遠い町の風と輝くツリーと、しろちゃんのささやかなクリスマス
2015/12/26 Sat
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「みなさん、楽しいクリスマスでしたか?
おいしいさんを、いっぱい食べましたか?
僕のお家にもサンタさんは来たのです。
プレゼントもらったのです。
今年はいいですよって、ママ、じゃなくてサンタさんにお手紙書いたのに。」
森は静かになった。
落ちるべき葉っぱが、みんな落ちてしまったから。
ご近所に、竹林を発見した。
真冬でも、枯れない落ちない葉っぱもある。
裸になったシンプルな冬の樹木にも、青々と飄々とした竹林にも、どちらにも冬は等しく訪れる。
昨日はクリスマスで満月だったそう。
38年ぶりの満月クリスマスだったとか。
前回の満月クリスマス、ママはどこで誰と?と、しろちゃんに聞かれた。
発見した竹林
その中では静謐な時間が流れる
寒くてもがんばって咲いた松葉菊
*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*
いつもしろちゃんへのご心配、ママへのお心遣い、ありがとうございます。
お蔭様でしろちゃんは、この1週間は発作もなく過ごすことができました。
ここ2~3日は格別に元気でスッキリしており、またしてもあれは幻だったの?という錯覚をママもしろちゃんも起こしそうです。
他の病気との違い=症状がずっと続かない、病態が続かないということは、時折来る天災のようなものかもしれません。
ご飯もモリモリと食べて、運動会を朝と夜おそくにぞんぶんにします。
日によって、体調にかなり差があることがわかりました。
一方的に下降して行かないことが本当に救いです。
しろちゃんと二人、ポカポカと暖かなお日様を浴びていると、妙な緊張感も緩和されこの時間が永遠に思えます。
心構えは大事だけれど、ずっと緊張し続けているのも不健康なことなので、忘れて過ごすような時間があってもいいと思っています。
例えそれで、動画を撮り損ねることがあっても、診断のための記録よりもっと大切な何かを取り逃がさないために。
闘病の段階にはいたっていませんが、しろちゃんもしろちゃんなりに、自分に起きるかもしれないことと闘っているように思えます
不安感を甘えという形に変えて、地味に闘っているのだと思えます。
*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*
「イブの日、夜中もずっと起きていて、サンタさんのソリが夜空を走るのを見ようと思ったのです。
そしたらママに叱られたのです。」
12月22日、遠い病院へしろちゃんと行ってきた。
病院の帰りに、駅で観たイルミネーションツリー。
大都会からみれば、ちょっと野暮なイルミネーションだけど、しろちゃんとママには十分にゴージャスで派手に観えた。
しろちゃんはお目々クリクリだった。
普段の生活でしろちゃんは、ネオンはおろか、自動販売機の灯りも見ることがない。
しろちゃんとツリーを一緒に写したかったけど、しろちゃんのキャリーをツリーの横に置いて後ろに下がった隙に、しろちゃんを盗まれちゃっても大変に困る。
(親バカ)
前回の通院でしろちゃんが願ったように、とても良いお天気で、ポカポカ陽気の日だった。
行く先が病院じゃなかったら、どんなに楽しかっただろうと思わずにいられないけれども、しろちゃんが玄関から外に出る理由は通院以外にない。
楽しめないほどのお具合の悪さのないことに感謝しつつ、用事はなんであれ、外出を楽しんだ。
電車の窓の外に飛び退る景色に、しろちゃんは声を出さずにいられないらしい。
怖いとかイヤだとかのお声ではなくて、明らかにヤッホー系の楽しいお声を出す。
電車に乗ったことのある方ならご存知とは思うけれど、座席からキャリーの中の猫が外を観られるようにするためには、キャリー自体を持ち上げておく必要がある。
しろちゃんのヤッホーの明るいお声に、ママはそこそこ頑張った。
「サンタさんに来てって言ってるんじゃないのです。
ソリが走るところをみたいだけなのに~。」
診察結果は、前回の記事の追記に書いたように、
①癲癇発作
→→→真性癲癇(癲癇と言う病気)
②癲癇様発作
→→→他の何等かの疾患により、発作を起こすこと。
この②癲癇様発作の中がさらに
②A脳腫瘍、髄膜腫瘍などの原因のはっきりした進行する脳内の疾患によるもの。
②B脳以外の病気によるもの。
②C脳内のものであるが原因がはっきりしないもので、進行が観られず不規則なもの。
一過性脳梗塞など。
この
何度も書いているけれど、MRIを撮れば相当な確率で確定する。
撮るか撮らないかの問題を先送りしている以上、先生の診立ては、ママにとってはMRIに匹敵する。
「朝起きたら、こんなトンネルがお部屋の中にあったのです。」
今回は先生に、突っ込んだ質問もしてみた。
脳の中に疾患があった場合、それが進行するものであってもなくても、その障害がどこまで及ぶのかというお話。
手足の麻痺などの身体的な傷害のことじゃない。
しろちゃんの脳の機能、及び心に、どのようなことが起きるのかということ。
言い換えれば、これはすでに起きていることなのかもしれないのだ。
「しろちゃんが緩くなっているような気がする」という曖昧なママの感じ方が正しいのか違うのか。
実際にそのようなことがあるのかないのか、そこを伺いたかった。
私にとっては、ここが一番重要かもしれない。
「うれしくてすぐに遊んだのです。」
「今年は何もいりませんって言ったのに」
「ママ、じゃないサンタさんがやっぱりプレゼント持ってきてくれたのです。」
仮に身体が動けなくなってもしろちゃんはしろちゃん。
だけど、
しろちゃんが自分がどこの誰だかを忘れ、ママをどこの誰だかわからなくなるような時が来るのかということ。
この残酷な日が来ることが、私は切に怖い。
忘れられてしまっても、もちろんしろちゃんが幸せであるように、連綿と密接な日々は続いていく。
続いていくわけだけれども…だ。
どこのお家の猫ちゃんもそうかもしれないけれど、言葉を話す私達人間と、言葉を持たない猫とを結ぶ、あの見えない会話の根源のような部分。
想いとか心とか感情とかで表されるあの部分のこと。
先生は、それは猫の心の分野であり、人間の心さえ科学ではわかりかねるのに大変に難しい質問だと仰った。
動物のそこがわかったら、獣医さんは苦労はしないだろう部分のことだから。
この質問の答えは、今回は未消化なままなので書いたことも未消化。
いつか、先生にこちらから提案できるくらいの案件を、きっと私は手に入れると思う。
心はまったく別の場所にあるのだと、私は実は思っている。
何ものを以てしても、絶対にふれられない場所に心はあるのだと思ってる。
特に猫の場合は。
「サンタさんは僕のことを忘れなかったんですね。」
「サンタさん、ありがとうございますなのです。」
暗いお話ばかりになってしまうので、方向転換。
その診察室では、先生と診察台を挟んで、患者さん側に椅子が二個置いてある。
ママは右側の椅子にキャリーバッグを置いていた。
一通り診察が済むと、しろちゃんはソワソワしだし、キャリーバッグに入りたがった。
お家ではあれほど入りたくないキャリーなのに、いそいそと入った。
そこからママと先生のお話が延々と続く。
「聞いてますよ、しろちゃんが。」と先生が言う。
しろちゃんは、キャリーの中に座り、角の固い部分にちょこんとアゴを載せてしっかり前を向いていた。
ママはお話に一生懸命で、しろちゃんの様子に気づかなかった。
つまり、しろちゃんもママと並んで診察台を挟み先生に対峙していた。
「うふふっ、ママありがとうございますなのです、グリグリ」
あら、なんでママありがとうなの?
サンタさんからもらったんでしょ?
「しろちゃんはさっきからこうしてずっと話を聞いていますよ。
しろちゃんがどうしたこうしたという話にちゃんと反応してます。
声に出さずに頷いています。
難しい話になると、つまらないから寝ちゃおうかなってお顔をしてます。」
振り向くと、緑色の美しいお目々を大きく開けて、しろちゃんは前を向いていた。
お口だけ開けて声のないシューっというお返事を、ママにした。
…
この先生ならば、二人三脚ができると確信した。
先生はママだけに向かってお話していたわけではなかったのだ。
対峙するしろちゃんにも同じく目を向け、話をしてくれていたんだと気づいた。
「そうです、サンタさんがくれたのです、うふふっ」
この子はなんでもわかってしまうので、そのつもりで居てくださいと言われた。
たくさんの猫に接して来られたわけだけど、猫の反応は一概にみんな同じではなく、猫にも色々とあるそう。
しろちゃんは繊細で感受性が強い猫だと言われた。
「お母さんが神経質になってしまう気持ちもわかるけれど、お母さんが気にしていること自体を、しろちゃんが気にしている」と、がっつり言われた。
「ママが僕をじっと観ている、僕は何か変なの?」
こんな悲しい気持ちにさせないよう、少し気を楽に持って…と言われた。
楽にとは難しいかもしれないけど、いつものとおり、楽しい時間をしろちゃんと過ごすようにと。
今だから敢えて、いつものとおりが大事なんだと。
(いつもそのことを指摘してくださる猫友さん達に感謝します。)
「サンタさんがママだって知ってるなんて、僕はぜったいに言わないのです。」
病院の帰りには、なんだかすごく気が軽くなった。
何かが解決したわけじゃないのに、足が弾んだ。
病院からタクシーに乗るはずが、知らない町のバスにも乗ってみたくなり、タクシーを断った。
日が傾いて、風は冬の寒さを連れてきた。
そこは平野なので、遠い山並みが観えた。
しろちゃんを連れて、どこまでも歩きたい気分だった。
キャリーの上からマイクロフリースのひざ掛けをしっかり巻いた。
メッシュの窓から覗きこむと、しろちゃんもそこから前を向いていた。
ママと同じ方向を観ていた。
お目々があったので、しろちゃん、風が寒い?と聞いてみた。
シューとお口だけ開けて、しろちゃんが応えた。
「僕とママは、この風をつかみに来たのでしょ?
遠い町から電車に乗ってわざわざ来たんでしょ?」
「今度の僕のお誕生日こそ、ぜったいにプレゼントはいらないのです。
神戸屋のケーキなんて、いらないのです。
七色の猫ジャラシなんて、いらないのです。
チュール大袋、削り節一袋なんて、いらないのです。」
ふむふむ~。
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調布、三鷹、府中あたりで猫が傷つけられる事件が起きています。
猫を外に出すことはやめましょう。
お外の猫に少しでも不審な様子を観た方は、最寄の警察や市役所、保護団体、猫ボランティアさんに連絡してください。
詳しくは、百猫物語のsabimamaさんまで。
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調布で迷子のそらちゃん、知りませんか?
名前 そら
雑種、しろぶち、キジトラ柄(三毛にも見える)
男の子 2歳6ヶ月、去勢済み
4.2キロの普通体型
シッポは7センチ、特徴ある黒くて短いシッポ。
首輪無し
東京都調布市調布ヶ丘3丁目付近で迷子に…。
飼い主 おやなぎ
連絡先 sorachan_oyanagi@yahoo.co.jp
または「招き猫しろちゃん」のブログコメントまで。。
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