著者:おぎぬまX
東京都町田市のご当地ヒーロー・マチダーマン。その運営会社で働く志村は、地元で起きたニュース映像を見て驚愕する。営利誘拐事件の犯人が殺害され、被害者の子供が救出された、というもの。そして、その子供が助けてくれた人、として描いたのは、かつて志村がデザインしたヒーロースーツだった。ただの偶然と言われながら、日常業務に勤しむ志村だったが……
第21回『このミス』大賞・隠し玉作品。
本題に入る前に、著者の経歴、すごいな……。元お笑い芸人で、漫画家で、本作以前にも小説家デビューって……
で、本編。冒頭に書いたように、誘拐犯を殺し、子供を救ったのは、志村がデザインしたヒーロースーツを着た男? それが気になった志村は、会社の倉庫を調べるが、確かに、そのスーツは行方不明になっていた。ということは、会社の関係者に犯人が!? そう考えて……
となるのだけど、物語はむしろ、会社内でのアレコレというのがメインに。ヒーローや怪人のデザインの担当、として入社したはずなのになぜか業務は雑用係的なものばかり。デザインは、上司である部長のものばかり採用。締め切り前に提出したのに、出した時にはデザインが決定している。そんな理不尽な状況。経費削減ばかりに力を入れ、パワハラ体質、パワハラ芸を強要する社長。さらに、ショーなどの現場でも、無茶苦茶をするアクターと、それに振り回されるスタッフたち。そんな様子が次々と。そんな中で推理を続ける志村。だが、第2の事件が起こってしまい……
正直なところ、ご当地ヒーローというのが一つの題材にはなっているけど、あくまでも低予算でショーやら何やらを回さねばならない。そういう環境とかがメインで、舞台が町田市である必要性とかは弱いかな? ヒーローショーなどをやっている会社だ、というのが一つの謎解きのカギになっているので、まったく無関係っていうわけじゃないのだけど。
ただ、殺人の謎解きだけじゃなくて、志村のデザインが無視され続けていた理由とか、作中の謎がすべて綺麗に明かされるとか、そういう部分については文句なし。あとは、どっちを期待しているのか、で評価が分かれそうな気がする。あと、会社の体質ははっきり言ってウンザリ。
もうちょっとご当地感というのが欲しかったかな? というのは思ったのだけど、ドタバタな展開と、その中でもしっかりとした謎解きがある。ちょっと期待とは違った部分はあるけど楽しめた。
No.6660
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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
「新・たこの感想文」以外で全文を転載したブログ等がありましたら、それは著作権を侵害した違法なものとなります。
東京都町田市のご当地ヒーロー・マチダーマン。その運営会社で働く志村は、地元で起きたニュース映像を見て驚愕する。営利誘拐事件の犯人が殺害され、被害者の子供が救出された、というもの。そして、その子供が助けてくれた人、として描いたのは、かつて志村がデザインしたヒーロースーツだった。ただの偶然と言われながら、日常業務に勤しむ志村だったが……
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で、本編。冒頭に書いたように、誘拐犯を殺し、子供を救ったのは、志村がデザインしたヒーロースーツを着た男? それが気になった志村は、会社の倉庫を調べるが、確かに、そのスーツは行方不明になっていた。ということは、会社の関係者に犯人が!? そう考えて……
となるのだけど、物語はむしろ、会社内でのアレコレというのがメインに。ヒーローや怪人のデザインの担当、として入社したはずなのになぜか業務は雑用係的なものばかり。デザインは、上司である部長のものばかり採用。締め切り前に提出したのに、出した時にはデザインが決定している。そんな理不尽な状況。経費削減ばかりに力を入れ、パワハラ体質、パワハラ芸を強要する社長。さらに、ショーなどの現場でも、無茶苦茶をするアクターと、それに振り回されるスタッフたち。そんな様子が次々と。そんな中で推理を続ける志村。だが、第2の事件が起こってしまい……
正直なところ、ご当地ヒーローというのが一つの題材にはなっているけど、あくまでも低予算でショーやら何やらを回さねばならない。そういう環境とかがメインで、舞台が町田市である必要性とかは弱いかな? ヒーローショーなどをやっている会社だ、というのが一つの謎解きのカギになっているので、まったく無関係っていうわけじゃないのだけど。
ただ、殺人の謎解きだけじゃなくて、志村のデザインが無視され続けていた理由とか、作中の謎がすべて綺麗に明かされるとか、そういう部分については文句なし。あとは、どっちを期待しているのか、で評価が分かれそうな気がする。あと、会社の体質ははっきり言ってウンザリ。
もうちょっとご当地感というのが欲しかったかな? というのは思ったのだけど、ドタバタな展開と、その中でもしっかりとした謎解きがある。ちょっと期待とは違った部分はあるけど楽しめた。
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