ショーン氏「とくダネ」降板
小倉智昭が謝罪「未だに信じられない」 学歴詐称が発覚した経営コンサルタントのショーン・マクアードル川上氏(47)について、コメンテーターを務めていたフジテレビ「とくダネ!」(月~金曜前8・00)は17日の放送で言及。番組冒頭、キャスターの小倉智昭(68)が謝罪し、「未だに信じられない思いですが、本当に残念でなりません」と話した。(スポニチアネックス)【雑感】本名が「川上伸一郎」という事まで突っ込まれているが、これは別段突っ込みどころではあるまい。ショーンつながりで言えば、ジョン・レノンとオノ・ヨーコとの間に生まれたショーン・レノンのフルネームはショーン・タロー・オノ・レノン、つまり「小野太郎」というこれまた日本では珍しくも無い日本人名を持っている。しかもこの名前は正式な本名だ。
世間は調子に乗る。特に叩かなくてもいい事まで叩いてしまう事がある。
ところで、私は
ショーン・マクアードル川上なる男を弁護する気は全くないし逆に世間様に便乗して罵詈雑言を投げつける気も無い。
夜勤明けで朝のバラエティーをつけたらコメンテーターとして雛壇に収まっているのを時々観ただけで、特に彼に怒りを感じなければならない、あるいは逆に擁護しなければならないほどの利害関係は無い。つまりドーでもいい事、知った事ではない。
それよりも興味があるのは、かつて和製ベートーベンと呼ばれた佐村河内守氏にしてもそうなのだが、
何故あからさまな虚実虚名でありながら一時的ではあれ堂々と表舞台でスポットライトを浴びる機会を得られるのか? どういう経緯で脚光を浴びたのかを知りたいものだ。 私も詐称に似たような事をやった事がある。20代のチャリンコ旅行で、少しでも善良な市民の善意を引き出して食べ物を分けてもらおうと、あわよくばまとまった食事と風呂と布団にありつきたいがため身なりに気をつけた。
頭髪は伸ばさず3日に1回くらいは駅や公園などの公衆便所の手洗い場で剃髪した。髪の毛が伸びていると自動車の煤煙など埃を捉えて不潔感のもとになる。
衣服も落ち着いた色の作業着か作務衣にし、当時は全国各地の集落には必ずあった小学校の校庭へ無断で入り、手洗い場を勝手に借りてマメに洗濯した。洗った衣服は荷台に括り付けた荷物などに洗濯ばさみで留め、走行中の風と日光で乾かした。
言葉づかいも落ち着いてゆっくりと丁寧で上品な日本語を話すように努めた。時折、四字熟語や仏教用語などを混ぜて話をした。大学で仏教を勉強している(実際に藝大の図書館で仏教の本を乱読した事があった)とワザと誤解を誘発させることを話す。
さらに極めつけは中学時代の同級生で出家した友達とツーショットで撮った記念写真を所持。僧衣の友達と坊主頭の私が並んでいるので、見たものはもはや誤解するしか無い。
ここで注意しなければならないのは、「嘘」はつかないという事だ。
仏教の大学に在籍しているなどと言っては絶対にいけない、単に大学で勉強しているという表現に留める。仏教徒であることは言うが、僧侶であるとは絶対に言わない。私の家は代々天台宗の檀家であるので「仏教徒」であることは事実であるが、宗教紛争が少ないこの日本でわざわざ仏教徒を称する人はいない状況で言うことによって先方に誤解を誘発させる。
あくまで「事実」しか言わない。先方が勝手に拡大解釈して誤解するだけなので、私自身には後ろめたさはなく、あくまで「事実の範疇」しか話さないので綻びも無い。
その結果、旅先では現地の人たちから温かく迎えられた。公園で野営した時などは何度か警官から職質を受けたが、みな紳士的な扱いだった。中には明らかに私より一回りは歳上そうな巡査部長が恐縮した面もちの敬語で接してくる場面もあった。
問題のショーン氏も基本は私がチャリ旅で使った同じ手口だ。彼はあからさまな詐称をしたために馬脚を現してしまったが、その他の手口は私と同じ、穏やかで落ち着いた物腰に徹し、しかも私の声は甲高いが彼は低音の美声。いつもストライプの入った紺の背広を着用し、ワイシャツは古風にワイドカラーのダブルカフスだ。
私も若いころ背広に凝った時期があって、英国産ウールで三つ揃いをテーラーに仕立ててもらった。上着は三つボタン、ベストは七つボタン。ワイシャツはナローショートカラーかレギュラー、袖口は必ずダブルカフス。着用する際、もちろんベストには懐中時計をつけた。カフスボタンはドイツ製の銀メッキのシンプルなものにした。
なので友人知人の中には工場労働者の私を大学の先生と思い込み、工場で働いていると言っても信じてもらえない事が多々あった。
ところが私の背広離れを促す出来事が30代前半ころに遭遇した。、ビールのイベントに顔を出した時、同様の背広とワイシャツを着た若いドイツ人と知り合った。典型的な東アジア人風貌の私は劣等感を抱いてしまったのだ。やはり背広は西洋の衣装、私よりも遥かに西洋人の方が似合う。それ以降あまり背広を着なくなった。(余談1)
西洋人的特徴のある風貌のショーン氏(整形疑惑がある)はイギリス紳士的な背広が良く似合っている。
彼のキャラづくりの方法論は判る。だが、どうしてコメンテーターに選ばれて堂々とスタジオの雛壇に呼ばれ、番組MCを務める寸前にまでいけたのか? ならば私も東アジア人風貌を活かして羽織袴姿になりTV局の前をウロウロしたからといってコメンテーターになれる訳ではなかろう。
ショーン氏の詐称理論であれば、私は某週刊誌に雑報記事を何度か載せてもらった事があるから堂々と「ジャーナリスト」を名乗れるし、ブログで映画レビューを書いているので「映画評論家」を名乗る事もできるし、某藝術大学から実際に藝術学士の学位も頂いているので「藝術の専門家」を名乗っても嘘ではない。
しかし、なぜ詐称してまでTVに出たのだろう? 全国ネットで顔が広まれば、昔を知る人間からチクられてバレてしまうのは時間の問題なのに。
いや、佐村河内守氏の例もあるが、なぜ数年単位の長きにわたってバレなかったのか?
(余談1)もしサバゲーをする事があったら、私は階級の無い時代の中国人民解放軍兵士の衣装を着るだろう。個人的にはドイツ国防軍の制服が好きなのだが、私には似合わない。
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