Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。

「すべてうまくいきますように」 :: 2023/03/13(Mon)

香川のローカル線「ことでん」に揺られてのんびり向かうホールソレイユ。
10日から始まった「すべてうまくいきますように」大好きな地下スクリーンでの上映でした♪

小説家のエマニュエルは、85歳の父アンドレが脳卒中で倒れたという報せを受け病院へと駆けつける。意識を取り戻した父は、身体の自由がきかないという現実が受け入れられず、人生を終わらせるのを手伝ってほしいとエマニュエルに頼む。一方で、リハビリが功を奏し日に日に回復する父は、孫の発表会やお気に入りのレストランへ出かけ、生きる喜びを取り戻したかのように見えた。だが、父はまるで楽しい旅行の日を決めるかのように、娘たちにその日を告げる──。

　　　　　　　　　　　＜公式サイト　ストーリーより＞

「フェイブルマンズ」も「エブエブ」も気になるけど、オゾン監督とソフィー・マルソー

やっぱりこちらが先だなぁ

安楽死を望む父親とそれをどう受け止めらたいいのか悩む娘たちの葛藤、重いテーマのお話を深刻にではなく、涙と愛と、時にはユーモアも交えて描いた家族の物語。

脳卒中に倒れ、からだが動かなくなったことで、自分の人生を「終わりにしてほしい」と娘エマニュエルに頼む父アンドレ。
アンドレ・デュソリエが演じるこの父親、
お金持ちで芸術や美味しいものが好き、頑固で自分の意志は曲げず、これまでの人生かなり好き勝手に生きてきたよう。
娘たちは、父親を「最低な父親」と言いあうのだけれど、それでも父が好き。
倒れた時には（父の好きな）ブラームスを聞いてみたり、寝たきりだった父が椅子に座れただけであんな風に喜ぶ！ベッドにダイブするソフィーの可愛さ(*^-^*)

怒ったら（介護中にも）エマニュエルが差し出すスプーンをはらい、親戚たちに安楽死を正当化しようと「娘たちが介護を嫌がっている」なんて嘘までついちゃうアンドレ。
まるで、誕生日を祝ってもらうかのようにその日の話をし、周囲に話を広めちゃうのだから・・・娘たちにしたらたまったものじゃないよね～(>_<)
支えあい、涙し、互いに抱擁しあう姉妹、いい姉妹だよね～。

とうの昔に壊れているらしい父母の仲、
「なぜパパと別れなかったの？」と問うエマニュエルに、母シャーロット・ランプリング（本作ではほとんど無表情のまま！）が呟くように答えた・・・このひとことにヤラレタ～～。

愛って、なんて複雑なんだろう、
そして、こんな風に一筋縄ではいかない想いを抱えた家族の物語、やっぱりオゾン監督作品観に来て良かった。

驚いたのは、安楽死の手続きについて、ここまで詳しくいろいろ描かれていたこと。
書類、手続き、そして費用！１万ユーロと聞いて「貧乏人はどうするんだ？」なんて台詞も😅
もちろん、最後の最後まで……いろいろあってどうなるのか！？と思わせられるんだけれど、家族で見守りながら送り出す・・なんていうものではないんですね。
全然湿っぽくない、でも愛情あふれる、救急車の中での最後の別れも沁みました。

ソフィー・マルソー、今何歳だったかな？綺麗でしたね～(*^-^*)

この映像なんて見るともちろん、歳取ったなあと感じるんだけれど・・・・年齢を重ねつつの美しさが魅力的すぎる。ジムで汗を流したり、ボクシングするシーンまでありましたよ。

それにしてもこの父ったら・・・、最後の食事の席で、綺麗だよと娘を褒めながら、おまえは子どもの時不細工だったからなぁ・・・なんて余計なことを！！
思ったことをそのまま口に出す、この本音しか言わない父、アンドレ・デュソリエのキャラクターが秀逸だった～。一緒にいると腹立つだろうけど

「生きることは延命とは違う」というアンドレの言葉にハッとさせられるけど、回復してきている父になんとか思い直してもらいたいと願う娘たちの気持ちももっとわかる。
死を扱いながら、本作にはそれ以上に「生きること」への意味や想いがつめられていたような気がします・・・・。

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comment

これは頑固パパに共感できる映画でしたし、むちゃくちゃ面白かった。
あのシャーロットさんのひとことには私もやられた。
昨日、バニシングポイントという映画を再見して、やはり魅力的な映画って、どう生きるかを描いてます。
こちらの記事でソレイユの隠れファンになっているので、ことでんの車内は嬉しい
（笑）
しかし、エブエブのオスカー独占には参った（汗）時代の流れを感じました。日本のある男もそう。

2023/03/13(Mon) 14:19:03 |
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ゾンビマン #-
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>ゾンビマンさん

こんばんは。
あんなに頑固で、自由に生きてきて、父親として最低！って言われつつも、娘たちに愛されてるんですからね、羨ましいですね!(^^)!これが息子だったら、また話は違うんでしょうね。
シャーロット母のあの一言、やられましたよねぇ～～、さらりと言ってのけるところがまた良かった。
おお！！「バニシングポイント」懐かしいです！観てこられたんですね。ゾンビマンさんのレビュー楽しみにしています。

＞こちらの記事でソレイユの隠れファンになっているので、ことでんの車内は嬉しい（笑）
わ～！！こちらこそ嬉しいです（笑）逆光で上手く撮れてませんが、土曜の朝の琴電、なんて空いてることか～～(>_<)

エブエブ、驚きましたね！前評判も高かったみたいですが、ここまで独占するとは思いませんでしたよ。日本アカデミーも「ある男」が独占だったんですね。
こんなに独占せんでもなあ～と（「イニシェリン島の精霊」しか観ていないんですけどね）思ってしまいます!(^^)!

2023/03/13(Mon) 21:34:43 |
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瞳 #-
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素敵な映画館ね

お邪魔します～～未見ですが、オゾン＆マルソーの映画だと
やはり優先順位、あがりますよね(笑)
ソレイユさん、ミニシアター系の素敵な映画館ですね☆
地下っていうのがなんともいいな～～。最近はちょっとミニシアター系の劇場は遠くてご無沙汰なんだけれど、やっぱり
セレクトが素敵なものが多いよね・・。
安楽死系って、「海を飛ぶ夢」みたいなシリアス路線を考えちゃうんだけれど、この映画はどんより感は少ないみたいですね。生きることの意味かあ～～、明るくお別れできるって理想だけれどなかなかですよね～～
ソフィー・マルソー、久々だけれど、素敵よね～～
イイ感じに年取っている～～(笑)そうそう、私だいたい
同じ年（ぼかし・・）だから頑張って欲しいわ。たま～～に、ラ・ブーム
思い出して歌聞きたくなるのよ～～。
今後の映画鑑賞も迷いますよね～～瞳さんの次のチョイス
楽しみにしていますね～～本屋さんかな～～やっぱり。

2023/03/17(Fri) 00:29:29 |
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みみこ #zQHIT1rU
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>みみこさん

こんにちは。
コメントありがとう～♡
オゾン監督&ソフィー・マルソーですもんね～♪これは観に行こうと決めてました。
「ぼくを葬る」「まぼろし」に続く死についての3部作だそうなのですよ。どちらの作品も良かったので、ますます気になっていました。
地下っていいよね～（笑）秘密めいていて・・・隠れ家的な感じ(*^-^*)
香川はソレイユさんが唯一の単館系映画館なので応援したい気持ち満々です。みみこさん宅からミニシアター系劇場遠いのね、遠いとやっぱり行きにくいよね。

そうなの～！！本作は死を取り扱かっているけれど、どんより感は無かったですよ～。もちろん涙のシーンはたくさんあったけれど、好きなように生きてきた父親の勝手なようだけど魅力的な生き方とか、抱擁シーンとかも多くて癒されるところも多かったです。

おお～っ！！ソフィーとほぼほぼおない年！！うわ～！！私より断然若い、イイナ～（笑）
「ラ・ブーム」懐かしいよね、聞きたくなりますよね。
「丘の上の本屋さん」は絶対行きたいーー！！1週間限定上映だから予定あいますようにーー。
「エブエブ」は行けたら・・かな。
みみこさんはどれ行くかな？楽しみにしていますね。

2023/03/18(Sat) 15:27:58 |
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瞳 #-
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これけっこうきつい映画でしたね。人間いつかは親をみとることになるし、またそうしたいですしね。親が、理由はともかく自ら命を絶つとなると、私にはきついなあ。私には、ゴダールの死は、ものすごくショックでした。

2023/05/05(Fri) 10:50:10 |
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Bill McCreary #-
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>Billさん

こんばんは。
とても重いテーマですよね(>_<)
私も観ながら自分の親のこととか思い浮かべていました。
キツイですよね、どんな理由はあれ、到底受け止められるものではないですよね。ソフィーたち姉妹の気持ちがよくわかります。
そうでした！！まさにこの映画、ゴダールを思い出しますね(>_<)

2023/05/05(Fri) 19:45:10 |
URL |
瞳 #-
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瞳さん、こんにちは！
トップ記事の彼岸花、とても綺麗ね。
オレンジ色のは初めて見ました。
最近、白いのも増えて来てる感がする。

で、これ。
やっぱり瞳さんだあー、愛が溢れてるよねえ・・・
駄目オヤジに対しても大らかな表現で包んであげてるし。
ソフィーマルソー、お年の割に綺麗だったし、普段から一杯ケアしてるんだろうなー、良い年の取り方をしてるな、って思ったわ。

映画・・うーん、、、私的にはいまひとつだったかもしれない。安楽死とか、このスイスの施設に関しては大賛成だし色々調べたこともあるんだけどね・・・

2024/10/14(Mon) 07:43:56 |
URL |
latifa #SFo5/nok
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>latifaさん

こんばんは。
彼岸花、見てくれてありがとう。
昔は赤しかなかったと思うんだけど、すごくいろんな色が増えてビックリ！毒があるって言われてるけど、私子どもの時、学校の帰りに友達とネックレス作ったりして遊んでたわ!(^^)!

「すべてうまくいきますように」コメント&TBいつもありがとう。
ダメおやじね・・・！もう、好き勝手やってたよね～。思ったまま口にするし。でもそんなパパをこの姉妹は愛してるのよね。それがすごく伝わってきたわ。
ソフィー、素敵に年を取ってるよね。なんていうか、フランスの女優さんって、自然な感じで年を重ねてるように見えるのよね。

latifaさんは、いろいろ調べたりしたのね！！私、金額に驚いたわ。お金持ってないとできないのね～(>_<)
そういえば、一時期、ドロンが安楽死を望んでるっていう記事が出てたわ。