読みました
あんな本もこんな本も…読書三昧
好きな本を読んだ~読んだ~読みました
定年退職し、毎日が日曜日。
時間だけは、たっぷり出来ました。
そこで図書館の会員になり、好きな本をたっぷり読むことにしました。
好きなジャンルは、◆推理小説と◇時代小説。
目標は月に最低でも10冊。
脳の活性化でボケ防止を図ります。
自宅から図書館までのおよそ2Kmを運動を兼ねて歩きます。
平成24年=159冊読みました
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<平成24年12月…11冊読みました>
◆十七年の空白(西村 京太郎・JOY NOVELS)
警視庁に十津川をたずねてきたのは、大学時代の同窓生まゆみだった。彼女は十津川の憧れの女だった。卒業後、同窓の広田収と結婚し、大阪に住んでいた。十数年ぶりの邂逅だったが、まゆみはいきなり、十津川に「主人が逮捕されたので、助けに来てほしい」と頼んできた。ラブ・ホテルで若い女性の連続惨殺事件がおこり、広田が容疑者として逮捕されたのだ。十津川は、友人夫婦の危機を救うため休暇を取って大阪府警を訪ねたが……
◆恋と哀しみの北の大地(西村 京太郎・JOY NOVELS)
新婚一年目の刑事夫婦が、招待旅行で北海道を訪れた。しかし、宿泊先のホテルに、次々にメッセージが届けられた。もともと十津川警部が行く予定のホテルだった。あるいは十津川警部に対して恨みを抱いている人間からのメッセージかもしれない。十津川警部の前に、過去の事件が亡霊のように浮かび上がってくる!
◆三人の酒呑童子/上(和久 峻三・カッパ・ノベルス)
FTRYHFRDjf 丹波と丹後の国境の大江山、京都・老ノ坂の大枝山、新潟県寺泊の国上寺、この三カ所に酒呑童子伝説が残る。酒呑童子伝説を卒業論文のテーマに選んだ糸島英輔と延岡憲二は、京都・老ノ坂の首塚大明神を訪れ、近くの山林で男の死体と三億円の入った三個のアルミトランクを発見!警察に届けずにその大金を持ち逃げしたふたりは、そのあと、まるで酒呑童子のたたりかのように奇怪な運命に巻き込まれた。延岡が死体となって寺泊海岸で発見され、つづいて……。
◆三人の酒呑童子/下(和久 峻三・カッパ・ノベルス)
丹波と丹後の国境の大江山、京都・老ノ坂の大枝山、新潟県寺泊の国上寺、この三カ所に酒呑童子伝説が残る。酒呑童子伝説を卒業論文のテーマに選んだ糸島英輔と延岡憲二は、京都・老ノ坂の首塚大明神を訪れ、近くの山林で男の死体と三億円の入った三個のアルミトランクを発見!警察に届けずにその大金を持ち逃げした。糸島は、証券会社に勤める三輪山みどりに大金の運用を依頼、一夜、ふたりは結ばれる。やがて延岡が何者かに殺され、彼が惚れて通っていた祇園の高級ナイトクラブのホステス・岡谷伊那子と彼女のヒモ・久世健三郎も行方不明に……。カラのはずのアルミトランクの中に切断死体を発見して仰天する糸島。やがて、糸島とみどりもそろって姿を消す。
◆殺しの双曲線(西村 京太郎・JOY NOVELS)
都内で起きる連続強盗事件。東北の雪に閉ざされたホテルに無料で招待された6人の若い男女。強盗事件は双子の犯行とわかっていながら、兄弟どちらが実行犯か、警察は立証できない。一方、陸の孤島と化したホテルでは密室殺人事件が起きる。そして再び…。あざなえる縄のごとく平行する二つの物語hs、どこでどう結び付くのか?
◆十津川警部捜査行・北の事件簿(西村 京太郎・JOY NOVELS)
定年退職した警視庁の名物刑事川島が、八ヶ月後函館本線の線路際で死体となって発見された。頸に絞められた痕があり函館警察署は殺人事件として捜査を開始した。十津川の調べでは川島は自分が在職中に手掛けた殺人事件の再調査をしていた事が判明した。川島が逮捕した殺人犯は獄死していたが、生前川島に冤罪を訴えた手紙を出していた。その事件の真犯人が川島を殺したに間違いない。十津川警部は重要容疑者を捜し出したが、彼には強力なアリバイが………
◆外房線60秒の罠(西村 京太郎・JOY NOVELS)
泣き恋人との思い出の南房総を傷心旅行中、男は安房加茂川駅前の喫茶店で若い女と知りあう。彼女は男を携帯のカメラで撮り、名刺をもらう。その女が東京の井の頭公園で殺された。男は容疑者として、警視庁捜査一課にマークされるが、自分は鴨川シーワールドに行った女は、被害者と別人だと主張。十津川警部は真相を求め、捜査に乗り出す。
◆動かぬ証拠(蘇部 健一・KODANSYA NOVELS)
細工は完璧のはずだった……。映像や音声を駆使した画期的なアリバイ工作の落とし穴。周到な犯人が見落とした想像を超えるダイイング・メッセージの数々。いずれ劣らぬ完全犯罪が思いもよらない一点から破綻する。その決定的瞬間をラスト1ページにとらえ、究極の証拠をいちもくりょうぜんで明かすかってない本格ミステリー!
◆女葬列車(草野 唯雄・TOKUMA NOVELS)
満五十歳の誕生日の当日、石井清が愛用のライフル猟銃で謎の死をとげた直後に警視庁委託の尾高一幸は盛岡の彼の自宅を訪れた。尾高は遺産相続の件で和歌山を訪れたとき盗難に遭い、その急場を画家仲間と旅行中だった石井たち一行に救われた返礼にやって来たのだった。証言からも自殺の動機が考えられないことから、不審な死に疑問を抱きながら、尾高は秋田の小松茂男宅に向かったが、そこでも異常な事故死の方が待ち受けていた。……人間の善意が一瞬にして悪意に暗転、殺意の矢が放たれる恐怖を。
◆特急ワイドビューひだに乗り損ねた男(西村 京太郎・KAPPA NOVELS)
東京・三鷹で白骨死体が発見された。死体のポケットには、未使用の「ワイドビューひだ13号」名古屋発高山行きの切符が。十津川警部は高山へ行き、7年前に町から消えた男の噂を聞く。男は市議会副議長の秘書をしていたが、その妻と駆け落ちしたのだという。慎重かつ大胆に捜査を進める十津川警部が掴んだ新事実とは?
◆模型夜想曲(白鳥 賢司・アーティストハウス)
衆人環視のプラネタリウムで、投影機もろとも殺人事件の容疑者が消失?私立探偵の鼓洞櫂悟を奇怪きわまる事件の調査に駆り立てたのは、死を目前にした老人からの依頼だった。殺人事件に関与している疑いのある孫、總司を救って欲しいとの願いに、櫂悟は失踪中の總司のい行方を追う。が、やがて予想だにしない不条理な悪夢へと踏み込むことに……
![DSC05240.jpg](http://blog-imgs-55.fc2.com/t/a/k/take3tabi/DSC05240.jpg)
<平成24年11月…10冊読みました>
今月は、今日ヤット10冊目を読み終えました…なんとか目標達成です。
◆崩壊 地底密室の殺人(辻 真先・カッパ ノベルス)
地下30階を誇る大深度構造物「ジオトピア」を激震が襲う!地下23階で、衝撃のため失神した五十嵐励(イガラシ ハゲム)。覚醒した彼を待ち受けている、視覚を奪う漆黒の闇、床にせり上がる地下水の轟音、そして背にナイフが突き刺さった女性の死体!オープン直前の下層部(オープンボーン)にいたのは、励と見学者の弟夫婦二組の五人だけだった。だが、傍にいたはずの彼らの気配はない。被害者、犯人は誰か?疑心暗鬼にかられ、密封された冥界から必死の脱出を試みる励。しかし、黒い陰の恐怖感が彼を蝕む……。
◆殺人「悲しき玩具」(辻 真先・TOKUMA NIVELS)
トラベルライター瓜生慎は、愛妻・真由子の父親から、強引に取材旅行の同行を引受けさせられた。知り合いの会社社長が、娘・千濡(チヌ)の卒論取材のガイド役を探しているというのだ。テーマは石川啄木。渋民村、函館、小樽ー彼の放浪の足跡を実際に辿り、資料を集めたい、と心掛けは殊勝であったが、実はこの娘、とんだ跳ねっ返りだった。おまけに不気味な脅迫状が届き、慎は気が気でない。そして投宿先の露天風呂で、千濡が何者かに襲われた。姿なき脅迫者に怯えながらの北国行は、意外な殺人事件へと……。
◆迷犬ルパンの大活劇 少女マンガ界連続殺人事件(辻 真先・カッパ ノベルス)
警視庁捜査一課・朝日刑事の運転する車が、祝田橋の交差点を曲がったときだった。けたたましいサイレンを鳴らして追いかけてきたパトカーの警官が、朝日の車のトランクを「開けろ!」、トランクを開けた朝日はビックリ仰天ーなんと背広を着た男の首なし死体が?一方、朝日刑事の恋人を気どるランは、新しく開園した遊園地の西洋お化け屋敷の中で、フランケンシュタインとミイラ男にささえられた女の死体を発見!どうもふたつの死体にはつながりが……。さらにまた……?少女マンガ界の裏面を背景に、〝アリバイくづし〟と〝時間トリック〟に挑戦。
◆迷犬ルパンの東京暗殺マニュアル(辻 真先・コスモ ノベルス)
ヨーロッパきっての小国リヒアルト王国から、コリンヌ王女が来日した。ボディガード役はもちろん朝日刑事と迷犬ルパン。東京見物を、と銀座にやってきた一行だが、さっそくコリンヌがポシェットをひったくられた。しかも、捕まえた犯人の老人が青酸毒死!時を同じくして起きた王女の愛犬誘拐騒動は狂言とわかったが、その後も彼らの行くところ事件続発。国民の民族問題もはらみ、何やらキナ臭い臭いも……。
◆殺人「北越雪譜」(辻 真先・TOKUMA NIVELS)
日本有数の豪雪地帯、秋山郷。江戸の昔、かの地にわけ入った異才・鈴木牧之(スズキ ボクシ)が「北越雪譜(ホクエツセップ)「秋山記行」という書物を残した。トラベルライターの草分け・牧之は、いってみれば瓜生慎の大先輩にあたるわけだ。「鉄路」編集部から取材依頼がきたのもそんな縁からである。あたり一面雪景色のなか、辿り着いたノサヨ民族間で、慎たちはいきなり老婆失踪事件にでくわす。隠居部屋の通用口は雪で塞がれており、人目につかず家を出ることは不可能に見えた。これが秋山郷を襲った恐るべき殺人事件の幕開けだったのだ……
◆東京ナイトメア(田中 芳樹・KOUDANSYA NOVELS)
幸せいっぱいのはずの結婚式場は、大混乱の坩堝に陥っていた。死体が空から降ってきたのだ。戸惑う人々を莉莉目に目を輝かせる超美人が一人。そう、彼女こそ警視総監をも恐れさせる史上最強の女性警察官僚、薬師寺涼子警視その人だった。従僕(?)の泉田警部補をつれ、上司の迷惑省みず、傍若無人の捜査活動、開始!
◆殺人者あずみ野日記(辻 真先・KOSAIDOU BLUE BOOKS)
財閥系企業・四谷開発の社長・吉津茂一を毒殺したと思い込み、自殺を図ろうと、単身、あずみ野へ降り立ったアイドルタレントの星崎姫子。だが、吉津の息子・繁男にナンパされ・最後のエッチを試みようとする一方で、殺人者・木暮兵吉が自分に接近していることに気付く。木暮の目的が吉津茂一の殺害にあると知った姫子は、自分の罪の有無を確かめるため木暮と行動を共にする。そんな折、若手の殺し屋・根津孝司が二人の前に現れ、宣戦布告ともとれる言葉を残して立ち去る。吉津の生死と根津の動静。次第に事件の核心へと迫り行く木暮と姫子が……。
◆若狭・城崎殺人ルート(西村 京太郎・JOY NOVELS)
新大阪17時05分発、天橋立行きの特急「文殊1号」が、途中の大江駅を発車してすぐ爆発を起こし、脱線転覆した。プラスチック爆弾による爆破事件である。乗客の弁護士夫妻が死亡、多くの負傷者が出た。その一ケ月前にも箱根湯本で車が爆破され、男が殺されていた。犯罪の陰に女あり!東京のバーのママが犯人と関係あり、と見た十津川警部藩が動き出す!
◆上海特特急殺人事件(西村 京太郎・JOY NOVELS)
東京で起きた、下着姿での連続女子大生射殺事件。彼女たちには共通点がなく、捜査本部は変質者の犯行と推定したが、十津川警部は、その判断に引っかかるものを感じる。一方、上海の黄浦江で日本人の女性ジャズ歌手の扼殺体が発見される。中国警察の協力要請を受け、二つの事件のわずかな類似点を追い、十津川は上海に飛ぶ。
◆十津川警部・鳴門の愛と死(西川京太郎・JOY MOVELS)
十津川警部宛てに、ある作家から一冊の本が送られてくる。一年前に女優である妻を殺したのは、夫のカメラマンだと告発するもの。夫には事件当日アリバイがあり、十津川警部は容疑者から外した。しかし、四国八十八カ所巡りで出会った女性お遍路のアリバイ証言者は現在、行方不明。しかも事件後、夫が車ではねて死なせた女性は証言者の友人で、一緒に巡礼に行っていた。口封じか?十津川警部の確信は揺らぐ!?
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<平成24年10月…12冊読みました>
◆酔いどれ探偵李白(TOKUMA NOVELS・辻 真先)
唐は玄宋皇帝の治世。開元の治とうたわれた名君も政に倦み、楊貴妃にうつつをぬかす始末。悪宰相・李林甫(リリンホ)の死因に毒殺説が流れ、警備にあたっていた方術士・葉法善(ヨウホウゼン)に嫌疑がかかった。汚名をすすいでほしいともちかけられたのは誌仙・李白(リハク)だ。宮廷を追われ、江南を旅していた詩人は再び長安の土を踏み、調査に乗り出す。厳重な護衛下にあった宰相を誰がどうやって殺害したのか?折しも安禄山の乱が王朝を震撼させる。殺人事件の背後に、唐を滅亡へと導く大陰謀が隠されていようとは!酒豪詩人・李白の名推理!
◆津軽殺人じょんがら節(JOY NOVELS・辻 真先)
夕刊サンの記者可能克郎は、編集長の命令で人気考古学者・滑川の原稿を受け取るため津軽半島まで出かけることになった。そこで滑川の講演会と津軽三味線のイベントが行われるのだ。しかし、そこで彼を待っていたのはやり手のイベントプロデューサー大塔寺燃と妹の倫だった。わがままな学者先生と人を人とも思わない超絶美人姉妹に翻弄されつつも、なんとか原稿を間に合わせたい克郎だが、とうとう殺人事件に巻き込まれ……!
◆鬼ごっこだよ国立探偵(C☆NOVELS・辻 真先)
大統領令嬢と帝国皇太子の御成婚!といっても、東北のミニ観光独立国でのお話。ところが、式典に招かれた新婦の友人のくるみの目前で、花嫁が鬼に誘拐されてしまう。大統領の意を受け、くるみは祖母で名探偵のユーカリに〝国立探偵〟として出馬を要請。だが、なぜか今回に限ってのんびりしているユーカリを嘲笑うかのごとく、事件は殺人事件へと発展。名探偵のユーカリおばあさん、失礼おばさん、初めての敗北か……。
悪魔テロ集団を潰滅せよ!(志茂田 景樹・KOSAIDO BLUE BOOKS)
無差別サリン攻撃と要人暗殺で日本をパニックにおとしいれたテロ凶弾「日本救済の家」の残党が、新たに地下組織「究極終末凶弾」を結成し、密かに国家転覆を企てていた。まら篠の空挺団に狙いをつけた教団は、自衛隊員に薬物を打ってマインドコントロールし、〝戦士〟に仕立て上げ、きたるべき決起に向けて訓練を積ませていた。警視総監の指令を受けた超法規治安維持部隊の中心メンバー三人は、「究極終末教団」を壊滅するため、伊那谷と大菩薩峠の教団地価アジトに突入するが……
◆翔べ!暴虐を超えて(志茂田 景樹・TAIRIKU NOBELS)
大手ブティックのオーナー・美魔王子(ウツク シマオコ)の本来の姿は、政府嘱託の非合法スパイ。大蔵大臣とその娘が誘拐され、彼女は事件の捜査に乗り出す。犯人は〝白日昇天の呪い〟という言葉を残し、現・主将の辞任を要求。〝白日昇天〟とは一体何か!魔王子は、神、上村ら二人の二人の愛人と捜査をすすめるうちに、13年前に日本で起きた白日昇天の事件と、それを目撃した東洋仙道研究会の関係者が次々と怪死していった事実を突き止めるが……。
◆熊野古道に消ゆ(田中 光二・JOY NOVELS)
熊野・湯峰温泉の壺場で、女性の腐乱死体が見つかった。偶然現場に居合わせた警視長嘱託警視・千々岩は、あたかも小栗判官伝説を再現し、死体を甦らせようとしたかのようなこの事件に興味をおぼえ調べはじめる。その矢先、今度は、熊野古道・乳岩で二人のハイカーが無残に惨殺されているのが発見され、遺体の胸に椿の花炭が点々。いったい誰が何のために置いたのか?謎が深まる中、必死で捜査を進める警察と千々岩を嘲笑うかのように第三、第四の事件が……。壺湯の死体遺棄事件は、歴史と伝説に彩られた聖地・熊野古道を舞台にした恐るべき連続殺人事件の始まりだったのだ。
◆紺屋街道蔵の街殺人事件(木谷 恭介・TOKUMA NOVELS)
愛知県半田市。町を通るむかしからの道を紺屋街道と呼ぶ。この蔵と運河が印象的な美しい街で、まさかこのような事件が起ろうとは……。中国でエイズの特効薬を開発中のサクラバイオの株に関して、歌津若菜は中国人らしい男から二度指示を受けた。戦前、歌津家の世話になった恩があるという理由に不審を抱きながらも、言われた通リ売買した結果、なんと二十二億円もの大金が転がり込んできた!しかし、これには驚くべき裏があった。若菜の周りで起きる連続殺人。果たして宮之原警部は若菜を救えるのか?
◆安芸いにしえ殺人事件(木谷 恭介・KOSAIDO BUE BOOKS)
日本最大のスーパー「ケイユー」の関西総本部長・村瀬和浩と避暑の吉羽早紀子は愛人関係にあった。膨大な負債にあえぐケイユーは、なりふり構わぬリストラに着手し、村瀬も職を解かれようとしていた。そんな折り、早紀子は村瀬から京都・鞍馬の奥の町に住む桑名という男に届け物を頼まれる。しかし、早紀子が訪ねると男は家で殺されていた。届け物は華麗な装飾が施された写経の一種で、昔、巌島神社に奉納された三十三巻にもおよぶ「平家納経」を模したものと思われた。その後、村瀬をはじめ、関係者の連続殺人が……。
◆南紀白浜磯釣り殺人事件(田中光二 JOY NOVELS)
警察庁嘱託の捜査指導官・千々岩は、和歌山県警田辺署の石神に誘われて磯釣りをすることになり南紀白浜にでかけた。そこで千々岩は石神から奇妙な話を聞かされる。彼らが釣りをしているとなりの磯〝イチノハナレ〟で釣り人たちが次々と変死しているというのだ。一応すべて事故として処理されているのだが、不審に思った千々岩は独自で調べを開始する。その矢先、さらにひとりが、〝イチノハナレ〟から転落死しているのが発見され、死体を解剖してみると微量ながら睡眠薬が検証された。はたして一連の事故は連続殺人だったのか?
◆朱雀村の惨劇(吉村 達也・TOKUMA NOVELS)
「あなたは……ぼくのお兄さんです、朝比奈さん」ある雨の朝、突然かかってきた一本の電話は、伊豆七島最南端の青ケ島で生まれ、『鳥啼村の惨劇』で事件の中核にいた鳥神翼。自分より九つ年下のその青年が、秘められた存在の弟であることは、朝比奈も当時から予感していた。「お兄さん、ぼくは海が好きです。なぜ好きだか、わかりますか?」翼が謎の問いかけを残した二週間後、北海道函館の洋館で火災が起こり、焼け跡から人気占い師・算城憲子(サンジョウ ノリコ)の夫が舌を切られた惨殺体で見つかった。憲子は「私の大切な『赤い鳥』の宝石を狙った犯行」と主張。そしてその宝石を求めて、またしても尾車教授と朝比奈耕之助の「亡霊」が動き出していた。
◆十津川温泉殺人事件(吉村 達也・JOY NOVELS)
日韓共催W杯でチュニジアを2-0で破り、歴史に残る日本16強入りに沸く夜、渋谷で黄金色に彩られた男性の左足首が見つかった。その四ヶ月後、日本代表チームのシンボルマーク八咫烏のルーツである那智・熊野方面へ休養の旅に出た志垣警部と和久井刑事は、紀伊半島内陸の山深い十津川村にある日本最長・谷瀬の吊り橋付近で金色に彩られた「新しくて古い」右足首を発見。さらに北海道・小樽で第三の足が見つかった!
◆「富士の霧」殺人事件(吉村 達也・TOKUMA NOVELS)
推理作家・朝比奈耕作の友人平田均は、ある日満員電車の中で痴漢行為を働いていたサラリーマンを取り押さえて驚いた。なんと同じ会社に勤める46才の課長補佐だったのだ。しかも三週間後、その男は、富士山麓に広がる青木ケ原の樹海で、片手のない首吊り死体となって発見された。彼は、樹海に近いペンション『舞夢の館(マイムノヤカタ)』から、霧の夜に突然姿を消していたことが判明。朝比奈は、現場の状況から早くも容疑者の一人を名指しするが、その人物には決定的なアリバイがあった。そして、緑の魔界の奥で第二の惨劇が……。
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<平成24年9月…10冊読みました>
◆二階堂警視の火魔(斎藤 栄・カッパノベルス)
二階堂日美子に友人・今日子から占いの依頼が……。今日子の愛人・大月商事社長の大月英一が「あなたは必ず地獄の火で焼かれる」との脅迫電話で悩んでいるというのだ。日美子の占った火伏せのタロットでの結論はー「三カ所で火災が起こり、人が死ぬ!」一週間後、予言通り大月商事本社を始め三カ所が放火され、英一は焼死。その死体の傍らには「火牙陰気(カガインキ)参上」と焼き付けられた陶板が……。「火牙陰気」とは何者か?恨みを買った大月商事の悪行とは?
◆関西国際空港殺人事件(斎藤 栄・実業之日本社)
尼崎市の住宅地の路上に停められていた盗難車の中から、若い女性の絞殺死体が発見された。被害者の名は中山道友由見江。彼女は結婚を目前にしていたが、その結婚に不安を持ち、友人の日美子に相談を持ちかけていたのだ。日美子は捜査に当たる二階堂警視とともに、事件解決に乗り出した。
◆クイーンズスクエア横浜のロリス(斎藤 栄・実業之日本社)
横浜の古びたホテルの解体工事現場で、ひとりの青年の死体が発見された。背中にナイフの刺し傷があったことなどから、警察は殺人事件と断定、捜査に入った。一度だけだが被害者を見かけ強い印象を持っていた柏木太陽も、独自のルートで犯人を追及する。取材を進めるうち、太陽は犯行動機のある三人の怪しい人物に遭遇した。その三人の男女こそ……
◆朱雀門秘跡推理旅行(斎藤 栄・実業之日本社)
タロット日美子が逗留している建築家の屋敷で、次々と事件が起こる。その第一は、夜中にその家の娘が誘拐されたことだった。しかし奇妙なことに、誰も警察に届け出ようとしない。そしてついに恐るべき殺人事件が発生する。事件謎に日美子が迫っていくが……。
◆燃える密室(斎藤 栄・カッパノベルス)
二階堂警視と日美子の愛娘を襲った誘拐未遂事件!犯人は三人組の女だ。犯行に使われた盗難車(ベンツ)の所有者・佐久藤優加里(サクトウユカリ)の邸宅を訪れた日美子は、邸内にそびえる私設美術館「ゴッホタワー」に異様な狂気を感じた。日美子の眼前で燃え上がるタワー!やけあとからは、宙吊りにされた優加里の全裸死体が発見された!タワーのキーと密告電話が、二階堂自身を「容疑者」という窮地に追いつめる。三人の女が二階堂一家を恨む理由は何か?さらに、一瞬にして建物を炎上させた、「燃える密室」のトリックとは?
◆日美子の公園探偵(斎藤 栄・カッバノベルス)
神戸市北灘区の<北公園>。娘の真輝を連れて、毎日のように訪れるこの公園で、二階堂日美子は大野木老人と知り合った。私立大学の英文科で教鞭をとっていた大野木は、いま若い夫人とともに悠々自適の身。<公園探偵(パークアイ)>を自称して、北公園で起きた事件を、日美子と協力して解決していく。ボランティア殺人事件、幼児誘拐事件、そして凶悪な金属バット殺人。<公園探偵>大野木老人と日美子が固い友情で結ばれたとき、最後の悲惨な事件が起きた!
◆鎌倉NGO紫苑の家(斎藤 栄・カッパノベルス)
二階堂日美子は、榊原一族の資産提供を得て、ドスメティック・バイオレンスの被害者を救うNGO施設<紫苑の家>を、鎌倉材木座の所有地に立ち上げた。暴力に苦しむ女性を、その苦しみから解放し、死傷する心配のない生活に戻すことーそれは、日美子が名がね温めてつづけてきた「夢」の実現だった。しかし、<紫苑の家>のオープン早々に、入居者の島峯ハルカが失踪し、その死体が七里ガ浜で発見された。犯人は、ハルカに執着してストーカー行為を繰り返す夫なのか。さらに第二の殺人事件が起きて、日美子の夢である<紫苑の家>は、存続の危機に見舞われる!
◆山形新幹線つばさ殺人旅行(斎藤 栄・ケイブンシャノベルス)
山形新幹線・赤湯駅近くの線路上で、若い女性が新幹線<つばさ>に撥ねられて死亡した。被害者は仙石洋子。美人スリ瓜生姉妹の妹・明美の学生時代の友人だった。彼女の死に疑問を感じた婚約者から相談を受けた明美は、鉄道警察隊の江戸川に捜査を依頼。江戸川は尾瀬を伴って赤湯に向かう。だが事故現場で彼らを待っていたのは、事故を自殺と証言する謎の目撃者と彼らを狙う凶弾だった。何者かが真相を隠微しようとしている?
◆謀殺列島緑の殺人事件(木谷 恭介・トクマノベルス)
高さ二十メートルの柱の中ほどに、紺色のスーツを着た男が吊りさがっていた。現代美術のモニュメントの永久運動に合わせて、死体がゆらゆらと揺れている。手には、緑色の玉が握られていた。岩手県七重町。元総理の紀伊和人の地元として知られる田舎町に、超現代的な美術館が建てられた。紀伊や、山科総合社長の錦織錦の力添えがあったればこそと囁かれていた。この日本を動かすといわれる大物が出席した落成式で惨劇は起こった。殺されたのは警視庁の鹿山警視。怪人18面相と錦織を執拗に追っていた警視だった!
◆丹後浦島伝説殺人事件(木谷 恭介・ハルキノベルス)
丹後舞鶴の健康器具会社社長の一人娘・仙頭千紘は、ある日見知らぬ女性から、父親の会社が出したという秘書募集広告を手渡された。そこには「二十九才で身寄りがなく、血液型がB型」という奇妙な文面が書かれていた。そのことで千紘が父親への不信感を募らせていた矢先、父の昌博が何者かに殺害されてしまう。さらに、莫大な遺産相続で父の再婚相手と名乗る女性が現れ……。捜査が混乱する中で、千紘は、日本唯一の警察庁広域捜査官・宮之原警部と出会い、自らの出生の秘密を暴くことになる事件に立ち向かっていく。
![DSC03721.jpg](http://blog-imgs-55.fc2.com/t/a/k/take3tabi/DSC03721.jpg)
<平成24年8月…13冊読みました>
◆日美子の魔家族(斎藤 栄・KAPPA NOVELS)
「それは、わたしが19歳のころ……二階堂と会う前の話なの。私立海星女子高校を卒業した年の夏に起きた事件です」日美子尾中心にした仲良し三人組の一人、田川有里江の姉・左千子が失踪した。左千子は、三人組のもう一人、安城寺邦香乃父である高校教師・郁夫と交際していたらしい。左千子の行方を探して、郁夫の借りている志賀高原の別荘に赴いた日美子たちは、郁夫の死体を発見した。そして、目を離したわずかの間に、その郁夫の死体が消失するという怪事件が起きた!「爪食めば 子供思ほゆ まして偲はゆー」別荘の壁に貼られた山上憶良の歌が意味するものは何か!
◆越前岬の女(斎藤 栄・FUTABA NOVELS)
プロ棋士・真城寺欽弥は金沢支部の大会出席後、新聞記者・苗場とカメラマンの瀬能を誘って越前岬の老舗旅館に冬の名物カニを食べに寄る。その夜、真城寺を訪ねて、おでん屋の女将・睦美がやってくる。睦美を一目見て、瀬能は以前見た覚えがあると漏らす。翌日、気になることを調べたいという瀬能を残して真城寺と苗場は東京に帰る。だが、二日後、瀬能が小松のホテルで殺されたとの報がはいる。事件後、睦美もプッツリ姿を消す……。
◆深夜の産婦人科医(斎藤 栄・FUTABA NOVELS)
鎌倉市の産婦人科医・甲賀太一郎は変わった医者だ。診療時間は午後9時から午前3時までで、診療日も週2回だ。健康保険がきかないため、患者の大半は大富豪だ。ある日、鎌倉に住む財界の立役者・姫小路大介の後妻であるしぐれ夫人が来院した。二日前、姫小路大介は交通事故で亡くなっていたのに、何故か性感向上の指導を依頼してきたのだ。看護婦の阿久良は、姫小路邸を訪ねたが、そこで、殺人計画を耳にしてしまった。
◆四国殺人遍路(斎藤 栄・TOKUMA NOVELS)
横浜・関内(カンナイ)駅近くに開業した<ハート探偵局>の江戸川探偵長を訪れた二人の男ー松山に拠点をおく<関西探偵局>の局長・佐々原一夫と調査主任・久藤光春の依頼は、奇妙な調査協力だった。横浜に社を構える松平不動産の四国社員旅行が無事に終えられるよう、一緒に警護してほしいとゆうものなのだ……。高松から徳島に向かう途中、江戸川は久藤の死体が吉野川に浮かんだことを知る。久藤は<関西探偵局>の金庫から二千万円を持とだし、不可解な暗号を残していたという……!
◆横浜外人の森殺人事件(斎藤 栄・FUTABA NOVELS)
見知らぬ三人の男女が一緒に軽井沢でゴルフを楽しみ、その夜同じペンションに宿泊した。三人にはそれぞれ殺したいと思う相手がおり、三角交換殺人の計画が一夜のうちにまとまった。。第一の殺人は鎌倉で起きた。三宝茂が詩人の四方山優一をナイフで刺したのだが、捜査にはタロット占いの名手日美この夫・二階堂警部だあたった。第二の外人の森での殺人事件につづいて、日美子に殺されそうだと不安を訴えていた三宝つぐみがデパートのエレベーター内で第三の犠牲者になった。二階堂警部と妻の日美子は三つの殺人事件に共通する謎の解明に乗り出した!
◆運命の風連湖(斎藤 栄・TOKUMA NOVELS)
星月源吾は、かって神奈川県警の敏腕刑事として名をはせたが、現在は退職し、妻の冴子と悠々自適の生活を楽しんでいる……。遠縁の娘・亜津子が会社を辞め、星月を訪ねてきた。北海道を車で一周するという彼女に便乗し、星月夫妻も道内旅行を楽しむことになった。が、その途中、急病人がいるので医者を呼んできてほしいという登山帽の男に出くわし、逆に星月らは、その男に拉致されてしまったのだ……。北海道、沖縄、横浜、軽井沢を舞台にした連作旅情ミステリー!
◆鎌倉ー芦屋殺人紀行(斎藤 栄・TOKUMA NOVELS)
江戸川探偵長以下、横浜ハート探偵局の面々は、俳人・佐々木律二が主催する俳句の会<四季>に入会することになった。早速江戸川が有馬温泉への吟行句会に参加したのだが、そこで事件が発生。宿泊した旅館に隣接した竹林の中で、男の刺殺死体が発見された。その胸の上には子規の名句が書かれた一枚の紙が。同時に<四季>メンバーの草野愛香が行方不明になるが……。鎌倉、横浜、日光、そして芦屋と続く吟行会で虚子、漱石、芭蕉といった文豪の名句にちなんで次々に起こる怪事件!
◆軽井沢ー鎌倉殺人回路(斎藤 栄・TOKUMA NOVELS)
事件は、軽井沢近郊の初夜温泉で始まった。<こころ探偵事務所>の瓜生美也子は、老舗旅館・槍流閣でストーカーに狙われている女性の身辺警護を依頼されるが、女は密室で惨殺される。江戸川探偵長の代理で江の島・銀亀楼別館に招待を受けた尾瀬主任は何者かに拉致監禁され、炎に迫られる。男子禁制の寺、鎌倉・愛連寺奥の院で起こる怪奇現象を瓜生明美が調査中に、尼僧が変死する。そして軽井沢では、江戸川に会いに来た白いドレスの女が、首なし死体で発見される。四つの事件を結ぶ愛憎の回路、そして驚愕の真相……!
◆東京ー秋田殺人連鎖(斎藤 栄・TOKUMA NOVELS))
東京・渋谷に開店する京料理店のオープニングセレモニーの際中、招待客の小説家・中西山彦が頸に毒物を注射されて殺害された。<こころ探偵事務所>の井筒オーナー夫妻もその場に同席していたのだが、数日後、井筒のもとに奇妙な依頼人が現れた。やはりそのセレモニーに出席していた和菓子店主夫妻が、秋田新幹線こまちで旅行すると言い残して行方不明になったというのだ。場合によっては、殺人事件を目撃していた可能性もある。店主息子夫婦の懇願に動かされ、江戸川探偵長の調査が開始されたのだが…。
◆虐殺・二階堂警視の悲劇(斎藤 栄・カッパ ノベルス)
六甲山中を特別巡回中のパトロール隊が、谷底で幼女の首なし死体を発見した。遺体には、むごい凌辱の跡が……。兵庫県警特命刑事調査官・二階堂警視は、極秘捜査の命を受け、全国の行方不明幼女を照会。被害者は、鎌倉市腰越で四日前に行方不明になった幼女と判明した。二階堂は、今回の事件は、特殊な病的事件ー機械文明に耐えられなくなった〝犠牲者〟による異常快楽殺人の可能性があると直観した。かってないほど厳しく、悲しき捜査に二階堂が挑む。
◆中華街殺人旅情(斎藤 栄・NON NOVEL)
<ベル旅行社>の夏木梨香が中華街ツアーの取材で出会った料理人陳孝明の周辺で、奇怪な事件が連続した。ベオエリアの密室倉庫で死んだ貿易商、大型犬に嚙み殺された美女、秘密任務の追行中に突如変死した調査員…梨香は、警察庁小早川警視正の協力を得て、事件の謎を追う。東京台場の新名所「小香港(リトルホンコン)」から横浜、神戸、長崎と日本三大中華街を西へ辿った先に、待ちうけていたのは、すべての推理を覆す、驚くべき真相だった。
◆漱石「虞美人草」殺人事件(斎藤 栄・FEMINA NOVELS)
「虞美人草」の長い会話が怖い…この、女子学生誘拐事件の鍵を握る謎の暗号の意味は?夏目漱石の名作に隠されたキイワードをめぐって展開される、鎌倉を舞台にしたトリッキーなこのミステリー小説「虞美人草」殺人事件こそ、実はタロット日美子の高校時代の友人梶川由良子が残したダイイン・グメッセージでもあったのだ。名古屋に飛んだ日美子は早速この謎に挑む。果たして由良子殺しの真犯人は誰なのか……。
◆金沢能登殺人事件(斎藤 栄・TENZAN NOVELS)
警察庁鉄道警察特捜隊の江戸川匡太郎警部は、研修会へ向かう医者の団体が乗った「雷鳥15号」の警備中、出来心からスリを働いた輪島の有名旅館の若妻・河原木蝶を捕らえ、金沢鉄道警察隊に引き渡した。その頃、蝶の旅館では、彼女の夫・河原木文一の刺殺体が、密室化された茶室で発見されていた。江戸川は、金沢市内で知り合った大滝くららが、偶然にも文一の従妹だったこともあり、捜査に協力するが、時を移さず第二の殺人事件が……。の周辺で、奇怪な事件が連続した。ベイエリアの密室倉庫で死んだ貿易商、大型犬に嚙み殺された美女、秘密任務の追行中に突如変死した調査員。梨香は、警察庁小早川警視正の協力を得て、事件の謎を追う。東京台場の新名所「小香港(リトルホンコン)」から、横浜、神戸、長崎と日本三大中華街を西に辿った先に、待ち受けていたのは、すべての推理を覆す、驚くべき真相だった。
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<平成24年7月…10冊読みました>
◆父と子 地に爪跡を残せ(斎藤 栄・トクマノベルス)
昭和二十四年、森田茂は青春の宝物を詰めたタイムカプセルを地に埋めた。そしてその場所を記した秘宝図を等分し、親友の吉井従道、原敬に渡す。友情の証として……。五十数年後、柏木太陽の担当編集者である従道の息子・時次郎は、原敬の息子・康光から宝探しを手伝って欲しいと依頼される。茂のタイムカプセルには戦時中、密かに在留米軍から森田邸に持ち込まれた数百億のダイヤが隠されているかもしれないと言うのだ。時次郎と康光は父親たちの青春と伝説の秘宝を探す旅に出るが……。
◆二階堂警視の「奥の細道」(斎藤 栄・カッパノベルス)
神奈川県警二階堂警部とともに、〝奥の細道三百年〟で沸くみちのく温泉旅行を計画していた日美子に友人梅枝葉(ウメガエ ヨウ)が訪れた。葉の娘真理の旅の安全を占って欲しいという。真理もまた<サンタ芭蕉>の企画でサンタ6の一人に当選し、東北旅行を予定していた。東北の知人へのプレゼントをを配達するこの<サンタ芭蕉>の旅を日美子はタロットで占ったが、カードは非常にも不幸を予言!あえて旅に出た真理を襲う魔の手!さらに芭蕉の足跡をたどる<サンタ芭蕉>のメンバーが次々と襲われて……。二階堂警部の必死の追跡が始まる。
◆二階堂警視の暗黒室(斎藤 栄・カッパノベルス)
二階堂特命刑事調査官付の夢野桂香(ユメノ ケイコ)は、友人・あゆみの招きで、有馬温泉の別荘に滞在中、惨劇に遭遇した。あゆみは、消費者金融会社社長・多来田の愛人だったが、その多来田が、鍵のかかった密室状態の寝室で殺害されたのだ。現場に残された「火牙陰鬼(カガインキ)参上」の文字!捜査に着手した二階堂は、多来田とした親しかった同業の増渕を訪ねたが、その直後、増渕も殺された!誰が何のために連続殺人を企てたのか。次の標的は誰か?闇の仕置き人「火牙陰鬼」は、何を目論んでいるのか?二階堂と夢野が暴く、悪徳金融業者の恐るべき罠!
◆軽井沢 幻愛の目撃(斎藤 栄・ジョイノベルス)
今年の軽井沢には熊が出るという。別荘地の一角で夏を過ごす若いカップルのところにも、恐ろし気な熊が顔を出している。しかしそれ以上に奇妙な事件が軽井沢で起こった。有名な化学者が誘拐されたのだ。だがなぜか身代金の要求もなく、無傷のまま釈放された。だが、この事件は、若い二人を襲った恐ろしい事件の序曲に過ぎなかった……。
◆神戸摩耶山殺人事件(斎藤 栄・ジョイノベルス)
六甲山系の摩耶山山中で発見された被害者の若い男性は、<MAKO>というロゴの入ったTシャツを着ていた。そして事件現場に現れた若い女性のTシャツには<TOKO>というログが……。しかしそれ以外に身元を特定できるものはない。事件の発見者二階堂調査官と妻の日美子は、兵庫県警と協力し、ただちに捜査に乗り出した。そして次第に事件の背後にある、奇妙な人間関係が浮かび上がってくる……。
◆大秘密(斎藤 栄・FUTABA NOVELS)
新聞社を辞め、小説家を志す柏木太陽のもとへ、札幌に住む友人・来夢山から電話が入った。来夢山は、ハメット教幻日教会に誘惑されてしまったらしい妻・黒木芽衣の救出を依頼する。札幌へ飛んだ太陽は、雑役人となって幻日教会に潜伏した。はたして黒木芽衣は生きているのか。太陽の孤独で危険な捜索が始まった!
◆上高地幽玄の闇(斎藤 栄・kosaido blue books)
横浜探偵局・江戸川探偵長のもとに、イギリス王室に由来する宝石探しの依頼が持ちこまれた。しかも、複数の人から……。その宝石は四十年前に上高地のホテルで盗難にあって以来、行方不明になっていた。江戸川は、部下の瓜生明美とともに上高地での捜査を始めるが、依頼人の一人が他殺体で発見された。宝石は犯人の手に渡ったのか……?秘宝を巡る欲望と愛憎が織りなす複雑な人間模様の中、江戸川は鋭い推理と卓抜な捜査能力で宝石の行方と殺人犯の正体をあぶり出す!
◆義経の首(小林 久三・KOHUSYA NOVELUSU)
平安末期、奥州の地に、都に劣らぬ平泉文化を築いた藤原氏が、なぜ義経をかくまったのか。そしてまた、衣川の高館に代義経を襲い、その首を四十日以上もかけて鎌倉へ届けたのはなぜか?特捜刑事・室井と義経の謎に挑む女子大生・速水桃子の到達した結論とは……。
◆北海道の秘密・氷色の殺人(斎藤 栄・FUTABA NOVELS)
北海道網走支庁内のクロマン村で開催される流氷祭りに参加する二階堂日美子は、羽田から旭川に案内役の立花花蝶と共に飛んだ。会場は三月とはいえ、犬ゾリで何時間もかかる人里離れた雪原で、そこにバンと呼ばれるテントを張ったようなものがいくつかあった。国際的に著名な占者が日本人の日美子と花蝶の姉の胡蝶を含めて七人が集合した。最初の夜、唯一の男性であるセネガルのマンディンゴが殺され、各種の宝石がちりばめられた笏が紛失していた。それが連続殺人事件の始まりであった……!
◆下北薬研温泉殺人事件(斎藤 栄・KOSAIDOU BLUE BOOKS)
二階堂日美子の兄で神奈川県平塚市の南原病院の院長を務める柏木陽一は、秘書でナースの水沢春花と訪れた下北半島の薬研温泉で男の刺殺体を発見した。奇妙なことに死体の足元には一輪の深紅のバラが落ちていた。そしてその三ヶ月後、今度は川崎でダイオキシンの害を取り沙汰されていた工場の工場長が、さらに四ヶ月後には悪徳医師として週刊誌で告発されていた美容整形外科医が殺されたが、いずれも犯行現場には一輪の深紅のバラが置かれていた。次々次と犯行を重ねる犯人に苛立ち、柏木は独自に調査を始めるが……。
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<平成24年6月=14冊読みました>
▽時空(トキ)の巫女(今野 敏・角川春樹事務所)
原盤制作会社社長の飯島は、新人アイドルを発掘していく中で、二人の女性に出会う。かってネパールの生き神様「クマリ」だったシアキ・チェスとAVに出演していた池沢ちあき。一方で、自衛隊の情報部の綾部は、アメリカから送られてきたレポートに困惑していた。超能力者たちの見る、地球滅亡を思わせるような夢、そして、その中に出てくる日本人と思われる名前「チアキ」。「チアキ」は果たして世紀末の救世主なのか?
◆毒物殺人(今野 敏・コウダンシャ ノベルス)
東京都内で毒物による変死が連続して発生。捜査に乗り出す警視庁科学特捜班の五名のメンバーたち。事件の背後には、なぜか宗教とオカルトの影が?墨染めの僧衣に身を包む第二科学担当・山吹才蔵は全ての謎を「事件の構図に」治めることが出来るのか?
◆白い皇帝の伝説(小林 久三・ジョイ ノベルス)
それは、旅行中の女子大生の失踪事件から始まった。いまだに消えぬ太平洋戦争の深い傷あと。東南アジアと日本を結ぶ麻薬機関の陰謀。日本の政界をゆるがす恐るべき犯罪の真相を探るため、私立探偵の中井が現地へ飛ぶ。そこで彼が見たものは?
◆砂の霊柩車(小林 久三・ケイブンシャ ノベルス)
ゴールデン・フラワー製菓広告部第2課課長・三上伸矢のもとに「おまえの会社の製品に青酸カリを混入する。1億円用意しろ」という脅迫状が届いた。単なる一課長に過ぎない三上を指名して、脅迫状を送り付けた犯人
の真意を掴ぬまま、事件の渦中に巻き込まれた三上。そしてその日を境に、不倫関係にある部下の牧真由美が絞殺されるに至り、容疑は三上に……。はたして脅迫と殺人の関連は……。
◆大相撲殺人事件(小森 健太朗・ハルキ・ノベルス)
由緒ある歴史を誇る相撲部屋・千代楽部屋を訪れたアメリカの青年・マーク。ひょんなことから力士となるべく部屋住みの身となった彼だったが、そんな彼を待っていたは相撲界に吹き荒れる殺戮の嵐!立ち会った瞬間爆発する力士の身体、頭のない前頭の惨殺死体、連日順々に殺されていく対戦力士、女性が上がれないはずの土俵上に生じた密室状態、身体のパーツを集めるかのごとく発生する連続殺人、洋館に集まった力士たちを襲う見立て殺人……。マークの名推理が土俵の上に冴えわたる!
◆青葉のころは終わった(近藤 史恵・カッパ・ノベルス)
「ねえ、知ってる?瞳子(トウコ)が死んだんだって」瞳子は孤高の存在で、ガラス細工の天使のようだった。繊細で儚げで、他人を魅了する少女に見えた。彼女のことが、可愛らしくて、愛おしくて、腹立たしくて、憎らしくてたまらなかった。死後届いたハガキには、「私の事を殺さないで」とあった。
◆二階堂警視の呪縛(斎藤 栄・カッパノベルス)
<女王位戦>対局後、現女王の中臣里恵(ナカトミ サトエ)に挑戦した海道美恩(カイドウ ミオン)が、行方不明に……。観戦記者・柏木太陽は、参観者の中にいた不審な中年女性を、美恩が気にしていたこと思い出す。その柏木の機転で、美恩は発見されたが、奇妙なことに、彼女の握っていた〝女王駒〟が手から離れなくなった!一方、神戸・三宮の<マクシム・パール>の社長令息が、麻薬入りコーヒーを飲み急死した事件を捜査中の、兵庫県警特命刑事調査官・二階堂警視は、マクシムJrの交友関係を追う。そこで掴んだ〝女王駒〟との接点に何が隠されているのか?シカゴー浜松ー横浜を結ぶ事件に迫る二階堂警視の推理の冴え!
◆二階堂警視の私刑(斎藤 栄・カッパノベルス)
兵庫県警の特命刑事調査官・二階堂警視は、秘密裏に、県選出の千香谷(チコウヤ)国会議員の行方を捜すように特命を受けた。千香谷は証券取引上の違法行為で、検察に召喚される寸前、神奈川県・平塚の病院に偽装入院!潜伏先は、二階堂の妻・日美子(ヒミコ)の兄柏木が最近院長になった病院だった。二階堂と部下の大熊恵二は急遽、平塚に……。しかし、千香谷は、病室の壁に<わたくしは、ケッパクだ>と書き遺して死亡していた……。さらに病院内で、第二、第三の殺人が……!遺された「イソップ寓話集」に付されたマークの謎?巧妙に仕組まれた犯罪トリックに二階堂警視が挑戦!
◆二階堂警視の身代金殺人(斎藤 栄・カッパノベルス)
「日本国内を旅行中のあなたの息子・マッコイ橋本と友人三名を誘拐した。身代金五百万ドルを支払え」と、ハワイ・オアフ島の日系大富豪・橋本大介の別荘に脅迫電話が掛かった。広域外事警察協議会(WFPC)を組織したばかりの二階堂警視は、さっそく捜査を開始。FBIのショーン特別外務長も来日して、合同捜査に加わった。しかし、必死の捜査も空しく、マッコイ橋本は、無残な死体で発見され……さらに!日米を股に掛けた大がかりな殺人事件の行方は!
◆殺人の単位(斎藤栄・トクマノベルス)
軽井沢の<こころ探偵事務所>に尾瀬主任の親戚・善太郎が訪ねてきた。彼が東北のフリースクール・愛生会高校で、極秘に調べて欲しいことがあるという。愛生会高校は、全国から高校をドロップアウトした金持ちの子息・子女が、大検を取るために入る豪華な全寮制のスーパーハイスクールである。この校内のどこかに、なんと巨額の財宝が隠されているらしい。江戸川探偵長はさっそく尾瀬と明美を学校に送り込み、調査を開始する。折しもこの地には火山性の地震が多発、まさしく高校は激しく揺れ始めた……。
◆釧路霧の街殺人事件(木谷 恭介・ワンツーマガジン社)
釧路近郊の昆布森海岸で、男の刺殺体が発見された。所持していた名刺から被害者は、市内で水産会社を営む畑中博人と判明した。死者のポケットには「誅」と書かれた紙切れが入っており、犯人の遺留品と推察された。捜査に乗り出した警察は、被害者の一人娘・穂奈美をめぐる相続問題に着目し、動機の点から、彼女の恋人の辺見に容疑の眼を向けた。生前の被害者は二人の結婚に反対で、娘には腹心の部下を相手として勧めていたらしい。窮地に陥った恋人を救うため、穂奈美は警察庁広域捜査官の宮之原警部を頼ったが……。
◆京都小町塚殺人事件(木谷 恭介・徳間書店)
あ、お父さん…京都・麩屋町の高級料亭「胡蝶」に妙齢の女性と連れだって入って行ったのは、父に違いない。温奈(ハルナ)は父の姿を見たのは、、それが最後になってしまった。翌日、地蔵院の小町塚に、服部博之の無残な撲殺死体が投げ捨てられていたのだ。狂牛病騒動であまたの調味料が回収される中、博之の開発した天然調味料は高業績をあげ注目の的だった。製法特許をめぐる暗闘に巻き込まれての非業の死かとも思われたが、警察が逮捕したのはあろうことか温奈の恋人津島だった!
◆為朝伝説殺人ファイル(今野 敏・講談社)
伊豆大島、奄美大島のダイビング事故と為朝伝説を結びつけたTVワイドショーのキャスターたち。視聴率競争にプロデューサー、女子アナウンサーらの思惑も絡んで次の事件へ。異能者ぞろいの警視庁科学捜査班は、初めて地方に飛び、伝説と殺人事件に取り組むが……。STの意外な弱点を克服して犯人と真っ向から対決!
◆緑の調査ファイル(今野 敏・講談社)
人気ソリスト柚木優子の所有する、一億円のバイオリン・ストディバリウスが盗まれた!リハーサル会場への移動中に起きた、不可解なすり替え盗難事件。さらにホテルの密室で、コンサートマスターが殺された……。いったい誰が?そしてバイオリンの行方は?すれ違いの感情が生んだ悲しい結末にSTが立ち向かう。
<平成24年5月=16冊読みました>
◆加賀百万石殺人事件(木谷 恭介・角川春樹事務所)
石川県警捜査一課の住之江紗代は、沢口金箔の元社長夫人である沢口佳子から、奇妙な相談を受けた。数ケ月前に交通事故で亡くなった夫と同乗者に六十億円もの保険金がかけられているというのだ。保険金の受取人は、会社であったが、現金は他人に渡ってしまっている。沢口社長の死は、交通事故ではなく、保険金殺人だったのか?再捜査の必要性を感じた紗代は、上司へとぶつけるが、署内には紗代を牽制する動きが……。孤立無援の状況になった紗代は、警察庁広域捜査官の宮之原警部に協力を要請するが……。
◆津軽十三湖殺人事件(木谷 恭介・双葉文庫)
雑誌の編集長をしている百瀬道代は、取材先の川蔵地蔵尊で行方不明になった、婚約者の所持品が岐阜で発見されたという知らせを受ける。なぜ岐阜なのか?道代はその謎を解くため宮之原警部と現地に向かうが……
◆京都呪い寺殺人事件(木谷 恭介・徳間文庫)
京都・一条戻橋で安部晴明(アベノ セイメイ)の生まれ変わりを自称する辻説法を行っていた「平安銀行の会長に呪いをかけた。呪いを解かねば無残なことが起きる。」生命保険のセールスレディ・友坂七緒子は不気味な預言に戦慄を覚える。その夜、彼女が契約をとった家具会社社長・津金が轢き逃げにあい死亡した。災害死亡時六億円、個人契約の最高額だった。彼は他にも一社同じ保険に入っていた。受取人はいずれも祇園のクラブ経営者・桑野佳純、平安銀行会長の愛人と噂される女だった……
◆葡萄夜行列車が運ぶ殺意(津村 秀介・徳間文庫)
三月五日、日曜日の夜。札幌駅に寝台特急〝北斗星6号〟が入線してきた。乗車しようと階段を昇っていた尾高直昭の頭上から老人が落ちてきた。誰かに突き落とされたらしい。老人の運び去られたあとには、一房のブドウが残されていた。これが多重殺人事件を解く鍵となるのか。週刊誌のフリーライターである浦上伸介は、難事件になればなるほど頭脳が冴える〝アリバイ崩し〟のプロでもある。山梨ー京都ー札幌を結ぶ犯行日時は、同一犯人では不可能と思われた。しかし、浦上は丹念に調査・分析し、犯人を追いつめる。
◆札幌月寒西の死線(津村 秀介・光文社)
JR西日本が1989年7月に自信を持って送り出した、豪華寝台特急・トワイライトエクスプレス。日本海の華麗な黄昏という演出を楽しみながら、乗客は北都・札幌へ向かう。ルポライター浦上伸介が、取材アシスタント前野美穂の先導で京都から札幌へ向かった。〝トワイライトエクスプレス〟から消えた死者が、札幌で浦上と美穂を待っていた。
◆宮島・伝説の御愛と死(西村 京太郎・新潮社)
ガンで余命三カ月と宣告された一乗寺妙子が殺された。十津川警部は、彼女が最後の旅を計画していた、世界遺産の地・宮島に向かう。厳島神社の大鳥居をくぐる参拝遊覧船で起こった転落事故が、二十一年前の記憶を呼び起したとき、事件は意外な展開を見せる。
◆岐阜羽島駅25時(西村 京太郎・新潮社)
東京、横浜で相次いで起こった高齢の資産家の殺人事件。岐阜羽島の研究所で、百五十歳までの延命を研究する謎のドクター。殺人と長寿、相反する二つが繋がったとき、衝撃の事実が明らかに!十津川警部が不老不死の謎に挑む。
◆紀ノ国殺人迷路(草野 唯雄・徳間文庫)
警視庁顧問探偵・尾高一幸は、南紀白浜で旅館を経営する叔父・太田徹のはからいで、見合いに招かれた。もとより身を固める意志のない尾高なので見合いは不首尾に終わったが、和歌山氏に住む見合い相手の母娘を車で送り届けたその帰り、叔父・徹が事件に巻き込まれた!ひき逃げの容疑をかけられたのだ。徹は、自分が轢いたのは白い紀州犬であって人間ではないと主張するが……。徹の嫌疑を晴らすために、被害者の周辺を調査する尾高と助手の渥美純子は意外な事実を突き止める。
◆陰の告発者(草野 唯雄・双葉社)
その年の八月十七日に起こった「事件」を、わたしは目を皿のようにして捜し続けた。あるだけの縮刷版を調べ上げた結果、わたしの求めているような事件は、どこにも発生していないことがわかった。いや、発生していないとは言い切れない。が、とにかく報道されてはいないのだ。(新聞というのは全国紙だけでなないのだぞちほうしがあったのね。でも、そこまで手をひろげることは、わたしには)(できるさ。簡単なことだ。もっと大きな図書館にいけばいい。例えば、国会図書館だよ)そうだった。なぜもっと早くそれに気付かなかったんだろう。わたしはさっそく永田町の国会図書館へ出掛けた。手始めに神奈川新聞から始めた。関東地方を終わり、それに隣接する中部に移った。そして、長野県の信濃毎日新聞で、わたしに遂にこれぞと思う記事に巡り逢えたのだ。
◆北の夕鶴2/3の殺人(島田 荘司・カッパノベルス)
五年ぶりに別れた妻・通子からかかってきた電話は、ただならぬ気配に満ちていた。警視庁捜査一課の刑事・吉敷竹史(ヨシキ タケシ)は、通子を追って上野駅へ。発車した「ゆうづる九号」に通子の姿を見つけたが…。翌日、青森署からの捜査協力依頼は、「ゆうづる九号」で死んだ女の身元を洗うことだっだ。なんと死んだ女の服装は、昨夜見送った通子のものとまったく同じだった!吉敷は急遽青森へ飛んだ。そこで吉敷が見たものは…?さらに釧路での密室殺人と、雪の夜の鎧武者が現れる怪奇事件!青森、盛岡、雪の釧路を舞台に、意表をつく壮大なトリックとサスペンス、そして愛しい人への限りない愛を見事に融合させた本格推理。
◆Yの構図(島田 荘司・カッパノベルス)
昭和61年8月18日午後10時26分、上野駅19番線ホームに上越新幹線〈とき418号〉が入ってきた。その4分後、反対側の20番線に東北新幹線〈やまびこ194号〉が着いた。〈とき〉のグリーン車には、身なりの派手な女の死体が……!しかも、死体のそばには花束と、東北地方にしかいないチョウセンアカシジミ蝶が……?さらに反対側の〈やまびこ〉の車内でも、花束をそばにした中年の男の死体を発見!男は盛岡の中学教師、女はその教え子の母親であった。警視庁の捜査一課の刑事・吉敷竹史は、事件の背後に唯ならぬものを感じて盛岡へ……!Yの意味とは?チョウセンアカシジミ蝶の謎とは?
◆はばたけペリカン弁護士・カゲキにドキッ?(志茂田 景樹・TENZAN NOVELS)
桐院(トウイン)トオル。28才。職業、弁護士。六本木の資産家の跡とり息子にして超人気ディスコのオーナーでもある彼は「オシャレで危険」な事件調査が専門(ダイスキ)。個性はギャルズスタッフを率い、自家用ヘリ「PELICAN」号で飛び回るトレンディな奴だ。そんな彼の事務所に、黒猫の死骸と〈ADOの呪い〉というメッセージを残して消えた謎の美女?おまけに、クルージング中の桐院も命を狙われて…。
◇外道・宮本武蔵(志茂田 景樹・実業の日本社)
武蔵、餓狼の群れを率い関ヶ原に参戦
慶長五年(1600)九月、美濃関ヶ原で東西決戦が始まった。徳川家康対石田三成の覇権争いである。西軍優勢のまま闘いは推移するが、小早川秀秋の東軍への寝返りによって、石田勢は劣勢に追い込まれる。だが、突如怒涛のごとく小早川勢へ急襲をかけた軍がいた。武蔵率いる武装軍団である。形勢は逆転し、小早川隊は潰滅。徳川家康は関東へ引き上げるが…
◇上杉神将伝1(近衛 龍春・WANI NOVELS)
謙信と信長を戦わせてみたい。
「彼奴をしとめるのじゃ」武田信玄亡き今、織田信長の天下制覇を阻む上杉謙信率いる越軍が上洛準備を始めたという。邪魔者は始末せねばならない。「越後の龍」を抹殺すべく、森蘭丸配下の嚮談(ゴウダン=忍び)が潜伏していた。ダーン!ダーン!ダーン!三発の銃弾が出陣でわき返る春日山城内に轟いた。昏倒する二人の男。天正六年三月十三日、昼のことであった。「上杉謙信を射止めたよし」安土城望楼で琵琶湖を眺める羅王にもたらされた吉報。「お前、よくやったわ」生来のかん高い声を上げ、信長は美小姓に笑いかけた。
◇上杉神将伝2(近衛 龍春・WANI NOVELS)
「追え、者ども、逃がすでない。柴田の首はまだぞ!」「退くな、押しとどまれ。兵数では変わらぬぞ。柴田の闘志を見せい!」真上に有った日は、山々を茜色に染めながら長い影法師を作っている。天正六年(一五七八)三月三十日申の刻。朝の霧中で始まった上杉五万、織田六万による九頭竜川の戦いもそろそろ終盤を迎えつつあった。上杉軍の猛攻に敗走した織田勢はちりじりに逃げまどい・大将柴田勝家は五層九重の天守を誇る牙城・北ノ庄に籠城すべく、無念の退却を決めた。「乱杭を打て、逆茂木をくくれ。火縄の火をたやすでない」煌々と篝火が焚かれる場内では上杉勢を迎え撃つ準備がなされていく。勝家は天守最上層から外の様子を眺めては、末期の酒を傾けていた。〝越後の龍〟こと上杉謙信との決戦の時が目前に迫りつつあるー
◇ご存じ不死身の男(講談社)
▽鞍馬天狗(風と共に・大佛 次郎)
▽柳生十兵衛(無明斬り・五味康祐)
▽眠狂四郎(義理人情記・柴田錬三郎)
▽遠山の金さん(雪肌金さん・陣出達朗)
▽月影兵庫(もぐさ屋騒動・南条範夫)
▽座頭市(座頭市物語・子母澤寛)
▽木枯らし紋次郎(上州新田郡三日月村)
▽仕掛人・藤枝梅安(殺気・笹沢左保)
▽獄医立花昇(女牢・藤沢周平)
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<平成24年4月=22冊読みました>
◆諏訪湖マジック(二階堂 黎人・徳間書店)
JR大宮駅北側の陸橋から、高崎線上り列車めがけて投げ落された、身元不明の死体。警視庁捜査一課の馬田権之助刑事は、二ヶ月前にも同じ場所で主婦の投身自殺があった事を聞き、その関連性に首を捻った。一方≪日本アンタレス旅行社≫に勤務する水乃サトルは出張先の諏訪で、かっての同僚安場今日子から、行方不明の父親昭一の捜索を依頼される。昭一は郷土史研究家として有名で、武田信玄の墓を探索中であったという……。
◆悪魔のラビリンス(二階堂 黎人・講談社ノベルス)
三重密室事件と人体消失。寝台特急≪あさかぜ≫の個室で起こった、世にも怪奇な事件。さらに、若い男性の全裸死体が氷柱の中に陳列されたガラス御殿の謎。悪夢、混沌、泥沼……。「殺人の美学」を纏った摩王ラビエンンスの企てに蘭子は「純粋論理」を盾に推理の槍を突きつける。
◆錯誤のブレーキ(中町 信・講談社ノベルス)
雨の夜の正面衝突事故。運転していた島津群四郎は即死。同乗していた三人は、瀕死の重傷。原因は運転ミスと思われたが、この事故が、連続殺人事件の始まりだった。島津と同乗者には奇しき因縁があったのを知った素人探偵和南城武(ワナジョウ タケシ)・千絵夫婦が解明した恐るべき復讐の真相とは……!?
◆石狩川殺人事件(西村 京太郎・文藝春秋)
都内のコンビニエンスストアーで殺人事件発生。殺された学生アルバイトには、北海道で暴行事件を起こして少年院に送られていた前科があった…。手掛かりを求めて十津川警部と亀井刑事は、北海道・層雲峡に向かう。十津川と亀井の前に、暴行事件の共犯者を付け狙う、犯人の姿が現れる……。
◆こまち田沢湖殺人事件(中津 文彦・カッパノベルス)
秋田中央署の藤田署長がある日突然、失踪した。未解決の殺人事件と、自らの失踪の謎を残したまま……。そんな中、混乱の秋田中央署に〝ワンポイントリリーフ〟として赴任してきたのは、髭もじゃの顔にスニーカー……キャリアの身でありながら、地方警察の署長を転々と回されている「さすらい署長」風間昭平であった。「風光明媚な自然」と「美女」。秋田が誇る二つの〝色〟に囲まれながら、人情派・風間の名推理が冴える!
◆塙保己一推理帳(中津 文彦・カッパノベルス)
年明け早々~しばし烈風に襲われた、享和二年(一八〇二)の江戸市中。検校刃にわ保己一は、幼なじみの川だ善右衛門を訪ねた根岸の里で、不審な失火事件を聞いた。お店の隠居所が焼けて、若い母親と赤子の二人が逃げ遅れて死んだというのだ。両眼は光を失って久しいが、保己一には、とぎすまされた感覚と、群を抜く記憶力があった。杖代わりの和三郎とともに焼け跡に足を運んだ保己一が「見たものは何か!
◆稀覯人(コレクター)の不思議(二階堂 黎人・カッパノベルス)
手塚治愛好会の会長が自宅の離れで殺され、貴重な手塚マンガの古書が盗まれた。しかも犯人は密室状態の部屋から消え失せてしまった!犯人は愛好会のメンバーなのか?大学生水乃サトルが、持ち前の頭脳と知識と軽薄さを駆使し、高価なマンガ古書を巡る欲望と、マニア心が渦巻く事件の謎を解く!
◆実況中死(西澤 保彦・講談社ノベルス)
他人の見た風景がそのまま見えてしまう「怪能力」を得たばっかりに、殺人やストーカー行為をそのまま「体験」してしまう恐怖!切羽詰まった女性の訴えに、神麻嗣子(カンオ ミツギコ)と能解匡緒(ノケ マサオ)、保科匡緒(ホシナ マサオ)の3人は、調査と推理を巡らす。そして辿り着いた、あっと驚く真実!
◆野麦峠殺人事件(木谷 恭介・光風社)
未婚の母であることをマスコミに発表し、幼い娘と共に生きる決心をした人気女優・仁科奈津子……しかい、彼女は故郷に近い野麦峠で死体となって発見される。自殺なのか他殺なのか?彼女の過去に政界の大物の影が見え隠れして……警察庁遊撃捜査官・宮之原警部の推理が冴える。
◆知床岬殺人事件(木谷 恭介・ワンツーマガジン社)
厳しい北の海と険しい山々に守られ、太古からの自然が手つかずのままに残る世界遺産・知床。その半島の付け根にある羅臼の番小屋で、若い女性の絞殺死体が発見された。休暇旅行で知床を訪れていた愛媛県警の大鷹刑事は、羅臼の町で身寄りのないホステス、津具美と出会い、一夜を共にした。だが、翌朝、現場近くに居合わせたために殺人容疑にかけられてしまった。すぐに容疑は晴れたが、事件は大きな広がりを見せていく……。警察庁直属の広域捜査官・宮之原警部が封印された闇を暴いていく。
◆石見銀山街道殺人事件(木谷 恭介・ノン ノベル)
<二〇〇八年、日本は国家破産する>と謳う投資ファンドに騙された。広島県吉舎(キサ)の旧家友野家を訪ねた東京の古美術商はそう切り出した。応対した多香子は、兄・卓也が怪しい投資会社に勤めているいることを知る。なぜそんな詐欺まがいの仕事に?不安を抱く多香子に、翌日、卓也が石見銀山で心中したという知らせが入る。卓也にはディスカウント店放火容疑が掛けられていた。心中を装った殺人では?多香子は宮之原警部に捜査を依頼。放火事件の陰に株売買にからむ疑惑が浮上した……。
◆吉野十津川殺人事件(木谷 恭介・徳間文庫)
日高忍はフリーのツアーコンダクターである。北欧三国の旅の最終日、ストックホルムで忍は父の死の報らせを受けた。それも殺人事件として……。父は歴史と伝説にいろどられた山深い奈良の十津川村で温泉旅館を経営していた。その宿は昔ながらの旅館で、頑なまでにいま風の色に染まるのを拒んでいた。忍は兄を、七年前に交通事故で亡くしていたので、旅館を継ぐことになりそうだった。そのさなか、忍が恋心を寄せる幼馴染の克己が行方不明になり、宮之原警部が事件解明に十津川村に乗りこんでくる……。
◆渋谷公園通り殺人事件(木谷 恭介・立風書房)
四国松山市内で、ホームレスの男が殺された。懐中から発見されたのは、トカレフ銃と人気女優の戸籍謄本。わずかな手掛かりを追う大鷹鬼平巡査は、警察庁・宮之原警部の助力を得て東京・代々木公園のホームレスの群れに潜入。
◆京都石塀小路殺人事件(木谷 恭介・徳間書店)
京都東山石塀小路(イシベコウジ)の一角に和菓子屋・嘯月(ショウゲツ)はあった。老舗・吉鶴から移った天才職人・岸本勇太のおかげで店は持ち直していた。勇太が 嘯月の一人娘・早紀の婿になり店を継ぐという噂の裏で、深刻な事態が進行していた。茶道最匠(サイショウ)流の若宗匠・数馬は早紀との恋愛関係を家元に反対され嘯月の向かいの旅館に寄宿していた。和解の話し合いのため家元は使いを出した。人払いを頼まれた旅館の女将が戻ると、若宗匠が血まみれで死んでいた。無人のはずの旅館から赤い雨傘をさした女性がでていくのが目撃されていたが……。
◆木曽恋歌殺人事件(木谷 恭介・徳間書店)
宮之原警部は、通い婚状態が続いていた平瀬玻奈子(ハナコ)から妊娠を告げられる。飯田に住む娘へ報告に行く道すがら、二人は木曽路を旅していた。「夜明け前」に描かれた深い樹林の面影を残す妻籠で、観音図をスケッチする女性を見掛けるが、偶然その夜、馬籠で彼女と同宿する。二日後、その女性が二十五キロ北の王滝村で絞殺体となって発見された。被害者は滝口千尋、三十歳。京都上七軒(カミシチケン)の芸妓だったが、飯田の老舗酒造会社社長に見初められ、代理母として一粒種を出産した。しかもその子が何者かに誘拐されていた……。
◆鉄道唱歌殺人事件(木谷 恭介・実業之日本社)
キタのクラブホステス並河瑠花は、ゴルフ場近くで女の絞殺体が見つかったと、テレビが報じているのを聞いて、同僚の室生千鳥でないかと芦屋警察署に電話を入れた。ハンサムな天王寺谷朝紀(テンノウジヤ トモノリ)刑事が瑠花を訪ねてきた。室生はルポライター志望で、鉄道唱歌の謎を調べていた。それが事件とどう関連するのか?事件の解明は進まず、困りはてた天王寺谷は、瑠花に名警部宮之原を訪ねさせ、コンビを組ませて事件を解決しようと画策し……。
◆京都柚子の里殺人事件(木谷 恭介・実業之日本社)
カタログ雑誌の編集長をしている椎名紗智に、京都の嵯峨水尾で開かれる「女流民族学研究者の集い」への招待状が来た。ところが現地へ赴くと会は中止になっており、会場には京都のバーのママ平瀬玻奈子と人形作家瑠璃川凌の二人だけがいた。三人には、過去に巻き込まれ事件を宮之原警部に解決してもらっていたという共通点があった。しかも招待状の差出人は、手紙の発送される以前に殺されていたのだった。
◆方舟は冬の国へ(西澤 保彦・カッパノベルス)
かりそめの家族。偽りの夏休み。なぜこんなにも、愛おしいのだろう………
六年勤めた会社を辞め、失業中の十和人(ツナシ カズト)は、ハローワークの前で奇妙な男に声をかけられた。仕事を依頼したいという。それは、一ヶ月の間、別の名前を名乗り、見知らぬ女性と少女との仲のいい三人家族を装って、盗聴器と監視カメラのある家に滞在するというものだ。依頼を受けて滞在を始めた三人に、不思議な現象が起こり始める。……。
◆ファンタズム(西澤 保彦・講談社)
「この世界のルールを理解しよう、なんて無駄な努力は諦めた……」印南野市で発生した連続女性殺人事件。遺体の口には必ずある紙片が、現場には犯人の指紋がべったりと遺される。殺ッたのは‘ファントム’……丸で実体のない幻のようなやつ。「ここにいる自分とは、その存在とは、いったい誰のものだろう」。彼の自問は、谺せず、ひとり美しい構図を描ききる!
◆夏の夜会(西澤 保彦・カッパノベルス)
この夜会の主役は記憶だ。呼び起こされ、捩じ曲げられる記憶たちだ。真実と錯誤は輪舞曲のように交錯し、事件の様相を二転三転させる。その先にあるのは、驚愕と悔悟、そして再生。「夏の思い出」は、あまりに苦い。
完全に忘れていたはずの事を何かのキッカケで突然思い出す事ってある。ヤな思い出に限ってそうだったりして、ヘタな怪談よりもよっぽど薄気味悪かったり、後味悪かったりする。因果にふり回されるこの物語の主人公は不幸だ。
◆伊豆下賀茂で死んだ女(西村 京太郎・祥伝社)
伊豆下賀茂のテニスコートで美人プロ選手中野美代子の死体が発見された。殴殺だった。直後、コーチの須田、大会スポンサー社長の古池も惨殺され、すべての現場にはなぜか「メロン最中」が残されていた……。やがて背後に、スポーツ界を巻き込む脱税疑惑が浮上するが、十津川警部の執念を嘲笑うように殺人は続く!次なる標的は誰なのか?犯人との息詰まる攻防線の中、十津川は事件の恐るべき構図を見抜いたが……。
◆アブナイ街の罠と女(志茂田 景樹・桃園書房)
元ボクサーの八丈文他は原宿の街がよく似合うトレンディー探偵。男に強くても女に弱いし、今どき珍しく男気張っちゃうタイプだから、この稼業にぴったりだ。転がり込んできた娘のサキと組んで、原宿、六本木、麻布と、トレンディな街で起きる事件を、豪快なパンチを繰り出して解決する。
<平成24年3月=24冊読みました>
◆和時計の館の殺人(芦辺 拓・光文社)
謎めく和風の屋敷、曰くありげな遺言状、顔を見せぬ怪人物、そして飄々として現れ、謎を解いて去る名探偵に「和時計」という不思議に魅力的なからくりを融合したミステリで、一族郎党を襲った惨劇を素人探偵の森江春策が解く。
◆狂喜乱舞殺人事件(赤川 次郎・講談社)
スーパーで起きた奇妙な首つり自殺。会社が秘密裏に所有していたマンションで起きた部長殺人とホストクラブの殺人。大貫警部が熟睡するホテルの部屋で起きた殺人と会社の跡取りが狙われた事件。美術館で起きた名画強奪事件。修学旅行中のバスで起きた目撃者のいないバスガイド殺人未遂事件。誰もが首を傾げる怪事件に大貫警部が前代未聞の捜査&推理で迫る!
◆遠州姫街道殺人事件(木谷 恭介・祥伝社)
遠州引佐の遺跡・天白磐座で地元出身のタレント・牧山未来(マキヤマ ミキ)の絞殺死体が発見された。未来は東海道の脇往還として大名家の姫様が利用したといわれる「姫街道」に因んだ行事の主役に選ばれていた。現場で不審人物が目撃されていたが、警察は第一発見者の小田切亮輔を疑う。インターネットで知り合った亮輔とデート中に事件に遭遇した沢上静香は彼の無実を証明すべく名警部宮之原に捜査を依頼。だが、主役の選考に絡む怨恨、被害者の所属事務所との確執も浮上、事件は混迷を深めていった……。
◆走る死体(浅黄 斑・実業の日本社)
静かな城下町・彦根でベットクリニックを開いている五十海七緒(イカリ ナオ)は、ある日深夜の急患の往診に出かけて、思いがけないことから犬の誘拐犯にされてしまう。すぐに誤解は解けたものの、彼女の高校時代の友達・つぐみの飼い犬も連れ去られ、さらに、つぐみの夫が何者かに襲撃されるという不気味な出来事が続く。そして事件は思わぬ方向に…。誘拐された犬の持ち主が殺され、しかも、その容疑者としてつぐみが逮捕されてしまったのだ。つぐみの無実を信じる七緒は、友人のテレビディレクターと共に事件を調べ始めるが……。
◆二重逆転の殺意(姉小路 祐・徳間文庫)
見当たり捜査とは、指名手配の出ている人間の顔写真を覚えて街角で発見し逮捕することを目指す警察用語である。ウラヤンこと浦石大輔は、大阪府道頓堀署の見当たり班を担当して八年になる。昨年大阪府は八三八人の指名手配犯を逮捕し、その一割以上が見当たり班による検挙だった。熱海の老舗ホテル「喜多野」の経営者・喜多野栄一郎は追い詰められていた。客の減少と妻の入院、それに、関西のやくざの宴会を断ったことによる嫌がらせが追い打ちをかけた。そこに「中小企業を救う」というファックスが届き……。
◆湘南ベルバラ探偵局(胡桃澤耕史・実業の日本社)
鎌倉マダム達が探偵局を開設!往年の大女優・浄明寺洋子は四十五才。しかし、いまだに三十代半ばの美貌を保っている。そんな彼女が大晦日の夜突然夫に反旗をひるがえした。仲良しの有閑マダムたちと探偵局を開設するという。そして、新年早々、宝塚ファンの洋子が命名した「湘南ベルバラ」探偵局が活動を開始した。
◆新幹線≪のぞみ47号≫消失(木谷 恭介・徳間文庫)
東京発、新大阪ゆき<のぞみ47号>が、静岡・掛川間で行方を絶った。16両編成の新幹線が、走行中に線路上から消えてしまったのだ。日本鉄道史上類を見ない大事件が発生してまもなく、「グループ富士」を名乗る犯人から、インターネットでマスコミ各社に犯行声明が送られてきた。政府と銀行は金融危機の実態を明らかにしたうえで、改革のための実行委員会を設置し三日間で試案を発表せよとの要求だ。その発表と同時に乗客全員を解放するという。前代未聞の怪事件に、宮之原警部が立ち向かう。
◆富士箱根殺人旅愁(斎藤 栄・廣済堂出版)
光る岩、暖かい風、温泉湖、鍾乳石に彫った愛染仏、女の泣き声。「おかしいと思いません?そこには、五つの言葉が何の脈絡もなく並んでいるんですけど、最後に<女の泣き声>というのがありますでしょ?ほかのはどこかの風景に違いないんですけど、それだけは……」
◆五能線の女(西村 京太郎・新潮社)
十津川警部の元部下で、私立探偵の橋本豊。彼は、東能代駅と青森県川部駅を結び、世界遺産・白神山地のふもとを走る人気のローカル線、五能線の「リゾートしらかみ」の車内で、気になる女を見かける。その女、三村しのぶは、彼が弁護士の井上亜希子から浮気調査された会社社長の愛人であった。彼女の死体が、五能線沿線の名所・千畳敷で発見される。再び井上弁護士の依頼を受け、殺人現場に向かった橋本は、三村しのぶ殺人事件の容疑者として逮捕されてしまう。そして、東京で、事件の鍵を握る井上弁護士が殺された。罠にはめられた橋本を救うため、十津川と亀井は五能線に乗ることに!
◆ふくろう警視・怪しい夜にまぶたはひらく(志茂田 景樹・徳間文庫)
昼はとことんマヌケでも、ひとたび闇夜にくり出せば、精力絶倫、推理も冴える。袋田飛彦、通商〝ふくろう警視〟は、三十五才。同期はとっくに警視正に出世しているのに、勤務中のいねむりがたたってオチコボレ。でも無能と違う。犯罪の匂いをいちはやくキャッチし、隠れた事件を暴くため特設された特別自由捜査隊のキャップなのだ。今回は「日の出」のダイイング・メッセージを残して息絶えた銀座の画廊の経営者をめぐって、恋と波乱の深夜の大冒険……ふくろう警視のひとみに光が宿った!
◆女人高野万華鏡殺人事件(木谷 恭介・実業之日本社)
女人高野の仏像が……。警視庁広域捜査室長の小清水峡子が、伊豆高原に住む万華鏡作家のアトリエを訪ねた夜、そこから仏像が盗まれた。奈良県の室生寺の十二神将のひとつバサラによく似た古い像で、内部に万華鏡が組み込まれたもの。数日後、その仏像を盗んだと思われる男が生駒山の暗峠で殺された。男は仏像を峠近くの新興宗教本部に七千万円で売りに来たという。その連絡を受けた宮之原警部は峡子と捜査に乗り出す。
◆霧の疑惑(笹沢 左保・祥伝社)
東京八王子郊外の廃屋で、女性三人の死体が発見された。それぞれ別の場所、日時に殺し、一カ所に埋めたのである。マスコミが異常犯罪と騒ぐなか、神尾亜美は不安を覚えていた。母和子と祖母伸江の様子がおかしいのである。なんと父三紀夫を連続殺人犯と疑い、怯えているのだ。一笑に付す亜美だったが、やがて父の不審な行動が次々と判明し、一家はパニック状態に陥った。アリバイのない父は本当に犯人なのか?ただひとり父を信じ、亜美は恋人と共にその疑惑を晴らすべく行動を起こすが、ついに第四の殺人が発生……。
◆尾瀬ケ原殺人事件(梓 林太郎・徳間書店)
まだ雪の残る上高地で、女と男の死体が見つかった。霞沢岳への登山コース上で、堀越理枝(26才)が絞殺され、同行者の並木憲明(32才)は、その先の断崖下に転落死していた。長野県豊科署の刑事・道原伝吉は、殺人事件とみたが、同僚の牛山刑事は、無理心中節を主張。道原と相棒の伏見刑事は東京で、理枝と並木の背後を探った。すると、職場の米本を始め、理枝には並木以外に親しくしていた男性の影が……。事件を追ううち、米本が刺殺され、さらに、尾瀬ケ原で起きた事件とも絡んで、道原たちは尾瀬へ向かった!
◆逆流の殺意・水上着11時23分の死者(津村 秀介・講談社)
発端は海辺のホテルを襲った台風17号と奥利根の紅葉であり、中心は連続刺殺事件。犯人は、一部の人間には最初から見えていたが、容易に、捜査線上に浮かんでこなかった。台風が「動機」を歪曲してしまったからである。ルポライター浦上伸介と前野美保が着手したアリバイ崩しも、当初は、まったく見当違いな線だった。
◆企画殺人(鮎川 哲也・集英社)
完全犯罪が不意のミスから崩れていく過程を描いた傑作7編。
◆京都・神戸殺人事件(山村 美紗・光文社)
京都・神戸旅行に出かけた嵯峨秋子、明石夏子、志摩信一、伊勢次郎は、クイズ番組で知り合った。嵯峨野・落柿舎で一行の写真を撮った行きずりの女性が毒殺され、四人に嫌疑が。さらにその志摩も東寺で殺された。ダイイングメッセージ、密室、アリバイ、偶然の出逢いの背後の潜む殺人の罠。
◆小野小町殺人事件(金久保 茂樹・角川春木事務所)
才能に溢れながらも男を手玉に取っていた小野小町の晩年は不遇だったという伝説は、昔から良妻賢母を教育するための説話として利用されてきた。カルチャーセミナーでその話を知った「研鑚社」の編集者・中野宏美は「小町会」を創設する。ところがその研修旅行が聖星学院大学理事長の娘で、教授夫人の美樹の殺人事件に利用されてしまったのだ!参考人とされてしまった宏美は、ミステリーマニアの同僚・冬木雅彦に相談をもちかけるが、目撃された殺人犯と容疑者の間には、米沢と京都という長大な距離とアリバイという溝があった。
≪立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花の意味≫
昔から美人の姿を形容する慣用句
・立っているときは、芍薬の花のように上品で
・座れば、牡丹のように華麗で
・歩く時の姿は、百合の花のようにしなやかに
◆兵庫県の秘密(斎藤 栄・徳間書店)
高校時代の友人・久里から赤穂旅行に誘われた日美子は、旅の吉凶をタロットで占ってみた。結果は凶。久里の身を案じて同行した日美子だが、待ちうけたように殺人事件が起こる。死体の首には久里と同じ真紅のスカーフが巻かれていた。狙われていたのは久里だった!旅の目的を隠し沈んでいた久里は悲劇の予感に怯え、とうとう日美子に打ち明ける。突然音信不通となった恋人・恵二を探しに来たというのだ。恵二はどこへ消えたのか。なぜ久里が狙われるのか?旅の行き着く先は……。
◆青森ねぶた殺人事件(西村 京太郎・文藝春秋)
五月のある日、東京の下町にある民族楽器の製作所に、青森ねぶた祭りに使われる大太鼓が修理のために送られてきた。いざ担当者が修理にかかろうとしたところ、なんと太鼓の中から藁くずにまみれた女性の死体が発見された!やがて犯人として捕まった青年は太鼓の中に死体を入れたことまでは認めるが…。十津川警部と、女性弁護士・三宅綾が「ねぶた祭り」を舞台に大活躍する。
◆「瑠璃城」殺人事件(北山 猛邦・講談社)
密室と化した図書館内で女性が短剣で貫かれる。周囲には七星の模様が。城から六人の男が消失、首を切られ、辿り着けるはずのない湖で発見される。さらに頭部を失くした人間が突然現れたり、人の出入りのない状況で四体もの死体が消える。
◇新撰組血風録・総司燃え尽きる(笹沢 左保・双葉社)
遠くへ来たものだ、と総司はつくづく思う。九歳から試衛館道場に内弟子として住みついた。そこで近藤勇を知って以来、肉親に対する以上の情を抱き、だからこそ京都まで来たのだ。だが新撰組にいた五年近い歳月は、振り返りたくなるような青春時代ではなかった。それは血塗られた歴史と呼ぶに相応しい壮絶なものだった。
◇細川忠興・本能寺将星録上(智本 光隆・歴史群像新書)
信忠は忠興の顔から眼を背ける。下を向いた。「中将様」物言わぬ勝長から忠信に視線を戻した忠興は、真っすぐにその顔を見つめた。「何故、このような真似をなされた」「……分からぬ」「は……?」「分からぬ、のだ。何故、己でもこのような、真似を致したのか」途切れがちの声。忠信は両手で自分の頭をか抱えた。
◇細川忠興・本能寺将星録下(智本 光隆・歴史群像新書)
「父上」「それからな」藤孝は自らの横に置いてあった黒漆塗りの箱を、忠興の前に押し出した。「儂にはこれを使う度胸はなかったがな。良いか?これは諸刃の剣。使い所を間違えてはならぬ」「これは?」忠興はその箱を前に、内心で首を捻った。それに思い当たった時、箱へと落としていた視線を急いで上げた。
◇竜馬暗殺他三編(早乙女 貢・第三文明社)
坂本竜馬を斬った男、新政府軍の攻撃と奥羽列藩同盟の間で苦悩する東北小藩の犠牲者、会津白虎隊、新撰組・土方歳三の最後など、敗者の側から描く士魂の群像。
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<平成24年2月=17冊読みました>
◆「義経伝説」空白の殺人(中津 文彦・双葉社)
悲劇の英雄・源義経にはさまざまな伝説がある。彼は平泉で殺されたのではなく北方に向かったという北方伝説はその著名なものだ。ところがここに義経は京都に密かに舞い戻り朝廷と結んで頼朝に反旗を翻そうとしていたのではないか見られる新資料が発見された。藤原重光という当時京都平泉の責任者らしい者の日記である。この衝撃的発見の波紋は専門家の間にとどまらない。そして第一の殺人はテレビ画面をきっかけに第二のそれを引き起こすのだった……。
◆死体も歌え奥信濃(辻 真先・中央公論社)
奥信濃の山村にふってわいたパプア・ニューギニア博物館計画。そのお手伝いに、人形作家でもあるおばあさん探偵が村を訪れようとした矢先、ニューギニアの精霊の仮面をかぶった死体が出現。さらに戸隠の忍法博物館では、計画の関係者が、忍術道具で串刺しに……。ユニークな博物館や美術館の多い信州を舞台に、次々と死体を展示する謎の殺人犯を追って、ユーカリさんの推理が冴える。
◆神戸・真夏の雪祭り殺人事件(浅黄 斑・実業之日本社)
神戸・六甲山カンツリーハウスで開催中の「真夏の夏祭り」会場の雪の中から男の変死体が発見された。着衣など身元のわかるものは何一つ残されていなかったが、男の口の中から奇妙なメモが発見された。メモには「但馬→三河→石見→美田→兵庫」の文字。絞殺されてから雪の中に埋められたらしい。イベント準備でにぎわう中、いったい誰が……。被害者の身元も判明しない難事件に、兵庫県警捜査一課・篝半の懸命な捜査が続く。
◆信玄街道影武者殺人事件(金久保 茂樹・廣済堂出版)
「日本総合テレビ}の秋の連続番組「武田信玄の野望~二人の影武者」の撮影が進んでいた。ところが、桜の名所・高遠で行われる予定のロケに主役の人気俳優・沢井英樹が姿を現さない。スタッフが行方を捜すと、沢井の殺害死体が諏訪湖の湖畔で発見される。今回の撮影隊の移動、宿泊先などの手配を任されていた旅行代理店「WET」(ワールド・トラベル・エージェンシー)の調査室課長・秋月顕一は、沢井が残したというダイイングメッセージ「もちづき」を手掛かりに事件の真相を追う。
◆特捜検察・雷鳥ファイル(姉小路 祐・徳間文庫)
大型バイクの挑発に気を取られたトラックが、自転車に乗っていた村山美紀を撥ねて死亡させた。業務上過失致死などに問われた運転手を、起訴猶予処分とした。この案件に関して、新人検事・上坂温志は、赴任初日に検察審査員を務めた吉岡友理子の訪問を受けた。幹の事故には他殺の可能性があり、検察に再度の検討を願いたいというのである。内々に調査を始めた温志は、美紀の恋人が水死体で発見されるに及んで、これは単なる事故でないと判断。しかし、そんな温志に検察組織から圧力がかかり始める……。
◆大地震台湾殺人旅行(斎藤 栄・祥伝社)
警察庁小早川警視正の義妹夏木梨香は、旅行添乗員として訪ねた台湾中部で大地震に襲われた。ツアー客の男性二名が行方不明となったが、梨香は残りの客と共に無事帰国した。一方、大手銀行の資産隠し疑惑を追っていた小早川のもとへ、事件から手を退けと脅迫電話があり、その直後妻の香奈が何者かに誘拐された!必死に行方を追う小早川と梨香の前に、やがて横浜=大阪=台湾を結ぶ巨大な陰謀が……。
◆寝台急行利尻殺人事件(峰 隆一郎・大陸書房)
稚内から札幌に向かう寝台列車「利尻」の車中でヤクザが殺された。
些細なことから事件に巻き込まれた私立探偵の雨宮退助は、親友である札幌西署の鷲津警視から事件の調査を非公式に依頼される。しかし、警察と雨宮の必死の捜査にもかかわらず、成果はあがらなかった。そしておこる第二、第三の殺人。不可解な連続殺人事件の捜査線上に浮かぶ美女……。
◆恥じらうビーナス他二編(和久 峻三・文藝春秋)
祇園白川筋のお茶屋の娘・藤波清香は、離婚歴があり、子持ちで、年下のカメラマンと同棲中の美人弁護士。
人手が足りない時には、芸者姿でお座敷にも。芸者弁護士藤波清香事件ファイル三編(目撃者・恥じらうビーナス・代理母)
◇異説太閤記1・大返しならず(久保隈 苅・歴史群像新書)
「人は時に、地に這いつくばってでも生きねばならず、そして時に、命を捨ててでも立ち上がらねばならぬ」
秀吉は表情を変えず、一人一人の顔を頼もしそうに眺め続けた。「ここ三年の苦労のおかげで、わしは天下一の家臣たちに恵まれた。今はそれを、わしだけが存じておる。どうせ死ぬなら、わしがどれだけの幸せ者であったか、せめてそれを天下に知らしめてから死にたい。皆、存分におのれの得意、おのれの才を世に示すのだ。よろしく頼む」家臣たちへ真摯に頭を下げ、平伏する秀吉を、皆は立ったまま呆然と見詰めた。長く苦しい戦いが、ここから幕を開けた。
◇異説太閤記2・両虎あい食む(久保隈 苅・歴史群像新書)
「敵は崩れたぞ!押し潰せ!」しゃがみこんだまま敵の銃撃に耐えるだけだった羽柴勢は、弾けるように突進し、敵の鉄砲衆を秀吉の言葉通り、押し潰した。秀吉は、古墳群に兵糧と玉薬を運び込み、鉄砲衆二千を配して、即席の砦としていた。特に巨大な応神天皇陵へは、千を超す鉄砲衆が詰めている。木々の緑の隠蔽された鉄砲衆は、味方の前進する先に向け、一方的な射撃を続けた。手はず通り、いったん南へ後退していた鉄砲衆も北へ動き、滝川勢への射撃を始める。みずからを守る盾を急に奪われた滝川勢は、数で勝っれいる事実を忘れ、安全と思われる北側へ、雪崩を打って逃げ始めた。彼らは橋を渡ろうとして筒井勢と押し合いになり、諸共に打たれるだろう。
◇異説太閤記3・天下静謐(久保隈 苅・歴史群像新書)
「わしが大津にいる。徳川は、いかがほどの兵を回すだろうな」「はあ」「徳川の全軍十二万として、ぬしならどうする」「大津を落とせば、いくさは終わりでしょう」「徳川は、そう考えるわな」「ならば十万でも」「ならば、わしの勝ちだ。逆に一万二万で囲まれるなら、徳川が勝つだろう」「大津を落とし、殿を討ち果たせば・この上なき大手柄。誰もが大津を攻めたいでしょうに、一万二万ですか?」「だから、わしが勝つ。少しは分かるか」
◇宮本武蔵の戦い一・最初の血統の巻(柘植 久慶・PHP研究所)
俺は武将になる!僅か十三才で廻国兵法者を討ち果たした宮本村のガキ大将・弁之助は、十七才の春、合戦を求め、武者修行の旅に出る。それは、稀代の剣士・宮本武蔵の戦いの生涯の幕開けであった。並外れた膂力と、左利きを活かした独自の剣模索する武蔵野行くところ、戦雲たちこめ血風が舞う。
◇宮本武蔵の戦い二・関ヶ原の巻(柘植 久慶・PHP研究所)
風雲急を告げる!慶長五年、徳川家康と石田三成の天下を二分する決戦は、武将になることを夢見る宮本武蔵にとって、またとない好機であった。宇喜多秀家の陣に加わった武蔵は、知将明石掃部の薫陶を受け伏見城を攻め、杭瀬川、関ヶ原と転戦。血と泥の激闘の中、武蔵が得た戦いの極意とは?
◇芋汁武士道・家康と徳川家臣団(桜田 晋也・祥伝社)
贅沢を嫌い、質素に徹したがゆえに、信長・秀吉はむろんのこと、その配下からも〝芋汁〟と侮蔑され嘲笑された家康とその家臣たち。今川の人質を経て信長時代、常に死と直面し、逆境を生き延びた男、徳川家康。信玄、信長、秀吉の盛者必衰を目の当たりにした家康と芋汁軍団……。だが、彼には信長・秀吉がついに持てなかった才があった。いつ、いかなる時も部下の直言を喜び、素直に聞き入れるという率直な姿勢態度である。それこそが天下統一の基となった。
≪風林火山≫
・其疾如風 (そのはやきこと風のごとく)
・其除如林 (そのしずかなること林のごとく)
・侵掠如火 (しんりゃくすること火のごとく)
・不動如山 (うごかざること山のごとく)
◇五稜郭の夢他三編(早乙女 貢・第三文明社)
ゲリラ戦を挑んだ仙台藩士細谷十太夫、会津娘子隊・中野竹子の最後、長州騎兵隊出身の参謀世良修蔵誅戮、最も西欧の城を模した五稜郭の戦いのフランス士官のブリュネなど、敗者の側から描く士魂の群像。
◇野望上・隻眼がみる刻(子竜 蛍・学習研究社)
殺伐たる合戦の中に、およそ「美」を求めたのは、正宗だけになってしまったのかもしれない。生死の境に身を置けばこそ、美々しく飾らなければならないのだ……。
◇野望下・隻眼がみる刻(子竜 蛍・学習研究社)
ほとんどの堀が埋められ、気丈な淀ノ方もさすがに意気消沈したようだった。さらに彼女を憂鬱にしたのは、そんな状況にありながら除くべき浪人諸将に頼らざるをえないということだった。
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定年退職し、毎日が日曜日。
時間だけは、たっぷり出来ました。
そこで図書館の会員になり、好きな本をたっぷり読むことにしました。
好きなジャンルは、◆推理小説と◇時代小説。
目標は月に最低でも10冊。
脳の活性化でボケ防止を図ります。
自宅から図書館までのおよそ2Kmを運動を兼ねて歩きます。
平成24年=159冊読みました
![2_20121203101821.jpg](http://blog-imgs-55.fc2.com/t/a/k/take3tabi/2_20121203101821.jpg)
◆十七年の空白(西村 京太郎・JOY NOVELS)
警視庁に十津川をたずねてきたのは、大学時代の同窓生まゆみだった。彼女は十津川の憧れの女だった。卒業後、同窓の広田収と結婚し、大阪に住んでいた。十数年ぶりの邂逅だったが、まゆみはいきなり、十津川に「主人が逮捕されたので、助けに来てほしい」と頼んできた。ラブ・ホテルで若い女性の連続惨殺事件がおこり、広田が容疑者として逮捕されたのだ。十津川は、友人夫婦の危機を救うため休暇を取って大阪府警を訪ねたが……
◆恋と哀しみの北の大地(西村 京太郎・JOY NOVELS)
新婚一年目の刑事夫婦が、招待旅行で北海道を訪れた。しかし、宿泊先のホテルに、次々にメッセージが届けられた。もともと十津川警部が行く予定のホテルだった。あるいは十津川警部に対して恨みを抱いている人間からのメッセージかもしれない。十津川警部の前に、過去の事件が亡霊のように浮かび上がってくる!
◆三人の酒呑童子/上(和久 峻三・カッパ・ノベルス)
FTRYHFRDjf 丹波と丹後の国境の大江山、京都・老ノ坂の大枝山、新潟県寺泊の国上寺、この三カ所に酒呑童子伝説が残る。酒呑童子伝説を卒業論文のテーマに選んだ糸島英輔と延岡憲二は、京都・老ノ坂の首塚大明神を訪れ、近くの山林で男の死体と三億円の入った三個のアルミトランクを発見!警察に届けずにその大金を持ち逃げしたふたりは、そのあと、まるで酒呑童子のたたりかのように奇怪な運命に巻き込まれた。延岡が死体となって寺泊海岸で発見され、つづいて……。
◆三人の酒呑童子/下(和久 峻三・カッパ・ノベルス)
丹波と丹後の国境の大江山、京都・老ノ坂の大枝山、新潟県寺泊の国上寺、この三カ所に酒呑童子伝説が残る。酒呑童子伝説を卒業論文のテーマに選んだ糸島英輔と延岡憲二は、京都・老ノ坂の首塚大明神を訪れ、近くの山林で男の死体と三億円の入った三個のアルミトランクを発見!警察に届けずにその大金を持ち逃げした。糸島は、証券会社に勤める三輪山みどりに大金の運用を依頼、一夜、ふたりは結ばれる。やがて延岡が何者かに殺され、彼が惚れて通っていた祇園の高級ナイトクラブのホステス・岡谷伊那子と彼女のヒモ・久世健三郎も行方不明に……。カラのはずのアルミトランクの中に切断死体を発見して仰天する糸島。やがて、糸島とみどりもそろって姿を消す。
◆殺しの双曲線(西村 京太郎・JOY NOVELS)
都内で起きる連続強盗事件。東北の雪に閉ざされたホテルに無料で招待された6人の若い男女。強盗事件は双子の犯行とわかっていながら、兄弟どちらが実行犯か、警察は立証できない。一方、陸の孤島と化したホテルでは密室殺人事件が起きる。そして再び…。あざなえる縄のごとく平行する二つの物語hs、どこでどう結び付くのか?
◆十津川警部捜査行・北の事件簿(西村 京太郎・JOY NOVELS)
定年退職した警視庁の名物刑事川島が、八ヶ月後函館本線の線路際で死体となって発見された。頸に絞められた痕があり函館警察署は殺人事件として捜査を開始した。十津川の調べでは川島は自分が在職中に手掛けた殺人事件の再調査をしていた事が判明した。川島が逮捕した殺人犯は獄死していたが、生前川島に冤罪を訴えた手紙を出していた。その事件の真犯人が川島を殺したに間違いない。十津川警部は重要容疑者を捜し出したが、彼には強力なアリバイが………
◆外房線60秒の罠(西村 京太郎・JOY NOVELS)
泣き恋人との思い出の南房総を傷心旅行中、男は安房加茂川駅前の喫茶店で若い女と知りあう。彼女は男を携帯のカメラで撮り、名刺をもらう。その女が東京の井の頭公園で殺された。男は容疑者として、警視庁捜査一課にマークされるが、自分は鴨川シーワールドに行った女は、被害者と別人だと主張。十津川警部は真相を求め、捜査に乗り出す。
◆動かぬ証拠(蘇部 健一・KODANSYA NOVELS)
細工は完璧のはずだった……。映像や音声を駆使した画期的なアリバイ工作の落とし穴。周到な犯人が見落とした想像を超えるダイイング・メッセージの数々。いずれ劣らぬ完全犯罪が思いもよらない一点から破綻する。その決定的瞬間をラスト1ページにとらえ、究極の証拠をいちもくりょうぜんで明かすかってない本格ミステリー!
◆女葬列車(草野 唯雄・TOKUMA NOVELS)
満五十歳の誕生日の当日、石井清が愛用のライフル猟銃で謎の死をとげた直後に警視庁委託の尾高一幸は盛岡の彼の自宅を訪れた。尾高は遺産相続の件で和歌山を訪れたとき盗難に遭い、その急場を画家仲間と旅行中だった石井たち一行に救われた返礼にやって来たのだった。証言からも自殺の動機が考えられないことから、不審な死に疑問を抱きながら、尾高は秋田の小松茂男宅に向かったが、そこでも異常な事故死の方が待ち受けていた。……人間の善意が一瞬にして悪意に暗転、殺意の矢が放たれる恐怖を。
◆特急ワイドビューひだに乗り損ねた男(西村 京太郎・KAPPA NOVELS)
東京・三鷹で白骨死体が発見された。死体のポケットには、未使用の「ワイドビューひだ13号」名古屋発高山行きの切符が。十津川警部は高山へ行き、7年前に町から消えた男の噂を聞く。男は市議会副議長の秘書をしていたが、その妻と駆け落ちしたのだという。慎重かつ大胆に捜査を進める十津川警部が掴んだ新事実とは?
◆模型夜想曲(白鳥 賢司・アーティストハウス)
衆人環視のプラネタリウムで、投影機もろとも殺人事件の容疑者が消失?私立探偵の鼓洞櫂悟を奇怪きわまる事件の調査に駆り立てたのは、死を目前にした老人からの依頼だった。殺人事件に関与している疑いのある孫、總司を救って欲しいとの願いに、櫂悟は失踪中の總司のい行方を追う。が、やがて予想だにしない不条理な悪夢へと踏み込むことに……
![DSC05240.jpg](http://blog-imgs-55.fc2.com/t/a/k/take3tabi/DSC05240.jpg)
今月は、今日ヤット10冊目を読み終えました…なんとか目標達成です。
◆崩壊 地底密室の殺人(辻 真先・カッパ ノベルス)
地下30階を誇る大深度構造物「ジオトピア」を激震が襲う!地下23階で、衝撃のため失神した五十嵐励(イガラシ ハゲム)。覚醒した彼を待ち受けている、視覚を奪う漆黒の闇、床にせり上がる地下水の轟音、そして背にナイフが突き刺さった女性の死体!オープン直前の下層部(オープンボーン)にいたのは、励と見学者の弟夫婦二組の五人だけだった。だが、傍にいたはずの彼らの気配はない。被害者、犯人は誰か?疑心暗鬼にかられ、密封された冥界から必死の脱出を試みる励。しかし、黒い陰の恐怖感が彼を蝕む……。
◆殺人「悲しき玩具」(辻 真先・TOKUMA NIVELS)
トラベルライター瓜生慎は、愛妻・真由子の父親から、強引に取材旅行の同行を引受けさせられた。知り合いの会社社長が、娘・千濡(チヌ)の卒論取材のガイド役を探しているというのだ。テーマは石川啄木。渋民村、函館、小樽ー彼の放浪の足跡を実際に辿り、資料を集めたい、と心掛けは殊勝であったが、実はこの娘、とんだ跳ねっ返りだった。おまけに不気味な脅迫状が届き、慎は気が気でない。そして投宿先の露天風呂で、千濡が何者かに襲われた。姿なき脅迫者に怯えながらの北国行は、意外な殺人事件へと……。
◆迷犬ルパンの大活劇 少女マンガ界連続殺人事件(辻 真先・カッパ ノベルス)
警視庁捜査一課・朝日刑事の運転する車が、祝田橋の交差点を曲がったときだった。けたたましいサイレンを鳴らして追いかけてきたパトカーの警官が、朝日の車のトランクを「開けろ!」、トランクを開けた朝日はビックリ仰天ーなんと背広を着た男の首なし死体が?一方、朝日刑事の恋人を気どるランは、新しく開園した遊園地の西洋お化け屋敷の中で、フランケンシュタインとミイラ男にささえられた女の死体を発見!どうもふたつの死体にはつながりが……。さらにまた……?少女マンガ界の裏面を背景に、〝アリバイくづし〟と〝時間トリック〟に挑戦。
◆迷犬ルパンの東京暗殺マニュアル(辻 真先・コスモ ノベルス)
ヨーロッパきっての小国リヒアルト王国から、コリンヌ王女が来日した。ボディガード役はもちろん朝日刑事と迷犬ルパン。東京見物を、と銀座にやってきた一行だが、さっそくコリンヌがポシェットをひったくられた。しかも、捕まえた犯人の老人が青酸毒死!時を同じくして起きた王女の愛犬誘拐騒動は狂言とわかったが、その後も彼らの行くところ事件続発。国民の民族問題もはらみ、何やらキナ臭い臭いも……。
◆殺人「北越雪譜」(辻 真先・TOKUMA NIVELS)
日本有数の豪雪地帯、秋山郷。江戸の昔、かの地にわけ入った異才・鈴木牧之(スズキ ボクシ)が「北越雪譜(ホクエツセップ)「秋山記行」という書物を残した。トラベルライターの草分け・牧之は、いってみれば瓜生慎の大先輩にあたるわけだ。「鉄路」編集部から取材依頼がきたのもそんな縁からである。あたり一面雪景色のなか、辿り着いたノサヨ民族間で、慎たちはいきなり老婆失踪事件にでくわす。隠居部屋の通用口は雪で塞がれており、人目につかず家を出ることは不可能に見えた。これが秋山郷を襲った恐るべき殺人事件の幕開けだったのだ……
◆東京ナイトメア(田中 芳樹・KOUDANSYA NOVELS)
幸せいっぱいのはずの結婚式場は、大混乱の坩堝に陥っていた。死体が空から降ってきたのだ。戸惑う人々を莉莉目に目を輝かせる超美人が一人。そう、彼女こそ警視総監をも恐れさせる史上最強の女性警察官僚、薬師寺涼子警視その人だった。従僕(?)の泉田警部補をつれ、上司の迷惑省みず、傍若無人の捜査活動、開始!
◆殺人者あずみ野日記(辻 真先・KOSAIDOU BLUE BOOKS)
財閥系企業・四谷開発の社長・吉津茂一を毒殺したと思い込み、自殺を図ろうと、単身、あずみ野へ降り立ったアイドルタレントの星崎姫子。だが、吉津の息子・繁男にナンパされ・最後のエッチを試みようとする一方で、殺人者・木暮兵吉が自分に接近していることに気付く。木暮の目的が吉津茂一の殺害にあると知った姫子は、自分の罪の有無を確かめるため木暮と行動を共にする。そんな折、若手の殺し屋・根津孝司が二人の前に現れ、宣戦布告ともとれる言葉を残して立ち去る。吉津の生死と根津の動静。次第に事件の核心へと迫り行く木暮と姫子が……。
◆若狭・城崎殺人ルート(西村 京太郎・JOY NOVELS)
新大阪17時05分発、天橋立行きの特急「文殊1号」が、途中の大江駅を発車してすぐ爆発を起こし、脱線転覆した。プラスチック爆弾による爆破事件である。乗客の弁護士夫妻が死亡、多くの負傷者が出た。その一ケ月前にも箱根湯本で車が爆破され、男が殺されていた。犯罪の陰に女あり!東京のバーのママが犯人と関係あり、と見た十津川警部藩が動き出す!
◆上海特特急殺人事件(西村 京太郎・JOY NOVELS)
東京で起きた、下着姿での連続女子大生射殺事件。彼女たちには共通点がなく、捜査本部は変質者の犯行と推定したが、十津川警部は、その判断に引っかかるものを感じる。一方、上海の黄浦江で日本人の女性ジャズ歌手の扼殺体が発見される。中国警察の協力要請を受け、二つの事件のわずかな類似点を追い、十津川は上海に飛ぶ。
◆十津川警部・鳴門の愛と死(西川京太郎・JOY MOVELS)
十津川警部宛てに、ある作家から一冊の本が送られてくる。一年前に女優である妻を殺したのは、夫のカメラマンだと告発するもの。夫には事件当日アリバイがあり、十津川警部は容疑者から外した。しかし、四国八十八カ所巡りで出会った女性お遍路のアリバイ証言者は現在、行方不明。しかも事件後、夫が車ではねて死なせた女性は証言者の友人で、一緒に巡礼に行っていた。口封じか?十津川警部の確信は揺らぐ!?
![1_20121009043936.jpg](http://blog-imgs-55.fc2.com/t/a/k/take3tabi/1_20121009043936.jpg)
◆酔いどれ探偵李白(TOKUMA NOVELS・辻 真先)
唐は玄宋皇帝の治世。開元の治とうたわれた名君も政に倦み、楊貴妃にうつつをぬかす始末。悪宰相・李林甫(リリンホ)の死因に毒殺説が流れ、警備にあたっていた方術士・葉法善(ヨウホウゼン)に嫌疑がかかった。汚名をすすいでほしいともちかけられたのは誌仙・李白(リハク)だ。宮廷を追われ、江南を旅していた詩人は再び長安の土を踏み、調査に乗り出す。厳重な護衛下にあった宰相を誰がどうやって殺害したのか?折しも安禄山の乱が王朝を震撼させる。殺人事件の背後に、唐を滅亡へと導く大陰謀が隠されていようとは!酒豪詩人・李白の名推理!
◆津軽殺人じょんがら節(JOY NOVELS・辻 真先)
夕刊サンの記者可能克郎は、編集長の命令で人気考古学者・滑川の原稿を受け取るため津軽半島まで出かけることになった。そこで滑川の講演会と津軽三味線のイベントが行われるのだ。しかし、そこで彼を待っていたのはやり手のイベントプロデューサー大塔寺燃と妹の倫だった。わがままな学者先生と人を人とも思わない超絶美人姉妹に翻弄されつつも、なんとか原稿を間に合わせたい克郎だが、とうとう殺人事件に巻き込まれ……!
◆鬼ごっこだよ国立探偵(C☆NOVELS・辻 真先)
大統領令嬢と帝国皇太子の御成婚!といっても、東北のミニ観光独立国でのお話。ところが、式典に招かれた新婦の友人のくるみの目前で、花嫁が鬼に誘拐されてしまう。大統領の意を受け、くるみは祖母で名探偵のユーカリに〝国立探偵〟として出馬を要請。だが、なぜか今回に限ってのんびりしているユーカリを嘲笑うかのごとく、事件は殺人事件へと発展。名探偵のユーカリおばあさん、失礼おばさん、初めての敗北か……。
![](http://static.fc2.com/image/i/99.gif)
無差別サリン攻撃と要人暗殺で日本をパニックにおとしいれたテロ凶弾「日本救済の家」の残党が、新たに地下組織「究極終末凶弾」を結成し、密かに国家転覆を企てていた。まら篠の空挺団に狙いをつけた教団は、自衛隊員に薬物を打ってマインドコントロールし、〝戦士〟に仕立て上げ、きたるべき決起に向けて訓練を積ませていた。警視総監の指令を受けた超法規治安維持部隊の中心メンバー三人は、「究極終末教団」を壊滅するため、伊那谷と大菩薩峠の教団地価アジトに突入するが……
◆翔べ!暴虐を超えて(志茂田 景樹・TAIRIKU NOBELS)
大手ブティックのオーナー・美魔王子(ウツク シマオコ)の本来の姿は、政府嘱託の非合法スパイ。大蔵大臣とその娘が誘拐され、彼女は事件の捜査に乗り出す。犯人は〝白日昇天の呪い〟という言葉を残し、現・主将の辞任を要求。〝白日昇天〟とは一体何か!魔王子は、神、上村ら二人の二人の愛人と捜査をすすめるうちに、13年前に日本で起きた白日昇天の事件と、それを目撃した東洋仙道研究会の関係者が次々と怪死していった事実を突き止めるが……。
◆熊野古道に消ゆ(田中 光二・JOY NOVELS)
熊野・湯峰温泉の壺場で、女性の腐乱死体が見つかった。偶然現場に居合わせた警視長嘱託警視・千々岩は、あたかも小栗判官伝説を再現し、死体を甦らせようとしたかのようなこの事件に興味をおぼえ調べはじめる。その矢先、今度は、熊野古道・乳岩で二人のハイカーが無残に惨殺されているのが発見され、遺体の胸に椿の花炭が点々。いったい誰が何のために置いたのか?謎が深まる中、必死で捜査を進める警察と千々岩を嘲笑うかのように第三、第四の事件が……。壺湯の死体遺棄事件は、歴史と伝説に彩られた聖地・熊野古道を舞台にした恐るべき連続殺人事件の始まりだったのだ。
◆紺屋街道蔵の街殺人事件(木谷 恭介・TOKUMA NOVELS)
愛知県半田市。町を通るむかしからの道を紺屋街道と呼ぶ。この蔵と運河が印象的な美しい街で、まさかこのような事件が起ろうとは……。中国でエイズの特効薬を開発中のサクラバイオの株に関して、歌津若菜は中国人らしい男から二度指示を受けた。戦前、歌津家の世話になった恩があるという理由に不審を抱きながらも、言われた通リ売買した結果、なんと二十二億円もの大金が転がり込んできた!しかし、これには驚くべき裏があった。若菜の周りで起きる連続殺人。果たして宮之原警部は若菜を救えるのか?
◆安芸いにしえ殺人事件(木谷 恭介・KOSAIDO BUE BOOKS)
日本最大のスーパー「ケイユー」の関西総本部長・村瀬和浩と避暑の吉羽早紀子は愛人関係にあった。膨大な負債にあえぐケイユーは、なりふり構わぬリストラに着手し、村瀬も職を解かれようとしていた。そんな折り、早紀子は村瀬から京都・鞍馬の奥の町に住む桑名という男に届け物を頼まれる。しかし、早紀子が訪ねると男は家で殺されていた。届け物は華麗な装飾が施された写経の一種で、昔、巌島神社に奉納された三十三巻にもおよぶ「平家納経」を模したものと思われた。その後、村瀬をはじめ、関係者の連続殺人が……。
◆南紀白浜磯釣り殺人事件(田中光二 JOY NOVELS)
警察庁嘱託の捜査指導官・千々岩は、和歌山県警田辺署の石神に誘われて磯釣りをすることになり南紀白浜にでかけた。そこで千々岩は石神から奇妙な話を聞かされる。彼らが釣りをしているとなりの磯〝イチノハナレ〟で釣り人たちが次々と変死しているというのだ。一応すべて事故として処理されているのだが、不審に思った千々岩は独自で調べを開始する。その矢先、さらにひとりが、〝イチノハナレ〟から転落死しているのが発見され、死体を解剖してみると微量ながら睡眠薬が検証された。はたして一連の事故は連続殺人だったのか?
◆朱雀村の惨劇(吉村 達也・TOKUMA NOVELS)
「あなたは……ぼくのお兄さんです、朝比奈さん」ある雨の朝、突然かかってきた一本の電話は、伊豆七島最南端の青ケ島で生まれ、『鳥啼村の惨劇』で事件の中核にいた鳥神翼。自分より九つ年下のその青年が、秘められた存在の弟であることは、朝比奈も当時から予感していた。「お兄さん、ぼくは海が好きです。なぜ好きだか、わかりますか?」翼が謎の問いかけを残した二週間後、北海道函館の洋館で火災が起こり、焼け跡から人気占い師・算城憲子(サンジョウ ノリコ)の夫が舌を切られた惨殺体で見つかった。憲子は「私の大切な『赤い鳥』の宝石を狙った犯行」と主張。そしてその宝石を求めて、またしても尾車教授と朝比奈耕之助の「亡霊」が動き出していた。
◆十津川温泉殺人事件(吉村 達也・JOY NOVELS)
日韓共催W杯でチュニジアを2-0で破り、歴史に残る日本16強入りに沸く夜、渋谷で黄金色に彩られた男性の左足首が見つかった。その四ヶ月後、日本代表チームのシンボルマーク八咫烏のルーツである那智・熊野方面へ休養の旅に出た志垣警部と和久井刑事は、紀伊半島内陸の山深い十津川村にある日本最長・谷瀬の吊り橋付近で金色に彩られた「新しくて古い」右足首を発見。さらに北海道・小樽で第三の足が見つかった!
◆「富士の霧」殺人事件(吉村 達也・TOKUMA NOVELS)
推理作家・朝比奈耕作の友人平田均は、ある日満員電車の中で痴漢行為を働いていたサラリーマンを取り押さえて驚いた。なんと同じ会社に勤める46才の課長補佐だったのだ。しかも三週間後、その男は、富士山麓に広がる青木ケ原の樹海で、片手のない首吊り死体となって発見された。彼は、樹海に近いペンション『舞夢の館(マイムノヤカタ)』から、霧の夜に突然姿を消していたことが判明。朝比奈は、現場の状況から早くも容疑者の一人を名指しするが、その人物には決定的なアリバイがあった。そして、緑の魔界の奥で第二の惨劇が……。
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◆二階堂警視の火魔(斎藤 栄・カッパノベルス)
二階堂日美子に友人・今日子から占いの依頼が……。今日子の愛人・大月商事社長の大月英一が「あなたは必ず地獄の火で焼かれる」との脅迫電話で悩んでいるというのだ。日美子の占った火伏せのタロットでの結論はー「三カ所で火災が起こり、人が死ぬ!」一週間後、予言通り大月商事本社を始め三カ所が放火され、英一は焼死。その死体の傍らには「火牙陰気(カガインキ)参上」と焼き付けられた陶板が……。「火牙陰気」とは何者か?恨みを買った大月商事の悪行とは?
◆関西国際空港殺人事件(斎藤 栄・実業之日本社)
尼崎市の住宅地の路上に停められていた盗難車の中から、若い女性の絞殺死体が発見された。被害者の名は中山道友由見江。彼女は結婚を目前にしていたが、その結婚に不安を持ち、友人の日美子に相談を持ちかけていたのだ。日美子は捜査に当たる二階堂警視とともに、事件解決に乗り出した。
◆クイーンズスクエア横浜のロリス(斎藤 栄・実業之日本社)
横浜の古びたホテルの解体工事現場で、ひとりの青年の死体が発見された。背中にナイフの刺し傷があったことなどから、警察は殺人事件と断定、捜査に入った。一度だけだが被害者を見かけ強い印象を持っていた柏木太陽も、独自のルートで犯人を追及する。取材を進めるうち、太陽は犯行動機のある三人の怪しい人物に遭遇した。その三人の男女こそ……
◆朱雀門秘跡推理旅行(斎藤 栄・実業之日本社)
タロット日美子が逗留している建築家の屋敷で、次々と事件が起こる。その第一は、夜中にその家の娘が誘拐されたことだった。しかし奇妙なことに、誰も警察に届け出ようとしない。そしてついに恐るべき殺人事件が発生する。事件謎に日美子が迫っていくが……。
◆燃える密室(斎藤 栄・カッパノベルス)
二階堂警視と日美子の愛娘を襲った誘拐未遂事件!犯人は三人組の女だ。犯行に使われた盗難車(ベンツ)の所有者・佐久藤優加里(サクトウユカリ)の邸宅を訪れた日美子は、邸内にそびえる私設美術館「ゴッホタワー」に異様な狂気を感じた。日美子の眼前で燃え上がるタワー!やけあとからは、宙吊りにされた優加里の全裸死体が発見された!タワーのキーと密告電話が、二階堂自身を「容疑者」という窮地に追いつめる。三人の女が二階堂一家を恨む理由は何か?さらに、一瞬にして建物を炎上させた、「燃える密室」のトリックとは?
◆日美子の公園探偵(斎藤 栄・カッバノベルス)
神戸市北灘区の<北公園>。娘の真輝を連れて、毎日のように訪れるこの公園で、二階堂日美子は大野木老人と知り合った。私立大学の英文科で教鞭をとっていた大野木は、いま若い夫人とともに悠々自適の身。<公園探偵(パークアイ)>を自称して、北公園で起きた事件を、日美子と協力して解決していく。ボランティア殺人事件、幼児誘拐事件、そして凶悪な金属バット殺人。<公園探偵>大野木老人と日美子が固い友情で結ばれたとき、最後の悲惨な事件が起きた!
◆鎌倉NGO紫苑の家(斎藤 栄・カッパノベルス)
二階堂日美子は、榊原一族の資産提供を得て、ドスメティック・バイオレンスの被害者を救うNGO施設<紫苑の家>を、鎌倉材木座の所有地に立ち上げた。暴力に苦しむ女性を、その苦しみから解放し、死傷する心配のない生活に戻すことーそれは、日美子が名がね温めてつづけてきた「夢」の実現だった。しかし、<紫苑の家>のオープン早々に、入居者の島峯ハルカが失踪し、その死体が七里ガ浜で発見された。犯人は、ハルカに執着してストーカー行為を繰り返す夫なのか。さらに第二の殺人事件が起きて、日美子の夢である<紫苑の家>は、存続の危機に見舞われる!
◆山形新幹線つばさ殺人旅行(斎藤 栄・ケイブンシャノベルス)
山形新幹線・赤湯駅近くの線路上で、若い女性が新幹線<つばさ>に撥ねられて死亡した。被害者は仙石洋子。美人スリ瓜生姉妹の妹・明美の学生時代の友人だった。彼女の死に疑問を感じた婚約者から相談を受けた明美は、鉄道警察隊の江戸川に捜査を依頼。江戸川は尾瀬を伴って赤湯に向かう。だが事故現場で彼らを待っていたのは、事故を自殺と証言する謎の目撃者と彼らを狙う凶弾だった。何者かが真相を隠微しようとしている?
◆謀殺列島緑の殺人事件(木谷 恭介・トクマノベルス)
高さ二十メートルの柱の中ほどに、紺色のスーツを着た男が吊りさがっていた。現代美術のモニュメントの永久運動に合わせて、死体がゆらゆらと揺れている。手には、緑色の玉が握られていた。岩手県七重町。元総理の紀伊和人の地元として知られる田舎町に、超現代的な美術館が建てられた。紀伊や、山科総合社長の錦織錦の力添えがあったればこそと囁かれていた。この日本を動かすといわれる大物が出席した落成式で惨劇は起こった。殺されたのは警視庁の鹿山警視。怪人18面相と錦織を執拗に追っていた警視だった!
◆丹後浦島伝説殺人事件(木谷 恭介・ハルキノベルス)
丹後舞鶴の健康器具会社社長の一人娘・仙頭千紘は、ある日見知らぬ女性から、父親の会社が出したという秘書募集広告を手渡された。そこには「二十九才で身寄りがなく、血液型がB型」という奇妙な文面が書かれていた。そのことで千紘が父親への不信感を募らせていた矢先、父の昌博が何者かに殺害されてしまう。さらに、莫大な遺産相続で父の再婚相手と名乗る女性が現れ……。捜査が混乱する中で、千紘は、日本唯一の警察庁広域捜査官・宮之原警部と出会い、自らの出生の秘密を暴くことになる事件に立ち向かっていく。
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◆日美子の魔家族(斎藤 栄・KAPPA NOVELS)
「それは、わたしが19歳のころ……二階堂と会う前の話なの。私立海星女子高校を卒業した年の夏に起きた事件です」日美子尾中心にした仲良し三人組の一人、田川有里江の姉・左千子が失踪した。左千子は、三人組のもう一人、安城寺邦香乃父である高校教師・郁夫と交際していたらしい。左千子の行方を探して、郁夫の借りている志賀高原の別荘に赴いた日美子たちは、郁夫の死体を発見した。そして、目を離したわずかの間に、その郁夫の死体が消失するという怪事件が起きた!「爪食めば 子供思ほゆ まして偲はゆー」別荘の壁に貼られた山上憶良の歌が意味するものは何か!
◆越前岬の女(斎藤 栄・FUTABA NOVELS)
プロ棋士・真城寺欽弥は金沢支部の大会出席後、新聞記者・苗場とカメラマンの瀬能を誘って越前岬の老舗旅館に冬の名物カニを食べに寄る。その夜、真城寺を訪ねて、おでん屋の女将・睦美がやってくる。睦美を一目見て、瀬能は以前見た覚えがあると漏らす。翌日、気になることを調べたいという瀬能を残して真城寺と苗場は東京に帰る。だが、二日後、瀬能が小松のホテルで殺されたとの報がはいる。事件後、睦美もプッツリ姿を消す……。
◆深夜の産婦人科医(斎藤 栄・FUTABA NOVELS)
鎌倉市の産婦人科医・甲賀太一郎は変わった医者だ。診療時間は午後9時から午前3時までで、診療日も週2回だ。健康保険がきかないため、患者の大半は大富豪だ。ある日、鎌倉に住む財界の立役者・姫小路大介の後妻であるしぐれ夫人が来院した。二日前、姫小路大介は交通事故で亡くなっていたのに、何故か性感向上の指導を依頼してきたのだ。看護婦の阿久良は、姫小路邸を訪ねたが、そこで、殺人計画を耳にしてしまった。
◆四国殺人遍路(斎藤 栄・TOKUMA NOVELS)
横浜・関内(カンナイ)駅近くに開業した<ハート探偵局>の江戸川探偵長を訪れた二人の男ー松山に拠点をおく<関西探偵局>の局長・佐々原一夫と調査主任・久藤光春の依頼は、奇妙な調査協力だった。横浜に社を構える松平不動産の四国社員旅行が無事に終えられるよう、一緒に警護してほしいとゆうものなのだ……。高松から徳島に向かう途中、江戸川は久藤の死体が吉野川に浮かんだことを知る。久藤は<関西探偵局>の金庫から二千万円を持とだし、不可解な暗号を残していたという……!
◆横浜外人の森殺人事件(斎藤 栄・FUTABA NOVELS)
見知らぬ三人の男女が一緒に軽井沢でゴルフを楽しみ、その夜同じペンションに宿泊した。三人にはそれぞれ殺したいと思う相手がおり、三角交換殺人の計画が一夜のうちにまとまった。。第一の殺人は鎌倉で起きた。三宝茂が詩人の四方山優一をナイフで刺したのだが、捜査にはタロット占いの名手日美この夫・二階堂警部だあたった。第二の外人の森での殺人事件につづいて、日美子に殺されそうだと不安を訴えていた三宝つぐみがデパートのエレベーター内で第三の犠牲者になった。二階堂警部と妻の日美子は三つの殺人事件に共通する謎の解明に乗り出した!
◆運命の風連湖(斎藤 栄・TOKUMA NOVELS)
星月源吾は、かって神奈川県警の敏腕刑事として名をはせたが、現在は退職し、妻の冴子と悠々自適の生活を楽しんでいる……。遠縁の娘・亜津子が会社を辞め、星月を訪ねてきた。北海道を車で一周するという彼女に便乗し、星月夫妻も道内旅行を楽しむことになった。が、その途中、急病人がいるので医者を呼んできてほしいという登山帽の男に出くわし、逆に星月らは、その男に拉致されてしまったのだ……。北海道、沖縄、横浜、軽井沢を舞台にした連作旅情ミステリー!
◆鎌倉ー芦屋殺人紀行(斎藤 栄・TOKUMA NOVELS)
江戸川探偵長以下、横浜ハート探偵局の面々は、俳人・佐々木律二が主催する俳句の会<四季>に入会することになった。早速江戸川が有馬温泉への吟行句会に参加したのだが、そこで事件が発生。宿泊した旅館に隣接した竹林の中で、男の刺殺死体が発見された。その胸の上には子規の名句が書かれた一枚の紙が。同時に<四季>メンバーの草野愛香が行方不明になるが……。鎌倉、横浜、日光、そして芦屋と続く吟行会で虚子、漱石、芭蕉といった文豪の名句にちなんで次々に起こる怪事件!
◆軽井沢ー鎌倉殺人回路(斎藤 栄・TOKUMA NOVELS)
事件は、軽井沢近郊の初夜温泉で始まった。<こころ探偵事務所>の瓜生美也子は、老舗旅館・槍流閣でストーカーに狙われている女性の身辺警護を依頼されるが、女は密室で惨殺される。江戸川探偵長の代理で江の島・銀亀楼別館に招待を受けた尾瀬主任は何者かに拉致監禁され、炎に迫られる。男子禁制の寺、鎌倉・愛連寺奥の院で起こる怪奇現象を瓜生明美が調査中に、尼僧が変死する。そして軽井沢では、江戸川に会いに来た白いドレスの女が、首なし死体で発見される。四つの事件を結ぶ愛憎の回路、そして驚愕の真相……!
◆東京ー秋田殺人連鎖(斎藤 栄・TOKUMA NOVELS))
東京・渋谷に開店する京料理店のオープニングセレモニーの際中、招待客の小説家・中西山彦が頸に毒物を注射されて殺害された。<こころ探偵事務所>の井筒オーナー夫妻もその場に同席していたのだが、数日後、井筒のもとに奇妙な依頼人が現れた。やはりそのセレモニーに出席していた和菓子店主夫妻が、秋田新幹線こまちで旅行すると言い残して行方不明になったというのだ。場合によっては、殺人事件を目撃していた可能性もある。店主息子夫婦の懇願に動かされ、江戸川探偵長の調査が開始されたのだが…。
◆虐殺・二階堂警視の悲劇(斎藤 栄・カッパ ノベルス)
六甲山中を特別巡回中のパトロール隊が、谷底で幼女の首なし死体を発見した。遺体には、むごい凌辱の跡が……。兵庫県警特命刑事調査官・二階堂警視は、極秘捜査の命を受け、全国の行方不明幼女を照会。被害者は、鎌倉市腰越で四日前に行方不明になった幼女と判明した。二階堂は、今回の事件は、特殊な病的事件ー機械文明に耐えられなくなった〝犠牲者〟による異常快楽殺人の可能性があると直観した。かってないほど厳しく、悲しき捜査に二階堂が挑む。
◆中華街殺人旅情(斎藤 栄・NON NOVEL)
<ベル旅行社>の夏木梨香が中華街ツアーの取材で出会った料理人陳孝明の周辺で、奇怪な事件が連続した。ベオエリアの密室倉庫で死んだ貿易商、大型犬に嚙み殺された美女、秘密任務の追行中に突如変死した調査員…梨香は、警察庁小早川警視正の協力を得て、事件の謎を追う。東京台場の新名所「小香港(リトルホンコン)」から横浜、神戸、長崎と日本三大中華街を西へ辿った先に、待ちうけていたのは、すべての推理を覆す、驚くべき真相だった。
◆漱石「虞美人草」殺人事件(斎藤 栄・FEMINA NOVELS)
「虞美人草」の長い会話が怖い…この、女子学生誘拐事件の鍵を握る謎の暗号の意味は?夏目漱石の名作に隠されたキイワードをめぐって展開される、鎌倉を舞台にしたトリッキーなこのミステリー小説「虞美人草」殺人事件こそ、実はタロット日美子の高校時代の友人梶川由良子が残したダイイン・グメッセージでもあったのだ。名古屋に飛んだ日美子は早速この謎に挑む。果たして由良子殺しの真犯人は誰なのか……。
◆金沢能登殺人事件(斎藤 栄・TENZAN NOVELS)
警察庁鉄道警察特捜隊の江戸川匡太郎警部は、研修会へ向かう医者の団体が乗った「雷鳥15号」の警備中、出来心からスリを働いた輪島の有名旅館の若妻・河原木蝶を捕らえ、金沢鉄道警察隊に引き渡した。その頃、蝶の旅館では、彼女の夫・河原木文一の刺殺体が、密室化された茶室で発見されていた。江戸川は、金沢市内で知り合った大滝くららが、偶然にも文一の従妹だったこともあり、捜査に協力するが、時を移さず第二の殺人事件が……。の周辺で、奇怪な事件が連続した。ベイエリアの密室倉庫で死んだ貿易商、大型犬に嚙み殺された美女、秘密任務の追行中に突如変死した調査員。梨香は、警察庁小早川警視正の協力を得て、事件の謎を追う。東京台場の新名所「小香港(リトルホンコン)」から、横浜、神戸、長崎と日本三大中華街を西に辿った先に、待ち受けていたのは、すべての推理を覆す、驚くべき真相だった。
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◆父と子 地に爪跡を残せ(斎藤 栄・トクマノベルス)
昭和二十四年、森田茂は青春の宝物を詰めたタイムカプセルを地に埋めた。そしてその場所を記した秘宝図を等分し、親友の吉井従道、原敬に渡す。友情の証として……。五十数年後、柏木太陽の担当編集者である従道の息子・時次郎は、原敬の息子・康光から宝探しを手伝って欲しいと依頼される。茂のタイムカプセルには戦時中、密かに在留米軍から森田邸に持ち込まれた数百億のダイヤが隠されているかもしれないと言うのだ。時次郎と康光は父親たちの青春と伝説の秘宝を探す旅に出るが……。
◆二階堂警視の「奥の細道」(斎藤 栄・カッパノベルス)
神奈川県警二階堂警部とともに、〝奥の細道三百年〟で沸くみちのく温泉旅行を計画していた日美子に友人梅枝葉(ウメガエ ヨウ)が訪れた。葉の娘真理の旅の安全を占って欲しいという。真理もまた<サンタ芭蕉>の企画でサンタ6の一人に当選し、東北旅行を予定していた。東北の知人へのプレゼントをを配達するこの<サンタ芭蕉>の旅を日美子はタロットで占ったが、カードは非常にも不幸を予言!あえて旅に出た真理を襲う魔の手!さらに芭蕉の足跡をたどる<サンタ芭蕉>のメンバーが次々と襲われて……。二階堂警部の必死の追跡が始まる。
◆二階堂警視の暗黒室(斎藤 栄・カッパノベルス)
二階堂特命刑事調査官付の夢野桂香(ユメノ ケイコ)は、友人・あゆみの招きで、有馬温泉の別荘に滞在中、惨劇に遭遇した。あゆみは、消費者金融会社社長・多来田の愛人だったが、その多来田が、鍵のかかった密室状態の寝室で殺害されたのだ。現場に残された「火牙陰鬼(カガインキ)参上」の文字!捜査に着手した二階堂は、多来田とした親しかった同業の増渕を訪ねたが、その直後、増渕も殺された!誰が何のために連続殺人を企てたのか。次の標的は誰か?闇の仕置き人「火牙陰鬼」は、何を目論んでいるのか?二階堂と夢野が暴く、悪徳金融業者の恐るべき罠!
◆軽井沢 幻愛の目撃(斎藤 栄・ジョイノベルス)
今年の軽井沢には熊が出るという。別荘地の一角で夏を過ごす若いカップルのところにも、恐ろし気な熊が顔を出している。しかしそれ以上に奇妙な事件が軽井沢で起こった。有名な化学者が誘拐されたのだ。だがなぜか身代金の要求もなく、無傷のまま釈放された。だが、この事件は、若い二人を襲った恐ろしい事件の序曲に過ぎなかった……。
◆神戸摩耶山殺人事件(斎藤 栄・ジョイノベルス)
六甲山系の摩耶山山中で発見された被害者の若い男性は、<MAKO>というロゴの入ったTシャツを着ていた。そして事件現場に現れた若い女性のTシャツには<TOKO>というログが……。しかしそれ以外に身元を特定できるものはない。事件の発見者二階堂調査官と妻の日美子は、兵庫県警と協力し、ただちに捜査に乗り出した。そして次第に事件の背後にある、奇妙な人間関係が浮かび上がってくる……。
◆大秘密(斎藤 栄・FUTABA NOVELS)
新聞社を辞め、小説家を志す柏木太陽のもとへ、札幌に住む友人・来夢山から電話が入った。来夢山は、ハメット教幻日教会に誘惑されてしまったらしい妻・黒木芽衣の救出を依頼する。札幌へ飛んだ太陽は、雑役人となって幻日教会に潜伏した。はたして黒木芽衣は生きているのか。太陽の孤独で危険な捜索が始まった!
◆上高地幽玄の闇(斎藤 栄・kosaido blue books)
横浜探偵局・江戸川探偵長のもとに、イギリス王室に由来する宝石探しの依頼が持ちこまれた。しかも、複数の人から……。その宝石は四十年前に上高地のホテルで盗難にあって以来、行方不明になっていた。江戸川は、部下の瓜生明美とともに上高地での捜査を始めるが、依頼人の一人が他殺体で発見された。宝石は犯人の手に渡ったのか……?秘宝を巡る欲望と愛憎が織りなす複雑な人間模様の中、江戸川は鋭い推理と卓抜な捜査能力で宝石の行方と殺人犯の正体をあぶり出す!
◆義経の首(小林 久三・KOHUSYA NOVELUSU)
平安末期、奥州の地に、都に劣らぬ平泉文化を築いた藤原氏が、なぜ義経をかくまったのか。そしてまた、衣川の高館に代義経を襲い、その首を四十日以上もかけて鎌倉へ届けたのはなぜか?特捜刑事・室井と義経の謎に挑む女子大生・速水桃子の到達した結論とは……。
◆北海道の秘密・氷色の殺人(斎藤 栄・FUTABA NOVELS)
北海道網走支庁内のクロマン村で開催される流氷祭りに参加する二階堂日美子は、羽田から旭川に案内役の立花花蝶と共に飛んだ。会場は三月とはいえ、犬ゾリで何時間もかかる人里離れた雪原で、そこにバンと呼ばれるテントを張ったようなものがいくつかあった。国際的に著名な占者が日本人の日美子と花蝶の姉の胡蝶を含めて七人が集合した。最初の夜、唯一の男性であるセネガルのマンディンゴが殺され、各種の宝石がちりばめられた笏が紛失していた。それが連続殺人事件の始まりであった……!
◆下北薬研温泉殺人事件(斎藤 栄・KOSAIDOU BLUE BOOKS)
二階堂日美子の兄で神奈川県平塚市の南原病院の院長を務める柏木陽一は、秘書でナースの水沢春花と訪れた下北半島の薬研温泉で男の刺殺体を発見した。奇妙なことに死体の足元には一輪の深紅のバラが落ちていた。そしてその三ヶ月後、今度は川崎でダイオキシンの害を取り沙汰されていた工場の工場長が、さらに四ヶ月後には悪徳医師として週刊誌で告発されていた美容整形外科医が殺されたが、いずれも犯行現場には一輪の深紅のバラが置かれていた。次々次と犯行を重ねる犯人に苛立ち、柏木は独自に調査を始めるが……。
![1_20120607105137.jpg](http://blog-imgs-55.fc2.com/t/a/k/take3tabi/1_20120607105137.jpg)
▽時空(トキ)の巫女(今野 敏・角川春樹事務所)
原盤制作会社社長の飯島は、新人アイドルを発掘していく中で、二人の女性に出会う。かってネパールの生き神様「クマリ」だったシアキ・チェスとAVに出演していた池沢ちあき。一方で、自衛隊の情報部の綾部は、アメリカから送られてきたレポートに困惑していた。超能力者たちの見る、地球滅亡を思わせるような夢、そして、その中に出てくる日本人と思われる名前「チアキ」。「チアキ」は果たして世紀末の救世主なのか?
◆毒物殺人(今野 敏・コウダンシャ ノベルス)
東京都内で毒物による変死が連続して発生。捜査に乗り出す警視庁科学特捜班の五名のメンバーたち。事件の背後には、なぜか宗教とオカルトの影が?墨染めの僧衣に身を包む第二科学担当・山吹才蔵は全ての謎を「事件の構図に」治めることが出来るのか?
◆白い皇帝の伝説(小林 久三・ジョイ ノベルス)
それは、旅行中の女子大生の失踪事件から始まった。いまだに消えぬ太平洋戦争の深い傷あと。東南アジアと日本を結ぶ麻薬機関の陰謀。日本の政界をゆるがす恐るべき犯罪の真相を探るため、私立探偵の中井が現地へ飛ぶ。そこで彼が見たものは?
◆砂の霊柩車(小林 久三・ケイブンシャ ノベルス)
ゴールデン・フラワー製菓広告部第2課課長・三上伸矢のもとに「おまえの会社の製品に青酸カリを混入する。1億円用意しろ」という脅迫状が届いた。単なる一課長に過ぎない三上を指名して、脅迫状を送り付けた犯人
の真意を掴ぬまま、事件の渦中に巻き込まれた三上。そしてその日を境に、不倫関係にある部下の牧真由美が絞殺されるに至り、容疑は三上に……。はたして脅迫と殺人の関連は……。
◆大相撲殺人事件(小森 健太朗・ハルキ・ノベルス)
由緒ある歴史を誇る相撲部屋・千代楽部屋を訪れたアメリカの青年・マーク。ひょんなことから力士となるべく部屋住みの身となった彼だったが、そんな彼を待っていたは相撲界に吹き荒れる殺戮の嵐!立ち会った瞬間爆発する力士の身体、頭のない前頭の惨殺死体、連日順々に殺されていく対戦力士、女性が上がれないはずの土俵上に生じた密室状態、身体のパーツを集めるかのごとく発生する連続殺人、洋館に集まった力士たちを襲う見立て殺人……。マークの名推理が土俵の上に冴えわたる!
◆青葉のころは終わった(近藤 史恵・カッパ・ノベルス)
「ねえ、知ってる?瞳子(トウコ)が死んだんだって」瞳子は孤高の存在で、ガラス細工の天使のようだった。繊細で儚げで、他人を魅了する少女に見えた。彼女のことが、可愛らしくて、愛おしくて、腹立たしくて、憎らしくてたまらなかった。死後届いたハガキには、「私の事を殺さないで」とあった。
◆二階堂警視の呪縛(斎藤 栄・カッパノベルス)
<女王位戦>対局後、現女王の中臣里恵(ナカトミ サトエ)に挑戦した海道美恩(カイドウ ミオン)が、行方不明に……。観戦記者・柏木太陽は、参観者の中にいた不審な中年女性を、美恩が気にしていたこと思い出す。その柏木の機転で、美恩は発見されたが、奇妙なことに、彼女の握っていた〝女王駒〟が手から離れなくなった!一方、神戸・三宮の<マクシム・パール>の社長令息が、麻薬入りコーヒーを飲み急死した事件を捜査中の、兵庫県警特命刑事調査官・二階堂警視は、マクシムJrの交友関係を追う。そこで掴んだ〝女王駒〟との接点に何が隠されているのか?シカゴー浜松ー横浜を結ぶ事件に迫る二階堂警視の推理の冴え!
◆二階堂警視の私刑(斎藤 栄・カッパノベルス)
兵庫県警の特命刑事調査官・二階堂警視は、秘密裏に、県選出の千香谷(チコウヤ)国会議員の行方を捜すように特命を受けた。千香谷は証券取引上の違法行為で、検察に召喚される寸前、神奈川県・平塚の病院に偽装入院!潜伏先は、二階堂の妻・日美子(ヒミコ)の兄柏木が最近院長になった病院だった。二階堂と部下の大熊恵二は急遽、平塚に……。しかし、千香谷は、病室の壁に<わたくしは、ケッパクだ>と書き遺して死亡していた……。さらに病院内で、第二、第三の殺人が……!遺された「イソップ寓話集」に付されたマークの謎?巧妙に仕組まれた犯罪トリックに二階堂警視が挑戦!
◆二階堂警視の身代金殺人(斎藤 栄・カッパノベルス)
「日本国内を旅行中のあなたの息子・マッコイ橋本と友人三名を誘拐した。身代金五百万ドルを支払え」と、ハワイ・オアフ島の日系大富豪・橋本大介の別荘に脅迫電話が掛かった。広域外事警察協議会(WFPC)を組織したばかりの二階堂警視は、さっそく捜査を開始。FBIのショーン特別外務長も来日して、合同捜査に加わった。しかし、必死の捜査も空しく、マッコイ橋本は、無残な死体で発見され……さらに!日米を股に掛けた大がかりな殺人事件の行方は!
◆殺人の単位(斎藤栄・トクマノベルス)
軽井沢の<こころ探偵事務所>に尾瀬主任の親戚・善太郎が訪ねてきた。彼が東北のフリースクール・愛生会高校で、極秘に調べて欲しいことがあるという。愛生会高校は、全国から高校をドロップアウトした金持ちの子息・子女が、大検を取るために入る豪華な全寮制のスーパーハイスクールである。この校内のどこかに、なんと巨額の財宝が隠されているらしい。江戸川探偵長はさっそく尾瀬と明美を学校に送り込み、調査を開始する。折しもこの地には火山性の地震が多発、まさしく高校は激しく揺れ始めた……。
◆釧路霧の街殺人事件(木谷 恭介・ワンツーマガジン社)
釧路近郊の昆布森海岸で、男の刺殺体が発見された。所持していた名刺から被害者は、市内で水産会社を営む畑中博人と判明した。死者のポケットには「誅」と書かれた紙切れが入っており、犯人の遺留品と推察された。捜査に乗り出した警察は、被害者の一人娘・穂奈美をめぐる相続問題に着目し、動機の点から、彼女の恋人の辺見に容疑の眼を向けた。生前の被害者は二人の結婚に反対で、娘には腹心の部下を相手として勧めていたらしい。窮地に陥った恋人を救うため、穂奈美は警察庁広域捜査官の宮之原警部を頼ったが……。
◆京都小町塚殺人事件(木谷 恭介・徳間書店)
あ、お父さん…京都・麩屋町の高級料亭「胡蝶」に妙齢の女性と連れだって入って行ったのは、父に違いない。温奈(ハルナ)は父の姿を見たのは、、それが最後になってしまった。翌日、地蔵院の小町塚に、服部博之の無残な撲殺死体が投げ捨てられていたのだ。狂牛病騒動であまたの調味料が回収される中、博之の開発した天然調味料は高業績をあげ注目の的だった。製法特許をめぐる暗闘に巻き込まれての非業の死かとも思われたが、警察が逮捕したのはあろうことか温奈の恋人津島だった!
◆為朝伝説殺人ファイル(今野 敏・講談社)
伊豆大島、奄美大島のダイビング事故と為朝伝説を結びつけたTVワイドショーのキャスターたち。視聴率競争にプロデューサー、女子アナウンサーらの思惑も絡んで次の事件へ。異能者ぞろいの警視庁科学捜査班は、初めて地方に飛び、伝説と殺人事件に取り組むが……。STの意外な弱点を克服して犯人と真っ向から対決!
◆緑の調査ファイル(今野 敏・講談社)
人気ソリスト柚木優子の所有する、一億円のバイオリン・ストディバリウスが盗まれた!リハーサル会場への移動中に起きた、不可解なすり替え盗難事件。さらにホテルの密室で、コンサートマスターが殺された……。いったい誰が?そしてバイオリンの行方は?すれ違いの感情が生んだ悲しい結末にSTが立ち向かう。
<平成24年5月=16冊読みました>
◆加賀百万石殺人事件(木谷 恭介・角川春樹事務所)
石川県警捜査一課の住之江紗代は、沢口金箔の元社長夫人である沢口佳子から、奇妙な相談を受けた。数ケ月前に交通事故で亡くなった夫と同乗者に六十億円もの保険金がかけられているというのだ。保険金の受取人は、会社であったが、現金は他人に渡ってしまっている。沢口社長の死は、交通事故ではなく、保険金殺人だったのか?再捜査の必要性を感じた紗代は、上司へとぶつけるが、署内には紗代を牽制する動きが……。孤立無援の状況になった紗代は、警察庁広域捜査官の宮之原警部に協力を要請するが……。
◆津軽十三湖殺人事件(木谷 恭介・双葉文庫)
雑誌の編集長をしている百瀬道代は、取材先の川蔵地蔵尊で行方不明になった、婚約者の所持品が岐阜で発見されたという知らせを受ける。なぜ岐阜なのか?道代はその謎を解くため宮之原警部と現地に向かうが……
◆京都呪い寺殺人事件(木谷 恭介・徳間文庫)
京都・一条戻橋で安部晴明(アベノ セイメイ)の生まれ変わりを自称する辻説法を行っていた「平安銀行の会長に呪いをかけた。呪いを解かねば無残なことが起きる。」生命保険のセールスレディ・友坂七緒子は不気味な預言に戦慄を覚える。その夜、彼女が契約をとった家具会社社長・津金が轢き逃げにあい死亡した。災害死亡時六億円、個人契約の最高額だった。彼は他にも一社同じ保険に入っていた。受取人はいずれも祇園のクラブ経営者・桑野佳純、平安銀行会長の愛人と噂される女だった……
◆葡萄夜行列車が運ぶ殺意(津村 秀介・徳間文庫)
三月五日、日曜日の夜。札幌駅に寝台特急〝北斗星6号〟が入線してきた。乗車しようと階段を昇っていた尾高直昭の頭上から老人が落ちてきた。誰かに突き落とされたらしい。老人の運び去られたあとには、一房のブドウが残されていた。これが多重殺人事件を解く鍵となるのか。週刊誌のフリーライターである浦上伸介は、難事件になればなるほど頭脳が冴える〝アリバイ崩し〟のプロでもある。山梨ー京都ー札幌を結ぶ犯行日時は、同一犯人では不可能と思われた。しかし、浦上は丹念に調査・分析し、犯人を追いつめる。
◆札幌月寒西の死線(津村 秀介・光文社)
JR西日本が1989年7月に自信を持って送り出した、豪華寝台特急・トワイライトエクスプレス。日本海の華麗な黄昏という演出を楽しみながら、乗客は北都・札幌へ向かう。ルポライター浦上伸介が、取材アシスタント前野美穂の先導で京都から札幌へ向かった。〝トワイライトエクスプレス〟から消えた死者が、札幌で浦上と美穂を待っていた。
◆宮島・伝説の御愛と死(西村 京太郎・新潮社)
ガンで余命三カ月と宣告された一乗寺妙子が殺された。十津川警部は、彼女が最後の旅を計画していた、世界遺産の地・宮島に向かう。厳島神社の大鳥居をくぐる参拝遊覧船で起こった転落事故が、二十一年前の記憶を呼び起したとき、事件は意外な展開を見せる。
◆岐阜羽島駅25時(西村 京太郎・新潮社)
東京、横浜で相次いで起こった高齢の資産家の殺人事件。岐阜羽島の研究所で、百五十歳までの延命を研究する謎のドクター。殺人と長寿、相反する二つが繋がったとき、衝撃の事実が明らかに!十津川警部が不老不死の謎に挑む。
◆紀ノ国殺人迷路(草野 唯雄・徳間文庫)
警視庁顧問探偵・尾高一幸は、南紀白浜で旅館を経営する叔父・太田徹のはからいで、見合いに招かれた。もとより身を固める意志のない尾高なので見合いは不首尾に終わったが、和歌山氏に住む見合い相手の母娘を車で送り届けたその帰り、叔父・徹が事件に巻き込まれた!ひき逃げの容疑をかけられたのだ。徹は、自分が轢いたのは白い紀州犬であって人間ではないと主張するが……。徹の嫌疑を晴らすために、被害者の周辺を調査する尾高と助手の渥美純子は意外な事実を突き止める。
◆陰の告発者(草野 唯雄・双葉社)
その年の八月十七日に起こった「事件」を、わたしは目を皿のようにして捜し続けた。あるだけの縮刷版を調べ上げた結果、わたしの求めているような事件は、どこにも発生していないことがわかった。いや、発生していないとは言い切れない。が、とにかく報道されてはいないのだ。(新聞というのは全国紙だけでなないのだぞちほうしがあったのね。でも、そこまで手をひろげることは、わたしには)(できるさ。簡単なことだ。もっと大きな図書館にいけばいい。例えば、国会図書館だよ)そうだった。なぜもっと早くそれに気付かなかったんだろう。わたしはさっそく永田町の国会図書館へ出掛けた。手始めに神奈川新聞から始めた。関東地方を終わり、それに隣接する中部に移った。そして、長野県の信濃毎日新聞で、わたしに遂にこれぞと思う記事に巡り逢えたのだ。
◆北の夕鶴2/3の殺人(島田 荘司・カッパノベルス)
五年ぶりに別れた妻・通子からかかってきた電話は、ただならぬ気配に満ちていた。警視庁捜査一課の刑事・吉敷竹史(ヨシキ タケシ)は、通子を追って上野駅へ。発車した「ゆうづる九号」に通子の姿を見つけたが…。翌日、青森署からの捜査協力依頼は、「ゆうづる九号」で死んだ女の身元を洗うことだっだ。なんと死んだ女の服装は、昨夜見送った通子のものとまったく同じだった!吉敷は急遽青森へ飛んだ。そこで吉敷が見たものは…?さらに釧路での密室殺人と、雪の夜の鎧武者が現れる怪奇事件!青森、盛岡、雪の釧路を舞台に、意表をつく壮大なトリックとサスペンス、そして愛しい人への限りない愛を見事に融合させた本格推理。
◆Yの構図(島田 荘司・カッパノベルス)
昭和61年8月18日午後10時26分、上野駅19番線ホームに上越新幹線〈とき418号〉が入ってきた。その4分後、反対側の20番線に東北新幹線〈やまびこ194号〉が着いた。〈とき〉のグリーン車には、身なりの派手な女の死体が……!しかも、死体のそばには花束と、東北地方にしかいないチョウセンアカシジミ蝶が……?さらに反対側の〈やまびこ〉の車内でも、花束をそばにした中年の男の死体を発見!男は盛岡の中学教師、女はその教え子の母親であった。警視庁の捜査一課の刑事・吉敷竹史は、事件の背後に唯ならぬものを感じて盛岡へ……!Yの意味とは?チョウセンアカシジミ蝶の謎とは?
◆はばたけペリカン弁護士・カゲキにドキッ?(志茂田 景樹・TENZAN NOVELS)
桐院(トウイン)トオル。28才。職業、弁護士。六本木の資産家の跡とり息子にして超人気ディスコのオーナーでもある彼は「オシャレで危険」な事件調査が専門(ダイスキ)。個性はギャルズスタッフを率い、自家用ヘリ「PELICAN」号で飛び回るトレンディな奴だ。そんな彼の事務所に、黒猫の死骸と〈ADOの呪い〉というメッセージを残して消えた謎の美女?おまけに、クルージング中の桐院も命を狙われて…。
◇外道・宮本武蔵(志茂田 景樹・実業の日本社)
武蔵、餓狼の群れを率い関ヶ原に参戦
慶長五年(1600)九月、美濃関ヶ原で東西決戦が始まった。徳川家康対石田三成の覇権争いである。西軍優勢のまま闘いは推移するが、小早川秀秋の東軍への寝返りによって、石田勢は劣勢に追い込まれる。だが、突如怒涛のごとく小早川勢へ急襲をかけた軍がいた。武蔵率いる武装軍団である。形勢は逆転し、小早川隊は潰滅。徳川家康は関東へ引き上げるが…
◇上杉神将伝1(近衛 龍春・WANI NOVELS)
謙信と信長を戦わせてみたい。
「彼奴をしとめるのじゃ」武田信玄亡き今、織田信長の天下制覇を阻む上杉謙信率いる越軍が上洛準備を始めたという。邪魔者は始末せねばならない。「越後の龍」を抹殺すべく、森蘭丸配下の嚮談(ゴウダン=忍び)が潜伏していた。ダーン!ダーン!ダーン!三発の銃弾が出陣でわき返る春日山城内に轟いた。昏倒する二人の男。天正六年三月十三日、昼のことであった。「上杉謙信を射止めたよし」安土城望楼で琵琶湖を眺める羅王にもたらされた吉報。「お前、よくやったわ」生来のかん高い声を上げ、信長は美小姓に笑いかけた。
◇上杉神将伝2(近衛 龍春・WANI NOVELS)
「追え、者ども、逃がすでない。柴田の首はまだぞ!」「退くな、押しとどまれ。兵数では変わらぬぞ。柴田の闘志を見せい!」真上に有った日は、山々を茜色に染めながら長い影法師を作っている。天正六年(一五七八)三月三十日申の刻。朝の霧中で始まった上杉五万、織田六万による九頭竜川の戦いもそろそろ終盤を迎えつつあった。上杉軍の猛攻に敗走した織田勢はちりじりに逃げまどい・大将柴田勝家は五層九重の天守を誇る牙城・北ノ庄に籠城すべく、無念の退却を決めた。「乱杭を打て、逆茂木をくくれ。火縄の火をたやすでない」煌々と篝火が焚かれる場内では上杉勢を迎え撃つ準備がなされていく。勝家は天守最上層から外の様子を眺めては、末期の酒を傾けていた。〝越後の龍〟こと上杉謙信との決戦の時が目前に迫りつつあるー
◇ご存じ不死身の男(講談社)
▽鞍馬天狗(風と共に・大佛 次郎)
▽柳生十兵衛(無明斬り・五味康祐)
▽眠狂四郎(義理人情記・柴田錬三郎)
▽遠山の金さん(雪肌金さん・陣出達朗)
▽月影兵庫(もぐさ屋騒動・南条範夫)
▽座頭市(座頭市物語・子母澤寛)
▽木枯らし紋次郎(上州新田郡三日月村)
▽仕掛人・藤枝梅安(殺気・笹沢左保)
▽獄医立花昇(女牢・藤沢周平)
![DSC01090.jpg](http://blog-imgs-38.fc2.com/t/a/k/take3tabi/DSC01090.jpg)
◆諏訪湖マジック(二階堂 黎人・徳間書店)
JR大宮駅北側の陸橋から、高崎線上り列車めがけて投げ落された、身元不明の死体。警視庁捜査一課の馬田権之助刑事は、二ヶ月前にも同じ場所で主婦の投身自殺があった事を聞き、その関連性に首を捻った。一方≪日本アンタレス旅行社≫に勤務する水乃サトルは出張先の諏訪で、かっての同僚安場今日子から、行方不明の父親昭一の捜索を依頼される。昭一は郷土史研究家として有名で、武田信玄の墓を探索中であったという……。
◆悪魔のラビリンス(二階堂 黎人・講談社ノベルス)
三重密室事件と人体消失。寝台特急≪あさかぜ≫の個室で起こった、世にも怪奇な事件。さらに、若い男性の全裸死体が氷柱の中に陳列されたガラス御殿の謎。悪夢、混沌、泥沼……。「殺人の美学」を纏った摩王ラビエンンスの企てに蘭子は「純粋論理」を盾に推理の槍を突きつける。
◆錯誤のブレーキ(中町 信・講談社ノベルス)
雨の夜の正面衝突事故。運転していた島津群四郎は即死。同乗していた三人は、瀕死の重傷。原因は運転ミスと思われたが、この事故が、連続殺人事件の始まりだった。島津と同乗者には奇しき因縁があったのを知った素人探偵和南城武(ワナジョウ タケシ)・千絵夫婦が解明した恐るべき復讐の真相とは……!?
◆石狩川殺人事件(西村 京太郎・文藝春秋)
都内のコンビニエンスストアーで殺人事件発生。殺された学生アルバイトには、北海道で暴行事件を起こして少年院に送られていた前科があった…。手掛かりを求めて十津川警部と亀井刑事は、北海道・層雲峡に向かう。十津川と亀井の前に、暴行事件の共犯者を付け狙う、犯人の姿が現れる……。
◆こまち田沢湖殺人事件(中津 文彦・カッパノベルス)
秋田中央署の藤田署長がある日突然、失踪した。未解決の殺人事件と、自らの失踪の謎を残したまま……。そんな中、混乱の秋田中央署に〝ワンポイントリリーフ〟として赴任してきたのは、髭もじゃの顔にスニーカー……キャリアの身でありながら、地方警察の署長を転々と回されている「さすらい署長」風間昭平であった。「風光明媚な自然」と「美女」。秋田が誇る二つの〝色〟に囲まれながら、人情派・風間の名推理が冴える!
◆塙保己一推理帳(中津 文彦・カッパノベルス)
年明け早々~しばし烈風に襲われた、享和二年(一八〇二)の江戸市中。検校刃にわ保己一は、幼なじみの川だ善右衛門を訪ねた根岸の里で、不審な失火事件を聞いた。お店の隠居所が焼けて、若い母親と赤子の二人が逃げ遅れて死んだというのだ。両眼は光を失って久しいが、保己一には、とぎすまされた感覚と、群を抜く記憶力があった。杖代わりの和三郎とともに焼け跡に足を運んだ保己一が「見たものは何か!
◆稀覯人(コレクター)の不思議(二階堂 黎人・カッパノベルス)
手塚治愛好会の会長が自宅の離れで殺され、貴重な手塚マンガの古書が盗まれた。しかも犯人は密室状態の部屋から消え失せてしまった!犯人は愛好会のメンバーなのか?大学生水乃サトルが、持ち前の頭脳と知識と軽薄さを駆使し、高価なマンガ古書を巡る欲望と、マニア心が渦巻く事件の謎を解く!
◆実況中死(西澤 保彦・講談社ノベルス)
他人の見た風景がそのまま見えてしまう「怪能力」を得たばっかりに、殺人やストーカー行為をそのまま「体験」してしまう恐怖!切羽詰まった女性の訴えに、神麻嗣子(カンオ ミツギコ)と能解匡緒(ノケ マサオ)、保科匡緒(ホシナ マサオ)の3人は、調査と推理を巡らす。そして辿り着いた、あっと驚く真実!
◆野麦峠殺人事件(木谷 恭介・光風社)
未婚の母であることをマスコミに発表し、幼い娘と共に生きる決心をした人気女優・仁科奈津子……しかい、彼女は故郷に近い野麦峠で死体となって発見される。自殺なのか他殺なのか?彼女の過去に政界の大物の影が見え隠れして……警察庁遊撃捜査官・宮之原警部の推理が冴える。
◆知床岬殺人事件(木谷 恭介・ワンツーマガジン社)
厳しい北の海と険しい山々に守られ、太古からの自然が手つかずのままに残る世界遺産・知床。その半島の付け根にある羅臼の番小屋で、若い女性の絞殺死体が発見された。休暇旅行で知床を訪れていた愛媛県警の大鷹刑事は、羅臼の町で身寄りのないホステス、津具美と出会い、一夜を共にした。だが、翌朝、現場近くに居合わせたために殺人容疑にかけられてしまった。すぐに容疑は晴れたが、事件は大きな広がりを見せていく……。警察庁直属の広域捜査官・宮之原警部が封印された闇を暴いていく。
◆石見銀山街道殺人事件(木谷 恭介・ノン ノベル)
<二〇〇八年、日本は国家破産する>と謳う投資ファンドに騙された。広島県吉舎(キサ)の旧家友野家を訪ねた東京の古美術商はそう切り出した。応対した多香子は、兄・卓也が怪しい投資会社に勤めているいることを知る。なぜそんな詐欺まがいの仕事に?不安を抱く多香子に、翌日、卓也が石見銀山で心中したという知らせが入る。卓也にはディスカウント店放火容疑が掛けられていた。心中を装った殺人では?多香子は宮之原警部に捜査を依頼。放火事件の陰に株売買にからむ疑惑が浮上した……。
◆吉野十津川殺人事件(木谷 恭介・徳間文庫)
日高忍はフリーのツアーコンダクターである。北欧三国の旅の最終日、ストックホルムで忍は父の死の報らせを受けた。それも殺人事件として……。父は歴史と伝説にいろどられた山深い奈良の十津川村で温泉旅館を経営していた。その宿は昔ながらの旅館で、頑なまでにいま風の色に染まるのを拒んでいた。忍は兄を、七年前に交通事故で亡くしていたので、旅館を継ぐことになりそうだった。そのさなか、忍が恋心を寄せる幼馴染の克己が行方不明になり、宮之原警部が事件解明に十津川村に乗りこんでくる……。
◆渋谷公園通り殺人事件(木谷 恭介・立風書房)
四国松山市内で、ホームレスの男が殺された。懐中から発見されたのは、トカレフ銃と人気女優の戸籍謄本。わずかな手掛かりを追う大鷹鬼平巡査は、警察庁・宮之原警部の助力を得て東京・代々木公園のホームレスの群れに潜入。
◆京都石塀小路殺人事件(木谷 恭介・徳間書店)
京都東山石塀小路(イシベコウジ)の一角に和菓子屋・嘯月(ショウゲツ)はあった。老舗・吉鶴から移った天才職人・岸本勇太のおかげで店は持ち直していた。勇太が 嘯月の一人娘・早紀の婿になり店を継ぐという噂の裏で、深刻な事態が進行していた。茶道最匠(サイショウ)流の若宗匠・数馬は早紀との恋愛関係を家元に反対され嘯月の向かいの旅館に寄宿していた。和解の話し合いのため家元は使いを出した。人払いを頼まれた旅館の女将が戻ると、若宗匠が血まみれで死んでいた。無人のはずの旅館から赤い雨傘をさした女性がでていくのが目撃されていたが……。
◆木曽恋歌殺人事件(木谷 恭介・徳間書店)
宮之原警部は、通い婚状態が続いていた平瀬玻奈子(ハナコ)から妊娠を告げられる。飯田に住む娘へ報告に行く道すがら、二人は木曽路を旅していた。「夜明け前」に描かれた深い樹林の面影を残す妻籠で、観音図をスケッチする女性を見掛けるが、偶然その夜、馬籠で彼女と同宿する。二日後、その女性が二十五キロ北の王滝村で絞殺体となって発見された。被害者は滝口千尋、三十歳。京都上七軒(カミシチケン)の芸妓だったが、飯田の老舗酒造会社社長に見初められ、代理母として一粒種を出産した。しかもその子が何者かに誘拐されていた……。
◆鉄道唱歌殺人事件(木谷 恭介・実業之日本社)
キタのクラブホステス並河瑠花は、ゴルフ場近くで女の絞殺体が見つかったと、テレビが報じているのを聞いて、同僚の室生千鳥でないかと芦屋警察署に電話を入れた。ハンサムな天王寺谷朝紀(テンノウジヤ トモノリ)刑事が瑠花を訪ねてきた。室生はルポライター志望で、鉄道唱歌の謎を調べていた。それが事件とどう関連するのか?事件の解明は進まず、困りはてた天王寺谷は、瑠花に名警部宮之原を訪ねさせ、コンビを組ませて事件を解決しようと画策し……。
◆京都柚子の里殺人事件(木谷 恭介・実業之日本社)
カタログ雑誌の編集長をしている椎名紗智に、京都の嵯峨水尾で開かれる「女流民族学研究者の集い」への招待状が来た。ところが現地へ赴くと会は中止になっており、会場には京都のバーのママ平瀬玻奈子と人形作家瑠璃川凌の二人だけがいた。三人には、過去に巻き込まれ事件を宮之原警部に解決してもらっていたという共通点があった。しかも招待状の差出人は、手紙の発送される以前に殺されていたのだった。
◆方舟は冬の国へ(西澤 保彦・カッパノベルス)
かりそめの家族。偽りの夏休み。なぜこんなにも、愛おしいのだろう………
六年勤めた会社を辞め、失業中の十和人(ツナシ カズト)は、ハローワークの前で奇妙な男に声をかけられた。仕事を依頼したいという。それは、一ヶ月の間、別の名前を名乗り、見知らぬ女性と少女との仲のいい三人家族を装って、盗聴器と監視カメラのある家に滞在するというものだ。依頼を受けて滞在を始めた三人に、不思議な現象が起こり始める。……。
◆ファンタズム(西澤 保彦・講談社)
「この世界のルールを理解しよう、なんて無駄な努力は諦めた……」印南野市で発生した連続女性殺人事件。遺体の口には必ずある紙片が、現場には犯人の指紋がべったりと遺される。殺ッたのは‘ファントム’……丸で実体のない幻のようなやつ。「ここにいる自分とは、その存在とは、いったい誰のものだろう」。彼の自問は、谺せず、ひとり美しい構図を描ききる!
◆夏の夜会(西澤 保彦・カッパノベルス)
この夜会の主役は記憶だ。呼び起こされ、捩じ曲げられる記憶たちだ。真実と錯誤は輪舞曲のように交錯し、事件の様相を二転三転させる。その先にあるのは、驚愕と悔悟、そして再生。「夏の思い出」は、あまりに苦い。
完全に忘れていたはずの事を何かのキッカケで突然思い出す事ってある。ヤな思い出に限ってそうだったりして、ヘタな怪談よりもよっぽど薄気味悪かったり、後味悪かったりする。因果にふり回されるこの物語の主人公は不幸だ。
◆伊豆下賀茂で死んだ女(西村 京太郎・祥伝社)
伊豆下賀茂のテニスコートで美人プロ選手中野美代子の死体が発見された。殴殺だった。直後、コーチの須田、大会スポンサー社長の古池も惨殺され、すべての現場にはなぜか「メロン最中」が残されていた……。やがて背後に、スポーツ界を巻き込む脱税疑惑が浮上するが、十津川警部の執念を嘲笑うように殺人は続く!次なる標的は誰なのか?犯人との息詰まる攻防線の中、十津川は事件の恐るべき構図を見抜いたが……。
◆アブナイ街の罠と女(志茂田 景樹・桃園書房)
元ボクサーの八丈文他は原宿の街がよく似合うトレンディー探偵。男に強くても女に弱いし、今どき珍しく男気張っちゃうタイプだから、この稼業にぴったりだ。転がり込んできた娘のサキと組んで、原宿、六本木、麻布と、トレンディな街で起きる事件を、豪快なパンチを繰り出して解決する。
<平成24年3月=24冊読みました>
◆和時計の館の殺人(芦辺 拓・光文社)
謎めく和風の屋敷、曰くありげな遺言状、顔を見せぬ怪人物、そして飄々として現れ、謎を解いて去る名探偵に「和時計」という不思議に魅力的なからくりを融合したミステリで、一族郎党を襲った惨劇を素人探偵の森江春策が解く。
◆狂喜乱舞殺人事件(赤川 次郎・講談社)
スーパーで起きた奇妙な首つり自殺。会社が秘密裏に所有していたマンションで起きた部長殺人とホストクラブの殺人。大貫警部が熟睡するホテルの部屋で起きた殺人と会社の跡取りが狙われた事件。美術館で起きた名画強奪事件。修学旅行中のバスで起きた目撃者のいないバスガイド殺人未遂事件。誰もが首を傾げる怪事件に大貫警部が前代未聞の捜査&推理で迫る!
◆遠州姫街道殺人事件(木谷 恭介・祥伝社)
遠州引佐の遺跡・天白磐座で地元出身のタレント・牧山未来(マキヤマ ミキ)の絞殺死体が発見された。未来は東海道の脇往還として大名家の姫様が利用したといわれる「姫街道」に因んだ行事の主役に選ばれていた。現場で不審人物が目撃されていたが、警察は第一発見者の小田切亮輔を疑う。インターネットで知り合った亮輔とデート中に事件に遭遇した沢上静香は彼の無実を証明すべく名警部宮之原に捜査を依頼。だが、主役の選考に絡む怨恨、被害者の所属事務所との確執も浮上、事件は混迷を深めていった……。
◆走る死体(浅黄 斑・実業の日本社)
静かな城下町・彦根でベットクリニックを開いている五十海七緒(イカリ ナオ)は、ある日深夜の急患の往診に出かけて、思いがけないことから犬の誘拐犯にされてしまう。すぐに誤解は解けたものの、彼女の高校時代の友達・つぐみの飼い犬も連れ去られ、さらに、つぐみの夫が何者かに襲撃されるという不気味な出来事が続く。そして事件は思わぬ方向に…。誘拐された犬の持ち主が殺され、しかも、その容疑者としてつぐみが逮捕されてしまったのだ。つぐみの無実を信じる七緒は、友人のテレビディレクターと共に事件を調べ始めるが……。
◆二重逆転の殺意(姉小路 祐・徳間文庫)
見当たり捜査とは、指名手配の出ている人間の顔写真を覚えて街角で発見し逮捕することを目指す警察用語である。ウラヤンこと浦石大輔は、大阪府道頓堀署の見当たり班を担当して八年になる。昨年大阪府は八三八人の指名手配犯を逮捕し、その一割以上が見当たり班による検挙だった。熱海の老舗ホテル「喜多野」の経営者・喜多野栄一郎は追い詰められていた。客の減少と妻の入院、それに、関西のやくざの宴会を断ったことによる嫌がらせが追い打ちをかけた。そこに「中小企業を救う」というファックスが届き……。
◆湘南ベルバラ探偵局(胡桃澤耕史・実業の日本社)
鎌倉マダム達が探偵局を開設!往年の大女優・浄明寺洋子は四十五才。しかし、いまだに三十代半ばの美貌を保っている。そんな彼女が大晦日の夜突然夫に反旗をひるがえした。仲良しの有閑マダムたちと探偵局を開設するという。そして、新年早々、宝塚ファンの洋子が命名した「湘南ベルバラ」探偵局が活動を開始した。
◆新幹線≪のぞみ47号≫消失(木谷 恭介・徳間文庫)
東京発、新大阪ゆき<のぞみ47号>が、静岡・掛川間で行方を絶った。16両編成の新幹線が、走行中に線路上から消えてしまったのだ。日本鉄道史上類を見ない大事件が発生してまもなく、「グループ富士」を名乗る犯人から、インターネットでマスコミ各社に犯行声明が送られてきた。政府と銀行は金融危機の実態を明らかにしたうえで、改革のための実行委員会を設置し三日間で試案を発表せよとの要求だ。その発表と同時に乗客全員を解放するという。前代未聞の怪事件に、宮之原警部が立ち向かう。
◆富士箱根殺人旅愁(斎藤 栄・廣済堂出版)
光る岩、暖かい風、温泉湖、鍾乳石に彫った愛染仏、女の泣き声。「おかしいと思いません?そこには、五つの言葉が何の脈絡もなく並んでいるんですけど、最後に<女の泣き声>というのがありますでしょ?ほかのはどこかの風景に違いないんですけど、それだけは……」
◆五能線の女(西村 京太郎・新潮社)
十津川警部の元部下で、私立探偵の橋本豊。彼は、東能代駅と青森県川部駅を結び、世界遺産・白神山地のふもとを走る人気のローカル線、五能線の「リゾートしらかみ」の車内で、気になる女を見かける。その女、三村しのぶは、彼が弁護士の井上亜希子から浮気調査された会社社長の愛人であった。彼女の死体が、五能線沿線の名所・千畳敷で発見される。再び井上弁護士の依頼を受け、殺人現場に向かった橋本は、三村しのぶ殺人事件の容疑者として逮捕されてしまう。そして、東京で、事件の鍵を握る井上弁護士が殺された。罠にはめられた橋本を救うため、十津川と亀井は五能線に乗ることに!
◆ふくろう警視・怪しい夜にまぶたはひらく(志茂田 景樹・徳間文庫)
昼はとことんマヌケでも、ひとたび闇夜にくり出せば、精力絶倫、推理も冴える。袋田飛彦、通商〝ふくろう警視〟は、三十五才。同期はとっくに警視正に出世しているのに、勤務中のいねむりがたたってオチコボレ。でも無能と違う。犯罪の匂いをいちはやくキャッチし、隠れた事件を暴くため特設された特別自由捜査隊のキャップなのだ。今回は「日の出」のダイイング・メッセージを残して息絶えた銀座の画廊の経営者をめぐって、恋と波乱の深夜の大冒険……ふくろう警視のひとみに光が宿った!
◆女人高野万華鏡殺人事件(木谷 恭介・実業之日本社)
女人高野の仏像が……。警視庁広域捜査室長の小清水峡子が、伊豆高原に住む万華鏡作家のアトリエを訪ねた夜、そこから仏像が盗まれた。奈良県の室生寺の十二神将のひとつバサラによく似た古い像で、内部に万華鏡が組み込まれたもの。数日後、その仏像を盗んだと思われる男が生駒山の暗峠で殺された。男は仏像を峠近くの新興宗教本部に七千万円で売りに来たという。その連絡を受けた宮之原警部は峡子と捜査に乗り出す。
◆霧の疑惑(笹沢 左保・祥伝社)
東京八王子郊外の廃屋で、女性三人の死体が発見された。それぞれ別の場所、日時に殺し、一カ所に埋めたのである。マスコミが異常犯罪と騒ぐなか、神尾亜美は不安を覚えていた。母和子と祖母伸江の様子がおかしいのである。なんと父三紀夫を連続殺人犯と疑い、怯えているのだ。一笑に付す亜美だったが、やがて父の不審な行動が次々と判明し、一家はパニック状態に陥った。アリバイのない父は本当に犯人なのか?ただひとり父を信じ、亜美は恋人と共にその疑惑を晴らすべく行動を起こすが、ついに第四の殺人が発生……。
◆尾瀬ケ原殺人事件(梓 林太郎・徳間書店)
まだ雪の残る上高地で、女と男の死体が見つかった。霞沢岳への登山コース上で、堀越理枝(26才)が絞殺され、同行者の並木憲明(32才)は、その先の断崖下に転落死していた。長野県豊科署の刑事・道原伝吉は、殺人事件とみたが、同僚の牛山刑事は、無理心中節を主張。道原と相棒の伏見刑事は東京で、理枝と並木の背後を探った。すると、職場の米本を始め、理枝には並木以外に親しくしていた男性の影が……。事件を追ううち、米本が刺殺され、さらに、尾瀬ケ原で起きた事件とも絡んで、道原たちは尾瀬へ向かった!
◆逆流の殺意・水上着11時23分の死者(津村 秀介・講談社)
発端は海辺のホテルを襲った台風17号と奥利根の紅葉であり、中心は連続刺殺事件。犯人は、一部の人間には最初から見えていたが、容易に、捜査線上に浮かんでこなかった。台風が「動機」を歪曲してしまったからである。ルポライター浦上伸介と前野美保が着手したアリバイ崩しも、当初は、まったく見当違いな線だった。
◆企画殺人(鮎川 哲也・集英社)
完全犯罪が不意のミスから崩れていく過程を描いた傑作7編。
◆京都・神戸殺人事件(山村 美紗・光文社)
京都・神戸旅行に出かけた嵯峨秋子、明石夏子、志摩信一、伊勢次郎は、クイズ番組で知り合った。嵯峨野・落柿舎で一行の写真を撮った行きずりの女性が毒殺され、四人に嫌疑が。さらにその志摩も東寺で殺された。ダイイングメッセージ、密室、アリバイ、偶然の出逢いの背後の潜む殺人の罠。
◆小野小町殺人事件(金久保 茂樹・角川春木事務所)
才能に溢れながらも男を手玉に取っていた小野小町の晩年は不遇だったという伝説は、昔から良妻賢母を教育するための説話として利用されてきた。カルチャーセミナーでその話を知った「研鑚社」の編集者・中野宏美は「小町会」を創設する。ところがその研修旅行が聖星学院大学理事長の娘で、教授夫人の美樹の殺人事件に利用されてしまったのだ!参考人とされてしまった宏美は、ミステリーマニアの同僚・冬木雅彦に相談をもちかけるが、目撃された殺人犯と容疑者の間には、米沢と京都という長大な距離とアリバイという溝があった。
≪立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花の意味≫
昔から美人の姿を形容する慣用句
・立っているときは、芍薬の花のように上品で
・座れば、牡丹のように華麗で
・歩く時の姿は、百合の花のようにしなやかに
◆兵庫県の秘密(斎藤 栄・徳間書店)
高校時代の友人・久里から赤穂旅行に誘われた日美子は、旅の吉凶をタロットで占ってみた。結果は凶。久里の身を案じて同行した日美子だが、待ちうけたように殺人事件が起こる。死体の首には久里と同じ真紅のスカーフが巻かれていた。狙われていたのは久里だった!旅の目的を隠し沈んでいた久里は悲劇の予感に怯え、とうとう日美子に打ち明ける。突然音信不通となった恋人・恵二を探しに来たというのだ。恵二はどこへ消えたのか。なぜ久里が狙われるのか?旅の行き着く先は……。
◆青森ねぶた殺人事件(西村 京太郎・文藝春秋)
五月のある日、東京の下町にある民族楽器の製作所に、青森ねぶた祭りに使われる大太鼓が修理のために送られてきた。いざ担当者が修理にかかろうとしたところ、なんと太鼓の中から藁くずにまみれた女性の死体が発見された!やがて犯人として捕まった青年は太鼓の中に死体を入れたことまでは認めるが…。十津川警部と、女性弁護士・三宅綾が「ねぶた祭り」を舞台に大活躍する。
◆「瑠璃城」殺人事件(北山 猛邦・講談社)
密室と化した図書館内で女性が短剣で貫かれる。周囲には七星の模様が。城から六人の男が消失、首を切られ、辿り着けるはずのない湖で発見される。さらに頭部を失くした人間が突然現れたり、人の出入りのない状況で四体もの死体が消える。
◇新撰組血風録・総司燃え尽きる(笹沢 左保・双葉社)
遠くへ来たものだ、と総司はつくづく思う。九歳から試衛館道場に内弟子として住みついた。そこで近藤勇を知って以来、肉親に対する以上の情を抱き、だからこそ京都まで来たのだ。だが新撰組にいた五年近い歳月は、振り返りたくなるような青春時代ではなかった。それは血塗られた歴史と呼ぶに相応しい壮絶なものだった。
◇細川忠興・本能寺将星録上(智本 光隆・歴史群像新書)
信忠は忠興の顔から眼を背ける。下を向いた。「中将様」物言わぬ勝長から忠信に視線を戻した忠興は、真っすぐにその顔を見つめた。「何故、このような真似をなされた」「……分からぬ」「は……?」「分からぬ、のだ。何故、己でもこのような、真似を致したのか」途切れがちの声。忠信は両手で自分の頭をか抱えた。
◇細川忠興・本能寺将星録下(智本 光隆・歴史群像新書)
「父上」「それからな」藤孝は自らの横に置いてあった黒漆塗りの箱を、忠興の前に押し出した。「儂にはこれを使う度胸はなかったがな。良いか?これは諸刃の剣。使い所を間違えてはならぬ」「これは?」忠興はその箱を前に、内心で首を捻った。それに思い当たった時、箱へと落としていた視線を急いで上げた。
◇竜馬暗殺他三編(早乙女 貢・第三文明社)
坂本竜馬を斬った男、新政府軍の攻撃と奥羽列藩同盟の間で苦悩する東北小藩の犠牲者、会津白虎隊、新撰組・土方歳三の最後など、敗者の側から描く士魂の群像。
![DSC01090.jpg](http://blog-imgs-38.fc2.com/t/a/k/take3tabi/DSC01090.jpg)
◆「義経伝説」空白の殺人(中津 文彦・双葉社)
悲劇の英雄・源義経にはさまざまな伝説がある。彼は平泉で殺されたのではなく北方に向かったという北方伝説はその著名なものだ。ところがここに義経は京都に密かに舞い戻り朝廷と結んで頼朝に反旗を翻そうとしていたのではないか見られる新資料が発見された。藤原重光という当時京都平泉の責任者らしい者の日記である。この衝撃的発見の波紋は専門家の間にとどまらない。そして第一の殺人はテレビ画面をきっかけに第二のそれを引き起こすのだった……。
◆死体も歌え奥信濃(辻 真先・中央公論社)
奥信濃の山村にふってわいたパプア・ニューギニア博物館計画。そのお手伝いに、人形作家でもあるおばあさん探偵が村を訪れようとした矢先、ニューギニアの精霊の仮面をかぶった死体が出現。さらに戸隠の忍法博物館では、計画の関係者が、忍術道具で串刺しに……。ユニークな博物館や美術館の多い信州を舞台に、次々と死体を展示する謎の殺人犯を追って、ユーカリさんの推理が冴える。
◆神戸・真夏の雪祭り殺人事件(浅黄 斑・実業之日本社)
神戸・六甲山カンツリーハウスで開催中の「真夏の夏祭り」会場の雪の中から男の変死体が発見された。着衣など身元のわかるものは何一つ残されていなかったが、男の口の中から奇妙なメモが発見された。メモには「但馬→三河→石見→美田→兵庫」の文字。絞殺されてから雪の中に埋められたらしい。イベント準備でにぎわう中、いったい誰が……。被害者の身元も判明しない難事件に、兵庫県警捜査一課・篝半の懸命な捜査が続く。
◆信玄街道影武者殺人事件(金久保 茂樹・廣済堂出版)
「日本総合テレビ}の秋の連続番組「武田信玄の野望~二人の影武者」の撮影が進んでいた。ところが、桜の名所・高遠で行われる予定のロケに主役の人気俳優・沢井英樹が姿を現さない。スタッフが行方を捜すと、沢井の殺害死体が諏訪湖の湖畔で発見される。今回の撮影隊の移動、宿泊先などの手配を任されていた旅行代理店「WET」(ワールド・トラベル・エージェンシー)の調査室課長・秋月顕一は、沢井が残したというダイイングメッセージ「もちづき」を手掛かりに事件の真相を追う。
◆特捜検察・雷鳥ファイル(姉小路 祐・徳間文庫)
大型バイクの挑発に気を取られたトラックが、自転車に乗っていた村山美紀を撥ねて死亡させた。業務上過失致死などに問われた運転手を、起訴猶予処分とした。この案件に関して、新人検事・上坂温志は、赴任初日に検察審査員を務めた吉岡友理子の訪問を受けた。幹の事故には他殺の可能性があり、検察に再度の検討を願いたいというのである。内々に調査を始めた温志は、美紀の恋人が水死体で発見されるに及んで、これは単なる事故でないと判断。しかし、そんな温志に検察組織から圧力がかかり始める……。
◆大地震台湾殺人旅行(斎藤 栄・祥伝社)
警察庁小早川警視正の義妹夏木梨香は、旅行添乗員として訪ねた台湾中部で大地震に襲われた。ツアー客の男性二名が行方不明となったが、梨香は残りの客と共に無事帰国した。一方、大手銀行の資産隠し疑惑を追っていた小早川のもとへ、事件から手を退けと脅迫電話があり、その直後妻の香奈が何者かに誘拐された!必死に行方を追う小早川と梨香の前に、やがて横浜=大阪=台湾を結ぶ巨大な陰謀が……。
◆寝台急行利尻殺人事件(峰 隆一郎・大陸書房)
稚内から札幌に向かう寝台列車「利尻」の車中でヤクザが殺された。
些細なことから事件に巻き込まれた私立探偵の雨宮退助は、親友である札幌西署の鷲津警視から事件の調査を非公式に依頼される。しかし、警察と雨宮の必死の捜査にもかかわらず、成果はあがらなかった。そしておこる第二、第三の殺人。不可解な連続殺人事件の捜査線上に浮かぶ美女……。
◆恥じらうビーナス他二編(和久 峻三・文藝春秋)
祇園白川筋のお茶屋の娘・藤波清香は、離婚歴があり、子持ちで、年下のカメラマンと同棲中の美人弁護士。
人手が足りない時には、芸者姿でお座敷にも。芸者弁護士藤波清香事件ファイル三編(目撃者・恥じらうビーナス・代理母)
◇異説太閤記1・大返しならず(久保隈 苅・歴史群像新書)
「人は時に、地に這いつくばってでも生きねばならず、そして時に、命を捨ててでも立ち上がらねばならぬ」
秀吉は表情を変えず、一人一人の顔を頼もしそうに眺め続けた。「ここ三年の苦労のおかげで、わしは天下一の家臣たちに恵まれた。今はそれを、わしだけが存じておる。どうせ死ぬなら、わしがどれだけの幸せ者であったか、せめてそれを天下に知らしめてから死にたい。皆、存分におのれの得意、おのれの才を世に示すのだ。よろしく頼む」家臣たちへ真摯に頭を下げ、平伏する秀吉を、皆は立ったまま呆然と見詰めた。長く苦しい戦いが、ここから幕を開けた。
◇異説太閤記2・両虎あい食む(久保隈 苅・歴史群像新書)
「敵は崩れたぞ!押し潰せ!」しゃがみこんだまま敵の銃撃に耐えるだけだった羽柴勢は、弾けるように突進し、敵の鉄砲衆を秀吉の言葉通り、押し潰した。秀吉は、古墳群に兵糧と玉薬を運び込み、鉄砲衆二千を配して、即席の砦としていた。特に巨大な応神天皇陵へは、千を超す鉄砲衆が詰めている。木々の緑の隠蔽された鉄砲衆は、味方の前進する先に向け、一方的な射撃を続けた。手はず通り、いったん南へ後退していた鉄砲衆も北へ動き、滝川勢への射撃を始める。みずからを守る盾を急に奪われた滝川勢は、数で勝っれいる事実を忘れ、安全と思われる北側へ、雪崩を打って逃げ始めた。彼らは橋を渡ろうとして筒井勢と押し合いになり、諸共に打たれるだろう。
◇異説太閤記3・天下静謐(久保隈 苅・歴史群像新書)
「わしが大津にいる。徳川は、いかがほどの兵を回すだろうな」「はあ」「徳川の全軍十二万として、ぬしならどうする」「大津を落とせば、いくさは終わりでしょう」「徳川は、そう考えるわな」「ならば十万でも」「ならば、わしの勝ちだ。逆に一万二万で囲まれるなら、徳川が勝つだろう」「大津を落とし、殿を討ち果たせば・この上なき大手柄。誰もが大津を攻めたいでしょうに、一万二万ですか?」「だから、わしが勝つ。少しは分かるか」
◇宮本武蔵の戦い一・最初の血統の巻(柘植 久慶・PHP研究所)
俺は武将になる!僅か十三才で廻国兵法者を討ち果たした宮本村のガキ大将・弁之助は、十七才の春、合戦を求め、武者修行の旅に出る。それは、稀代の剣士・宮本武蔵の戦いの生涯の幕開けであった。並外れた膂力と、左利きを活かした独自の剣模索する武蔵野行くところ、戦雲たちこめ血風が舞う。
◇宮本武蔵の戦い二・関ヶ原の巻(柘植 久慶・PHP研究所)
風雲急を告げる!慶長五年、徳川家康と石田三成の天下を二分する決戦は、武将になることを夢見る宮本武蔵にとって、またとない好機であった。宇喜多秀家の陣に加わった武蔵は、知将明石掃部の薫陶を受け伏見城を攻め、杭瀬川、関ヶ原と転戦。血と泥の激闘の中、武蔵が得た戦いの極意とは?
◇芋汁武士道・家康と徳川家臣団(桜田 晋也・祥伝社)
贅沢を嫌い、質素に徹したがゆえに、信長・秀吉はむろんのこと、その配下からも〝芋汁〟と侮蔑され嘲笑された家康とその家臣たち。今川の人質を経て信長時代、常に死と直面し、逆境を生き延びた男、徳川家康。信玄、信長、秀吉の盛者必衰を目の当たりにした家康と芋汁軍団……。だが、彼には信長・秀吉がついに持てなかった才があった。いつ、いかなる時も部下の直言を喜び、素直に聞き入れるという率直な姿勢態度である。それこそが天下統一の基となった。
≪風林火山≫
・其疾如風 (そのはやきこと風のごとく)
・其除如林 (そのしずかなること林のごとく)
・侵掠如火 (しんりゃくすること火のごとく)
・不動如山 (うごかざること山のごとく)
◇五稜郭の夢他三編(早乙女 貢・第三文明社)
ゲリラ戦を挑んだ仙台藩士細谷十太夫、会津娘子隊・中野竹子の最後、長州騎兵隊出身の参謀世良修蔵誅戮、最も西欧の城を模した五稜郭の戦いのフランス士官のブリュネなど、敗者の側から描く士魂の群像。
◇野望上・隻眼がみる刻(子竜 蛍・学習研究社)
殺伐たる合戦の中に、およそ「美」を求めたのは、正宗だけになってしまったのかもしれない。生死の境に身を置けばこそ、美々しく飾らなければならないのだ……。
◇野望下・隻眼がみる刻(子竜 蛍・学習研究社)
ほとんどの堀が埋められ、気丈な淀ノ方もさすがに意気消沈したようだった。さらに彼女を憂鬱にしたのは、そんな状況にありながら除くべき浪人諸将に頼らざるをえないということだった。