2024/11/08
横浜市の昆虫類:トリバガ科など
横浜市内で撮影した、トリバガ科など5種を紹介します。ヒルガオトリバ、18.Oct.2014 神奈川県横浜市鶴見区佃野町。
よく似た種類が多く、見分けるのが難しいグループですが、本種は比較的見分けやすい種類です。
このグループは、小型種で構成されているグループで、このように特徴的な止まり方をします。
トリバガ科:Pterophoridae
ヒルガオトリバ Emmelina argoteles (Meyrick,1922)
分布:北海道・本州・四国・九州・対島・中国・ロシア南東部・シベリア・カムチャツカ・インド・ヨーロッパ
食草:ヒルガオ・ハマヒルガオ・サツマイモ・ヒロハヒルガオ
成虫出現期:7月-9月
生態など:夏に出現する個体は小型。
ブドウトリバ、16.Jan.2016 神奈川県横浜市緑区四季の森公園。
この種類も比較的特徴的な種です。
成虫出現期は6月-9月とされていますが、冬も発生するようです。
トリバガ科:Pterophoridae
ブドウトリバ Nippoptilia vitis (Sasaki,1913)
分布:本州・四国・九州・対馬・石垣島・朝鮮半島・台湾・タイ
食草:ブドウ・エビヅル・ノブドウ・ヤブカラシ
成虫出現期:6月-9月
オオミノガ、24.Jan.2015 神奈川県横浜市鶴見区三ツ池公園。
一時期、市街地近郊では、全く見られなくなっていましたが、最近、また見かけるようになりました。
チャミノガがよく似た感じですが、オオミノガは幹や壁面に、巣が固定されていないで、ただぶら下がった状態なので、それで見分けられるようです。
オオミノガ、31.Jan.2015 神奈川県横浜市緑区四季の森公園。
ミノガ科:Psychidae
オオミノガ Eumeta variegata (Snellen,1879)
分布:本州・四国・九州・対馬・屋久島・沖縄本島・宮古島・石垣島・西表島
食草:ソメイヨシノ・ウメ・オニグルミ・オオイタビなど多食性
成虫出現期:6月-7月、9月-10月
生態など:雌は翅や足などを欠き、蛹のような形態をしている。
マドガ、5.May.2015 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町。
緑地などで、よく見かけることが出来る種類です。
花で吸蜜する個体もよく見かけます。
マドガ科:Thyrididae
マドガ Thyris usitata Butler,1879
分布:北海道・本州・四国・九州・対馬・千島列島
食草:ボタンヅル
成虫出現期:5月-6月、7月-8月
クワコ幼虫、26.May.2014 神奈川県横浜市緑区四季の森公園。
カイコガの原種といわれている種類です。
クワの葉の食痕を頼りに探すと、良く見つかります。
クワコ幼虫、5.May.2015 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町。
カイコガ科:Bombycidae
クワコ Bombyx mandarina (Moore,1872)
分布:北海道・本州・四国・九州・対島・種子島・屋久島・トカラ列島・朝鮮半島・中国
食草:ヤマグワ・クワ
成虫出現期:6月、8月、11月 (年3化)
生態など:養蚕のカイコの原種とされている。
モントガリバ幼虫、15.Jun.2015 神奈川県横浜市緑区四季の森公園。
カイコガ幼虫として紹介しましたが、見直したところ、モントガリバの幼虫と思えるので訂正します。
横浜市からは、戸塚区舞岡の記録があるようです。
カギバガ科:Drepanidae
モントガリバ Thyatira batis batis (Linnaeus,1758)
分布:分布:北海道・本州・四国・九州・対島・屋久島・奄美大島・沖縄本島・西表島
食草:エビガライチゴ・カジイチゴ・クロイチゴ・モミジイチゴ
成虫出現期:5月-10月
生態など:蛹越冬
以下、神奈川昆虫誌2018に記録されている種数です。
トリバガ科:9種
ニジュウシトリバガ科:1種
ミノガ科:6種
マドガ科:7種
カイコガ科:1種
今回撮影した5種も、川崎・横浜地域から記録済の種類です。