2024年11月14日
<問題(若年者の雇用の実態)>
〔問〕 若年者の雇用の実態に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 若年正社員労働者の定着のために実施している対策をみると、「職場での意思疎通の向上」が最も高くなっている。
B 在学していない若年労働者が初めて勤務した会社で現在も「勤務している」割合は半数を超えている。
C 最終学校卒業から1年間に、正社員以外の労働者として勤務した主な理由についてみると、「正社員求人に応募したが採用されなかった」、「自分の希望する条件に合わなかったので正社員として勤務しなかった」、「元々、正社員を希望していなかった」が上位3つを占めている。
D 若年正社員の採用選考をした事業所のうち、採用選考にあたり重視した点について採用区分別にみると、新規学卒者、中途採用者ともに「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」、「コミュニケーション能力」、「体力・ストレス耐性」が上位3つを占めている。
E 正社員以外の労働者を正社員へ転換させる制度についてみると、「制度がある」事業所の割合は半数を超えている。
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step1 正解は・・・
D
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step2 解説
A 〇 (令和5年若年者雇用実態調査の概況)本肢のとおりである。(H28-5C)
B 〇 (令和5年若年者雇用実態調査の概況)本肢のとおりである。(H28-5E)
C 〇 (令和5年若年者雇用実態調査の概況)本肢のとおりである。(H28-5D改)
D × (令和5年若年者雇用実態調査の概況)若年正社員の採用選考をした事業所のうち、採用選考にあたり重視した点(複数回答)について採用区分別にみると、「新規学卒者」、「中途採用者」とも「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」がそれぞれ79.3%、72.7%と最も高くなっている。次いで「新規学卒者」、「中途採用者」とも「コミュニケーション能力」(74.8%、66.9%)、「マナー・社会常識」(58.6%、58.1%)となっており、積極性や他者との関わり合いの中で円滑に業務を遂行することができる能力、スキルが重視されている。また、「新規学卒者」に比べ「中途採用者」は「業務に役立つ職業経験・訓練経験」(14.7%、42.3%)が重視されている。(H28-5A)
E 〇 (令和5年若年者雇用実態調査の概況)本肢のとおりである。(H28-5B改)
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step3 コメント
・「令和5年若年者雇用実態調査の概況」からの若年者の雇用の実態に関する問題です。本問は、平成28年に出題されたままの問題(ただし、A~Eの順番は変え、Eは同じような論点に変更しています。)ですが、かなりの難問で、全く歯が立たなかった方が多かったはずです。採用選考にあたり重視した点について、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」、「コミュニケーション能力」、「マナー・社会常識」が上位3つを占めているのは、令和5年調査、平成30年調査ともに同じですが、平成28年度の問題は、上位3つ目にくる項目だけを「体力・ストレス耐性」に変えて誤りとしています。Dが誤りであることは、採用選考にあたり重視した点について、「体力・ストレス耐性」は、重視する内容としては低いであろうことで判断するか、他の4肢の消去法で正解にたどり着くしかありません。いずれにせよ、上位2つの「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」、「コミュニケーション能力」までは正しいのに、3番目にくるはずの「マナー・社会常識」が違うことにより誤りであるとするのは酷であり、難易度が高すぎる問題だったといえます。ただし、「若年者雇用実態調査」は、繰り返し出題されている箇所であり、平成19年度にも出題されましたが、その問題も相当難易度が高かったことから、多少、細かく見ておいた方がよさそうです。
明日もがんばりましょう。