惨憺たるアンコウ
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拙ブログのモットー

2037.09.18.10:16

社会は強い者がより強くなるように、富める者がより富むように、力をかざす者がより強い力をかざすことができるように、そのようなことのためにあるのではありません。弱い人間のためにこそ社会はあります。私たちは、そうでないときにはそうであるように社会を変えてゆかなければなりません。(八尋 光秀)


あなたの行う行動がほとんど無意味だとしても、 それでもあなたは、それをやらなければならない。 それはあなたが世界を変えるためではなく、 あなた自身が世界によって変えられないように するためです。(ガンジー)


悪い人間という一種の人間が世の中にあると君は思っているんですか。そんな鋳型に入れたような悪人は世の中にあるはずがありませんよ。平生はみんな善人なんです、少なくともみんなふつうの人間なんです。それが、いざというまぎわに、急に悪人に変わるんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです。(夏目漱石)


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広告・リルケ「若き詩人」と「若き女性」への手紙

2036.01.30.13:31

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すでにログリッチも「プチ」ポガちゃってたようです 笑)

2025.03.31.12:28

昨日は6時から Jスポの放映だったのを気が付かず、ヘント〜ヴェフェルヘムをネットで観戦しながら、10時過ぎにテレビをつけたら、あれ? というわけで先ほどYouTubeで見ました。

序盤のスプリント賞ごとに総合が入れ替わるという漫画みたいな展開のあと、6回通過するモンジュイックの丘の4回目、残り20キロの頂上で後ろを切り離すと、下りでスピードアップ。逃げ切りに成功しました。アユソが思った以上に脆かったですね。レース後に語ったところでは、あの勝負どころで、他の選手にログリッチの後ろを譲ってしまっていたので、追いつけなかったと言ってるようですが。。。

しかし20年のツールhttp://tatsuya1956.blog48.fc2.com/blog-entry-3848.htmlや翌年のパリ〜ニースhttp://tatsuya1956.blog48.fc2.com/blog-entry-3961.htmlで、最後の最後に劇的にひっくり返されるログリッチという印象があったんですが 笑)このレースではみごとに逆に最終日にひっくり返しましたね。ビッグフォーの名に恥じない結果となりました。アユソはビッグフォーにかなり肉薄したけど、この経験を糧に、ジロでのリベンジを狙うことになるのでしょう。

最後にアユソに一言苦言を言っておけば、ゴールは30人ぐらいの追走集団の最後尾でした。出身地のバルセロナなんだから、あそこは全力で集団の先頭を目指してほしかった、という気がします。確かに結果には何の意味もないんだけど、そういう意地と地元のファンへのサービス精神みたいなのって、大切な気がします。


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今度はペダーセンがポガちゃりました 笑)

2025.03.30.23:59

もう笑うしかないですね。本当はこのレースもポガーチャルが出場予定だったようです。YouTubeでライブを見てたんですが、やっぱりE3でMVDPのポガちゃり(名詞)に一番頑張って対抗していたのがペダーセンでしたからね。ポガーチャルもMVDPもガンナもいなかったから、今度は自分が、というわけで6人ほどの逃げグループから、ケンメルベルフの登りでアタック、56キロのポガちゃり(名詞)でした。

たしかに2位3位になったメルリールとミランとのスプリントだとちょっと分が悪いかもしれないから、ポガちゃるのが一番確実に勝てる方法なんだけど、最近はそう言うことをみんなが簡単にやれてしまうのが、少し前のレース模様からするとびっくりです。

つぎにみんなが顔を合わせるのは一週間後のロンデですかね。ポガーチャル対MVDPにペダーセンがついていくという構図がすでに見えています 笑)このところ忘れられているヴァウト・ファン・アールトの顔が見たいところですが。。。


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E3 は MVDP がポガちゃりました

2025.03.29.14:35



E3サクソ・クラシック、昔はE3ハレルベケとスタートゴール地点の地名がついていたんですが、セミクラシック。ロンデの前哨戦として、同じ石畳の丘もいくつかコースに入っているし、というわけでポガーチャルも当初はこのレースに参戦予定だったんですが、ルーベのために欠場です。

そうは言ってもMVDPだけでなくマッツ・ペダーセン、フィリッポ・ガンナ、ヴァウト・ファン・アールト、マッテオ・ジョーゲンソン、マテイ・モホリッチと有名選手が参戦。

で、レースはというと、残り80キロ、ロンデでもよくコースに入るタイーエンベルフの丘でマッツ・ベダーセンがアタックして、ついていったのがMVDPとガンナで、すぐに逃げていたカスパー・ペダーセンとアイメ・デ・ヘントを捕まえた後は、残り40キロの、これまたロンデの定番アウデ・クヴァレモントの丘でMVDPがアタック。必死で追い縋るマッツ・ペダーセンをちぎって、あとは独走の優勝でした。マッツ・ペダーセンとしては、あそこでついていければスプリントでの勝機もあったんでしょうけどね。

明日はヘント・ヴェヴェルヘムで、MVDPは出ないので、マッツとしては狙いたいところだけど、スプリンタークラシックだからねえ、集団スプリントになると、展開によってはジョナタン・ミランの発射台になるのかもしれません。


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カタロニア一周第4ステージ雑感。

2025.03.28.14:02

ケムナが逃げグループに入ったというので、放送が始まるのを楽しみにしてたんですが、始まったらすでにそこから二人が逃げてて、ケムナは追走のその他大勢になっていました 笑)

でも、一年の負傷休養後の最初のステージレースですからね。逃げグループで長時間逃げ続けられたのは自信回復になったことでしょう。一方でシュタインハウザー、去年のジロでグランツール初見参で見事にステージ勝利を上げた選手http://tatsuya1956.blog48.fc2.com/blog-entry-4914.html。ウルリヒの甥っ子として知られていたんですが、もうそんなレッテルはどっかに行きましたね。

というわけで、昨日はログリッチ、瞬発力が落ちたか?なんて言ったんですが、まあ、アユソが強いということですね 笑)ビッグ4に迫る強さ。数年後にはどこかのグランツールのエースでしょう。


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ポガーチャル、やっぱり!

2025.03.27.14:09

カタロニアでは下馬表通りのアユソ対ログリッチの様相を呈してきましたが、昨日のステージ、ああいうコースでは常に圧勝してきたログリッチがアユソを捕まえきれませんでした。35歳、キレがちょっと落ちたのでなければいいんですけど。スローで見ると、投げるタイミングがちょっと遅れたかなぁ。あの投げはものすごく伸びたけど、ゴールライン過ぎてから伸びたって感じでした。前にも書いたかもしれなけど、ドイツ語ではああいうゴール前の投げを虎のジャンプ Tigersprung と言うんだけど、まさにその言葉にふさわしい伸び方をしたんだけどね。

さて、去年から拙ブログでもさんざん書いてきましたが、やっぱりポガーチャルはパリ〜ルーベに出場になりました。個人的には出るとしたら、最後の最後かな、と思っていたんだけど、ここへきて様子がおかしいし、ポガーチャルがいかにいたずらっ子の要素があるといっても、こんなにいろんな情報をばら撒いて出ないってのもどうなのかな、と思っていたところへ、ミラノ〜サンレモで勝てなかったので、これはルーベにでるな、と思ったんですが、やっぱりね、という感じです。

ただ、その一週間前のロンデ・ファン・フラーンデレンもディフェンディングチャンプで出場だから2週続けてハードなレースになりそうです。しかし、以前パリ〜ルーべのためには体重を増やさなければ、と言ってたけど、パリ〜ルーベが終わった後に減量に励んでツールに臨むということでしょうか?


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カタロニア一周第1ステージ雑感

2025.03.25.21:56

第一ステージはなかなか見られないようなステージでしたね。努力すれば報われるという見本のようなマシュー・ブレナンの勝利でした。まあ、大抵は努力しても報われないものなんですが、こういうこともあるということで、こういうレースを見て、人は活力を得て、また報われることのない努力をするものなのでしょう 笑)

しかしこのブレナンという選手、3月8日以来出場したレースで4連勝。まだ19歳ってのも驚きでした。

で、ケムナが去年の3月初め以来1年以上の空白期間を経ての復帰レースでもあるんですが、本人もまずはアシストとして走るといっていたように、第一ステージは8分以上遅れてゴールでした。どっかで逃げグループに入らないかなぁ、と密かに期待しているんですがね。

というわけで、すでに第二ステージが始まっていますが、今日も昨日と似たようなレイアウト、まさかのブレナン5連勝もあるのか??


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オーブリー・ビアズリー展

2025.03.25.18:21

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すっかり忘れていたんだけど、大学生4年になった頃(うらに1977年5月1日の日付がありました)、ビアズリーのサロメを刺繍していました 笑)なぜ? いやホントに覚えてないんだけど、ずいぶん時間かけてちまちまと作ったことは覚えています。たぶん下絵をトレースして作ったんだと思います。大きくしてみればかなりアラが目立つけど、遠目にはサロメだとわかるでしょう? しかし、なんでこんなことしたんでしょうかねぇ。。。苦笑)

小学校の頃は図工や家庭科は得意な方でした。特に家庭科の刺繍は好きでしたね。絵も小学校の前半ではみんなから上手だ上手だと言われてました。ところが、小学校5年でクラス替えがあった最初の図工の時間、石膏像の写生をさせられたんだったと思うけど、みんなが僕の絵を見て、うまいうまいと言ってくれていい気になっていたら、あっちにいる吉田の方が全然うまいと言うやつがいて、見に行きました。一目見た瞬間に、あ、こりゃかなわんわと思いましたね。レベルが違う。これまで違うクラスだったから知らなかっただけでした 苦笑)

そいつは早くしてあっちへ行ってしまったんだけど、大学卒業後もしばらく付き合いがあって、小説や漫画や映画など、いろんな話をしたし、ずいぶん教えられたものでした。

さて、ビアズリーはその繊細さが好きだった時期があります。たぶんその頃に買ったんだと思うけど、こんな本も出てきました。

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ただ、その後は好みが少し変わってすっかり忘れていたんですが(好きだったことすら忘れていました 笑)いま、東京駅の三菱一号館美術館で展覧会をやってたので見てきました。実にいつ以来か? の東京駅でした。

さて、ヨハネの首を持つサロメは2種類あります。

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先の院曲撒羅米では表紙と本文中にそれぞれが配されていますが、僕の刺繍はどうやら表紙の方を元にしたようです。今の好みでは本文中の空白の多い方がいいと思うんですけどね 笑) 調べてないから間違っていたら直しますが、おそらく後の方(本文中の方)が、サロメの頭のあたりの点描から、後期のものではないでしょうか。後期といってもビアズリーは19歳から25歳の6年間しかなかったわけですけど、展覧会でも示されていましたが、23歳ぐらいから点描を使うようになっているそうです。

というわけで、平日のお昼を挟んだ時間帯でしたが、混雑度はそれほどでもなく、結構ゆったりと見ることができました。18歳未満の方は入室できませんという部屋もあって刺激的でありました 笑)


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MVDP の余裕??

2025.03.24.12:28

いやあ、世紀の一戦という感じだったミラノ〜サンレモ。その後の展開で忘れ去っていましたが、チプレッサの上り口でパレ=パントルらが落車して道を半分塞いでしまったのが、デル・トロが前に出られなくなった原因だったようです。栗村さんが言ってたように、ピドコックもこれで遅れて、追いついた時にはすでにポガーチャルのアタックが決まっていたから、まあ、あれに追いつくためにはチプレッサを8分45秒以下で上らなければならなかったわけで、ピドコックにとっては悔しいでしょう。ただ、ピドコックが万全だとしてもあの3人に加われたかどうか。。。

というわけで、ポガーチャルがチプレッサとポッジオで繰り返したアタックの一つのシーンです。
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ポガーチャルのアタックを見ていながらボトルを確保してから反応して捕まえるって、リアルタイムで見ていた時にはマテウがなんとかついて行っているっていう印象だったんだけど、実は余裕でついていけてたのかなぁ。


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チプレッサの最高記録

2025.03.23.11:58

まあ、機材が違うし、トレーニング方法も全く様変わりしてしまいましたからね。ドーピング全盛の時代に作られた記録もどんどん破られていきます。これまで30年間破られなかった記録、1996年(前世紀だよ!)のガブリエル・コロンボとアレクサンダー・ゴチェンコフ(この選手の名前は記憶がないです)の9分17秒を30秒近く更新、8分45秒で登り切ったそうです。

ただ、レース後のジャネッティ監督のいうところでは、ヴェレンスのあと、去年と同様デル・トロが全開で行く予定だったのが前に出られなかったようです。ただ、ポリットも言うように、作戦は誰かができない時には代わりの者が行くということで、デル・トロの代わりにナルバエスが行ったと。順番に入れ替えがあったとはいえ、実質的な影響はなかった。単なる細部にすぎない、とポリットは言っています。

やっぱりこのコース、ポガーチャルにはハードさが足りないんだろうなぁ。本人も、ポッジオはあと5キロ長くて10%あったら、と言ってますね。

このコースで大逃げが決まった1982年のレースのことは書いたことがありますのでリンクしておきます。興味があればどうぞ。

ミラノ〜サンレモ1982年


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ミラノ〜サンレモはMVDP

2025.03.23.01:16

いやあ、最後の30キロぐらいからはもう目が離せなくなりましたね。マテウ・ファン・デル・プール(と敬意を評してきちんと書いておきます 笑)が強かったのは間違いありません。しかし、個人的にはサロンニ以来のアルカンシェルのバンザイが見たかったなぁ。

しかし、チプレッサでのUAE、どうだったんでしょうね。ヴェレンスがペースアップした時、ポガーチャルは20メートル以上後ろでした。ナルバエスがポガーチャルを連れて上がり、そのままヴェレンスに代わってペースアップしてポガーチャルがアタックしたわけですが、最初の時点での2、30メートルのハンディはあのクラスだと関係ないのかな?

いずれにしても、9分を切るタイムで、他の選手たちはみんなちぎれたんだから、ついてこれた二人はやっぱり強かったんでしょう。

そして最後。Jスポでも栗村さんが盛んに言ってたように、ポガーチャル、なんで残り400メートル弱であんなに後ろに下がったんでしょう? あそこからアタックするつもりだったけど、先にMVDPに駆けられてしまったということなんでしょうか? どうもそうは見えなかったけど。。。マテウとガンナを前に出させて、二人の睨み合いの隙をつこうとした?? いやあ、わかりません。

しかし、ポガーチャル、これでパリ〜ルーベ出場の可能性が高まったんじゃないでしょうかね。


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今夜ミラノ〜サンレモです

2025.03.22.15:04

去年もそうだったけど、MVDP対ポガーチャルの図式は今年も変わりませんね。去年はMVDPがフィリプセンのアシストに徹して、見事に思惑通りになりましたが、今年はどうでしょう??去年も予想したんですが、ポッジオの前のチプレッサ峠でポガーチャルがポガちゃるのを期待しているんですけどね。チプレッサで9分を切るタイムで登れば、かなり小さな集団になるはずなんですけどね。

去年も実際はそれを狙ったはずだったんだけど、チプレッサを全力で引き倒すはずのデル・トロが、麓での位置取りで失敗してしまいました。同じことをもう一度やらかすわけにはいかないでしょう。

でディフェンディングチャンピオンのフィリプセンは水曜のノケレ・クールセで落車リタイアしているので、今回はどうなんでしょうね。rsn では本命二人以外に、ティレノ〜アドリアティコとパリ〜ニースで調子が良かったガンナとマッツ・ペダーセンの名前も上がっていますが、ペダーセンは雨が降って欲しいなんて言ってるようです。

まあ、個人的にはチプレッサでポガーチャルが逃げて欲しいけど、ちょっと登りの距離が短すぎるかなぁ。。。いずれにしてもミラノ〜サンレモは距離が長いだけで、他のモニュメントにくられべても難しいコースではないだけに、ポガーチャルにとっては、逆に勝つのが難しいレースと言えるのかもしれません。

最後に去年と同じことをまた書きます。このレースで、ジュゼッペ・サロンニ以来のアルカンシェルでバンザイする姿を見たいものです。


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メフィストフェーレス

2025.03.21.15:00

うーむ、メフィストフェーレス(メフィスト)と言っても通じなくなっちゃったんでしょうか? 少し前に若い人と話してて、メフィストフェーレスという言葉を出したら、なんですかそれ?と言われました。

もちろんゲーテが生涯をかけて書き継いで、死の直前に完成させた大部の戯曲「ファウスト」の中に出てくる悪魔ですね。もともとは中世ヨーロッパの伝説に材を取ったようですが。

功成り名を遂げた老学者ファウストが、それでも自分は何も知らないと悲嘆し、この世界のあらゆることを知りたいと悪魔メフィストフェーレスと契約する話といえば知っている若い人も多いのではないでしょうか。

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「一体この世界を奥の奥で統べているのは何か。それが知りたい。そこで働いている一切の力、一切の種子はなにか。それが見たい。」(森林太郎訳、旧仮名漢字変更済)と思ったファウストは、メフィストと「おのれがある『刹那』に『まあ、待て、お前は実に美しいから』と言ったら、(中略)おのれはそれきり滅びても良い」(同)つまり、自分がこの世の全てを知って満足したら自分の魂を地獄へ持っていって良いと言って契約するのですね。

このメフィストがなかなかに愛(う)いやつなんですね。弁舌巧みでユーモアもたっぷり、いたずら好きで、ファウストのために骨身を惜しまず、なかなか憎めないやつなんです。ゲーテの「ファウスト」では、ファウストが契約の言葉を口にしながら死んでメフィストがファウストの魂を手にする直前に「永遠に女性的なるもの」 笑)によってファウストは天上に救われていってしまって地団駄踏むわけですが、元々の伝説ではファウストは魂を悪魔に奪われて地獄へ連れ去られることになっています。まあ、何にでも興味を持つ人間の知識欲を諌める一種の教訓話だったのでしょう。

ゲーテのは戯曲だし、第一部はグレートヒェンとの恋の話だからともかく、第二部なんかやたらと長いし、注だらけだし、今どきこんなものを読むのは独文科の学生にもあまりいないでしょうけど 笑)

で、メフィストですが、私の世代だと子供なら誰でも知っていたんじゃないでしょうか。「悪魔くん」というテレビドラマがあって、そこでメフィストが出てきます。まあ、原作は水木しげるなんですが、ドラえもんがメフィストに姿を変えたといってもいい役回りでした 笑) 学校でも決め台詞「エロイムエッサイム」とか流行っていました。
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漫画家の手塚治虫は若い頃にさまざまな文芸作品を漫画化していますが、「ファウスト」も描いていて、そこでのメフィストは犬でした 笑)
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しかし、絶筆となった「ネオファウスト」ではメフィストは若い女子学生の姿です。
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映画もあります。無声映画時代のムルナウという名監督が作ったものは映画史上に残るものですが、メフィストは第一回アカデミー賞主演男優賞を取ることになる名優、エミール・ヤニングスが演じていますが、ちょっとぽっちゃりしたメフィストです 笑)
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あるいはアラン・ドロンの前のフランスを代表する美男俳優ジェラール・フィリップ様がメフィストをやった「悪魔の美しさ」というのもあります。
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なかなかいいでしょう?? 日本映画でも出てきますよ、メフィスト。黒澤明の名作「生きる」では、伊藤雄之助が、では私がメフィストになりましょう、ちょうどいいや、黒犬まで出てきやがった、というシーンがあります。これまで真面目一筋の志村喬に歓楽を教える小説家という役どころでした。
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うーむ、のちに同じ黒澤の「椿三十郎」で馬面の平和的な家老役をやってますが、若い頃は結構2枚目ですねぇ。

拙ブログでも昔紹介したロシアのソクーロフの「ファウスト」もあります。これ、かなり好きな映画ですが、色んな意味でソクーロフらしさがあって、万人受けするかどうか 笑)そこで出てくるメフィストはアントン・アダシンスキーというロシア人俳優がやってて、ここでのメフィストは高利貸しを営んでいるのですが、ハンナ・シグラ演じる奥さんまでいます。なにしろ気持ち悪いやつでした 笑)
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1980年ごろにはハンガリーの監督サボー・イシュトヴァンの、その名も「メフィスト」という映画がありました。
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これはメフィスト役として有名だったグスタフ・グリュントゲンスという俳優をモデルに、彼がナチスに取り込まれていく様を描いた映画でしたが、当時見たんだけど、それほど記憶に残ってません 苦笑)実際のグリュントゲンスはこちら。
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変わったところではチェコの粘土アニメの巨匠ヤン・シュヴァンクマイエルが作った実写と糸釣人形と粘土のアニメを合成した「ファウスト」もあります。これはゲーテではなく、伝説を元にしているので、グレートヒェンとの恋の話はでてきません。そしてファウストも救われません 苦笑)

ここで出てくるメフィストはちょっと雰囲気が違い、ホラーっぽいです。糸釣り人形でも出てくるけど粘土アニメの方が怖い 笑)なにしろシュヴァンクマイエルという監督は気持ちが悪いんですよ。食べ物を食べるシーンも多いんだけど、どうも食欲が減退するようなものばかり 苦笑)                                              
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こちらは木彫り?の糸釣り人形のメフィストで、こいつは若い女性に変身してファウストを誘惑します 笑)そのシーンはなかなかに気持ち悪い 笑)
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と、いろいろご紹介しましたが、きっと他にもメフィストが出てくる映画はたくさんあることでしょう。これを読んだ方で、他にメフィストがでてくる映画があったらコメント欄で教えてください。

というわけで、昨今はオールドメディアはダメだ、嘘ばかりだ、自分はただ本当のことが知りたいだけだ、と言って、変な陰謀論に引き込まれてしまう人がたくさんいるようです。これってカルトにハマってしまうのと同じ構造だろうなと思っています。

そうなってしまう人たちを情弱とか頭が悪い、みたいな言い方をする人も多いけど、僕はそういうものではないんだろうな、と思っています。ファウストのように真理を極めたい、本当のところを知りたいと称して、現実を自分の都合の良いように捻じ曲げて解釈したがるのに、情報弱者とか頭の良し悪しと性格の良し悪しとかって、まったく関係ないでしょう。

人生ってなんなのか? 人はなんのために生きるのか? とか、社会をもっと良いものにするためにはどうすればいいのかって真面目に考えた優秀な人がカルトや陰謀論にハマっていくケースも多いわけで、まあ、言うなれば「真実を知りたい」と、陰謀論というメフィストと契約して魂を売り渡してしまうわけです。

昨日の東京新聞、オウム真理教事件を振り返って、宗教学者の辻隆太朗さんという人がこんなことを書いていました。

「陰謀論に取り込まれないようにするには、何が大切でしょうか。オウムの場合(中略)『明快かつ単純な答え』をうちだしていたことが、信者を惹きつけました。曖昧さや両論併記はなし。すでに正解がある以上、議論は無意味。(中略)【しかし】そもそも、この世に、あるいは自分が存在することに、意味があるのか。あるとしても神ならぬ身に分かりうるのか。『わかる』としたら、思い上がりではないのか。(中略)【現代は】『わからないこと』『曖昧なこと』への耐性が求められる時代なのだと思います。」


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ミラノ〜トリノ、雑感

2025.03.20.12:07

うーむ、増田選手、スタートして20キロぐらいのところで逃げに乗ったようですが、ああなるのは分かりきっていたけど、それでも残念でした。

Jスポでは1876年から行われている、と言ってましたが、いやいや、1876年に行った後、2回目は17年後の1893年ですから、なんとも言い難いですねぇ 笑) もっと古い時代に行われた都市間レースもあるし(後述)、正確には現在も行われている最古のレースというべきでしょう。

第一回の優勝者はパオロ・マグレッティという人ですが、この人をウィキで見ると昆虫学者として有名で、蜂の研究の最初の第一人者だったようです。6カ国語のウィキに乗ってますね。昆虫学者としての業績が主で、自転車選手としては完全におまけのように書かれていますが、同時にアフリカなど各地を探検旅行して、当時のヨーロッパ中心主義・植民地主義に反対する立場に立ったと、まあ、立派な人だったようです。

第一回ミラノ〜トリノでの彼の記録は、距離150キロを10時間9分で、平均時速は14.7キロとあります。

ところで、本当の意味での最古の都市間自転車ロードレースは1869年のパリ〜ルーアン、普仏戦争の前の年ってことはドイツはまだ一つの国として成立してませんね 笑)このレースの優勝タイムも距離は123キロで10時間45分と似たようなもので、こちらをウィキで検索すると優勝者と自転車の写真が載っていて、後輪がかなり大きな、ペダルが前輪に直結したオーディナリー自転車ですね。クッション性なさそうだし、そもそも道も舗装路ではなかっただろうし、登りはどうしたんでしょう? これでは買い物自転車並みの速度だったというのも納得です。

というわけで、昨夜のミラノ〜トリノは前半がほぼ真っ平で、残り20キロ強でやっと山が一つ、それを下って最後に5キロほどの急坂登りゴールというレイアウト。逃げは選手がストライキでも起こさない限り、絶対ないってコースで、やっぱり最後の登りでの駆け引きで決まりました。メキシコ人初優勝です。

最後の2キロからのレース展開と駆け引きが面白かったですね。大きな集団がボロボロと削られて、アダム・イェーツがスピードアップすると10人以下に。後ろのマーク・ヒルシやマイケル・ストーラーらの強豪集団が追いつきそうで追いつかない。このままアダム・イェーツがどこまで引くのか、それともひょっとしてもう一段ギアを上げてポガチャるのかとおもったら、完全に優勝したイサーク・デルトロのためのアシストでしたね。

デルトロがアタックして3人になった後、550メートルぐらいでトビアス・ヨハンネセンがアタックした時は、UAEとヴィスマという強豪ライバルチームの中でウノXのヨハンネセンに勝たせたいと思ったんですがねぇ 苦笑) 強豪ライバルチーム同士だし、牽制してくれれば逃げ切れたかもしれないですけどねぇ。こればかりはなんとも言えませんね。


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ポガーチャル、パリ〜ルーベ出る?出ない?

2025.03.17.13:25

いやぁ、今年は絶対ないと思っていたんですがねぇ。本人が煽ってますね。UAEチームの監督マウロ・ジャネッティがストラーデ・ビアンケの落車を見てパリ〜ルーベはないと言ったそうですが、日曜日に、ご本人がフランス語ポータルのインタビューでサプライズを匂わせたそうです。

ポガーチャルの話。「ルートを視察しました。非常に興味深いと言わざるを得ません。私が出場する可能性は十分にあります。今年になるか来年か、それは言えないけど。可能性は常にあります。まあ、どうなるかわからないけど。

当初はあそこで勝利を目指すのは私には難しいと思っていました。でも、視察してみて可能性があることがわかりました。調子が合えばおそらく出場するでしょう。ミラノ〜サンレモの後に決断を下すことになるでしょう。」

うーむ、パリ〜ルーベのためには体重をもう少し増やさないと、と言っていたはずなんですけどねぇ。なんかいたずらっ子みたいなところがあるからなぁ。もうわかりませんね 苦笑)


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パリ〜ニース雑感

2025.03.17.11:20

レッド・ブル・ボーラとしては最初の二つの峠でマッテオ・ジョーゲンソンのアシストを切り離せたのはよかったんですがね。その後もリポヴィツとヴラソフが波状攻撃して、実際ヴラソフが飛び出せたところまでは完璧だったんだろうけどねぇ。

パリ〜ニースでは7連覇したショーン・ケリーの時代から最後の山として有名なエズ峠で、逆にジョーゲンソンのアタックを許してしまいました。あそこはマッテオ・ソブレロ(かな?)がジョーゲンソンのマークをしていたんだと思うけど、すぐに無線触って蛇行し始めたので、あの時点ではリポヴィツは後ろに下がっていたんでしょうね。

あの瞬間を考えると、ヴラソフが逃げずにアシストとして残っていれば、と思っちゃいますが、攻撃的になった結果だからしょうがないでしょうね。万が一リポヴィツがジョーゲンソンを切り離せたら、前待ちアシストもできただろうし。。。まあ、ジョーゲンソンが強かったですね。リポヴィツに逆転の目はなかったな 笑) むしろ総合2位とヤングライダー賞は上出来でしょう。ヴィンゲゴールとスケルモーゼがいなくなったとはいえ、シェフィールドやアルメイダ、アレンスマンなど、結構強豪が揃ってましたからね。

リポヴィツの話。「トップテンは狙っていたし可能だと思っていたけど、2位は予想外だった。この結果を本当に嬉しく思うよ。僕らはアレックス【ヴラソフ】を逃げに乗せて、それで何かやってやろうと思っていた。でもマッテオが今日はむちゃくちゃ調子が良かったね。別次元だったよ。

【ジョーゲンソンがあそこでアタックすることは考えもしなかった。】僕としてはまだ自転車競技を初めて日が浅いから【3年前まではバイアスロンの選手。】、まだまだ勉強することはたくさんあるね。でもこの1週間でチームからいろんなことを学んだよ。リーダーとして走れたことは僕にとって大きい。

最後の何日かを考えれば、もう少し力を温存して走ることもできた。この点はまだ改善の余地がある。でも僕らはうまく進歩できていると思うよ。リーダーとして走ったのは初めてだったけど、とても勉強になった。でももっともっと走れば、きっとそうしたことにも順応できるだろう。この1週間は、それが僕にできるという自信になったよ。」

この後はバスク一周でアシストとして走るそうです。エースはログリッチになるのかな? そうすると、ツールもアシストとして参加できるのではないでしょうか?


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映画「アンドレイ・ルブリョフ」と「鏡」を見た

2025.03.16.18:24

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タルコフスキー、数年に一度は見ないと気が収まらない映画です 笑) 「鏡」も「アンドレイ・ルブリョフ」も拙ブログでは何度も書いています。

「鏡」について
「タルコフスキーの『鏡』と『僕の村は戦場だった』他」
「映画『鏡』を見た」
「地球が滅びるときに見ていたい映画」
「アンドレイ・ルブリョフ」について
「映画『アンドレイ・ルブリョフ』を見た(完全ネタバレ)」
「タルコフスキーの『アンドレイ・ルブリョフ』」


今回は、先日ここにも書いた目黒区美術家へ行った時に、目黒シネマの前を通りかかって偶然見つけて見てきました。ルブリョフの方は後のタルコフスキーとは違って、アクションシーン、特に馬の疾走シーンや上からの俯瞰のシーンが多く、話はとてもわかりやすいです。でも、以前も書いたように、ルブリョフがタルコフスキー自身だということ、同時に鐘作りの少年もタルコフスキーのことだと思ってみれば、この映画の一層の深さが感じられます。そしてなにより画面の美しさ! 

鏡は「わたし」の夢や思いや記憶や願いが、それぞれなにか観念連合のようにつぎつぎと描かれているのだと思うと、また見え方が変わるような気がします。この映画は岩波ホールで初めて上映された時に見に行って、少し後に今は向こうへ行ってしまった友人が見に行くというのでついて行って、もう一度見たのでした。その友人とはその後もこの映画のことはずいぶん話しました。冒頭の吃音の少年の治療風景も、彼と話している最中に、お互いどちらともなく、そうか!と気がついたのでした。その後、辻邦生が新聞?で同じことを書いていたので、そのことでも、お互いに顔を合わせた時、辻邦生を読んだ? 読んだ読んだ! 同じこと言ってたね! と言って盛り上がったのでした。

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パンフレットの裏には入場券がたくさん貼ってあります。多分映画館で20回以上見ているだろうと思います。月並みだけど、タルコフスキーの映画は「詩」みたいなもので、何度見ても、見ている最中は楽しい。詩だって一回読んだらそれで終わりではなく、気に入れば何度も読みかえすものでしょう?

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それと、以前ここにも書きましたが、忍澤勉の「終わりなきタルコフスキー」にあるそれぞれのラストの解釈。今回、この本を読んでから初めて見たタルコフスキーだったので、特に注視したけど、うーん、そうかなぁ。。。ルブリョフのユロジヴィの娘が貴婦人になっているというのは似てるけど別人だと思う。たしかに思わせぶりに遥か向こうで少年を抱きしめるルブリョフを見ているんだけど。。。

もう一つ、鏡のラストに子供の頃の家が廃屋になっているというのも、このシークエンスの冒頭に森の中にあの家が見えるシーンがあるから、違うんじゃないかなぁ。廃屋に洗濯物を干さないと思うし。。。と思って、「アンドレイ・タルコフスキイ『鏡』の本」という大部の本のシナリオをみたら、そこでは壊れた荷車とある。パンフのシナリオ再録では放置されたままの倒れた木としか出てない。うーん、子供の頃の家が廃墟になっているというのはちょっと無理があるんじゃないかなぁ。。。

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と、ケチをつけたみたいだけど、この本はもう絶対にタルコフスキーファン必読の書だと思いますので、未読の方は是非!


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パリ〜ニース第6ステージ雑感

2025.03.15.10:45

レッドブル・ボーラはゼッケンからしてもヴラソフがエースだと思ったんだけどねぇ。ふたりが一緒にゴールしたTTTまではリポヴィツが強力なアシストだったんじゃないかと思ったんだけど、次の第4ステージでヴラソフが15分以上遅れてしまったのはどうしたんでしょうか? おかげでリポヴィツが予想以上の頑張りを見せています。

昨日は過去このレースを連覇しているシャハマンも少しだけ意地を見せた感じでした。後ろでちょっとだけでもお見合いしてくれれば、というタイミングでしたが、リドルもイネオスもレッドブルも複数の選手がいましたからね。即座に反応されてしまいました。

残り70キロでのヴィスマのスピードアップで集団がバラバラになって、総合上位が結構置いてきぼりをくらったのに、リポヴィツは上手く残れましたね。

リポヴィツの話。「チームが本当にうまく機能した。僕をいつでも前に位置取りさせてくれたんだ。この小さなグループにうまく入れたのはよかったよ。本当にハードな1日だった。本当に寒かった。週末はスーパーハードでいろんな可能性があるね。いろんなことがあるだろうけど、表彰台に残れるといいね。」

というわけで第7ステージはコースが40キロ近く短縮されますが、1614メートルのオーロンへの登りゴールは変わりなし。まあ、パンチ力があるタイプではないからステージ優勝はむずかしいでしょうけど、この登りなら上位ゴールは可能でしょう。3位のスケルモーゼとはほぼ20秒、4位のアレンスマンとは40秒の差なので、悪くても表彰台はなんとかなりそうな気がしますが。。。


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パリ〜ニース第5ステージ雑感

2025.03.14.13:59



ヨナス・ヴィンゲゴールがリタイアするのではないかという話が出ています。昨日のステージの序盤の落車で、手が痛くてブレーキ操作どころかハンドルを握るのも辛かったとのこと。ジョーゲンソンは骨折の可能性まで口にしたようです。多分日本時間の夕方頃にはどうするか決まっているのではないでしょうか。

一方でリポヴィツが調子いいですね。拙ブログで応援しているシャハマンやフェリックス・ガルは今ひとつかなぁ。

リポヴィツの話。「こういう登りでこんなに上手く走れるとは予想してなかった。いつもは短くて急勾配なきつい坂はいつもちょっとついていけなくなるんだ。だから自分でも驚いているよ。最高の登りだった。ヴィンゲゴールが痛がっていることはレース中はわからなかった。何事もないことを祈るよ。マルティネスがこういう短くてきつい登りではスーパー強いのは知っていたから、勝者としては当然だろうね。」


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目黒区美術館「中世の華・黄金テンペラ画」展

2025.03.13.23:11

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今日は午前中に東京は目黒区美術館へ。目黒という駅は、東京に住んで60年以上だと思うけど、ひょっとしたら物心ついてから初めて降りたかも。

石原靖夫のテンペラ画による中世から最初期のルネサンスの絵画の復元模写の展覧会でした。メインはシモーネ・マルティニーの有名な受胎告知の復元模写。

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おもにチェンニーノ・チェンニーニという画家が残したテンペラ画の作成方法を説明した「絵画術の書」をもとに(というか当初は独学だったそうですが、後からこの本の通りにやっていたことがわかったそうです)復元したもので、その復元過程など、テンペラ画ってこうやって書くんだということが具体的に説明されていて、とても面白かったです。

金箔が貼られた祭壇画とか絵画はヨーロッパへ行けば、美術館や教会堂でよく見かけます。でも、当時の輝きはさすがになく、特に教会にある場合は暗い上に蝋燭の煤などで金ピカな感じがなく、むしろかえってそれが逆に荘厳な効果を増しているところがあるのかもしれませんが、さすがに出来立ての金箔の貼られた絵画は輝きがすごいです。

絵の具っていうのはその色をした岩石をすりつぶして油と混ぜて作るんだそうですが、テンペラというのは油ではなく卵黄に酢を混ぜたものと混ぜるんだそうです。まあ、知識としては読んだことがあったけど、卵黄も鶏が何を食べていたかによって色が濃かったり薄かったりするそうで、色によってそれを使い分けるんだそうです。また金箔を貼った上にテンペラで描いて、テンペラを剥がして下地の金が出るようにしたり、映像で細かい技法が紹介されていて、わかりやすく面白かったですね。


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ティレノとパリ〜ニース雑感

2025.03.13.08:31

いやぁ、Jスポではティレノ〜アドリアティコとパリ〜ニースを微妙な差で放送してくれてます。昨日はティレノが距離も長いし豪雨のせいかペースが遅く、ゴールが追いついちゃうんじゃないかと思ったりしましたが、それを取り戻すようにパリ〜ニースの方も終盤にみぞれのためにニュートラルになって辻褄合わせ 笑)

ティレノでは長い山岳を登って平地になったと思ったら残り3キロでガンナがアタックしてびっくりしましたが、最後はグチャグチャのスプリント。アンドレア・ヴェンドラーメがうまいタイミングでロングスプリングを決めました。

終わってチャンネル変えると、パリ〜ニースはヴィンゲゴールがああいう形でゴール直前に捕まるとは思いませんでしたね。現時点ではポガーチャルほどの調子ではないということでしょうか。ごつい顔のポルトガル人、ジョアン・アルメイダがステージ優勝でした。ごつい顔といえば、最後の方ずっと逃げていたトビアス・フォス。どこの爺さんや?? というようないかつい肩幅とあの顔は思わず笑ってしまいましたが 笑) うん、あの髭はやめた方がいいです 笑)

拙ブログとしてはリポヴィツが調子が良いようで嬉しいところです。終盤何度かスピードアップし、最後は路肩で滑ってこけそうになってましたが、最後の削り合いをしのいでステージ5位は今後に期待できそうです。


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映画「真空地帯」覚書き(ややネタバレ)

2025.03.12.13:10

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初めて見たのは前世紀末だった。1952年に出版された野間宏の原作を同年に山本薩夫が監督してできた映画。見た直後に野間の原作も読んだ。内務班という旧日本陸軍の兵営生活のシステムがあって、小学校のような建物で10人ぐらいの班に分かれて、かなりたくさんの兵隊が共同生活している。新たに招集された新兵から2年目3年目ぐらいまでの兵隊がそれぞれの班に配分されていて、新兵を「まともな」兵隊にするためと称して、かなり陰湿で理不尽な訓練と生活上の指導がなされる。最終的にはそこから戦地へ送られていくわけである。

そんなことを思い出して、また見たいな、と思いながら、まさか!と思って YouTube を探したら AI によるカラー化されたこの映画が完全アップロードされていた。昨日の夕方、最初の15分ほどを見て、夕飯食べて、続きを見た。



カラー化は最初のうちはかなり違和感を感じるけど、しばらくすると気にならなくなる。ただ、白黒映画をカラー化することには、僕は反対だ。できれば輪郭をくっきりさせて、色はつけなくてもいいと思う。とは言っても、それも見ているうちにあまり気にならなくなる。

いやあ、なにしろ凄まじい。どんくさい奴は先輩から徹底的にいたぶられ、いじめられる。いじめなんて可愛いものではない。以前ここでも紹介した吉田裕の「日本軍兵士」でも書いてあったhttp://tatsuya1956.blog48.fc2.com/blog-entry-3867.htmlが、これでは死者もでただろうし、当然それは病死とか事故死として隠蔽されただろう。なにしろ兵隊っていうのは人殺しの訓練をさせられるわけだから、人間性とか優しい思いやりなんてなくなるし、野蛮になるのは当然だ。だから、どこの国の軍隊だって古来とんでもない犯罪的行為を行なってきたわけだ。だけど、内務班ではその野蛮さが部下や後輩に向けられる。

映画は2年半陸軍刑務所に入っていた木村功が戻ってくる。彼が刑務所帰りであることは班員には伏せられていて、映画のストーリーとしては木村功がなぜ刑務所に入れられたかがサスペンス的要素になっていて、一方で木村功が惚れて一緒になることを約束した女郎との恋がどうなるかがロマンス的要素となっている(かな? 笑)

いずれにしても内務班に閉じ込められた彼らは一般人である。召集令状一枚で家族から分かれて内務班に押し込められているわけで、それだけでも想像できない世界だけど、先輩後輩の序列がそれ以上に尋常じゃない。特に学徒兵に対する陰湿ないじめは、丸山眞男がやはりインテリのくせに、と毎日のように殴られたと言っているが、この映画でも凄まじい。

この映画に出ている俳優たちはみんな戦争に行っていたり(西村晃なんか特攻隊の生き残りだった)、学校の軍事教練で殴られてきた人たちだから、映画の中でのビンタはおろか、グーパンチもモロに当たっている。撮影とはいえ、殴られる方も顎を噛み締めて身構えているのがわかる。彼ら全員の歩き方や走り方、気をつけの所作も言葉遣いも、リアルさという点で今の俳優にはとうてい真似できない。「陛下」という言葉を口にするたびに、その場にいる全員が直立不動の姿勢をとるのなんか、今の時代ではギャグだよ。

佐野浅夫は、私の世代だと水戸黄門とかNHKのクイズ番組で好々爺振りを見せていた人だけど、これがもうものすごい嫌な奴でねぇ 苦笑) それだけに、最後、木村功が怒りを爆発させて殴る時の爽快感! あれ本当にパンチ当たってるよね。だけど、その爽快感もすぐに不快感に変わる。怒りに燃えた木村功は班の全員を殴り倒し、最後に木村をなにかと世話し庇っていた者まで殴り倒す。木村功のこの時の迫力はすごい。怖い。そして悲しい。

アメリカの映画でも「地上より永遠に(ここよりとわに)」ではモンゴメリー・クリフトが陰湿ないじめに遭うし、キューブリックの「フルメタル・ジャケット」での新兵いじめもパロディになるぐらい有名だ。またドイツ映画の「西部戦線異常なし」でも上官ヒンメルシュトス(と言ったかな?)は新兵を鍛えると称していやがらせをする。でもね。「地上より永遠に」ではバート・ランカスターのような理想的な上官は出てくるし、軍隊という組織そのものは否定されていなかったと思う。いじめた奴らは確か上官から成敗されたはずだ。

「フルメタル・ジャケット」のほうも、新兵いじめのおっさんは最後ノイローゼになった新兵に殺されたのではなかったか? そして「西部戦線異常なし」のヒンメルシュトスも最後は前線で怯えまくることになった。そういう意味ではいじめた奴らは軍隊組織の中で処罰された。

だけど、この映画の陰湿さ理不尽さは凄まじい。軍隊という組織の構造的な問題だ。初年兵としていじめられた者は、翌年新たな初年兵がくればいじめるだろう。上記の吉田裕の「日本軍兵士」では、戦地で兵站を軽んじ、兵隊たちを使い捨てのように扱って、補給も衛生も健康もすべて「自己責任」化されていた様子が描かれていたけど、いやいや、戦地に行く前に国内でこんな刑務所みたいなところに閉じ込められて、先輩から理不尽ないじめを受けて、いやぁ、兵隊になんかなるものじゃないね。僕はどうやらならずに済んだようだけど 笑)


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ストラーデ・ビアンケはやっぱりポガちゃりました 笑)

2025.03.09.19:43

乾燥した未舗装路を砂埃をたてて走っていく集団は美しいですね。昨夜は友川カズキライブで、打ち上げにも参加して終電近くで帰ってきたので、リアルタイムは見逃してしまいました。

友川カズキは久しぶりに最前列で見ましたが、途中弦が2本いっぺんに切れ、それでも切れた弦を手で払いながら歌う姿の格好良さ!



切れた弦が2本垂れているのがわかりますかね?

で、格好いいと言えば(ムリムリつなげます 笑)やっぱりポガーチャル。あのコーナーは過去20回ぐらい走ったそうですが、あの落車、後ろのピドコックがよくついていかなかったですね。3番手のコナー・スウィフトは付いて行っちゃって一旦止まりましたからね。フツー見ちゃうから、見た方へ進むという法則通りでしたが、ピドコックはポガーチャルの方を見なかったんでしょうかね。

しかし残り18キロぐらいでしたか、ポガちゃって、ピドコックをちぎったら、あっという間に1分以上の差ですからね。リザルトをずっと見ていくと、18歳のアルベルト・ヴィーテン・フィリプセンが6分遅れだけど完走してます。この選手はジュニアでは飛び抜けていた選手ですね。注目しておきたい若手です。


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今日の東京新聞「洗筆」に強い違和感

2025.03.06.13:30



作家としての曾野綾子について、僕は本を読んだことがないから何も言えない。でも今朝の東京新聞の「洗筆」には強い違和感を感じた。拙ブログで曾野綾子についての批判を紹介したのはもう10年以上前だった。

山崎行太郎の曾野綾子批判に拍手
まだまだ続く山崎行太郎の曾野綾子批判(拍手)
佐高信・山崎行太郎「曾野綾子大批判」

つまり、沖縄集団自決裁判というのがあった。ウィキでは大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判という表題で出てくる。主に大江健三郎が書いた岩波の「沖縄ノート」に対して名誉毀損と元軍人らが訴えた裁判である。ところが訴え出た元軍人らは大江の本を読んですらいなかったのである。要するに元軍人らは、曾野綾子の大江に対する反論本「ある神話の背景」にそそのかされたのである。しかも彼女は大江の書いた「罪の巨塊」(罪の巨大なかたまり)という言葉を「罪の巨魁」(罪の責任者)と誤読していた! そしてそれを指摘された後も知らんぷりを決め込んだ。いや、指摘された後も「巨魁」(責任者)の意味で論じ続けた。

ついでながら言えば、大江の本には元軍人らの名前は完全に匿名である。この「名誉毀損」を訴えでた裁判で彼らの名前が知られるようになったのである。意地悪な言い方をすれば、曾野綾子一派は彼らを使って民間人集団自決の軍への関与をなかったものにしようと目論んだのである。そのためには元軍人らの名誉などどうでも良かったのだろうとしか思えない。

そして結果は、大江・岩波書店側の完全勝訴。この元軍人らが沖縄の住民に集団自決を強制したことだけでなく、何人もの沖縄の民間人を処刑し、降伏を進言にきた女子供の首を刎ねたことが、かえって強調されることになった。彼らはアメリカ兵以上の沖縄民間人や味方の軍属(日本人だけではない)を殺傷したのである。ここには心理的に考えれば、彼らはアメリカ軍にやられ放題の腹いせを沖縄の民間人らに向けたということもあるのではないか? 彼らが敵であるアメリカ兵に銃を向ける以上に、少なくとも無抵抗の日本人ら民間人を多数殺害したのである。

拙ブログでは何度も似たようなことを書いてきたけど、僕が彼らの立場にいたらどうしただろうと考えると、僕らには軽々に彼らを非難できる立場には立てないと感じる。しかし戦争が終わって、彼らは少なくとも自分が戦時中にやったことを直視し、生涯にわたって供養に努めるべきだった。曾野綾子が「人間に善も悪もない」というのも一つの見識だろう(僕も基本的に個人の本質に善や悪というレッテルを貼るのは間違いだと思っている)が、では善意から説得にきて、無意味に殺された娘や子供のことはどう考えるのだろう? 「善悪」はなくても「罪」はある。しかも、そこに明らかな沖縄の民間人に対する差別的なものが見られるのは上にリンクした昔の記事にも書いたことだ。

曾野綾子はカトリックだそうだ。カトリックなら懺悔を勧めるべきだろう。それを本人らが読んでもいなかった本を使って、名誉が毀損されていると煽り、彼らをして自分は悪くないと開き直させる、いわば悪魔の囁きをしたのだ。

「洗筆」にはこの裁判について一言あっても良かったはずである。

追記(3/7、15:45)ちょっとだけ書き足しました。


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GPサマンはあっさりMVDP

2025.03.05.12:51

いやはや、久しぶりに風邪をひいて、日曜から寝込んでいました。今もちょっと調子は良くない状態で、日曜のクールネ・ブリュッセル・クールネの結果は昨日知った次第です 笑) 昨夜はGPサマンもあったようです。このレース、ベルギーのレースなのにサマンというフランス人の名前がついているのは過去に何度か書いたことあります。しかしゴール2キロ前に結構激しい狭い石畳路がコースになっててコーナーも多いし面白いレースです。周回レースというのも魅力的で、現地で見たいと思わせるレースの一つです。



で、あっさりスプリントでMVDPが優勝。なんか残り400メートルぐらいで一瞬スピードが落ちましたね。一列棒状だったのが塊になって、みんながMVDPのことを気にしたように見えました。MVDPもなんかフラフラと先頭に並んじゃった(押し出された?)なと思ったその瞬間にスピードアップ。あとは誰も追いつけないという感じでした。先日ヴァレンショルドには敗れたもののフィリプセンに先着したフランスのポール・マニエが2位に入ってます。

今シーズン最初のロードであっさり優勝。当初は残り65キロで単独アタックしたり、その後もインターマルシェのタコ・ファン・デル・ホールンと二人で逃げようとしたりしたようですが、結局マークがきつく、残り50キロ地点でチームに、ゴールに備えてエネルギーを温存すると伝えたそうで、思惑通りの結果になりました。


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ヘト・ニウスブラットはヴァレンショルド

2025.03.02.00:34

いやぁ、すでに南の方ではレースが始まってますが、やっぱりベルギーのセミクラシック、かつてのヘト・フォルク、現在のニウスブラットが行われて、本当に自転車レースのシーズンが始まったと言う感じです。特にこの7、8年は最後の最後に、ロンデ・ファン・フラーンデレンの山場の一つ、カペルミュールとボスベルフがコースに取り入れられています。ただし距離はロンデより50キロぐらい短いけど。

先ほどYouTubeのライブで残り30キロちょっとぐらいから見はじめたんだけど、最初はずっと7人の無名選手が1分半ぐらいの差で逃げて、ジョシュア・ターリングが50秒ぐらいで追走していたのが、スピード上がったら一気に追いついちゃいましたね。残り18キロぐらいのカペルミュールではリドルのヴァチェクが強く、先頭に出ると大集団が一気にばらけて、先頭は14、5人ぐらいになりました。

残り10キロでそこからキュングがアタックして逃げ、15から20秒の差がつき、後ろも後続集団が追いついて40人ぐらいの大きな集団に。しかしキュングとの差は縮まらず。残り5キロで17秒差。後ろにはヤスペル・フィリプセンやヴァウト・ファン・アールトがいるのでアルペツィンとヴィスマのアシストも必死で引いて、残り1.2キロでついに捕まってしまいました。ひょっとしてキュング行けるんじゃないか、と思ったんですが、やっぱりダメでした。ああなると、つい応援しちゃいますね 苦笑)

最後はフィリプセンとフランスのポール・マニエ、ノルウェーのセーレン・ヴァレンショルドの3人が投げ合ってヴァレンショルが優勝でした。マニエが2位でフィリプセンは3位。ヴァレンショルドはこれまでも小さなステージレースではちょくちょく勝ってますが、ワールドツアーレースでは初勝利ですね。


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映画「ポインツマン」覚書き

2025.03.01.14:47

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1989年に池袋のロッポニカ池袋という映画館で見たオランダ映画です。登場人物も5人だけで、セリフはほとんどないし、ラストもなんだかよくわからない。男はオランダ語を話し、女はフランス語を話していて、お互いに言葉による意思疎通は不可能で、なおかつ動かない系の映画で、普通なら忘れてしまっておかしくないのに、なぜかずっと覚えていました。

で、ふと思い立ってYouTubeを探したら、やっぱりありました 苦笑) 英語の字幕とロシア語?のナレーションがついてますが、アップした人はポーランド人のようです 笑)ロシア語はともかく、英語の字幕も簡単な英語で、なによりほとんどセリフがないので、見るのに支障はありません。どうせ、主人公二人はお互いに言葉が通じないんだし。

いつか、どこかの、人気のない荒野の中の寂れた鉄道のポイントが舞台で、ポイント切り替えで停止した電車から間違えて女が降りてしまいます。電車は女を無視して走り出し、近くにはポイント切替のための小さな家があって、そこに生真面目で一途な男が住み込んでいる。で、お互いに言葉が通じない 笑)しかもそこを列車が通過することは滅多にない。

舞台はオランダでないことは確かです。そして過ぎていく時間も少しおかしい。草が茂る草原は突然雪景色に変わっていたりします。カチンコチンに凍りついた汽車の運転士が家に運び込まれて、みんなでそれを溶かして生き返らせたり、へんな笑えないユーモアとおとぎ話じみたところがあります。なにしろここでは時間が変で、時間の隙間に閉じ込められたような感じです。ラストはあっという間に蜘蛛の巣が。。。

無口な青年の一途な愛というにはちょっとシュールな世界が展開されます 笑)あ、でも忘れられないでいたのはこの青年って俺と似てると思ったせいだな 爆)

この監督はヨス・ステリングというオランダ人で、当時のヨーロッパではかなり著名だったようです。この映画とほぼ同じ頃にレンブラントの晩年を描いた、やっぱりセリフがあまりない映画も見ました。こちらはレンブラントという人の生涯、特に3人の女性と晩年の悲劇を予習しておくと、それなりに面白く見られます。なにより、光と影のコントラストの強い、黒と黄金色を強調したレンブラントの絵そのもののような映像が美しいです。

まあ、この監督については「さまよえる人々」という、これまた訳のわからない映画もあるんですが、これについてはまたいつか 笑)


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今日の東京新聞、憲法違反の組合弾圧

2025.02.28.19:01

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僕は関西生コンの組合のことはユーチューブの山本太郎のおしゃべり会で初めて聞いた。


(1時間38分40秒ぐらいから)

いや、それ以前にも反社と大石とか、関西生コンは反社とか、れいわの大石あきこが関西生コンとつながっているとか、そんな見出しは見たことがあるけど、きちんと読んだことはなかった。いつもの印象操作だとおもっていたし、今もそう思っている。ただ、上の記事でわかるように、大石あきこが関西生コンの労働組合と繋がりがあったとしても、(そもそも大石自身がそれを否定していない)問題なんか何もない。むしろ大石は労組潰しに抵抗する側にいると言うだけだ。

反社という言葉で連想するのは暴力団だろう。いやあ、昔の労働組合のことを少しでも覚えていれば、労働組合は会社が雇った暴力団に襲われたものだ。個人的に聞いたこととしても、ある職種の組合の人から、団体交渉したら相手方に、あきらかにその筋の人と思われる怖そうな人が出てきて大声で恫喝したという話を聞いたことがあるから、上のYouTubeで大石が言っていること(「暴力団から雇われた人に襲撃されて肋骨折られた」)は本当のことなんだろう。

また、大石が冒頭言っている「関西生コンってすごくいい組合ですよ」と言う言葉の真意も、当たり前だけど、組合員(労働者)のことを守るために一生懸命だと言う意味なのは明らかだ。ただ、この辺りの感覚は質問してきた少年にはよく理解できなかったのではないかと思う。大石が最後の方に言っているように「暴力団に襲われたりするからこっちも暴力団みたいな風貌になっていく」っていうのだって、マル暴の刑事たちが暴力団員より怖そうなのは有名な話 笑)

1970年ごろにブームだった高橋和巳の「我が心石にあらず」という小説では労働組合のリーダーが主人公だった。必ずしもそれがテーマの小説ではなかったけど、組合活動の苛烈さが描かれていた(と思う)。20世紀末の冷戦終結とともに組合運動というものも完全に廃れてしまったから、今の若い人たちにはわからないんだろう。いや、僕も実体験はないけど。

ただ、学生の頃まで、春闘の時期には普通に国鉄がストで動かないというのはよくあった。もうそういうことも無くなってしまったから、若い人たちにはストライキがなにか犯罪行為のように感じられるのかもしれない。いや、21世紀に入ってそういう印象を使用者側が広めてきたんだろう。

若い人たちは、自分たち労働者の権利を守る組合活動を反社の犯罪行為と同一視しているのかもしれない。そうやって自分たちの権利を踏み躙られても、自己責任と言って自分を慰めるのだろうか? そう考えると、上の山本太郎のおしゃべり会での質問者に対しては、まず労働組合ってなんだか理解してますか?という質問から始めるべきだったのかもしれない。

しかし、ストライキするぞと脅して賃上げ要求することを、「恐喝して解決金を脅し取った」なんていう時代になったんだね 笑)でも、とりあえず司法はまだまともだったわけだ。当たり前だよね。記事にもあるように憲法28条を読めば憲法違反の組合潰しだと言うことは十分考えられる。

「憲法第28条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保証する」(ついでながら、労働者を使用する側が団体交渉を拒めば法律違反(不当労働行為)だ。)

小泉の時代あたりから始まって安倍の時代に決定的になった政治による憲法軽視が、とうとう行政(警察・検察)まで波及して、憲法に明確に書かれている労働者の権利を軽視して弾圧するようになった。なんかなぁ、20世紀ならこんなの全体主義国家のイメージだよ。ディストピアSF小説の世界だよ。


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2026年ツールはバルセロナでTTTで開始

2025.02.27.10:52

チームタイムトライアルって、昔はアマチュアの世界選手権で行われていました。1990年の宇都宮でもソ連か東独のどちらかが勝ったような記憶があります。というか、毎回このどちらかが勝ってたような 笑)

当時のこの競技はできるだけ平地でコーナーも少ないコースを、1チーム4人で男子100キロ、女子50キロで行われていました。宇都宮の時は高速道路を封鎖して50キロ往復だったように記憶しています。要するに、トラックでやったら各チームごちゃごちゃで邪魔になるだろうし、危険だということでロードで行われているという程の競技でした。宇都宮の時はテレビのニュースでちょっとだけやってましたが、当然観客なんかいませんでした。

神鍋で行われていたホビーレースでも、距離はずっと短かったと思うけど開催されて、私が所属していたホビーレースチームも参加しました。私は出てませんが 苦笑)

当時は4人のうち3番目でゴールした選手のタイムが持ちタイムになったので、一人は切り離して良かったわけです。そしてやめた一人は完走する必要はないから、大抵途中でコースの外でひっくり返っていましたね。ただ、一人がいなくなった後の3人は地獄の苦しみだったことでしょう 笑)

ツールでも何度か行われています。4番目か5番目にゴールした選手のタイムがチームのタイムになり、遅れた選手のタイムはそれぞれその選手がゴールしたタイムになるというやつでした。 最近でも23年のブエルタがやっぱりバルセロナでのTTTで始まりました。

この競技の面白さって4人とか5人になって、もう一人も遅れるわけにはいかない、となった時の選手の表情なんですよね。だから中継なんかもラスト数キロになったらバイク並走で選手の顔をアップで映してもらいたいと、ずっと思ってました 笑)

来年のツール・ド・フランスはグラン・デパールがスペインのバルセロナで、しかも過去何度か世界選手権のコースにもなっているモンジュイックの丘が入ります。モンジュイックの丘はバルセロナオリンピックで有森さんが銀メダル取った時のコースでもありました。また、1984年の世界選手権でクロード・クリケリオンが独走で優勝した時のコースでもありました。我が家にはその時のポスターが飾られています。

IMG_0235.jpg

というわけで、話があっちこっち行ってますが、26年のツールの場合、昔のTTTとはだいぶルールが違います。いわゆるチームスプリント方式というのか、トップでゴールした選手のタイムが持ちタイムになります。他の選手たちはそれぞれゴールしたタイムになるわけです。2023年のパリ〜ニースで行われたスタイルですね。当時は拙ブログでも否定的コメントを書きましたっけ 笑) その時「グランツールとかで導入されないことを祈ります」と書いたんですが、その祈りは通じませんでした 笑)


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アンコウ

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あんけ・たつや。欧州ロードレースに興味を持ってすでに30年以上。主にドイツ人選手を応援。特に青田刈りにいそしむ。歳にも関わらず、あらゆる点ですごいミーハー。そのほか好きなものは、読書、音楽はバッハと友川カズキ、北方ルネサンス絵画、映画、阪神タイガース(村山、江夏以来ですが、強すぎないこと希望、弱すぎはもっと困るが)。北欧の社会民主主義に対する憧れ強し。家族構成は連れ合いと娘三人。

* 時々コメントが迷惑コメントとしてゴミ箱に入れられることがあるようです。承認待ちが表示されない場合は、ご面倒でも書き直しをお願いします。2017年8月3日記す(22年3月2日更新)

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