- タイトル
- Lolita Ya Ya
- アーティスト
- The Ventures
- ライター
- Bob Harris, Nelson Riddle
- 収録アルバム
- Going to the Ventures Dance Party!
- リリース年
- 1962年

「恒例」などといっておいて、先月はウェブが使えなかったのでサボってしまった、アクセス・キーワードのリスト、はや今月も下旬になってしまいましたが、昨日までの結果をご覧いただきましょう。

「パシフィック・パーク茅ヶ崎」にふれたのは、ビリー・ヴォーンのPearly Shellsの記事です。とくにくわしくふれたわけではありませんが、例によってブックマークがわりにこのキーワードをご利用の方がいらっしゃるのでしょう。
「芦川いづみ」キーワードは、毎度どうもありがとうございます、と頭が下がってしまいます。月初めのまだキーワードが少ないとき、「芦川いづみDVDセレクション」というものもランクインしていました。
『硝子のジョニー 野獣のように見えて』
『あした晴れるか』
『誘惑』
という三本がセットになったDVDボックスだそうです。『硝子のジョニー』は、宍戸錠、アイジョージとの共演で、芦川いづみは、彼女としてはほとんどスペクトル領域外というべき、汚れ役を演じていました。数十年前に見たきりで、ディテールは忘れてしまいましたが、あまり日活らしさのない映画です。
わたしとしては、お嬢様風の芦川いづみのほうがずっといいと思いますが、女優のキャリアにはこういう役も必要だったのでしょう。でも、やっぱり、こういう映画のほうが……。
あいつと私
大々的に記事にしたときにはなかったクリップを見つけたので、もうひとついってみましょう。豪快なキャメラワークによるオープニング・クレジットは素晴らしいのですが、芦川いづみはなかなか出てきません。でも、いざ登場の段になれば、これがじつに印象的なのです。『俺は待ってるぜ』の北原美枝の登場するところとどっちがいいかってくらいです。
霧笛が俺を呼んでいる
『あした晴れるか』は重要性の低い作品とみなされていますが、わたしは好きです。いきなり昔のやっちゃば(秋葉原駅付近にあった東京青果市場)から、石原裕次郎が三輪トラックに乗って飛び出してくるという、いかにも日活らしい、ただし、陰影のない、したがって評論家がほめない、明朗闊達な映画でした。芦川いづみは、裕次郎を担当する雑誌編集者という役だったような気がします。カチッとした珍妙な黒縁眼鏡をかけて、変なインテリ女性を演じていました。
裕次郎の役はたしかカメラマンで、東京中を写して歩くという話なので、町の風景を見るのが大好きなわたしのような人間は、むやみにストップして、ディテールを確認しながら見ちゃうという、素晴らしい映画です。裕次郎は、佃島に住んでいるという設定だったような記憶あり。映画の出来がどうのなどというまえに、記録された東京に圧倒されます。最後の『誘惑』という映画は未見です。

『日本のいちばん長い日』『ジム・ゴードン』『八月の濡れた砂』に関しては、たっぷり文字を費やしたので、検索されても不思議はありませんし、こうしたキーワードで当家にいらしても、なんだ、これだけか、と失望なさることはないだろうと思います(まあ、腹を立てる方はいらっしゃるかもしれませんが!)。
「バークレー牧場」については、それほどくわしくふれたわけではないのですが(再見できず、記憶のみに頼って書いた)、そもそも、このドラマにふれている日本語のページなど、ほとんどないでしょうから、粗末な記事でもそれなりに読んでいただけたかもしれません。
バークレー牧場(The Big Valley)オープニング&エンディング・クレジット
いやまったく、けっこうな楽曲、けっこうなサウンド、申し分ありません。ジョージ・デューニングの曲だけ集めて聴いてみたくなります。
Beyond the Reef(「珊瑚礁の彼方に」)は、四回に分けて、マーティー・ロビンズ、エルヴィス・プレスリー、ヴェンチャーズ、そして山口淑子(李香蘭)のヴァージョンにふれています。
How High the Moonのキーワードもつねに上位にありますし、ヴォーン・モンローとヴェンチャーズの二回に分けてとりあげた(Ghost) Riders in the Skyも同様です。
パトリシア・ニールは、『007は二度死ぬ』のテーマ曲を取り上げたときに、脚本家としてこの映画の製作に参加したロアルド・ダールの夫人としてご紹介しただけで、ほんのわずかな言及しかしていません。相済みません。昔見た『摩天楼』、ちょっと再見したいような気がします(いま『蜃気楼』と書きそうになり、ちがうような気がして、フィルモグラフィーを見た。ボケはじめたかもしれない)。
以上、検索で当家にたどり着かれたかたにも、ブックマークなさっているかたにも、いつものように厚く御礼申し上げます。
◆ Lolita Ya YaとLucille ◆◆
例によって長い枕になりましたが、ここから本題です。比較的最近のことですが、その1とその2の二度にわたって、「ギター・オン・ギター」という記事を掲載しました。8ビートの世界では、複数のギターを重ねるのは当たり前、でも、そういうことはめったにしない4ビートの世界にもギター・アンサンブルはある、というので、そういう例をいくつかお聴きいただきました。
しかし、かつてLolita Ya Ya by the Venturesという記事に書いたように、8ビートの世界にも、「当たり前」とはいえないほど、複数のギターの配置の仕方に知恵を絞ったものがあります。今日から数回に分けて、そういうものをお聴きいただく予定です。まずは、そのヴェンチャーズのLolita Ya Yaからです。
サンプル The Ventures "Lolita Ya Ya"
この曲については、オリジナル記事である、上記Lolita Ya Ya by the Venturesで詳細に書いたので、気になることがあれば、そちらをご覧ください。
いや、聴けば聴くほど、ハリウッドのインフラストラクチャーの厚みをひしひしと感じたあげく、圧死しそうになります。多数の楽器をいかに配置するかという設計も素晴らしいし、全員一糸乱れぬ規定演技もお見事、数回にわたるオーヴァーダブをしたであろうに、それをまったく感じさせない録音とミックスダウンも素晴らしく、文句のつけようがありません。

データがないのですが、やっぱり場所はユナイティッド・ウェスタン、卓に坐ったのはボーンズ・ハウでしょうか。すごい音だとつくづく感心します。
それにしても、こういうアレンジをしてみようというのは、だれのアイディアだったのでしょうか。ボブ・レイズドーフ? ほとんどオーケストレーターの発想で、ロックンロールのニュアンスはありません。
しかし、ロックンロール・ニュアンスのギター・アンサンブルもあります。Lolita Ya Yaが収録されたGoing to the Ventures Dance Partyのひとつ前のアルバム、Mashed Potatoes and Gravyから1曲。
サンプル The Ventures "Lucille"
こちらはリードは2本、せいぜい多いところでも3本とシンプルですし、インフラストラクチャーの厚みというより、個人技の集積というムードです。こんな曲、インストにならんだろうといいたくなりますが、案に相違して、じつに面白い味のあるトラックに仕上がっています。ベンドのかけ方がなんとも微妙で、そのあたりが味の出た理由のような気がします。

時期的に考えて、リードのひとりはビリー・ストレンジ御大でしょう。もうひとりはだれでしょうか。まあ、トミー・テデスコ、グレン・キャンベル、ジェイムズ・バートン、その他うまい人はいくらでもいるので、特定は困難です。
奇妙なストローク・パターンのリズム・ギターはやはりCKさんだろうと推測します。凡庸なプレイが大嫌いな人ですから。ベースはレイ・ポールマンだろうと思います。何カ所か、遅れているところがあるのは、親指ピッキングのせいでしょう。かつてCKさんに、レイ・ポールマンは親指ピッキングだったという話を伺って、親指では16分は無理では、といったら、そう、だからわたしに仕事が来るようになった、とのことでした。親指だと、アップのときにタイムが乱れやすいと思います。そのあたりは、人差し指一本だったチャック・レイニーも同じで、ダウンのときにタイムが乱れることがあります。ラスカルズのIf You Knewが典型。まあ、レイニーの乱れは味になっていましたが。
ヴェンチャーズには、ほかにもリードを重ねたトラックがありますが、そんなことをいっていると終わらなくなるので、2曲だけにしておき、次回はべつのアーティストのロックンロール・ギター・アンサンブルを聴いてみようと思います。

Mashed Potatoes & Gravy / Going to Ventures Dance

芦川いづみ DVDセレクション
