『また大河の話かよ』
と思われる方が大勢いらっしゃるかも知れませんが(いや、そもそもこのブログを見ている人自体そんなにいるはずがないので、大勢はいないかw)、私のせいではありません。
全部、倉山満が悪いのですw
youtubeでこんなのを見かけました。なんだかなー。
【2月5日配信】長州を語る 第1回 「歴代幕末大河ドラマ」 倉山満 かしわもち【チャンネルくらら】
https://www.youtube.com/watch?v=hzGefEk3Z4k
プロの歴史家である倉山が語る、というからどれ程のものかと思って視聴してみたけど正直な所、
『メチャメチャあっさい(浅い)わ~w』
と呆れ果ててしまう程度のものでした。
この程度なら、Wikiでも見ればすぐに喋れる程度の話ですわな。
まあ私がそう感じてしまうのも、私が「幕末オタク」および「大河オタク」過ぎるのが原因なんですけども。
(※一般視聴者からすれば、この程度の話でも面白いと思えるのかしら?しかし今時「大河」に対する突っ込みに興味を持っている人間が、そんな甘い人々であるとも思えないのだか)
とりあえず先に、倉山に対する私からの突っ込みを入れておくと、
1.倉山が「翔ぶが如く」を「まとめ見」したのは、ごく最近との事。
今更かよ!遅すぎるだろw
2.(これは第2回のyoutube動画での話だったかも知れないが)『「花燃ゆ」の池田秀一(シャアの声優)に合わせて戸田恵子(マチルダさんの声優)も出せば良いのに、ショムニにも出てたし』みたいな事を言っていたが、その文脈で言えば、
戸田恵子は「新選組!」で寺田屋の女将・お登勢役
で、幕末大河には既に登場してます。
3.『「徳川慶喜」も早くDVD化すれば良いのに』と言っていたが、昨年(2014年)の秋に、既にDVDが発売されています。
私は「大河ドラマ」に関しては、過去に2chの大河板で揉まれていましたので、語ろうと思えばいくらでも語り倒す自信はあります。
(前回、前々回の大河関連(特に「花燃ゆ」関連)の過去記事リンク。それ以前の大河関連の過去記事は、前回、前々回の記事に多少リンクも貼ってあります)
大河ドラマの鬱憤を「マンガで晴らす」という御時世(2015/02/03)
「篤姫」よりも酷いドラマを作れるとは、NHKは天才だわw(2015/01/19)
(あと、この歴史、ドラマ、小説、漫画、アニメカテゴリのリンクも)
(※後日追記 後にカテゴリを変更しました)
さて、倉山満にあのように語られてしまえば、私としての「幕末大河の持論」を申し上げねばなりますまい。
その前にもう一つだけ、倉山とかしわもちの二人に言っておかねばならない事がある。
前回、前々回、と言うか、この時の記事で完全に論証し終わっている話でもあるのですが、
なぜ、あんたらの大河に対する評価は、「視聴率」基準なのか?
という事である。
「視聴率」なんぞを評価の基準として、知ったかぶって大河を語っている時点で、大河ドラマ論としては「もう終わってる」というレベルです。
大河ドラマに大した関心も持っていない一般人を対象として話しているというのなら、「視聴率」論も多少は意味があるように聞こえるのかも知れませんけど。
というか、「視聴率だけ」を上げたいのであれば、エロいシーンを多用するとか、スキャンダルまみれの俳優を登用するとか、お笑い芸人のギャグを多用するとか、いくらでも方法はあるんじゃないですかね?
そうまでして「視聴率」を上げる意味が、「NHKの大河ドラマ」のどこにあるのか?
私には理解不能ですけど。
「視聴率が高いか低いか」なんぞという事よりも、もっとハッキリと「ドラマとしての面白さの物差し」となるものを私が挙げておきましょう。
それは「もう一回、見たいと思うかどうか」という事です。
日曜だけじゃなくて、DVDなり、CS放送なりで。
本当に面白い作品であれば、一回だけではなく、後々まで、二度三度と見たくなるはずです。
その端的な例として挙げられるのが、これは幕末大河ではありませんが、「葵徳川三代」です。
放送当時の視聴率は大した事がなくても、「葵徳川三代」はDVDやCS放送などの視聴数は、おそらく他の作品と比べても非常に高いはずです。(これはおそらく「坂の上の雲」についても、同様の事が言えると思います。まあ「坂の上の雲」は、便宜上「大河作品」とは別物ですけど)
では本題に戻ります。
まずは基本から押さえてまいりましょう。
NHKの大河ドラマに関して言えば、
『2000年(葵徳川三代)までのものと、2001年(北条時宗)以降のものは、完全に別物です』
という事です。
何が違うのか?と言えば、一番ハッキリとしているのは脚本の部分です。
まあ、この事についてはおいおい触れていくとして、ここでは詳しくは述べますまい。
そして、私なりの「幕末大河のベスト作品」を挙げるとするならば、
「花神」
「獅子の時代」
「翔ぶが如く」
「徳川慶喜」
この4つの作品になります。
この4つはどれも甲乙付けがたい程の傑作でありますので、(ちょっとずるいかも知れませんが)この4つをもって私の「幕末大河のベスト作品」とさせて頂きます。
でもまあ、バランスがとれていて良いんじゃないですか?
長州視点なら「花神」
会津視点なら(若干薩摩視点も混じるが)「獅子の時代」
薩摩視点なら「翔ぶが如く」
幕府(または水戸)視点なら「徳川慶喜」
と、各々の個性を楽しむ事も出来ますし。
これら4作品の個別の評価につきましては、今回は詳しくは述べません。
あまりにも書く事が多すぎまして、とてもじゃありませんが今回一回だけで書き尽くす事は不可能です。
(※ちなみに「獅子の時代」に関してのみ、前回の記事でそこそこ詳しく紹介されています(一坂氏のブログなどで)。あと以前、私が「獅子の時代」について書いた過去記事リンクも貼っておきます)
歴史のドラマやマンガについての話など(2012/01/22)
当然の事ながら、これら4つの作品は「2000年以前の幕末大河」という事になります。
では、以下に「2001年以降の幕末大河」についても述べていきます。
まず、「新選組!」(2004年)です。
この作品は、まさに「賛否両論」という作品だと思います。
NHKにとっても、幕末大河としては2001年以降初となる作品ですので、まだ多少なりとも「良心」が残っていたというべきなのでしょうか。
批判が多い事も重々承知していますし、私としても上記の4つの良作と比較すれば全然大した作品でもないのですけど、まだ私自身が当時、幕末初級者だったという事もあって、この作品には少しだけ思い入れはあります。
一言で申すなら、
近藤勇を主人公とした幕末大河としては完全な落第作品だが、「幕末の青春群像グラフィティ」として見る分には、『まあ、コレもありかな』といった感じです。
次に「篤姫」(2008年)です。
コレに関しては、私も過去に何度か批評していますので、まずは過去記事のリンクを貼っておきます。
八重の桜、天涯の武士、アーネスト・サトウなど(2013/01/14)
「篤姫」よりも酷いドラマを作れるとは、NHKは天才だわw(2015/01/19)
正直に言って、私はこの作品は嫌いなのです。
そう言うと、おそらく、
『なんでお前はそんなに「篤姫」を悪く言うのだ。そんなに酷い作品ではなかっただろう?』
と思う方も多数いらっしゃると思います。
多分、動画で倉山と話していたかしわもちという人もそうなんだろう、と思います(大久保利通と言えば原田泰造、とか言ってたぐらいだから)。
なるほど。確かに「篤姫」という作品は、私が言う程酷い作品ではない、というのは、ある意味本当の事なのかも知れない。
しかし、ここでハッキリ言わせてもらいますが、そう思っている(=「篤姫」はそんなに酷い作品ではない、と思っている)人は、ほぼ確実に、以下の条件のどれかに当てはまる人であるはずです。
1.「翔ぶが如く」をちゃんと見た事がない人
2.歴史、特に幕末の歴史にあまり詳しくない人
3.女性
成人男性で、幕末の歴史(特に薩摩の歴史)の知識がある程度備わっていて、なおかつ「翔ぶが如く」をちゃんと見た事がある人であれば、あの「篤姫」という作品を許容できるはずがないと思います。
(最近になって初めて「翔ぶが如く」を全部まとめて見たという倉山満も、そう感じているはずだと、私は確信しています)
「篤姫」という作品の問題点を挙げ始めたらキリがありません。
まず基本的な事として、前々回の記事でも使いました、当時の2chの書き込みを紹介します。
と思われる方が大勢いらっしゃるかも知れませんが(いや、そもそもこのブログを見ている人自体そんなにいるはずがないので、大勢はいないかw)、私のせいではありません。
全部、倉山満が悪いのですw
youtubeでこんなのを見かけました。なんだかなー。
【2月5日配信】長州を語る 第1回 「歴代幕末大河ドラマ」 倉山満 かしわもち【チャンネルくらら】
https://www.youtube.com/watch?v=hzGefEk3Z4k
プロの歴史家である倉山が語る、というからどれ程のものかと思って視聴してみたけど正直な所、
『メチャメチャあっさい(浅い)わ~w』
と呆れ果ててしまう程度のものでした。
この程度なら、Wikiでも見ればすぐに喋れる程度の話ですわな。
まあ私がそう感じてしまうのも、私が「幕末オタク」および「大河オタク」過ぎるのが原因なんですけども。
(※一般視聴者からすれば、この程度の話でも面白いと思えるのかしら?しかし今時「大河」に対する突っ込みに興味を持っている人間が、そんな甘い人々であるとも思えないのだか)
とりあえず先に、倉山に対する私からの突っ込みを入れておくと、
1.倉山が「翔ぶが如く」を「まとめ見」したのは、ごく最近との事。
今更かよ!遅すぎるだろw
2.(これは第2回のyoutube動画での話だったかも知れないが)『「花燃ゆ」の池田秀一(シャアの声優)に合わせて戸田恵子(マチルダさんの声優)も出せば良いのに、ショムニにも出てたし』みたいな事を言っていたが、その文脈で言えば、
戸田恵子は「新選組!」で寺田屋の女将・お登勢役
で、幕末大河には既に登場してます。
3.『「徳川慶喜」も早くDVD化すれば良いのに』と言っていたが、昨年(2014年)の秋に、既にDVDが発売されています。
私は「大河ドラマ」に関しては、過去に2chの大河板で揉まれていましたので、語ろうと思えばいくらでも語り倒す自信はあります。
(前回、前々回の大河関連(特に「花燃ゆ」関連)の過去記事リンク。それ以前の大河関連の過去記事は、前回、前々回の記事に多少リンクも貼ってあります)
大河ドラマの鬱憤を「マンガで晴らす」という御時世(2015/02/03)
「篤姫」よりも酷いドラマを作れるとは、NHKは天才だわw(2015/01/19)
(あと、この歴史、ドラマ、小説、漫画、アニメカテゴリのリンクも)
(※後日追記 後にカテゴリを変更しました)
さて、倉山満にあのように語られてしまえば、私としての「幕末大河の持論」を申し上げねばなりますまい。
その前にもう一つだけ、倉山とかしわもちの二人に言っておかねばならない事がある。
前回、前々回、と言うか、この時の記事で完全に論証し終わっている話でもあるのですが、
なぜ、あんたらの大河に対する評価は、「視聴率」基準なのか?
という事である。
「視聴率」なんぞを評価の基準として、知ったかぶって大河を語っている時点で、大河ドラマ論としては「もう終わってる」というレベルです。
大河ドラマに大した関心も持っていない一般人を対象として話しているというのなら、「視聴率」論も多少は意味があるように聞こえるのかも知れませんけど。
というか、「視聴率だけ」を上げたいのであれば、エロいシーンを多用するとか、スキャンダルまみれの俳優を登用するとか、お笑い芸人のギャグを多用するとか、いくらでも方法はあるんじゃないですかね?
そうまでして「視聴率」を上げる意味が、「NHKの大河ドラマ」のどこにあるのか?
私には理解不能ですけど。
「視聴率が高いか低いか」なんぞという事よりも、もっとハッキリと「ドラマとしての面白さの物差し」となるものを私が挙げておきましょう。
それは「もう一回、見たいと思うかどうか」という事です。
日曜だけじゃなくて、DVDなり、CS放送なりで。
本当に面白い作品であれば、一回だけではなく、後々まで、二度三度と見たくなるはずです。
その端的な例として挙げられるのが、これは幕末大河ではありませんが、「葵徳川三代」です。
放送当時の視聴率は大した事がなくても、「葵徳川三代」はDVDやCS放送などの視聴数は、おそらく他の作品と比べても非常に高いはずです。(これはおそらく「坂の上の雲」についても、同様の事が言えると思います。まあ「坂の上の雲」は、便宜上「大河作品」とは別物ですけど)
では本題に戻ります。
まずは基本から押さえてまいりましょう。
NHKの大河ドラマに関して言えば、
『2000年(葵徳川三代)までのものと、2001年(北条時宗)以降のものは、完全に別物です』
という事です。
何が違うのか?と言えば、一番ハッキリとしているのは脚本の部分です。
まあ、この事についてはおいおい触れていくとして、ここでは詳しくは述べますまい。
そして、私なりの「幕末大河のベスト作品」を挙げるとするならば、
「花神」
「獅子の時代」
「翔ぶが如く」
「徳川慶喜」
この4つの作品になります。
この4つはどれも甲乙付けがたい程の傑作でありますので、(ちょっとずるいかも知れませんが)この4つをもって私の「幕末大河のベスト作品」とさせて頂きます。
でもまあ、バランスがとれていて良いんじゃないですか?
長州視点なら「花神」
会津視点なら(若干薩摩視点も混じるが)「獅子の時代」
薩摩視点なら「翔ぶが如く」
幕府(または水戸)視点なら「徳川慶喜」
と、各々の個性を楽しむ事も出来ますし。
これら4作品の個別の評価につきましては、今回は詳しくは述べません。
あまりにも書く事が多すぎまして、とてもじゃありませんが今回一回だけで書き尽くす事は不可能です。
(※ちなみに「獅子の時代」に関してのみ、前回の記事でそこそこ詳しく紹介されています(一坂氏のブログなどで)。あと以前、私が「獅子の時代」について書いた過去記事リンクも貼っておきます)
歴史のドラマやマンガについての話など(2012/01/22)
当然の事ながら、これら4つの作品は「2000年以前の幕末大河」という事になります。
では、以下に「2001年以降の幕末大河」についても述べていきます。
まず、「新選組!」(2004年)です。
この作品は、まさに「賛否両論」という作品だと思います。
NHKにとっても、幕末大河としては2001年以降初となる作品ですので、まだ多少なりとも「良心」が残っていたというべきなのでしょうか。
批判が多い事も重々承知していますし、私としても上記の4つの良作と比較すれば全然大した作品でもないのですけど、まだ私自身が当時、幕末初級者だったという事もあって、この作品には少しだけ思い入れはあります。
一言で申すなら、
近藤勇を主人公とした幕末大河としては完全な落第作品だが、「幕末の青春群像グラフィティ」として見る分には、『まあ、コレもありかな』といった感じです。
次に「篤姫」(2008年)です。
コレに関しては、私も過去に何度か批評していますので、まずは過去記事のリンクを貼っておきます。
八重の桜、天涯の武士、アーネスト・サトウなど(2013/01/14)
「篤姫」よりも酷いドラマを作れるとは、NHKは天才だわw(2015/01/19)
正直に言って、私はこの作品は嫌いなのです。
そう言うと、おそらく、
『なんでお前はそんなに「篤姫」を悪く言うのだ。そんなに酷い作品ではなかっただろう?』
と思う方も多数いらっしゃると思います。
多分、動画で倉山と話していたかしわもちという人もそうなんだろう、と思います(大久保利通と言えば原田泰造、とか言ってたぐらいだから)。
なるほど。確かに「篤姫」という作品は、私が言う程酷い作品ではない、というのは、ある意味本当の事なのかも知れない。
しかし、ここでハッキリ言わせてもらいますが、そう思っている(=「篤姫」はそんなに酷い作品ではない、と思っている)人は、ほぼ確実に、以下の条件のどれかに当てはまる人であるはずです。
1.「翔ぶが如く」をちゃんと見た事がない人
2.歴史、特に幕末の歴史にあまり詳しくない人
3.女性
成人男性で、幕末の歴史(特に薩摩の歴史)の知識がある程度備わっていて、なおかつ「翔ぶが如く」をちゃんと見た事がある人であれば、あの「篤姫」という作品を許容できるはずがないと思います。
(最近になって初めて「翔ぶが如く」を全部まとめて見たという倉山満も、そう感じているはずだと、私は確信しています)
「篤姫」という作品の問題点を挙げ始めたらキリがありません。
まず基本的な事として、前々回の記事でも使いました、当時の2chの書き込みを紹介します。
171日曜8時の名無しさん[] 投稿日:2008/12/09 11:03:44 ID:yhPiWEjI
「翔ぶ」は男がかっこよく描かれたドラマ。
「篤姫」は男がアホにみえたドラマ。
唯一の例外は元祖アホの家定だけ!
この事からも分かるように、「篤姫」という作品の一番酷い点は、その作品の中に、同じNHKで制作された同じ薩摩物の大河作品である「翔ぶが如く」に対する露骨なアンチテーゼが見え隠れしている、という点です。
もう、あとは私がくどくどと説明するよりも、一番手っ取り早い方法は、『「翔ぶが如く」を一回ちゃんと見て下さい』という事です。
過去、2chの大河板では、これでほとんどの方に納得して頂けたものです(特に男性に関しては)。
あとは、細かな指摘をすると、過去記事でも書きましたように、私は「篤姫」の視聴は途中で脱落した人間なのですけど、一つ印象的なシーンを憶えています。
確か序盤の頃の話で、(大久保)一蔵が(西郷)吉之助を肥後まで迎えに来て、その後吉之助のお供に連れて行ってもらえず、原田泰造が悔し泣きをするというシーンがあったと記憶しています。
これと似たようなシチュエーションを描いているシーンが「翔ぶが如く」の第5話「江戸へ」の中でもあります。(※まだこの頃の大久保の名前は、一蔵ではなくて大久保正助ですけど)
吉之助が初めて江戸に出る事になる。(大久保)正助自身は、やはりこの作品でも上昇志向の強い人間として描かれており、吉之助だけが江戸へ行く事に対して多少複雑な表情をしているシーンもあるのだけれども、実は陰ながら吉之助の江戸行きを応援する形で、吉之助に対して江戸滞在中の体をいたわるよう、手紙と薬を贈るシーンがある。
鹿賀(大久保)『心ばかりの、はなむけでごわす』
「翔ぶが如く」という作品は、なんとなく「西郷隆盛の作品」というイメージが強いのかも知れませんが、ハッキリ言って「翔ぶが如く」という作品は、
鹿賀丈史の大久保利通が一番の見所である作品です。
倉山の動画で、
『大久保利通と言えば原田泰造ですよね』
などとかしわもちが喋っていたが(一応倉山はそれに対して『鹿賀丈史でしょ』と突っ込んでたが)、こういう言説は昔2chの篤姫ファンなどから度々聞かされた話です。
そういう話を聞く度に、わたしゃもうガックリきて腰が抜けそうな感覚になるんですよ。
お前ら、絶対に「翔ぶが如く」をちゃんと見てないだろ!と。
大久保という人間が、上記の「篤姫」の原田泰造のように、己自身の出世だけを望むあまりに悔し泣きするような小さい人間かよ?という事です。
ちなみに、
『あなたは(「翔ぶが如く」みたいな)男の話ばかりに関心があるようですけど、女の話はどうでも良いの?』
と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
そうではありません。
私は「翔ぶが如く」でも女性の話は、しっかりと描けていると思っています(と言いますか、「翔ぶが如く」も脚本は女性が書いてますし)。
昨今はやたらと(無理矢理と言っても良いぐらい)女性を前面に押し出して活躍させようという風潮が強いですが、私は「翔ぶが如く」の
「いとさあ(田中裕子)と満寿さあ(賀来千香子)」の描写も、
十分、しっかりと女性のドラマが描けていると思っているんですけどねえ(※千絵さん(有森也実)のパートに対する評価が、賛否両論ある事はともかくとして)。少なくとも昨今の大河の脚本と比較すれば。
『私達はイギリスとの戦さ(※薩英戦争)の折、弾の下をくぐった戦友でございもす』
おっと、いかん、いかん。
いつの間にやら「篤姫」の評価ではなくて、「翔ぶが如く」の評価と化しつつある。このままではw
「篤姫」に関しては、最後にもう一つだけ重要な事を指摘しておきます。
私が昔、「坂の上の雲」を論評した際に書いた事をここに転載しておきます。
坂の上の雲と司馬遼太郎とNHK・2(2011/12/08)
もう、あとは私がくどくどと説明するよりも、一番手っ取り早い方法は、『「翔ぶが如く」を一回ちゃんと見て下さい』という事です。
過去、2chの大河板では、これでほとんどの方に納得して頂けたものです(特に男性に関しては)。
あとは、細かな指摘をすると、過去記事でも書きましたように、私は「篤姫」の視聴は途中で脱落した人間なのですけど、一つ印象的なシーンを憶えています。
確か序盤の頃の話で、(大久保)一蔵が(西郷)吉之助を肥後まで迎えに来て、その後吉之助のお供に連れて行ってもらえず、原田泰造が悔し泣きをするというシーンがあったと記憶しています。
これと似たようなシチュエーションを描いているシーンが「翔ぶが如く」の第5話「江戸へ」の中でもあります。(※まだこの頃の大久保の名前は、一蔵ではなくて大久保正助ですけど)
吉之助が初めて江戸に出る事になる。(大久保)正助自身は、やはりこの作品でも上昇志向の強い人間として描かれており、吉之助だけが江戸へ行く事に対して多少複雑な表情をしているシーンもあるのだけれども、実は陰ながら吉之助の江戸行きを応援する形で、吉之助に対して江戸滞在中の体をいたわるよう、手紙と薬を贈るシーンがある。
鹿賀(大久保)『心ばかりの、はなむけでごわす』
「翔ぶが如く」という作品は、なんとなく「西郷隆盛の作品」というイメージが強いのかも知れませんが、ハッキリ言って「翔ぶが如く」という作品は、
鹿賀丈史の大久保利通が一番の見所である作品です。
倉山の動画で、
『大久保利通と言えば原田泰造ですよね』
などとかしわもちが喋っていたが(一応倉山はそれに対して『鹿賀丈史でしょ』と突っ込んでたが)、こういう言説は昔2chの篤姫ファンなどから度々聞かされた話です。
そういう話を聞く度に、わたしゃもうガックリきて腰が抜けそうな感覚になるんですよ。
お前ら、絶対に「翔ぶが如く」をちゃんと見てないだろ!と。
大久保という人間が、上記の「篤姫」の原田泰造のように、己自身の出世だけを望むあまりに悔し泣きするような小さい人間かよ?という事です。
ちなみに、
『あなたは(「翔ぶが如く」みたいな)男の話ばかりに関心があるようですけど、女の話はどうでも良いの?』
と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
そうではありません。
私は「翔ぶが如く」でも女性の話は、しっかりと描けていると思っています(と言いますか、「翔ぶが如く」も脚本は女性が書いてますし)。
昨今はやたらと(無理矢理と言っても良いぐらい)女性を前面に押し出して活躍させようという風潮が強いですが、私は「翔ぶが如く」の
「いとさあ(田中裕子)と満寿さあ(賀来千香子)」の描写も、
十分、しっかりと女性のドラマが描けていると思っているんですけどねえ(※千絵さん(有森也実)のパートに対する評価が、賛否両論ある事はともかくとして)。少なくとも昨今の大河の脚本と比較すれば。
『私達はイギリスとの戦さ(※薩英戦争)の折、弾の下をくぐった戦友でございもす』
おっと、いかん、いかん。
いつの間にやら「篤姫」の評価ではなくて、「翔ぶが如く」の評価と化しつつある。このままではw
「篤姫」に関しては、最後にもう一つだけ重要な事を指摘しておきます。
私が昔、「坂の上の雲」を論評した際に書いた事をここに転載しておきます。
坂の上の雲と司馬遼太郎とNHK・2(2011/12/08)
(以下、一部抜粋して転載)
最近のNHK大河ドラマにおける腹の立つパターンの一つに、“主人公のエスパー化”
というパターンがある。
「主人公は偉いのよ!主人公はこの後の歴史の展開を全てお見通しなのよ!」とでも
言わんばかりの主人公の超能力ぶりである。そうであるから、最近のNHK大河の
主人公は、偉そうに他人に対して「こうしたほうが良い(=良かったのだ)!」と、
場もわきまえずに説教をたれる。
『篤姫』の時などは特に酷かった。見ていないが今年のも、どうせ同じだったのだろう。
(※2015年追記「見ていないが今年のも」というのは、同じ脚本家の作品である「江」の事)
これまで何度か書いた事があるが、『“歴史の流れ”を語る際に、後知恵で歴史にIF
を使う事は許されない。歴史のIFが許されるのは、その時その人が、どういう選択肢
の中で“その決断”をして、なぜ他の選択肢を選ばなかったのか?選べなかったのか?
その決断を下した当事者達の心境を省みる際にのみ、歴史のIFは許されるのである。
「その時こうしていれば(=別の選択肢を選んでいれば)、その後の“歴史の流れ”は
こんな風に(都合良く)なったかも知れないのになあ」などという空想を巡らして、自説
(及び自分のイデオロギー)に都合良く利用する為に、歴史にIFを使う事は許されない』
という事である。
であればこそ、歴史の面白みがあるのであり、ドラマの面白みも、また同じである。
人間は神様ではないのだから、一寸先の事さえ、何も分からない。
ドラマの中に“エスパーや神様”が登場しても、シラけるだけである。(以下略)
2001年以降の大河における「脚本の劣化」に関しては、こういう部分の劣化が一番著しい。
あと、「人間を描けていない」という「脚本の劣化」も酷いですけど。
大河が「女子供向け」「視聴率重視」などというバカげた方針でやっていれば、そうもなりますわな。
あとは「しっかりと演じきれる俳優もかなり減ってしまった」という事も大きいですよね。
私は既に「日曜8時に見る大河ドラマ」という点で言えば、「もう止めてしまっても良い」と思っています。日本の歴史に害をなさない程度に、「戦国コスプレ」「幕末コスプレ」を日曜8時に垂れ流している分には、まあそれも仕方がないかな、と諦めています。
次に「龍馬伝」(2010年)です。
この作品は、まあ「篤姫」とは違って、一応視聴に堪えられるだけの内容ではありました。
ただ、もう一回見たいかどうか?言われれば、全然見たいとも思わない、という程度の作品なんですけどね。
「幕末大河」として面白いか面白くないか?と言えば、ハッキリ言って「面白くない作品」ですね。
凝った映像表現だけは、まあ評価しておきましょう。
この作品もやはり、脚本が致命的でした。
坂本龍馬という人物が「甘ったるく」かつ「何をしたいのか?がハッキリしない」人物像になってしまってましたし。
ここでもう一つ、2001年以降の大河における脚本の欠点を指摘しておくと、
「仇討ちの禁止」
という、いかにも昨今のNHKらしい「大河ドラマのタブー」が出来上がってしまっている、という点です。
「篤姫」や「龍馬伝」などは、特にそうでした。
「自分達がやられても、相手側にやり返してはダメ」とか、「復讐の感情は、負の連鎖を産み出すだけだ」みたいな。
現代劇でもやってるつもりですか?とw。
山内容堂と武市半平太がひっそりと和解するとか、どういう感覚で幕末ドラマの脚本を書いてんだ?と言いたくもなります。
まあ「龍馬伝」については、この程度にしておきましょう。
次に「八重の桜」(2013年)です。
「八重の桜」に関しては、このブログでも既に二回ほど記事を書いています。
八重の桜、天涯の武士、アーネスト・サトウなど(2013/01/14)
久々の幕末関連ネタ及び森田信吾(マンガ家)について 前編(2013/04/20)
そう言えば「八重の桜」に対する最終的な論評をまだ、していませんでした。
「八重の桜」に関しては、倉山も動画の中で「全然見なかった」と言っているし、ネット上での評価もあまりかんばしくない意見が多いですね。
私自身も、「八重の桜」がそんなに面白い作品であるとは思わないし、再びもう一度見たいという気もあまり起きません。
ただし、「幕末大河のドラマの出来」という点に関して言えば、「2001年以降ではベスト作品である」と言えます。
なぜ「八重の桜」についてだけ、そんなに評価が高いのか?と疑問に思われる方もおられるでしょう。
答えは簡単です。
2001年以降の大河にしては珍しく制作者の側に(NHKの側に)「丁寧に、しっかりと作ろう」という意志があったからです。
しっかりとした作品が作れるだけの能力があったかどうかは別としても、その意志だけはありました。
「八重の桜」の時に限ってだけ、なぜNHKはそのような姿勢を見せたのか?
それは「八重の桜」は福島の復興に関連した作品であるからです。
福島の為の作品なのだから、「おかしな作品は作れない」という制作者側(NHK側)の姿勢はしっかりと見てとれました。
実はこの点こそが、まさに今回(今年)の「花燃ゆ」とは全く正反対なのです。
だから「花燃ゆ」は酷いのです。
見るに堪えない代物なのです。
なにしろ、前回、前々回での記事でも書いてますように、今回の「花燃ゆ」は長州・山口県に対する嫌がらせ以外の何物でもありません。
もう一つ言えば、上記の「篤姫」の所で、「篤姫」は露骨なまでの「翔ぶが如く」へのアンチテーゼであると書いたように、今回の「花燃ゆ」は、露骨なまでの「花神」へのアンチテーゼでもあるのです。
なぜNHKはわざわざそんな事をやるのだろうか?訳が分かりません。
youtubeの倉山動画ではかしわもちが「花燃ゆ」を応援したい、みたいな事を言っているが、誰がこんな作品を見たいと思うか。
ただし、かしわもちの言ってる事で一つだけ賛同できる事もある。
というか、実は私も全く同じ事を考えていたのです。
長州の大河ドラマを作るのなら、「花神」を脚本通りに、もう一回忠実に作り直せ、と。
総集編以外の「花神」の本編を紛失したNHKには、「花神」を復元するという義務もあるし、今回、このような長州・山口県に対する嫌がらせ作品を作ったという責任も、NHKにはある。
実際の所、今の俳優に、当時の俳優の演技が出来るとは到底思えないし、当時の「花神」のイメージをぶち壊しにしてしまうのは目に見えているのだけれど、それでも今回の「花燃ゆ」よりはナンボかマシなドラマにはなると思いますよ。
あと、「人間を描けていない」という「脚本の劣化」も酷いですけど。
大河が「女子供向け」「視聴率重視」などというバカげた方針でやっていれば、そうもなりますわな。
あとは「しっかりと演じきれる俳優もかなり減ってしまった」という事も大きいですよね。
私は既に「日曜8時に見る大河ドラマ」という点で言えば、「もう止めてしまっても良い」と思っています。日本の歴史に害をなさない程度に、「戦国コスプレ」「幕末コスプレ」を日曜8時に垂れ流している分には、まあそれも仕方がないかな、と諦めています。
次に「龍馬伝」(2010年)です。
この作品は、まあ「篤姫」とは違って、一応視聴に堪えられるだけの内容ではありました。
ただ、もう一回見たいかどうか?言われれば、全然見たいとも思わない、という程度の作品なんですけどね。
「幕末大河」として面白いか面白くないか?と言えば、ハッキリ言って「面白くない作品」ですね。
凝った映像表現だけは、まあ評価しておきましょう。
この作品もやはり、脚本が致命的でした。
坂本龍馬という人物が「甘ったるく」かつ「何をしたいのか?がハッキリしない」人物像になってしまってましたし。
ここでもう一つ、2001年以降の大河における脚本の欠点を指摘しておくと、
「仇討ちの禁止」
という、いかにも昨今のNHKらしい「大河ドラマのタブー」が出来上がってしまっている、という点です。
「篤姫」や「龍馬伝」などは、特にそうでした。
「自分達がやられても、相手側にやり返してはダメ」とか、「復讐の感情は、負の連鎖を産み出すだけだ」みたいな。
現代劇でもやってるつもりですか?とw。
山内容堂と武市半平太がひっそりと和解するとか、どういう感覚で幕末ドラマの脚本を書いてんだ?と言いたくもなります。
まあ「龍馬伝」については、この程度にしておきましょう。
次に「八重の桜」(2013年)です。
「八重の桜」に関しては、このブログでも既に二回ほど記事を書いています。
八重の桜、天涯の武士、アーネスト・サトウなど(2013/01/14)
久々の幕末関連ネタ及び森田信吾(マンガ家)について 前編(2013/04/20)
そう言えば「八重の桜」に対する最終的な論評をまだ、していませんでした。
「八重の桜」に関しては、倉山も動画の中で「全然見なかった」と言っているし、ネット上での評価もあまりかんばしくない意見が多いですね。
私自身も、「八重の桜」がそんなに面白い作品であるとは思わないし、再びもう一度見たいという気もあまり起きません。
ただし、「幕末大河のドラマの出来」という点に関して言えば、「2001年以降ではベスト作品である」と言えます。
なぜ「八重の桜」についてだけ、そんなに評価が高いのか?と疑問に思われる方もおられるでしょう。
答えは簡単です。
2001年以降の大河にしては珍しく制作者の側に(NHKの側に)「丁寧に、しっかりと作ろう」という意志があったからです。
しっかりとした作品が作れるだけの能力があったかどうかは別としても、その意志だけはありました。
「八重の桜」の時に限ってだけ、なぜNHKはそのような姿勢を見せたのか?
それは「八重の桜」は福島の復興に関連した作品であるからです。
福島の為の作品なのだから、「おかしな作品は作れない」という制作者側(NHK側)の姿勢はしっかりと見てとれました。
実はこの点こそが、まさに今回(今年)の「花燃ゆ」とは全く正反対なのです。
だから「花燃ゆ」は酷いのです。
見るに堪えない代物なのです。
なにしろ、前回、前々回での記事でも書いてますように、今回の「花燃ゆ」は長州・山口県に対する嫌がらせ以外の何物でもありません。
もう一つ言えば、上記の「篤姫」の所で、「篤姫」は露骨なまでの「翔ぶが如く」へのアンチテーゼであると書いたように、今回の「花燃ゆ」は、露骨なまでの「花神」へのアンチテーゼでもあるのです。
なぜNHKはわざわざそんな事をやるのだろうか?訳が分かりません。
youtubeの倉山動画ではかしわもちが「花燃ゆ」を応援したい、みたいな事を言っているが、誰がこんな作品を見たいと思うか。
ただし、かしわもちの言ってる事で一つだけ賛同できる事もある。
というか、実は私も全く同じ事を考えていたのです。
長州の大河ドラマを作るのなら、「花神」を脚本通りに、もう一回忠実に作り直せ、と。
総集編以外の「花神」の本編を紛失したNHKには、「花神」を復元するという義務もあるし、今回、このような長州・山口県に対する嫌がらせ作品を作ったという責任も、NHKにはある。
実際の所、今の俳優に、当時の俳優の演技が出来るとは到底思えないし、当時の「花神」のイメージをぶち壊しにしてしまうのは目に見えているのだけれど、それでも今回の「花燃ゆ」よりはナンボかマシなドラマにはなると思いますよ。
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