2過去問焼き直し問題【2025統計数値】:社会保険労務士試験ブログ「佐藤塾」

2過去問焼き直し問題【2025統計数値】

2024年11月14日

「ランチタイム・スタディ2025統計数値」の35日目は、「令和5年若年者雇用実態調査の概況」から「若年者の雇用の実態」の過去問焼き直し問題です。


<問題(若年者の雇用の実態)>

〔問〕 若年者の雇用の実態に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 若年正社員労働者の定着のために実施している対策をみると、「職場での意思疎通の向上」が最も高くなっている。

B 在学していない若年労働者が初めて勤務した会社で現在も「勤務している」割合は半数を超えている。

C 最終学校卒業から1年間に、正社員以外の労働者として勤務した主な理由についてみると、「正社員求人に応募したが採用されなかった」、「自分の希望する条件に合わなかったので正社員として勤務しなかった」、「元々、正社員を希望していなかった」が上位3つを占めている。

D 若年正社員の採用選考をした事業所のうち、採用選考にあたり重視した点について採用区分別にみると、新規学卒者、中途採用者ともに「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」、「コミュニケーション能力」、「体力・ストレス耐性」が上位3つを占めている。

E 正社員以外の労働者を正社員へ転換させる制度についてみると、「制度がある」事業所の
割合は半数を超えている



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step1 正解は・・・


D


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step2 解説

A 〇 (令和5年若年者雇用実態調査の概況)本肢のとおりである。(H28-5C)

B 〇 (令和5年若年者雇用実態調査の概況)本肢のとおりである。(H28-5E)

C 〇 (令和5年若年者雇用実態調査の概況)本肢のとおりである。(H28-5D改)

D × (令和5年若年者雇用実態調査の概況)若年正社員の採用選考をした事業所のうち、採用選考にあたり重視した点(複数回答)について採用区分別にみると、「新規学卒者」、「中途採用者」とも「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」がそれぞれ79.3%、72.7%と最も高くなっている。次いで「新規学卒者」、「中途採用者」とも「コミュニケーション能力」(74.8%、66.9%)、「マナー・社会常識」(58.6%、58.1%)となっており、積極性や他者との関わり合いの中で円滑に業務を遂行することができる能力、スキルが重視されている。また、「新規学卒者」に比べ「中途採用者」は「業務に役立つ職業経験・訓練経験」(14.7%、42.3%)が重視されている。(H28-5A)

E 〇 (令和5年若年者雇用実態調査の概況)本肢のとおりである。(H28-5B改)


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step3 コメント

・「令和5年若年者雇用実態調査の概況」からの若年者の雇用の実態に関する問題です。本問は、平成28年に出題されたままの問題(ただし、A~Eの順番は変え、Eは同じような論点に変更しています。)ですが、かなりの難問で、全く歯が立たなかった方が多かったはずです。採用選考にあたり重視した点について、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」、「コミュニケーション能力」、「マナー・社会常識」が上位3つを占めているのは、令和5年調査、平成30年調査ともに同じですが、平成28年度の問題は、上位3つ目にくる項目だけを「体力・ストレス耐性」に変えて誤りとしています。Dが誤りであることは、採用選考にあたり重視した点について、「体力・ストレス耐性」は、重視する内容としては低いであろうことで判断するか、他の4肢の消去法で正解にたどり着くしかありません。いずれにせよ、上位2つの「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」、「コミュニケーション能力」までは正しいのに、3番目にくるはずの「マナー・社会常識」が違うことにより誤りであるとするのは酷であり、難易度が高すぎる問題だったといえます。ただし、「若年者雇用実態調査」は、繰り返し出題されている箇所であり、平成19年度にも出題されましたが、その問題も相当難易度が高かったことから、多少、細かく見ておいた方がよさそうです。




明日もがんばりましょう。




2024年11月01日

「ランチタイム・スタディ2025統計数値」の25日目は、「令和4年就業構造基本調査結果の概要(全国結果)」から「就業の状態」の過去問で選択式です。なお、ここでは、新しい数値に焼き直しすることが難しいため、当時のままの掲載としています。過去に就業構造基本調査では、このような問題が出題されていることを知っておくことが肝心です。


<問題(就業構造基本調査)>

1 我が国の就業・不就業の実態を調べた「就業構造基本調査(総務省)」をみると、平成24年の男性の年齢別有業率は、すべての年齢階級で低下した。同年の女性については、M字カーブの底が平成19年に比べて【 A 】。

2 我が国の就業・不就業の実態を調べた「就業構造基本調査(総務省)」をみると、平成29年の女性の年齢別有業率は、平成24年に比べて【 A 】した。また、平成29年調査で把握された起業者総数に占める女性の割合は約【 B 】割になっている。


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step1 次の選択肢の中から答を選んでください。

Aの選択肢
① 25~29歳から30~34歳に移行した
② 30~34歳から35~39歳に移行した
③ 30~34歳で変化しなかった
④ 35~39歳で変化しなかった

Bの選択肢
⑤ 20歳代以下の層のみ低下
⑥ 30歳代と40歳代で低下
⑦ 65歳以上の層のみ上昇
⑧ すべての年齢階級で上昇

Cの選択肢
⑨ 1  ⑩ 2  ⑪ 3  ⑫ 4


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step2 正解は・・・

A → ② 30~34歳から35~39歳に移行した(平成24年就業構造基本調査)(平27選択式)

B → ⑧ すべての年齢階級で上昇(平成29年就業構造基本調査)(令元選択式)

C → ⑩ 2(平成29年就業構造基本調査)(令元選択式)

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step3 コメント

・「平成24年及び平成29年就業構造基本調査」からの出題で、平成27年本試験、令和元年本試験の選択式そのものです。「就業構造基本調査」は5年ごとの統計になりますが、直近2回の「就業構造基本調査」である「平成24年就業構造基本調査」、「平成29年就業構造基本調査」とも、①調査が公表された翌年か翌々年の本試験に出題されていること、②しかも選択式に出題されていることが特徴です。「令和4年就業構造基本調査」は、令和5年7月21日に公表され、令和6年度本試験には出題されませんでした。したがって、以前の傾向からすると、令和7年度本試験までは出題される可能性があると思っておいた方がよさそうです。



次回もがんばりましょう。




2024年10月07日

日頃から早めに習得!白書・統計数値【ランチタイム・スタディ2025】の5日目は、「高齢社会白書」から「高齢化の現状」の過去問焼き直し問題です。


<問題(高齢化の現状)>

〔問〕 高齢化の現状に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 「平成28年版厚生労働白書」によると、65歳以上の非正規の職員・従業員の雇用者について、現在の雇用形態についた主な理由(「その他」を除く。)をみると、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多く、次いで「家計の補助・学費等を得たいから」、「専門的な技能等をいかせるから」が続いている。

B 「令和元年版高齢社会白書」によると、高齢者世帯(65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18 歳未満の未婚の者が加わった世帯)の平均所得(平成28(2016)年の一年間の所得)は、全世帯から高齢者世帯と母子世帯を除いたその他の世帯の5割弱となっている。

C 「平成29年版高齢社会白書」によると、65歳以上の者の役員を除いた雇用者の雇用形態をみると、他の年齢層に比べて非正規の職員・従業員の割合がきわめて大きくなっており、2016年には全体の約4分の3を占めている。

D 「平成29年版高齢社会白書」によると、60歳以上の高齢者の自主的社会活動への参加状況をみると、何らかの自主的な活動に参加している高齢者の割合は、減少傾向を示している。

E 「平成24年版高齢社会白書」によると、政府は、高齢者の意欲や能力を最大限活かすためにも、「支えが必要な人」という高齢者像の固定観念を変え、意欲と能力のある65歳以上の者には支える側にまわってもらう意識改革が必要であるとしている。


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step1 正解は・・・


D


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step2 解説

A 〇 (平成28年版厚生労働白書) 本肢のとおりである。65歳以上の非正規の職員・従業員の雇用者について、現在の雇用形態についた主な理由別にみると、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が31.7%と最も高く、次いで「家計の補助・学費等を得たいから」が20.1%、「専門的な技能等をいかせるから」が14.9%などとなっている。(H29-5C)

B 〇 (令和元年版高齢社会白書) 高齢者世帯(65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18 歳未満の未婚の者が加わった世帯)の平均所得(平成28(2016)年の1年間の所得)は318.6万円で、全世帯から高齢者 世帯と母子世帯を除いたその他世帯(663.5万 円)の5割弱となっている。(H29-5A改)

C 〇 (平成29年版高齢社会白書) 本肢のとおりである。会社などの役員を除く65歳以上の雇用者について雇用形態をみると、非正規の職員・従業員は多く、かつ、増加傾向である。平成28(2016)年では正規の職員・従業員が99 万人に対して、非正規の職員・従業員が301万人であり、役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は75.3%となっている(H29-5E改)

D × (平成29年版高齢社会白書) 60歳以上の高齢者の自主的社会活動への参加状況をみると、何らかの自主的な活動に参加している高齢者の割合は、「増加」傾向を示している。自主的なグループ活動への参加状況についてみると、60歳以上の高齢者のうち61.0%(平成25(2013)年)が何らかのグループ活動に参加したことがあり、10年前(15(2003)年)と比べると6.2 ポイント、20 年前(5(1993)年)に比べると18.7ポイント増加している。なお、具体的な活動についてみると、「健康・スポーツ」(33.7%)、「趣味」(21.4%)、「地域行事」(19.0%)の順となっており、特に「健康・スポーツ」は10年前に比べ8.4ポイント、20年前に比べ14.8 ポイント増加している。(H29-5B改)

E 〇  (平成24年版高齢社会白書) 本肢のとおりである。「高齢者」は、支えが必要であるとする考え方や社会の在り様は、意欲と能力のある現役の65歳以上の者の実態から乖離しており、高齢者の意欲と能力を活用する上で阻害要因ともなっているとしている。(H25-4C)


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step3 コメント

・高齢化の現状からの出題です。主に過去の高齢社会白書(内閣府)からの出題です。ただし、今回出題した問題は、当時の高齢社会白書には掲載されている記述ですが、最新版の令和6年版高齢社会白書には記載されていません。したがって、今回の問題を覚える必要はありませんが、こういった問題が出題されたということは理解しておいてください。



明日もがんばりましょう。




2024年10月04日

日頃から早めに習得!白書・統計数値【ランチタイム・スタディ2025】の4日目は、「令和6年版高齢社会白書」から「高齢化の現状」の過去問焼き直し問題です。

<問題(高齢化の現状)>

〔問〕 高齢化の現状に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は「令和6年版高齢社会白書」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。

A 高齢化の速度について、高齢化率が7%を超えてからその倍の14%に達するまでの所要年数(倍加年数)によって比較すると、フランスが115年、スウェーデンが85年、アメリカが72年、比較的短いイギリスが46年、ドイツが40年であるのに対し、我が国は、昭和45(1970)年に7%を超えると、その24年後の平成6(1994)年には14%に達した。

B 日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、令和元年時点で男性が72.68年、女性が75.38年となっており、それぞれ平成22年と比べて延びているが、同期間における健康寿命の延びは、平均寿命の延びを下回っている。

C 内閣府の調査では、経済的な暮らし向きについて「心配がない」(「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」と「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」の計)と感じている人の割合は全体で68.5%となっている。

D 昭和55年では世帯構造の中で三世代世帯の割合が一番多く、全体の半数を占めていたが、令和4年では夫婦のみの世帯及び単独世帯がそれぞれ約3割を占めている。

E 現在収入のある仕事をしている60歳以上の者については約4割が「働けるうちはいつまでも」働きたいと回答しており、70歳くらいまで又はそれ以上との回答と合計すれば、約9割が高齢期にも高い就業意欲を持っている様子がうかがえる。



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step1 正解は・・・


B


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step2 解説

A 〇 (令和6年版高齢社会白書)本肢のとおりである。(H22-2E改)

B × (令和6年版高齢社会白書)前段部分は正しいが、同期間における健康寿命の延びは、平均寿命の延びを「上回っている」。(H25-4B改)

C 〇  (令和6年版高齢社会白書) 本肢のとおりである。(H25-4A改)

D 〇 (令和6年版高齢社会白書) 本肢のとおりである。(H29-5D改)

E 〇 (令和6年版高齢社会白書)本肢のとおりである。(H25-4D改)


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step3 コメント

・高齢化の現状からの出題です。Bについては、以前は健康寿命の延びよりも平均寿命の延びの方が大きかったのですが、逆転し、健康寿命の延びが平均寿命の延びを上回っています。昨今、病気についても介護や認知症等についても、予防することに行政が取り組んでいますので、一定の効果が得られたものと思われます。

・Cの高齢者の暮らし向きは約3分の2の人が心配していないという状況も押さえておきたいところです。ただ、年金の受給開始年齢が遅くなってきていることや、年金額が減ってきていることなどから、以前は約4分の3の人が心配していないという状況であったところでしたが下がってきています。

・過去問の出題年度をご覧いただくとわかる通り、平成22年、平成25年、平成29年と、このあたりの箇所はちょくちょく出題されていることがわかります。(問題文は令和6年版高齢社会白書の記載内容に変更していますので、出題された当時の問題文とは表現や文章が若干異なります。)



次回もがんばりましょう。