 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

面白かったです^ ^

瞳さん、こんにちは〜お久しぶりです
暖かかったり寒かったりで、寒暖差アレルギーなのか、花粉症のような感じになってます(>_<)
やっと見れました!ホラーテイストで(笑)前2作とは違う雰囲気でしたねーこういうのも好きです^ ^ベネチアの雰囲気とあの屋敷、いかにも出そうですよね(笑)
ミッシェル・ヨーの存在感はさすがでしたね、
もっと見たかった(^_^;)
オリヴァー夫人、原作ではそんな感じなんですね!癒し系ではなく、むしろやり手○○○っぽかった(^_^;)
レオポルド少年、しっかりしてましたよね@@
ラストの後味よかったですね、ポアロのその後も、やる気をだしてよかった!次ありそう^ ^
最近海外ドラマを何か見る感じになってて(笑)「ツイン・ピークス」懐かしいですか?一気見しちゃいました(笑)怪しい人たちばかりで面白かったです(^◇^;)
  1. 2023/11/29(Wed) 17:21:05 |
  2. URL |
  3. ポルカ #-
  4. [ 編集 ]

>ポルカさん

こんばんは。
今年は秋が短くて、暑さが続いたかと思ったら急に寒くなったりと、1日1日全然違いましたよね。
寒暖差アレルギー!わかります!!私も少しあるんですよ~。ポルカさんも!?どうぞ、お大事にしてくださいね。

わ~い!!ケネスポアロ、ご覧になったんですね。
そうそう!ビックリのホラーテイスト!(^^)!
ベネチアの雰囲気、お屋敷も!こういう雰囲気作り上手いですよね。

ミシェル・ヨー!てっきり最後まで登場するのかと思ったらビックリでしたよね。もっと見たかったですね。

>オリヴァー夫人、原作ではそんな感じなんですね!癒し系ではなく、むしろやり手○○○っぽかった(^_^;)
そうなんですよ。どっちかというと天然っぽい夫人が、えらくやり手になってました(笑)
レオポルド少年も原作とは段違いのしっかり者、いい役でした。

4作目ありそうですよね?次はどのお話を選ぶんだろう?大胆なアレンジもやっちゃうケネスポアロにだんだん慣れてきそうですヨ(笑)

「ツイン・ピークス」!!!
怪しい人しか出てない・・・って記憶があります(笑)うわ~~、懐かしいなぁ、観たくなってきましたよ。
  1. 2023/11/30(Thu) 21:22:08 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

comment


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://teapleasebook.blog26.fc2.com/tb.php/1469-b9b17cd8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)