シャルルドゴール空港ターミナル3のすぐ前にホテルを取り空港併設のマークス&スペンサーで晩ごはんを買ってホテルに籠り、さあ旅行初夜を楽しもうとテーブルセットをした途端にお嫁ちゃんの体力が尽き一人でもしゃもしゃバゲットサンドなどを喉に押し込んで僕もそろそろ寝ようかな?
機内であまり眠れなかったのが功を奏し、たっぷり8時間の惰眠を貪りました。便の出もすこぶるよく窓の外は青空。これは素晴らしい旅の始まりです。お昼前になって何か食べておこうと空港施設内に入ったもののマクドナルドのビッグマックセットが1,700円もします。
W杯を盛り上がるものがあまりなく、土産物屋の一角にかろうじて申し訳程度に記念品が並べられています。でめ何もかもが高くて何も買わずにT3へ舞い戻り、昨日のマークス&スペンサーでバゲット(€1.3)とハム、ビールなどを買って部屋で食べましょ。ご当地グルメは南仏に行ってからにします。
昼食後しばし昼寝をして午後3時、そろそろ出かけましょうか。ホテルからはPER3号線でLa Plaine Stade de Franceまでは一本、手軽な移動かと思いきや超満員!乗れるのかと思うもお嫁ちゃんの「乗れる乗れるー!」の言葉に押され身体を押し込みなんとか乗車。ところがこの次の駅でも大勢の人が無理矢理乗り込んできたために40年くらい前の御堂筋線の様相を呈しております。エアコンの効きもすこずる悪く流れる汗を拭うにも両手が塞がっていて為されるがまま状態。こうなると周りの人達全員がスリに見えてきてポケット辺りに全神経集中させ警戒します。
ところが途中から何故か駅をすっ飛ばしていき、僕らが降りるはずだったところを全速力で通り過ぎた時には其処彼処から悲鳴のような声が。結局Paris Nord駅まで連れてこられました。どうやら満車状態なので人を乗せるより早く主要駅で人を降ろすことを優先したようです。そんなに自由か?戻り便も急にホーム変更するしフランスの公共交通機関は気が抜けませんなコリャ。
予定より20分ほど遅く最寄駅に到着、帰りの切符を買ってスタジアムへの道を歩くとパトカーや警官がたーくさん。治安の悪さを示しているのかと更に警戒レベルを上げて歩きます。
一旦スタジアムに着き、今回初めてラグビーW杯のスポンサーになったアサヒビールに敬意を表しまずは一杯。しかし€9もするのね。円安のせいで一杯1,500円とはこれいかに。
早々とビールを飲み干し、本日の着付け会場をロケハンするも強烈な陽差しと雑踏に追いやられ建物の隅の日陰の一角に。近くにいたセキュリティーの人にここで着付けても良いか尋ねるも冷たく拒絶され更にロケハン。
少し駅方向に戻ったところでおあつらえ向きの場所を発見、よし今日はここでやろう!
時折り写真をねだられるもの極めてスムーズに着付け完了、ベタ塗りが一色なのは助かります。その分、細部への集中力が増したのか今日のロゴは完璧です。お嫁ちゃんありがと♡
再びスタジアム前に戻りもう一杯。その間にも写真撮影をパチリパチリ。
しかし今日はあっつい!なのでさらにもう一杯のビールを所望するも既に長蛇の列、ちょうどそこに通りがかった売り子を見つけ二杯目。がしかしこれがぬるぬるの気が抜けたもので閉口、機械が安モンなのか手入れを怠ったのか、こんなもの日本のスタジアムで出したら怒られるで、いやホンマ。
フランスは仮装の本場(僕調べ)、思い思いの格好で楽しんでおられます。でも独りでやってる人はあまり居らず、やはり僕は変人の部類なのかも知れません。そんな変人もW杯では珍重されるようでいろんな人に写真をねだられます。シャイなのか盗撮していく人も多数ですがなんちゃあない(無問題の伊予弁)。暑さにやられて先にスタジアムインしたお嫁ちゃんが心配なのでちょっと早めに僕も入場、席に行くも誰も居らず辺りを探したら日陰になった階段にへたり込んでおられました。水を所望するもビールと同じブースで売っているのでなかなか行列がはけません。
そもそもビールマシンがおかしくて泡しか出ないのでしばらく落ち着くまで放置してそれからカップからカップに移し替える作業を経て一杯完成するので時間がかかる。みんな四杯とか八杯とか買っていくから、そら行列長くなるわ。しまいに痺れを切らしたアルゼンチン人(シャツで判断)が勝手に中に入って注ごうとして追い出されたり、イキった日本人が『ビールは売り切れ!他所に行けー!』と叫び出したり、何故だか分からんけど歌い出す人がいたりと阿鼻叫喚の様相を呈してきました。それでもなんとか50分ほど並んで水とビールの追加を得て席に戻ると開会式のセレモニーは終わっていました。エッフェル塔観たかったなあ…涙
そんなこんなで慌ただしく試合前の時間を過ごしておりますが、W杯公式から急遽頼まれた動画はしっかりと6テイクで完成。
送ったら試合開始前に上げられてました。
試合前の国家斉唱は凄い音量、喧しい人の多い西欧人の中でもフランス人はとびきり。これはさぞハカの最中も煩いのかと思いきや、そこはそれ皆さん弁えておられます。
試合が始まってすぐにオールブラックスがピンポイントのキックパスからウィングがトライ。コンバージョンは邪魔されるんやろなあと思いきや、叫ぶ人がいるたびに『シーッ』と嗜める人もいて、フランス人けっこうマナーええやん。僕のフランス人に対する印象は前回W杯で地に落ちていたのでこれは意外、おもいこみはいけないなあと反省。。
したのも束の間、試合が進み白熱してくると相手のプレーにもレフェリーの相手有利の判定にもオールブラックスのゴールキックの時にもブーイングの嵐。それとけっこうルールを弁えていない人が多く、とにかくフランスに不利な状況はブーイングしとけば良いみたいな感じです。フランス人はやっぱりフランス人やなあと思いつつ、でもこれは文化の違いであってそれほど本当に怒っているのではなくそうやって騒いで楽しんでるだけなのかも知れませんね。
そう思えば可愛いもの…などと言ってられるのは第三国人だからであってオールブラックスの面々にとっては相当のプレッシャーだったのか今日はミスが多くてなかなかオールブラックスらしい攻撃が見られずフラストレーションの溜まる展開。結局細切れにPGで得点を積み重ね、勝負所でしっかり取り切ったフランスが快勝。トーナメントの素晴らしいスタートを切りました。一方のオールブラックスはスクラムが誤算、ハイパントチェースもイマイチ、ハンドリングエラーも多く自滅です。とはいえ前回大会も初戦敗れた南アが優勝したように、ピークを決勝トーナメントに置いているであろう強豪国にとって初戦の負けは良い反省材料。きっとここから這い上がってくれると信じて試合終了5分前にスタジアムを後にしました。
さあ、明日は6時起きでトゥールーズに移動。気持ちをJAPAN仕様に着替えて行きます!