2023年10月:社会保険労務士試験ブログ「佐藤塾」

2023年10月

2023年10月31日

「ランチタイム・スタディ( 2023本試験)」の第33問です。
33問目は、択一式の労災保険法です。
本日は月末に付き、問題数の調整のため3問出題しますが、本日の3問目になります。


正答率75%の問題です。


<問題( 択一式 労災 問2 )>

〔問 2〕 業務上の災害により、ひじ関節の機能に障害を残し(第12級の6)、かつ、四歯に対し歯科補てつを加えた(第14級の2)場合の、障害補償給付を支給すべき身体障害の障害等級として正しいものはどれか。

A 併合第10級
B 併合第11級
C 併合第12級
D 併合第13級
E 併合第14級


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step1 正解は・・・


C

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step2 解説

(則14条2項)業務災害により2以上の身体障害を残した場合は、併合繰上げに該当する場合を除き、重い方の身体障害の該当する障害等級を、その複数の身体障害の障害等級とする。本問の場合は、第13級以上の身体障害を2以上残した場合に当たらないため、併合繰上げは行われない。したがって、2つの障害を併合して重い方の障害の該当する等級により、併合12級となる。


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step3 コメント

・択一式の労災保険法の問2は、業務災害により2以上の身体障害を残した場合の障害等級を問う問題でしたが、併合繰上げに該当しない事例が出題されていたため、ここは解答に要する時間も短く、難なく解答できた人が多かったようです。




次回もがんばりましょう。




「ランチタイム・スタディ( 2023本試験)」の第32問です。
32問目は、択一式の労働保険徴収法です。
本日は月末に付き、問題数の調整のため3問出題しますが、本日の2問目になります。


正答率76%の問題です。


<問題( 択一式 徴収 (災)問10 )>

〔問 10〕 労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 事業主が同一人である2以上の事業(有期事業以外の事業に限る。)であって、労働保険徴収法施行規則第10条で定める要件に該当するものに関し、当該事業主が当該2以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることを継続事業の一括という。

B 継続事業の一括に当たって、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業と、一元適用事業であって労災保険及び雇用保険の両保険に係る保険関係が成立している事業とは、一括できない。

C 継続事業の一括に当たって、雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業については、それぞれの事業が労災保険率表による事業の種類を同じくしている必要はない。

D 暫定任意適用事業にあっては、継続事業の一括の申請前に労働保険の保険関係が成立していなくとも、任意加入の申請と同時に一括の申請をして差し支えない。

E 労働保険徴収法第9条の継続事業の一括の認可を受けようとする事業主は、所定の申請書を同条の規定による厚生労働大臣の一の事業の指定を受けることを希望する事業に係る所轄都道府県労働局長に提出しなければならないが、指定される事業は当該事業主の希望する事業と必ずしも一致しない場合がある。


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step1 正解は・・・


C

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step2 解説

(法9条)本肢のとおりである。なお、継続事業の一括は事業主が申請をし、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

(法9条、則10条1項)本肢のとおりである。一括に当たっては、保険関係の同一性が必要とされる。

× (法9条、コンメンタール)雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業についても、それぞれの事業が労災保険率表による事業の種類を同じくする必要がある。

(法9条、コンメンタール)本肢のとおりである。則10条1項の「保険関係が成立している事業」とは、必ずしも一括の申請前に保険関係が成立している場合に限らないとされている。

(法9条、コンメンタール)本肢のとおりである。指定事業は、一括される事業のうち労働保険事務を的確に処理する事務能力を有すると認められるものに限られる。したがって、事業主の希望する事業と必ずしも一致しない場合がある。



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step3 コメント

・択一式の労働保険徴収法の労災問10は、正解肢であるCの誤りが比較的気付きやすいことから、正解することは難しくなかったと思われます。



次回もがんばりましょう。




「ランチタイム・スタディ( 2023本試験)」の第31問です。
31問目は、択一式の労働保険徴収法です。
なお、本日は月末につき、問題数の調整のため、3問出題します。

正答率76%の問題です。


<問題( 択一式 徴収 (災)問9 )>

〔問 9〕 労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主のほか、他の都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主についても、当該労働保険事務組合に労働保険事務を委託することができる。

B 労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長は、必要があると認めたときは、当該労働保険事務組合に対し、当該労働保険事務組合が労働保険事務の処理の委託を受けることができる事業の行われる地域について必要な指示をすることができる。

C 労働保険事務組合は労働保険徴収法第33条第2項に規定する厚生労働大臣の認可を受けることによって全く新しい団体が設立されるわけではなく、既存の事業主の団体等がその事業の一環として、事業主が処理すべき労働保険事務を代理して処理するものである。

D 労働保険事務組合事務処理規約に規定する期限までに、確定保険料申告書を作成するための事実を事業主が報告したにもかかわらず、労働保険事務組合が労働保険徴収法の定める申告期限までに確定保険料申告書を提出しなかったため、所轄都道府県労働局歳入徴収官が確定保険料の額を認定決定し、追徴金を徴収することとした場合、当該事業主が当該追徴金を納付するための金銭を当該労働保険事務組合に交付しなかったときは、当該労働保険事務組合は政府に対して当該追徴金の納付責任を負うことはない。

E 清掃業を主たる事業とする事業主は、その使用する労働者数が臨時に増加し一時的に300人を超えることとなった場合でも、常態として300人以下であれば労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託することができる。


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step1 正解は・・・


D

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step2 解説

(法33条1項、平12.3.31発労徴31号他)本肢のとおりである。令和2年度より委託事業主の地域制限が撤廃となった。

(法33条1項、則62条3項)本肢のとおりである。例えば、地域範囲を制限するための指示をすることができるとされている(コンメンタール)。

(法33条、平12.3.31発労徴31号)本肢のとおりである。なお、団体等として本来の事業目的をもって活動し、その運営実績が2年以上あることと等が、労働保険事務組合の認可基準とされている。

× (法35条2項、平25.3.29基発0329第7号)政府が追徴金を徴収する場合において、その徴収につき労働保険事務組合の責めに帰すべき理由があるときは、その限度において、労働保険事務組合は、政府に対して当該追徴金の納付責任を負うが、本肢の場合は、追徴金の徴収について、労働保険事務組合に責任がある場合に該当する。したがって、労働保険事務組合は政府に対して当該追徴金の納付責任を負う。

(法33条1項、則62条2項、コンメンタール)本肢のとおりである。委託事業主の要件である「常時300人以下の労働者を使用する」とは、常態として300人以下の労働者を使用することをいい、臨時に労働者数が増加する等の結果、一時的に使用労働者が300人を超えた場合でも、常態として300人以下であればこれに該当する。


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step3 コメント

・択一式の労働保険徴収法の労災問9は、正解肢のDの問題文自体が、日本語としてもおかしな文章であることからも、誤りであることを気付ける人がより多くなったように思われます。



次回もがんばりましょう。




2023年10月30日

「ランチタイム・スタディ( 2023本試験)」の第30問です。

30問目は、択一式の社会保険一般常識です。


正答率76%の問題です。


<問題( 択一式 社一 問6 )>

〔問 6〕 確定拠出年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 確定拠出年金法第2条第12項によると、「個人別管理資産」とは、個人型年金加入者又は個人型年金加入者であった者のみに支給する給付に充てるべきものとして、個人型年金のみにおいて積み立てられている資産をいう。

B 同時に2以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有する者は、確定拠出年金法第9条の規定にかかわらず、その者の選択する1つの企業型年金以外の企業型年金の企業型年金加入者としないものとする。この場合、その者が2以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有するに至った日から起算して20日以内に、1つの企業型年金を選択しなければならない。

C 企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が確定拠出年金法第33条の規定により老齢給付金の支給を請求することなく75歳に達したときは、資産管理機関は、その者に、企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づいて、老齢給付金を支給する。

D 個人型年金加入者は、政令で定めるところにより、年2回以上、定期的に掛金を拠出する。

E 個人型年金加入者は、個人型年金規約で定めるところにより、個人型年金加入者掛金を確定拠出年金運営管理機関に納付するものとする。


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step1 正解は・・・


C

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step2 解説

× (確定拠出年金法2条12項)「個人別管理資産」とは、企業型年金加入者若しくは企業型年金加入者であった者又は個人型年金加入者若しくは個人型年金加入者であった者に支給する給付に充てるべきものとして、一の企業型年金又は個人型年金において積み立てられている資産をいう。

× (確定拠出年金法13条1項・2項)前段部分は正しいが、本肢の選択は、その者が2以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有するに至った日から起算して「10日以内」にしなければならない。

(確定拠出年金法34条)本肢のとおりである。老齢給付金の受給開始時期の上限は75歳とされる。

× (確定拠出年金法68条1項)掛金の拠出は、「年2回以上」ではなく「年1回以上」である。

× (確定拠出年金法70条1項)個人型年金加入者掛金は、「確定拠出年金運営管理機関」ではなく「国民年金基金連合会」に納付するものとされている。


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step3 コメント

・択一式の社会保険一般常識の問6は、確定拠出年金法の問題でした。正解肢のCは、近年の改正事項でしたので、正解しやすかったと思われます。



明日もがんばりましょう。




2023年10月29日

「ランチタイム・スタディ( 2023本試験)」の第29問です。

29問目は、択一式の雇用保険法です。


正答率76%の問題です。


<問題( 択一式 雇用 問7 )>

〔問 7〕 教育訓練給付金の支給申請手続に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 特定一般教育訓練期間中に被保険者資格を喪失した場合であっても、対象特定一般教育訓練開始日において支給要件期間を満たす者については、対象特定一般教育訓練に係る修了の要件を満たす限り、特定一般教育訓練給付金の支給対象となる。

B 一般教育訓練給付金の支給を受けようとする支給対象者は、疾病又は負傷、在職中であることその他やむを得ない理由がなくとも社会保険労務士により支給申請を行うことができる。

C 特定一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとする者は、管轄公共職業安定所長に教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票を提出する際、職務経歴等記録書を添付しないことができる。

D 一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとする者は、当該教育訓練給付金の支給に係る一般教育訓練の修了予定日の1か月前までに教育訓練給付金支給申請書を管轄公共職業安定所長に提出しなければならない。

E 専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとする者は、当該専門実践教育訓練の受講開始後遅滞なく所定の書類を添えるなどにより教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票を管轄公共職業安定所長に提出しなければならない。


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step1 正解は・・・


A

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step2 解説

(手引58151)本肢のとおりである。特定一般教育訓練給付金に係る支給要件期間は、基準日(対象教育訓練の受講開始日)において判断される。

× (手引58015)支給申請は、疾病又は負傷、その他やむを得ない理由があると認められない限り、代理人(提出代行を行う社会保険労務士を含む)又は郵送によって行うことができない。

× (則101条の2の11の2第1項)特定一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとする者は、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票に職務経歴等記録書を添えて管轄公共職業安定所長に提出しなければならない。

× (則101条の2の11)一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとする者は、一般教育訓練を「修了した日の翌日から起算して1箇月以内」に教育訓練給付金支給申請書を、管轄公共職業安定所長に提出しなければならない。

× (則101条の2の12第1項)専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとする者は、当該専門実践教育訓練を「開始する日の1箇月前まで」に、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票を管轄公共職業安定所長に提出しなければならない。


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step3 コメント

・択一式の雇用保険法の問7は、教育訓練給付金の支給申請手続に関する問題でしたが、ここは、割と対策を講じている箇所でもあり、正解することは比較的容易だったようです。



明日もがんばりましょう。