腹壁ヘルニア その15 退院の日 その2
2011/01/31 Mon
「お日様大好き~♪」
昨年の12月1日は、とってもお天気がよかった日と記憶している。
先生の指摘の時間、午後3時過ぎにしろちゃんを迎えに行くことになる。
前日の眠る前から、ちょっとウキウキ
看護の課題は残ったままだが、「しろちゃんが帰ってくる~♪」といううれしさは、今後のどんな苦難をも乗り超えさせるのだ。
たった3泊の入院で大げさなと、自分でも思う。
手術の説明の際に、先生はこんなことも付け加えていた。
「言っておきますが、退院後1週間~10日程度は、猫ちゃんがナーバスな状態になりますよ。」
例えばどんな?とは尋ねなかった。
手術を選択した以上、聞くことが、怖かったのかもしれない。
愛犬の脚の手術で、茅ヶ崎の親友が「1ヶ月恨まれたわ。」と言った言葉が気がかり。
タロチンというその柴犬は、膝関節の問題で脚の長さが左右若干違うという成長をしてしまい、本犬は行動に何の不自由もないものの、立っている状態で常に足の1本が浮いているという状態だったそうだ。
私がその犬に会ったときには、そんなこと、何も気づかなかった。
タロチンは、「あんなに信じていたのに…僕を騙しましたね。」という顔をして、1ヶ月間、家族に冷たい態度を取り続けたそうだ。
結局その膝関節の問題は手術では治らず、傷が癒えてからも元の状態のままだったそう。
「タロチンが、『僕はこのままでよかったのに、痛かったですよ』と言うのよね。」と親友は、人間の都合のよいエゴを嘆いて反省していた。
「親バカママで、僕は恥ずかしいよ」
診察室に入り、先生の手術後の説明を伺った。手術の詳細←(ここに書いたもの)
聞いている私達は、本当に無力な人間の大人でしかなく、手術の様子の痛々しさに目を閉じるばかり。
「私達は迷いましたが、ずばり、先生は、して良かったと思われますか?」と伺ってみた。
先生
「もちろん、良かったと思います。
僕が思ってたよりは、お腹の中はひどい状態でしたからね。
若いうち、他の疾患のないうちにして良かったと思います。
猫ちゃんが歳をとってゆくのは早いですから。」
ふいに鼻の奥がキューンとしてくる。
そう、猫ちゃんは、まるで早回しのテープのように、人を超えて命を駆け抜ける。
なぜ一緒の時間を生きられないの?と思う。
こんなに深い愛情の絆で結ばれるのに…。
猫ちゃんに限らず、ワンちゃんもウサギも小鳥もリスもハムスターも、だ。
生きとし生けるもののすべての神様が、そのように決めたのだ。
人があまりにも尊大だから、先に送るという喪失の悲しみを敢えて与えたのだろう。
先に送る…ことがわかっていながら、一緒に暮らすころを選択し慈しんで愛せるか?と、人に試練を与えているのかもしれない。
試練と引き換えに、限りない愛情と微笑みの年月を、人は与えられるのだ。
「日なたぼっこは眠いにゃ~ん」
先生が退院後の過ごし方を説明する。
「2~3日は絶対安静ですよ!
極端に言えば水平移動のみと心得てください。
まあ、しろちゃん自身が動かない=動けないと思います。
表面の傷だけなら動いても問題ないんですが、筋肉を切って縫ってるので、引きつって思うように動けないんです。
ご飯、お水、トイレは、しろちゃんの様子を見て、もし介助が必要ならしてあげてください。
ご飯、お水、トイレの回数、量をチェックすることはもちろんのこと、異常がないかどうかを確認。
お留守番は短時間に!
10日後の抜糸までは、できるだけ安静を心がけてください。
1ヶ月間は、飛び上がる、飛び降りるなど激しい上下運動をさせないで!。
特に、飛び降りる…これはダメです。
抱っこも基本ダメです。
お尻を抱えてそっとならいいですが、脇から上げるような抱き方はしないでください。
お腹の中の人工的な修復の仕方を考えてもらえれば、おのずとわかると思いますが…。
前にも言いましたが、キャットタワー、オモチャ禁止、猫が登れる高い場所をふさぐようにしてください。
猫運動会も禁止といいたいのですが、どうしても走りますよねえ。
長い廊下をドアで遮断してください。
ケージには入れたくないということなので、人間が眠る時間には、猫ちゃんの眠る部屋=お宅の場合は寝室のドアを閉めきってください。」
しろパパさんはこの説明を頭で聞いたかもしれないが、ママはもっと別なところで聞いた。
母性の源で聞いたので、理屈ではない。
傷ついた子が、心身ともにいたく傷ついた子が、我が胸に帰ってくるのだ。
どうすればいいか、私の中の遠い呼び声のようなものが、おのずとわかっているだろう。
しろちゃんがうるさく付きまとうので、ここまで!
ずっとずーーーと「寝ましょ寝ましょ」」と泣きどうしなしろちゃんなんだもの
またまた記事上は、しろちゃんを退院させてあげられなかった
「ママ~いつも待ちくたびれるほど、長いんだよね」
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