下の句50音順にたどる百人一首 No83 もの
百人一首
No.83(No40)
下の句
もの・やおもふとひとのとふまで
(ものや思ふと 人の問ふまで)
上の句
しの・ぶれどいろにいでにけりわがこひは
(忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は)
意味
人に知られまいとつつみ隠してきた私の恋心は、ついに隠し切れず顔色にも素振りにも出てしまったようだ。「誰かを恋しているのではないですか」と人が尋ねるほどまでに。
出典
『拾遺集』巻11恋1・622
「天暦の御時の歌合」
作者
平兼盛
生年不詳~990 平安中期の受領・歌人。
光孝天皇の玄孫。兼盛王と称していたが、950年臣籍降下し、平姓を賜う。
三十六歌仙の一人。
備考
・二句切れ
・「しのぶ」はバ行上二段活用。「人目を避ける」「思いを心に包み込む」の意。
・「ど」は逆接確定条件の助詞。
・「色」は「顔色」「素振り」の意。
・「に」は完了の助動詞の連用形。「けり」は詠嘆の助動詞の終止形。
・「わが恋は」は上二句と倒置。「もの」はここでは「恋の悩み」。
・「や」は疑問の係助詞。
・「人の問ふまで」は「色に出でにけり」にかかる連用修飾語。
・天徳歌合で、壬生忠見の「恋すてふ~」の歌とつがえられ、どちらも優劣つけがたしとされたが、村上天皇が兼盛の歌を低く口ずさまれたことから、兼盛が勝者となったと言われている。『沙石集』では、この歌合で負けた壬生忠見は食事ものどを通らなくなり亡くなったとしている。
参考書籍
『百人一首一夕話 上・下』 尾崎雅嘉著 岩波文庫
『ビジュアル版 日本の古典に親しむ② 百人一首』 大岡信著 世界文化社
『別冊太陽 百人一首への招待』 吉海直人監修 平凡社
『解説 百人一首』 橋本武著 ちくま学芸文庫
『改訂増補 古文解釈のため国文法入門』 松尾聰 著 2019年
本日もご訪問いただきありがとうございました。
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下の句
もの・やおもふとひとのとふまで
(ものや思ふと 人の問ふまで)
上の句
しの・ぶれどいろにいでにけりわがこひは
(忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は)
意味
人に知られまいとつつみ隠してきた私の恋心は、ついに隠し切れず顔色にも素振りにも出てしまったようだ。「誰かを恋しているのではないですか」と人が尋ねるほどまでに。
出典
『拾遺集』巻11恋1・622
「天暦の御時の歌合」
作者
平兼盛
生年不詳~990 平安中期の受領・歌人。
光孝天皇の玄孫。兼盛王と称していたが、950年臣籍降下し、平姓を賜う。
三十六歌仙の一人。
備考
・二句切れ
・「しのぶ」はバ行上二段活用。「人目を避ける」「思いを心に包み込む」の意。
・「ど」は逆接確定条件の助詞。
・「色」は「顔色」「素振り」の意。
・「に」は完了の助動詞の連用形。「けり」は詠嘆の助動詞の終止形。
・「わが恋は」は上二句と倒置。「もの」はここでは「恋の悩み」。
・「や」は疑問の係助詞。
・「人の問ふまで」は「色に出でにけり」にかかる連用修飾語。
・天徳歌合で、壬生忠見の「恋すてふ~」の歌とつがえられ、どちらも優劣つけがたしとされたが、村上天皇が兼盛の歌を低く口ずさまれたことから、兼盛が勝者となったと言われている。『沙石集』では、この歌合で負けた壬生忠見は食事ものどを通らなくなり亡くなったとしている。
参考書籍
『百人一首一夕話 上・下』 尾崎雅嘉著 岩波文庫
『ビジュアル版 日本の古典に親しむ② 百人一首』 大岡信著 世界文化社
『別冊太陽 百人一首への招待』 吉海直人監修 平凡社
『解説 百人一首』 橋本武著 ちくま学芸文庫
『改訂増補 古文解釈のため国文法入門』 松尾聰 著 2019年
本日もご訪問いただきありがとうございました。
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