物語構成の教科書のような作品終わりなき夜に濡れる上記青文字を
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【著者】滝川杏奴【発行】ジーウォーク
【雑感】実は今回のレビューは緊張している。というのも面識のある人の作品レビューを書くのは今回でまだ二度目だからだ。
一度目はアニメ映画「オネアミスの翼」である。大学の友人が制作スタッフの一員だった。とはいえ先方とは卒業して間もなく音信を交わさなくなったし、そもそも私が晴雨堂ミカエルを名乗っているなんて知らない。だから気兼ねなく好き放題を言葉を並べた。だが、今回はTwitter相互フォローである上に面識がある。素人が糞生意気なことをと思われはすまいかビクビクする。
ともかく当ブログ「ミカエル晴雨堂の作法」でも述べたとおり、制作者および作者は市場を相手に作品を発表しており、作者と読者の関係は対等であり、思ったことを素直に申し上げる。
読み終えて思ったのは、伏線のばら撒き方とラストの収束がまるで教科書のように見事だった。小学校6年生の時に読んだ手塚治虫氏「マンガの描き方」には物語構成のコツなども解説されていて、手塚氏は一本の太い幹と多くの枝で描写していた。いくつか枝が分かれて木の頂点の辺りで再び幹に合流する。
本作は前半にばら撒かれた伏線が後半を過ぎた起承転結の転に当たる辺りから眩く光りだしラスト近くで一気に収束していく。
ここまで書いてふと思った。他の作者が書く作品も構成の基本形は同じではないか。でも教科書の如く見事と思ってしまったのは理由がある。一番の理由はバットエンドでない希望が見えるラストであることをTwitter上で漠然とした情報ながら得てしまった事で、自分ならどういう構成にするかを推理しながら読んでしまった事が大きい。
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