映画「九十歳。何がめでたい」感想
長生きしないと見えて来ない景色もある
でもそれが幸せばかりとは限らない
佐藤愛子、田辺聖子、野坂昭如という作家達を知らない世代も増えた事だろう。野坂昭如は「火垂るの墓」の原作者という事も最早忘れられているかも知れない。
戦争と戦後の体験を知る世代。
そして映画の中の”佐藤愛子”先生は、素敵なお屋敷で娘と孫娘と暮らしている恵まれた老後。だが、忸怩たる思いを抱えている様子。
先生に小説を書いてもらうと日参する編集者はガチガチに昭和の男。彼がもうひとりの主人公でもある。仕事でも家庭でも周囲を見ない、誰かを思いやる事もない。自分が中心に世界が回っていると思ている。職場でも家庭でも煙たがられているが、それに気が付く事はない。
その性格が悪い意味で出たのが離婚、妻も娘も彼から離れて生き々々と暮らし始める。良い意味では先生にベストセラーを書かせた事。
人生には終わりが来る。その時、自分はどうなっているのかと、わが身を振り返るには良い映画。90歳の草笛光子さんが90歳の佐藤愛子先生を好演。
STAFF
監督 前田哲
脚本 大島里美
原作 佐藤愛子『九十歳。何がめでたい』『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』
製作 岡田有正 近藤あゆみ 山田大作
音楽 富貴晴美
主題歌 木村カエラ「チーズ」
制作会社 スタジオブルー
製作会社 2024映画「九十歳。何がめでたい」製作委員会
配給 松竹
CAST
佐藤愛子 草笛光子
吉川真也 唐沢寿明
杉山桃子 藤間爽子
水野秀一郎 片岡千之助
吉川美優 中島瑠菜
倉田拓也 宮野真守
一橋壮太郎 三谷幸喜
海藤ヨシコ 清水ミチコ
杉山響子 真矢ミ
吉川麻里子 木村多江
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