処士策論 坂の上の雲と司馬遼太郎とNHK・2
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処士策論

「処士」(しょし)とは、仕官していない人、民間の人、在野の人のこと

坂の上の雲と司馬遼太郎とNHK・2

前回の記事で書きました『坂の上の雲』についてですが、この前の日曜日から放送再開と
なり、第三部が放送され始めましたが、第三部の初回「第10回:旅順総攻撃」視聴率は
12.7%
と非常に低調だったらしい。

(参考記事)坂の上の雲の平均視聴率は12.7%
http://tvmeter.blog.fc2.com/blog-entry-681.html

坂の上 最小
旅順タイトル新
坂上新 極小


しかしながら、自分としては『坂の上の雲』の視聴率が低かろうと高かろうと、
どうでもいい事なのだが、実はNHK自身としても、自分と同様に、
“視聴率”にはさほど関心は無いだろう
と思われる。



<大河ドラマと“視聴率”>
この問題について語らせてもらうと、自分はいくらでも語り倒す自信があります。
なにしろ長年2chで揉まれてきてますのでw

ちなみに2chの“大河ドラマ板”では常時、テレビ業界関係の工作員たちが大河
ドラマの“視聴率”が「どうしたこうした」と煽り立てて、“視聴率”の話を盛り上げ
ようと必死になって工作活動をしている。
これは2chが出来て以来、ここ数年ずっとそうだ。
もちろん2chの歴史自体がそれほど古いものではないのだが、厳密には2002年の
『利家とまつ』
の頃から、そういう風潮は始まっていた。その頃はまだ2chに大河板
などは存在せずに、まだ“時代劇板”に一括りにされていた時代だった。

この2002年の『利家とまつ』が、いわゆる“トレンディ大河”というか”ゆとり大河”
というか“スイーツ大河”のハシリとなった。
この『利家とまつ』の視聴率はかなり高い数字を出した。(平均視聴率22.1%)

NHK大河ドラマ|ビデオリサーチ
http://www.videor.co.jp/data/ratedata/program/03taiga.htm

tosimatu.jpg




まず最初に、NHKの番組で、“高い視聴率”
狙う意味が一体どこにあるのか?


民放ではないのだから、スポンサーから視聴率の成績を問われる事もない。
“多くの人の目に触れさせる”とか、“多くの人の注目を集める”とか、そのような商業
的な活動を行う事を誰からも求められていない。(と言うか逆に、やってはいけない)

そのような“束縛”から解放されて、“視聴率”などという、そのような一時の
注目やプロモーションなどを気にせずに、長い目で見て、後世にも評価されるような
中身の詰まった内容の番組を作る事こそが、公共放送には求めらているはずである。
(※仮に公共放送NHKによる“ドラマ製作”を認める事を前提に話をするとしても。
「NHKの存在意義」について書く際に、常に指摘しているが、自分は“ドラマ製作”は
税金でやるべきではないと思っている。ただし、“日本の歴史”に親しみを持ってもらう
為に作られる“歴史ドラマ”については、その限りではない)


Eテレ・教育チャンネルなどがまさにそうで、NHKまでもが「視聴率!視聴率!」
などと叫ぶのであれば、Eテレ・教育チャンネルなど止めてしまえば良いではないか。

などと2chで書いても、Eテレ・教育チャンネルもテレビ業界工作員達の利権の一部
なので、2chの奴らからEテレ・教育チャンネルと視聴率の関係性について、まともな
返答など一度ももらった事はない。


そもそもスポンサーと全く関係の無い“大河ドラマ”の掲示板で、「視聴率!視聴率!」
などと騒ぎ立てている奴が、一般視聴者であるはずがない。視聴者が“視聴率”などを
年がら年中騒ぎ立てているはずがないではないか。

要するにあいつら(視聴率扇動工作員)は、テレビの下請け業界関係者のはずである。

テレビドラマ作りの下請けともなれば、民放もNHKも関係なく仕事をしている。
“視聴率”が直接関係してくるのは、こいつらぐらいのものである。スポンサーが絡まない
NHKの番組といえども、「視聴率が高い」という事は、連中にとってのステータス
しては役に立つのだろう。

こいつらが“視聴率”を気にする理由は、自分達の会社に関係する利権の為にあるのは
もちろんの事だが、理由はそれだけではない。

これまでのテレビ業界における絶対的な価値観=“視聴率”
世間一般的な価値としても世の中に認めさせておきたいから
そのように「視聴率!視聴率!」と煽っているのである。

番組の内容があろうが無かろうが、下劣極まりない内容だと言われようが、そんな事は
奴らにとってはどうでも良い。「視聴率さえ高ければ」という
そういう価値観を世間に押しつけていたいのである。
(※総理の首をすげ替える度に、「こんなにも高支持率になった!」と煽って民主党を
援護する
やり方と、全く同じパターンである。中身は空っぽなのに、一面的な数字だけを
評価基準に設定して国民を煽るやり方が)





自分はよくこのブログの中で、NHKによる洗脳・扇動の主な標的
「女子供と老人(情報弱者)である」
と書いている。
(※そしていつも書いているように、自分は決して女性を軽視している訳ではありません)

それはNHKに限った事ではない。テレビマスゴミ全体が、特に地上波は極一部
(=関西テレビ・ニュースアンカー)を除いて、全て“愚民化洗脳用の箱”であるという事は、
これまで散々書いてきました。



「視聴率が高い」という事は、要するにその“女子供と老人”の中から
どれだけ多くの関心を引き寄せる事ができたかどうか?

ただそれだけの事である。

だからこそ、“高い視聴率”を狙うという事は、
イコール、“女子供と老人”を狙うという事である。



今回の記事では“世間のテレビ離れ”についてまでは、深くは触れない事とする。
20代~30代の“テレビ離れ”が著しいという事は確からしい。
「テレビによる一億総白痴化」などという事は昔からよく言われていた事らしいけれども、
さすがに今のレベルは昔と比べてもトンデモないレベルにまで来てしまっているので、
気が付く人達はとっくに気が付いている訳ですよね、今のテレビ=“愚民化洗脳用の箱”
などという事は。




ここ十年ほどの大河ドラマの視聴率は、ほとんどコレ=“女子供と老人狙い”で説明
できる。この場合、“老人”というのは、主に“団塊世代”を指すものとする。またこの
人達が本当に“テレビが大好き”なんだよねえ、十把一絡げに括るのは気の毒かも
知れないですけど。


『利家とまつ』が高視聴率だった事は先に述べた。(平均視聴率22.1%)
これはその“ライト層狙い”が当たった事も大きいが、それに加えて“大河ブランド”がまだ
かなり大きな価値を保っていた時期でもあったので、その事も大きな要因の一つである。
「あのお堅い大河ドラマで、こんな軽い内容の物をやっているのか?」という、要するに
珍しもの見たさ”という注目の集め方である。

またそれまでの「大河ドラマの内容が(歴史が)難しくてよく分からない」という“敷居
をすっぱりと取り払ったので、それで“ライト層”が一気に流れ込んできたという事も
視聴率アップの要因の一つとしてはある。
この事は今回の『坂の上の雲』が低視聴率である事にも関係してくるが、それはまた後で
触れる事とします。



『新選組!』『風林火山』『龍馬伝』の視聴率が比較的低いのは(最近の中でも比較的低い
のは)、これらの作品が“女子供と老人(というか団塊)”狙いではなかったからである。
この3つは、どちらかと言うと「男性向け」「やや骨太」という作風であった。と言っても
2000年以前の本格大河作品と比べると、相当見劣りする程度のものだったのだが、これら
3つの作品はごく一部のファン=主に男性ファンや歴史オタ歴女含む)にウケはしたものの、
一般ウケ=“ライト層(特に一般女性)ウケ”するような作品ではなかったので、視聴率は
伸びなかった。(香取慎吾、Gackt、福山雅治を配しても、中身が男臭い内容ではダメだった)



『篤姫』は高視聴率だった。らしい。(平均視聴率24.5%)
atuhime ss


そもそも“視聴率”と、当たり前のようにその言葉を使っているが、この数字がどこまで
正確なものかは分からない。「その数字が正確な数字である」と裏付けるものは何も無い。
所詮はマスゴミ業界である。昔、視聴率調査に協力している家を探しあてて、視聴率アップ
の為に利益供与していたという事件があったが、全体のサンプル数も小さいし、小細工だって
いくらでも出来そうなものである。“地デジ”になれば正確な数字が出せるようになると
いう話を聞いた事があるが、あの話は実際どうなったのだろう?



話を『篤姫』に戻すと、これは基本的には『利家とまつ』のパターンと同じである。
狙いを“ライト層”に絞った事で視聴率は伸びた。
しかもこの時は“韓流”バリのマスゴミ一斉『篤姫』キャンペーンを展開した。ちなみに
これも“韓流”そっくりだが、“オバサン層”が視聴者層としてなだれ込んできた事も
視聴率アップに貢献した。ちなみに主役はサヨクマスゴミから、また韓国や在日方面から
もてはやされている“宮あおい”である。

お話の内容は、よく2chで「昔の少女マンガみたい」と評されていたが、なにしろ脚本が
今年の『江』を書いた田渕久美子である。宮尾登美子の原作があると言っても、脚本がアレ
ではどうしようもない。



『天地人』も、視聴率は良かったらしい。(平均視聴率21.2%)
tenntijin ss


これも路線としては、もろ“ライト層狙い”の内容である。
2chやニコニコでは「脚本家(=小松)をクビにしろ!」という声をよく目にしたものだ
が、これも作品内容は“スイーツ大河”“ゆとり大河”の名前に恥じない、見事なまでの
スイーツ全開の内容”であったらしい。

ちなみに自分は『天地人』は最初の2話まで、『江』に至っては一回たりとも見ていないので
作品の内容はよく知らないのだが、2chやニコニコの話を見ている限り、「相当なもの」
だったらしいですね。

よく「だから女なんかに大河の脚本を書かせるな!」とか、そういう発言を目にしますが、
確かに田渕や小松は問題外なんですけど、昔の“本格大河”でも、女性の脚本は結構
あったりします。
『花神』『国盗り物語』(どっちも司馬原作だな)は大野靖子さん。
『徳川家康』『翔ぶが如く』は小山内美江子さん(この人は“(憲法)九条の会”の人
らしいのだが、そこそこ骨太な内容の脚本を書きます)。
という事で、性別じゃなくて個人の資質の問題ですよねえ。


この時点までは、一応“ライト層狙い”が功を奏して、なんとか高視聴率だった。らしい。


しかし今年
もうその手法も通用しなくなった。

大河「江」平均視聴率は過去10年でワースト3位、17・7%
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/111128/ent11112810430006-n1.htm
(本文は割愛します)


“ライト層”でさえ見捨てる程のどうしようもないゴミ内容のドラマだったらしいが、
視聴率の低下には、もう一つの重要な要因がある。

それは“大河ブランドの摩耗”である。
簡単に言うと「飽きてしまった」という事になるが、先に『利家とまつ』の所でも書きました
ように、「あのお堅い大河ドラマで、こんな軽い内容の物をやっているのか?」というパターン
は、大河のブランド価値が生きていてこそ通用するパターンなのであって、そのブランド価値が
擦り切れて使い物にならなくなってしまえば、もはやそのパターンは通用しなくなる。
要するに、安易な“大河ブランドの安売り”をした事による“大河ブランドの陳腐化”という
事です。


これは自分が2chの大河板で、過去に繰り返し書いてきた事でもある。
そんな目先の“物珍しさ”など、何年かそのパターンを繰り返して、それが一般的になって
しまえば、“大河ブランド”は消耗して、見る影も無くなってしまうだろう、と。


今の時代、「大河ドラマの内容が(歴史が)難しくてよく分からない」という“敷居”を、
少しは下げる事も必要かも知れない。しかし下げ過ぎる事は良くない。結局ドラマの中身が
しっかりとしていない事には、そういう“ライト層”を歴史ドラマの固定客として引き入れる
事はできない。
もちろん、朝ドラのお話のような内容で“戦国コスプレ”をやっているだけという“学芸会
では、お話にならないだろう。大河ドラマはあくまで“歴史”が中心になってこその
大河ドラマ”なのだから。





さて、ここまで書いてきて、ようやく今回の本題である『坂の上の雲』の“視聴率”
について、である。

ここまで、“大河ドラマと視聴率”についての、総論じみた事を書いてきた。

自分自身が冒頭で、「『坂の上の雲』の視聴率が低かろうと高かろうと、どうでもいい
と書いた理由は、この『坂の上の雲』というお話を真面目にドラマ化して、それでいて
「高視聴率を取る」などという事は、そもそも不可能であるからだ。

なるほど確かに自分のお気に入りのお話、お気に入りの時代背景の作品が高視聴率を
取れば、それはそれで嬉しい事なのかも知れないが、そもそもそんな事は不可能である。

10年、20年前にドラマ化されていればまだしも(というか司馬さんが亡くなったのが96年で、
生前司馬さんはこの作品のドラマ化には絶対に許可を与えなかったらしいので、20年前に
ドラマ化できる訳は無いのだが)、日露戦争の知識を自然と身に付けている人達は、今の時代
では、かなりの少数派であるに違いない。
例えば、古くは『明治天皇と日露大戦争』『日本海大海戦』、やや時代は新しくなって
(それでも1980年=31年前だが)『二百三高地』などの映画を見た記憶のある人間などは、
極少数派であろう。『坂の上の雲』の小説を読んだ事のある人間も、40代以下では、おそらく
極少数派であろう。

かく言う自分も、10年前には、ほとんど日露戦争や秋山兄弟の知識などは身に付けていな
かったのだから、他人の事をとやかく言えたものではない。


sakakumo s
そもそもが、絶対的に“敷居の高い”歴史ドラマなのである。この作品は。


しかも3年間、飛び飛びの変則的な放送の仕方のせいで、一年前のストーリーの事など
憶えている人間がどれほどいると思っているのか?NHKは。
(自分も今回、当日になって1年前のストーリーを見直したわw)

その3年間の内に、予備知識を勉強して、ドラマに挑戦する人も何人かはいるかも知れない
が、そういう稀有な人達は、“ライト層”と比較すれば、所詮は極々僅かな人数である。


以上のように、『坂の上の雲』という“高い敷居”を越えてくる人の絶対数が、
「まず少ない」という事がある。



そして次にNHK側のスタンスである。
NHK自身も「“視聴率”の高低にはあまり関心は無いはず」と、冒頭に書いた。
前回の記事で、

(以下、抜粋転載)
「そんな超消極的な姿勢でドラマを作るくらいなら、最初からヤんなきゃいいだろ?!」
って所なのだが、ネットで調べればすぐに分かりますが、この『坂の上の雲』のドラマは
延期に延期を重ねてようやく制作に入ることができたという、いわく付きの作品である。
(以下略。以上、抜粋転載終了)


と、書きましたが、NHKは元々『坂の上の雲』というドラマを作る事自体に、及び腰
部分が多々ある。
製作予算をつぎ込んだり、時々番宣をやったり、実力派俳優を多数つぎ込んだり、それなりに
力を入れているように見受けられる部分もあるが、要所要所で、見事なまでに“腰を引いて
力を抜いている。


それはそもそも『坂の上の雲』、というか“日露戦争のドラマ”そのものが、“サヨク
イデオロギー
”が黙って見過ごす事のできない、思想的に、政治的に“やっかいな代物
であるのだから、当然の事だ。



NHKの『坂の上の雲』に対する製作スタンス
それについては、個人的に追及したい部分が(先日の第三部「第10回:旅順総攻撃」に
ついても)かなりあるのだが、これは『坂の上の雲』や、または“日露戦争のドラマ”に
対して期待していた多くの視聴者=“自分のような人間”=“歴史オタク”が感じているで
あろう“欲求不満”でもある。
“敷居を越えて来ていない人達”=“ライト層”の人達が、その歴史の難解さ故に、この
ドラマから脱落するのはともかくとしても、その“敷居を越えて来た人達”=“歴史オタク”
までをも脱落させるという製作スタンスをNHKがとっているので、「そりゃ視聴率も
(ますます)上がらないだろーよ」
という感じです。


その具体的なNHKの製作スタンスについては、また後日にでも。


まあ俳優陣や製作スタッフの一部は“やる気十分”なのだろうが、NHK本体は(悪い
意味で)全然視聴率なんか取ろうとも考えていないし、また『坂の上の雲』が低視聴率で
あれば、2chのテレビ業界関係の工作員達も(こいつらはホントにNHKを擁護するのが
好きだけどw)『坂の上の雲』叩き、及び(低視聴率の)レッテル貼りに利用もできるので、
サヨクさん達にとっても好都合である。


“視聴率”と“ドラマの内容”などは、今の時代はそれほど密接にはリンクしない。

そう書くと、「視聴率こそが絶対の正義!」と書いている2chの業界工作員達は
「じゃあ『独眼竜政宗』『武田信玄』が高視聴率だったのは(平均視聴率39.7%と
39.2%)作品の質とは関係なかったんだな?」
などというアゲ足取りをやって難癖をつけに来るのだが、内容のデキも良く、視聴率も
高いという、そういうバブルの時代がかつてあっただけの事だ。しかもその直前の
“近代三部作”(84年~86年)の反動という要素もあった訳で…。


あ~あ。やっぱり“視聴率”の話だけで、長々と一本丸々かかっちゃったよw
次回、続きの回ではもっと真剣な「歴史のお話」をする予定です。





最後に、全然関係の無いネタを一発だけ。

国会では、「28サンチ榴弾砲(りゅうだんぽう)」ならぬ、
「西田砲」が今回も炸裂!!

H23.12.06 参院予算委・西田昌司『野田総理、蓮舫大臣の怪しい献金』
http://www.youtube.com/watch?v=tCV45a9F2tc




H23/12/06 参院予算委・西田昌司【野田R4のどす黒い闇 解散総逮捕だ!】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16358216




NHKが7時、9時のニュースで完全スルーした事は、過去の記事でも同様の事は
何回となく書きましたが、今回も同様でありました。

今はかなり民主党も崖っぷちのようだから、NHK及びテレビマスゴミは、ミンスの
闇(社会からの)献金
については、隠ぺいするのに必死ですわなw


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