亮昌ぎょうざ誕生秘話
ぎょうざ処亮昌高辻開業より溯る事3年、
「京都発信の京ぎょうざを開発してください。」
これまでの歩みとは一線を画した新商品開発を命ぜられました。
私は長く飲食に携わって参りましたが、そのスタートから今日に至るまでイタリア料理一色の月日でした。「餃子」と聞き、正直躊躇いました。面白そうではあるのですが、あまりにも専門分野から外れている。「餃子」の定義すら定かでない私に、「餃子」ではなく「京ぎょうざ」作りたいというのです
先ずは本屋さんに駆け込み餃子のレシピ本を何冊か買い込みました。美味しそうなレシピや有名店のレシピを見つけてはひたすら作り続けました。作って食すことで先ずは「餃子」を知る事から始めたのです。ランチタイムが終わり、ディナータイムの仕込みもそこそこに大量のキャベツを刻むシェフ(私)の後姿を奇異に感じ声かけることも憚ったと時のスタッフは口を揃えます。
「京ぎょうざ」のコンセプトとして「中華食材を使用せず、京都の食材や調味料を使用する。」「老若男女に広く愛される味わい。」「様々な炭酸飲料に寄り添える味わい。」という3点が挙げられました。
開発中は何度も困難に直面するのですが、これまでのご縁の中から普段慣れ親しんでいる食材を中心に少しずつですが、それにふさわしい食材や調味料が集まってきました。
最終的に行きついたのは京都という土地柄を考え、「芸子さんや舞妓さんに愛される。」をテーマに加えた配合でした。お召し物を汚さぬよう、タレを点けずとも美味しい。一口でも頬張れるサイズ感。野菜中心でヘルシー。ニンニク臭が気にならない。等ですが、これは同時に女性ファンも増やせる。餃子と言えば仕事終わりにビールでかきこむ男性的なイメージが強いと感じておりましたが、この配合であればファン層を広げられるのではと考えました。エッジの効いたタレを点ける事で様々なアルコール飲料との相性も向上するはず。
かくして野菜中心で生姜の刺激がアクセントとなり、そのままで美味しく、タレに点けると尚美味しい。「亮昌ぎょうざ」が完成したのでした。
今日も季節の移ろいに合わせ、野菜の切り方や餡の混ぜ方等、日々微調整を加えながら「京都生まれの京ぎょうざ」を真心こめて包みます。 「亮昌ぎょうざ」どこかでご覧になりましたら手に取って頂きますと幸いに存じます。
MASTERMIND co.,ltd
取締役総料理長
毛利 亮