晴明の「へえー、そうだったんだ」 2012年05月
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「私は日本を二流国にしない!」  24.5.31

平成24年5月31日(皇紀2672年、皐月)(連続更新754日)

 「所詮、2ちゃんねらーの書いた本です。経済学の知識が根本的にありません」

 アマゾンのこの本のコーナーには、全62編のカスタマーレビューが寄せられている。☆5つが53、☆4つが6、☆3つが2(この2レビュー、読んでみると決して悪くない評価で、☆4つでもおかしくない)、☆2つはなし、そして唯一の☆1つのレビューの最後の文章が、引用させていただいたもの。
 もちろん、この方がどんな感想を感じようがその方の自由だが、最後のこの文章はないでしょう。この本の作者の“本業”は中小企業診断士。試験内容は、経済学、経済政策、財務会計など「経済」にかかわるものが中心。「素人」とは言えないでしょう~。「所詮、2ちゃんねらーの」なんて書いていることでア・ウ・ト!
 また、この資格は、企業経営理論、経営情報システムなど「企業=組織をトータルに見る」広い視野を要求される。中小企業の経営診断するのだから当然だけど。
 それだけに、この資格を持っていることが、京都大学の藤井聡教授が「ドミナント(優先される)・ストーリー」と名付け、この本の作者は「絶対的価値観の持ち主」、晴明は「偽善的思考停止」と表現してきた「あらかじめ決めつけられた主張、たとえば、とにかく公共投資は悪!」とか言ったような「思考停止」状態にならず、意味のないレッテルを貼らず、思い込みや風聞によらずデータをベースとして、目の前にある現実に目をそむけることのないこの方の言論活動に大きな影響を与えているのは間違いないでしょう。

 というわけで、昨日の朝、一気に読んだのがこの本☟
コレキヨの恋文コレキヨの恋文
(2012/03/28)
三橋 貴明

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内容(「BOOK」データベースより)
青天の霹靂で日本初の女性首相になってしまった霧島さくら子。稀代の財政家・高橋是清に学び、経済政策を成長路線へと大転換。次々と大胆な政策を打ち出す…。果たして日本は復活できるのか。泣いて笑って、日本と世界の経済の仕組みがストンと分かる、人気エコノミストによる傑作小説。


 経済に詳しいのは当然として、晴明は「歴史小説」としてワクワクした。是清の語るあの頃、晴明からするとジイチャンたちの時代、明治大正昭和の激動の時代の空気が伝わってきた。
 「コレキヨの恋文」は、チャップリンの「独裁者」の演説、あるいは諸葛亮孔明の「出師の表」に匹敵する「恋文」・・と言ったら褒めすぎかな。ぜひ、ご一読を!

テーマ : 小説 - ジャンル : 小説・文学