第5話 カストロプ動乱
第6話 薔薇の騎士
第7話 イゼルローン攻略!
第8話 冷徹なる義眼
ラインハルトの両翼である
キルヒアイスと
オーベルシュタイン。
それは、「優しさでは革命はできない、しかし、優しさのない革命ならしないほうがいい」という矛盾律(二律背反)を表しているといっていいだろう。
「優しさでは革命はできない」は
オーベルシュタイン、「優しさのない革命ならしないほうがいい」は
キルヒアイス。
キルヒアイスは先の会戦の功によって少将となり、元帥となって元帥府を開いた
ラインハルトより勅命を受けてカストロプ動乱を鎮圧するのであるが、その時、その首謀者を死なせてしまう。
そのことを省みる
キルヒアイスは
ラインハルトに、
ラインハルト「ご苦労だった」
キルヒアイス「申し訳ありません」
ラインハルト「なにを謝る
帝国の新たな英雄だと、みんなも言っている
二日間の無血占領、見事だ」
キルヒアイス「血は流れました、首謀者を死なせてしまいました、申し訳ありません」
ラインハルト「そうだったな、だが、あれはいままでの帝国の影がカストロプを死なせたのだ、おまえのせいではない」
キルヒアイス
「はい」
ラインハルト
「キルヒアイス、俺たちのやり方はそれとは違う、そうだな」
キルヒアイス
「はい」
ラインハルト
「キルヒアイス、お前は、優しいな」
また、彼の部下のベルゲングリューンとビューローの両大佐は
キルヒアイス
「大佐、上陸部隊の指揮をお願いします」
ベルゲングリューン
「はッ」
キルヒアイス
「全軍に徹底させてください
略奪、暴行などはいっさい禁止!
破るものは極刑に処すと」
ベルゲングリューン
「はッ」
ビューロー
「お若いな」
ベルゲングリューン
「ああ」
ビューロー
「だが」
ベルゲングリューン
「まことの名将か」
キルヒアイスは誰のために戦っている。おそらく、
アンネローゼのためであろう。
アンネローゼ「ジーク、いつも弟がお世話になっていますね」
キルヒアイス
「いえ、わたくしのほうこそお世話になるばかりです」
アンネローゼ「そんなことはありません
ラインハルトは口にこそ出さないけどあなたを本当に頼りにしています
どうかこれからも弟のことをお願いしますね」
キルヒアイス
「恐縮です、わたくしなど」
アンネローゼ「ジーク、あなたはもっと自分のことを評価すべきですよ
ラインハルトには確かに才能があります
ほかの誰にもない才能が・・・でも、ジーク、弟はあなたほど大人ではありません
その瞳は遠くを見すぎていて、足元が見えなくなることがあるのです
特に、特に、ラインハルトの道が戦いの道である以上、その足元になにがあるか、なにによって築かれた道なのか
それを忘れるようなことがあれば、ジーク、そんな時はラインハルトを叱ってやって
ラインハルトを諫(いさ)めることができるのはあなただけなのです
もし、ラインハルトがあなたの言うことも聞き入れなくなったら、その時は弟も終わりです
そして、ラインハルトが破滅するときは・・・」
キルヒアイス
「あっ、
アンネローゼ様」
アンネローゼ「ごめんなさいね、ジーク、無理なことばかりお願いして・・・でも、わたしにはほかに頼る人がいないのです」
(注:ここは聞き取りづらいので、解釈して記述しています。)
キルヒアイス
「おまかせください、アンネローゼ様、わたしにできる限りのことは、この身にかえましても」
キルヒアイス
「やってみよう、ラインハルト様のため、そして・・・」
キルヒアイスが出陣するときにはアンネローゼが
「ジーク、無事で」と・・・
さて、もう一翼の
オーベルシュタイン大佐であるが、イゼルローン要塞の艦隊司令官であるゼークト大将の次席幕僚として赴任するのであるが、
ヤンがこのイゼルローン要塞を攻めて来た時に、その謀略をことごとく見抜いて、ゼークトに具申するのであるが、ことごとく退けられ、結果としてゼークト大将は無残にも
ヤンに敗れる。
そんな状況を見た
オーベルシュタインは
「くだらぬな、生きていればこそ復讐戦の機会もあろうに」
「うろたえるな、イゼルローンなどいつでも取り戻せる
問題はそれを実行するのに誰を選ぶかだが・・・」
といって、単独で戦線離脱する。
当然、その罪で軍法会議に処せられて極刑を受けることになると思われるのだが、その取り成しをラインハルトに依頼する。
オーベルシュタイン「実は、閣下、わたしは現在いささか苦しい立場にたたされています、ご存知かと思いますが」
ラインハルト
「イゼルローンからの逃亡者、糾弾されて当然だろうな
ゼートク提督は壮烈な玉砕を遂げたというのに」
オーベルシュタイン「凡百(ぼんぴゃく)の指揮官にとって、わたしは卑劣な逃亡者に過ぎますまい
しかし、閣下、わたしにはわたしの言い分があります
閣下にそれを聞いていただきたいのです」
ラインハルト
「筋違いだな
卿(けい)がそれを主張すべきは、わたしにではなく軍法会議においてであろう
卿は指揮官を補佐し、その誤りを訂正するという任務を全うせず、しかも一身の安全を図った
その事実を前にしては、どのような言い訳も無力だ」
オーベルシュタイン
「違うでしょう
イゼルローン駐留艦隊旗艦のただ一人の生存者であるわたしは、生き残ったというまさにそのことによって処断されようとしているのです」
「この通り、わたしの両目は義眼です
弱者に生きる資格なしとしたあのルドルフ大帝の治世であれば、とうに抹殺されていたでしょう
おわかりですか、わたしは憎んでいるのです
ルドルフ大帝と彼の子孫と彼の生み出したすべてのものを」
ラインハルト
「大胆な発言だな」
オーベルシュタイン
「銀河帝国、いやゴールデンバウム王朝は滅びるべきです
可能であればわたし自身の手で滅ぼしてやりたい、ですがわたしにはその力量がありません
わたしに出来ることは、新たな覇者の登場に協力すること、たたそれだけです
帝国元帥ローエングラム伯ラインハルト閣下!」
ラインハルト
「卿は自分がなにを言っているのかわかっているのか」
オーベルシュタイン
「無論です
何度でも言いましょう
ゴールデンバウム王朝は滅ぶべきなのです
そして、そののち新しい帝国を創る方は、閣下をおいてほかにありません」
ラインハルト
「キルヒアイス
オーベルシュタイン大佐を逮捕しろ
帝国について反逆の言質があった
帝国軍人として看過できぬ」
オーベルシュタイン
「所詮(しょせん)、あなたもこの程度の人か
結構(けっこう)、キルヒアイス中将一人を腹心と頼んで、あなたの狭い道をお行きなさい」
「キルヒアイス中将、わたしを撃てるか
わたしはこの通り丸腰だ、それでも撃てるか
撃てんだろう、貴官はそういう男だ
尊敬に値するが、それだけでは閣下の覇業の助けにはならん
光には必ず影が従う
しかし、お若いローエングラム伯にはまだご理解いただけぬか」
ラインハルト
「キルヒアイス」
「ふっ、言いたいことを言う男だ」
オーベルシュタイン
「恐縮です」
ラインハルト
「ゼークト提督からもさぞ嫌われたことだろう」
オーベルシュタイン
「あの提督は部下の忠誠心を刺激する人ではありませんでした」
ラインハルト
「よかろう、卿を貴族どもから買おう」
キルヒアイス
「あっ」
そして、キルヒアイスとオーベルシュタイン。
ラインハルト
「三長官の地位などいつでも手に入る
しばらく養老院代わりに貸しておいてやるさ
だいたい三長官の地位など、俺にとっては単なる通過点に過ぎないのだがらな
どうした、キルヒアイス、なにか言いたいことがありそうだな」
キルヒアイス
「お分かりでしょうに、お人の悪い」
ラインハルト
「怒るな、オーベルシュタインを参謀にするという件だろう」
キルヒアイス
「オーベルシュタインは危険な男です」
ラインハルト
「分かっている
頭は切れるだろうが、癖がありすぎる
ゼークトごときの手に負える男ではなかったのだ」
キルヒアイス
「ラインハルト様のお手には負えるのですか」
ラインハルト
「そうだな、わたしはあの男に友情や忠誠心を期待してはいない
あの男はわたしを利用しようとしているだけだ
自分自身の目的を果たす為にな
だから、わたしもオーベルシュタインの頭脳を利用する
オーベルシュタイン一人を御しえないで、宇宙の覇権を望むなど不可能だと思わないか」
「飲むか、いいワインが手に入った」
キルヒアイス
「いえ、今日はまだ仕事が残っておりますので」
ラインハルト
「そうか」
オーベルシュタイン
「閣下、この度(たび)の処置、後悔なさっておられるのではないでしょうな」
ラインハルト
「そんなことはない
これからのわたしの戦いは戦場でのものだけではない
政治闘争、宮廷闘争、きれいごとでは済まぬ騙(だま)しあいや殺し合いも必要になろう
よいか、オーベルシュタイン、そのためにこそ卿(けい)を買ったのだ、帝国軍三長官の椅子と引き換えにな
わたしの役に立て!」
オーベルシュタイン
「そこまでお分かりならなにも申し上げることはありません」
変な話であるが。キルヒアイスとオーベルシュタインにも共通点がある。
それは、武人(あるいは悪く言えば猪侍(猪武者))ではないということ。だからこそ、ラインハルトの両翼となれるわけだ。つまり、諫(いさ)めることができるということ。キルヒアイスは直接的に、オーベルシュタインは間接的に。
武人は身命を賭すこと、命令に従うことをその矜持とする。
はて、ここまで見てきて、キルヒアイスがアンネローゼのために戦っているというのは明白であろう。
もし、アンネローゼがいなければキルヒアイスの考えはラインハルトとかなり異なっているので離反もありうるだろう。
ルビンスキーが彼ほどの能力の者がなぜラインハルトの下で甘んじているのかという疑問も尤もであろう。
そして、キルヒアイスには体制批判という言動がほとんどないことから分かるように、ラインハルトと出会わなければ、おそらくそれなりに豊かな普通の市民生活を送っていたと思われる。野心はないと思われる。
それに対して、オーベルシュタインはゴールデンバウム王朝への復讐ということであるが、果たしてそうなのであろうか。
それだけなら、彼の役割はゴールデンバウム王朝が滅びた段階で終わるというものである。
これから、彼がラインハルトに取り入った本当の理由が明らかになるのであろうか。その野心はなになのか。
このことから、キルヒアイスとオーベルシュタインは両翼として機能すると思われる。もし、キルヒアイスに野心があればオーベルシュタインを排除しようとするが、キルヒアイスはそういうことはしない(できない)であろう。
方や、オーベルシュタインはキルヒアイスを排除しようとするが、キルヒアイスはラインハルトにとってはもはや肉親以上のものがあるから、さすがにオーベルシュタインでも無理だろうと思われる。
しかし、オーベルシュタインの野心によってはなんらかの動きはあるかもしれない。
実を言うと、キルヒアイスとオーベルシュタインは第4話で会っている。オーベルシュタインの方が接してきた。
ところで、このカストロプを扇動したのは、フェザーン自治領ルビンスキーの策謀であった。
もちろん、ラインハルトはアンネローゼのことがなくてもなんらかの野心は芽生えていったであろう。
さて、
ヤンは第十三艦隊の司令官に就任したのであるが、その結成式に遅れるは、就任演説は
「えーと、どうもこういうのは・・・
つまり、祖国の為とか命を賭けてとか、じゃなくて
そのぅ、美味い紅茶を飲めるのは生きている間だけだから、みんな死なないように戦い抜こう」
という型破りであった。
その型破りそのものでイゼルローン要塞陥落に向かう。
おとり艦隊でゼークト大将率いる艦隊をイゼルローンから誘き出して陽動し、その隙に空になったイゼルローン要塞に自由同盟軍のやっかいものであったシェーンコップ大佐を連隊長とする連隊「薔薇の騎士(ローゼンリッター)」を帝国軍に偽装させてイセルローン要塞に潜入させ、見事イゼルローン要塞を占領する。
それを知ったセークトは急遽(きゅうきょ)反転して、イゼルローン要塞に向かうのであるが、オーベルシュタインの諫言(かんげん)を無視したためにトゥールハンマー(雷神の槌)の直撃を受けてあえない最後を遂げる。
このとき
ヤンはゼークトに降伏を奨めるのであったが、セークトは拒否する。
シェーンコップ
「提督、こいつは戦闘と呼べるものではありませんな、一方的な虐殺だ」
ヤン「確かにその通りだ
帝国軍の悪い真似を我々がすることはない
彼らに改めて降伏を勧告してくれ
降伏がいやなら逃げるように、追撃はしないと」
部下
「に、逃げるように・・・」
「敵に向かって逃げろだって」
ヤン「不服か」
部下
「いえっ、な、なんていうか」
「我々は提督の下で戦うことを光栄に思います」
「とっても」
帝国軍の士官
「ゼークト閣下、イゼルローン要塞から入電、再度降伏を呼びかけています」
ゼークト
「降伏だと」
帝国軍の士官
「はい
さらにこれ以上の流血は無用である
もし、降伏がいやなら追撃はしないから逃げよ、と」
ゼークト
「てぇっ、馬鹿にするな
反乱軍に降伏などできるか、ましてや逃亡などありえぬは
この期に及んで命を惜しむ奴はよもやおるまいな
これより全艦、イゼルローン要塞へ突入する」
部下
「帝国軍より返答がありました
汝は武人の心をわきまえず、我、生きて汚辱に耐えるの道を知らず
死して名誉を全うするの道を知るのみ
この上は皇帝陛下の恩顧に報い全艦突入して玉砕あるのみ」
ヤン
「武人の心だって、こんな奴がいるから戦争が絶えないのだ」
あのひょうひょうとした温厚なヤンがこれほど激怒するのは見たことがない。
まぁ、ヤンが怒るのも尤もなことですね。先のアスターテ会戦でもこういう武人の愚かさによって数多(あまた)の犠牲を出したわけですからね。
ヤンとキルヒアイスは似ているといえよう。
思えば、ヤンは望んで軍人になったのではないようである。
本当は、歴史の研究をしたかったらしい。
だから、今回のイゼルローン要塞攻略作戦が成功したら、退役する予定であり、退役届けを出すのであるが、それは上司にも部下にも認容されるものでもなかった。
上司も部下も彼の人柄も能力も愛してやまなかったからである。
しかし、彼にはリーダーとしての自覚はあまりないようである。
ともかく、この味方の犠牲なしでのイゼルローン要塞攻略によって、ヤンは「奇跡のヤン」「魔術師ヤン」と大衆に呼ばれるようになり本人の意思に関係なく英雄の道を歩いていくことになりそう。
第3話で、キャゼルヌ少将が言っていたように
ヤン
「参りましたね、お見通しとは」
キャゼルヌ
「まぁ、シトレ本部長はともかく、トリューニヒト閣下は不愉快かもしれんな
アスターテの英雄にすっぽかされては」
ヤン
「誰が英雄ですか」
キャゼルヌ
「いま、わたしと話している人物だ
なんだ、ニュースも見てないのか
ジャーナリズムはこぞってそう言っているがね」
ヤン
「敗軍の将ですよ、わたしは
あの戦いでいったい何人死んだと思います」
キャゼルヌ
「だからこそ英雄が必要なんだ
民衆の視線をそらすためのな」
「そんな英雄にさせられるのがいやなら欠席もいいだろう
もっともあの男の下品なアジ演説を長々と聞かされてはこっちまで病気になりそうだがね
それじゃ」
ヤン
「ふうぅ」
ユリアン
「キャゼルヌ少将も国防委員長をあまりお好きでないようですね」
ヤン
「まともな神経ならトリューニヒトを好きなんて悪趣味はいないさ」
ということで英雄が必要であろう。
いま、日本も英雄が必要なので、ここはぜひとも中国が尖閣列島を取りに来て欲しいものである。
そうすれば、日本の自衛隊にもヤンのような英雄が現れるであろう。美しい国、日本のトリューニヒトのために・・・
雄雄しき希望の星中国よ、お前がやらなくて誰がやる。
銀河帝国ならぬ米華帝国を倒すのは、お前だ。
そんなヤンと違ってラインハルトは、この銀河帝国に取って代わろうとしている。
ラインハルト
「あんな奴ら」
「あいつらは人をなんだと思っているんだ
支配するのが当たり前だという顔をしてやがる
人から奪うことも人を踏みつけることも自分たちには許された特権だとでもいうのか
あいつら腐りきっている、この帝国は腐りきっている」
キルヒアイス
「ラインハルト様」
ラインハルト
「俺があのルドルフを許せなく思うのは皇帝になってなにをしたかだ
自分に媚びへつらう者を貴族に据えた、その結果があのていたらくだ」
「こう考えたことはないか、キルヒアイス
ゴールデンバウム王朝は人類の発生とともに存在したわけじゃない
あのルドルフが作ってからたかが500年だ」
キルヒアイス
「ええっ」
ラインハルト
「その前は皇帝などおらず
ゴールデンバウム家もただの一市民に過ぎなかったってことだ
もともとルドルフは成り上がりの野心家に過ぎなかった
それが時流に乗って神聖不可侵の皇帝などになりおおせたのだ」
キルヒアイス
「ラインハルト様」
ラインハルト
「キルヒアイス
あのルドルフに可能だったことが俺に不可能だと思うか」
キルヒアイス
「あぁっ」
ラインハルト
「大丈夫、誰もいない」
キルヒアイス
「ラインハルト様
そのような事を口にされては」
ラインハルト
「大丈夫だ、キルヒアイス、お前だけだ」
「どうだ、不可能だと思うか」
キルヒアイス
(「やるかもしれない、この人なら」)
ラインハルト
「いっしょに来い、キルヒアイス!
二人で宇宙を手に入れるんだ」
キルヒアイス
「宇宙を手にお入れください、ラインハルト様」
「そして・・・」
そして、フリードリヒ四世もそれを予感している。
クラウス
「恐れながら陛下」
フリードリヒ四世
「なにか」
クラウス
「ご不興を蒙(こうむ)るのを覚悟の上で申し上げますが」
フリードリヒ四世
「ローエングラム伯のことか
世がアンネローゼの弟に地位と権力を与えすぎるというのであろう」
クラウス
「陛下にはご承知でいらっしゃいましたか」
フリードリヒ四世
「恐れを知らぬもの故、重臣として権力を振るうに留まらず、図に乗って簒奪(さんだつ)を企むやも知れぬとでも思うか」
クラウス
「口の端(は)にのぼせるのもはばかり多き事ながら」
フリードリヒ四世
「よいではないか」
クラウス
「はぁ」
フリードリヒ四世
「人類の創生と共にゴールデンバウム王朝があったわけではない
不死の人間がおらぬと同様、不滅の国家もあるまい
世の代で銀河帝国が絶えて悪い道理がなかろう」
「あっははは」
「どうせ滅びるなら、せいぜい華麗に滅びるがよいのだ」
あと、前の記事で、ラインハルトとキルヒアイスが10年ぶりにアンネローゼと会ったと書いたが、それは誤りでこの第8話でそれ以前に会っていることが述べられていました。
第8話では、この銀河帝国の成り立ちが述べられているので、参考のためそれを引用しておく。
>地球から銀河系に進出した人類は、西暦2801年、銀河連邦を樹立し、この年を宇宙歴元年とした。
清新と進取の気風にあふれた人類の黄金時代の始まりである。
宇宙歴296年、連邦軍の若き英雄であったルドルフ・フォン・ゴールデンバウムは、政界に転じその強力なる指導力を持って、連邦議会にかっこたる地位を築くにいたった。
そして、同310年、首相と国家元首を兼任したルドルフは、銀河帝国の成立を宣言し、自ら初代皇帝の地位に就(つ)くと共に宇宙歴を廃止し帝国歴元年とした。
ルドルフの支配は苛烈を極め、批判者や反対者を弾圧・粛清する恐怖政治へと移行していった。
帝国歴164年、若き指導者アーレ・ハイネセン率いる共和主義者の一団がこの帝国領を脱出、宇宙の危険中域を越えたサジタリアス湾に至り、新たに自由惑星同盟を建国し、宇宙歴を復活させた。
宇宙歴640年・帝国歴331年、銀河帝国と自由惑星同盟は最初の接触をし、以来、150年にもわたる長く不毛な戦いの歴史を繰り広げてきた。
特に帝国領と同盟領を結ぶ唯一の航路であるイゼルローン回廊に帝国軍が築き上げたイゼルローン要塞をめぐって多くの血が流されてきた。
いま、そのイゼルローン要塞をヤン・ウェンリー指揮下の自由惑星同盟軍が奪取した。(引用終り)
銀河英雄伝説の
HPは
http://www.ginei.jp/ で、
ウィキペディアは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E8%8B%B1%E9%9B%84%E4%BC%9D%E8%AA%AC 銀河英雄伝説の登場人物;
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E8%8B%B1%E9%9B%84%E4%BC%9D%E8%AA%AC%E3%81%AE%E7%99%BB%E5%A0%B4%E4%BA%BA%E7%89%A9 銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国;
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E8%8B%B1%E9%9B%84%E4%BC%9D%E8%AA%AC%E3%81%AE%E7%99%BB%E5%A0%B4%E4%BA%BA%E7%89%A9%E3%83%BB%E9%8A%80%E6%B2%B3%E5%B8%9D%E5%9B%BD 銀河英雄伝説の登場人物・自由惑星同盟;
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E8%8B%B1%E9%9B%84%E4%BC%9D%E8%AA%AC%E3%81%AE%E7%99%BB%E5%A0%B4%E4%BA%BA%E7%89%A9%E3%83%BB%E8%87%AA%E7%94%B1%E6%83%91%E6%98%9F%E5%90%8C%E7%9B%9F 銀河英雄伝説の登場人物・その他;
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E8%8B%B1%E9%9B%84%E4%BC%9D%E8%AA%AC%E3%81%AE%E7%99%BB%E5%A0%B4%E4%BA%BA%E7%89%A9%E3%83%BB%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96です。
YouTube(
http://www.youtube.com/)から
銀河英雄伝説 第5話 カストロフ動乱(
http://www.youtube.com/watch?v=FKgZqrJASoU)
銀河英雄伝説 第6話 薔薇の騎士(
http://www.youtube.com/watch?v=1WsL_0_7AHo)
銀河英雄伝説 第7話 イゼルローン攻略(
http://www.youtube.com/watch?v=99b7Gho8l70)
銀河英雄伝説 第8話 冷徹なる義眼(
http://www.youtube.com/watch?v=7rCJ9Ub0DvY)
後記
今回は登場人物のことばの引用に始終しましたが、基本的にわたしの思っていることを語っているすなわち共感したということです。
というのは、この巻は序曲で、嵐の前に静けさというところでしょうか。
役者はそろったので、これから本番が始まるというところでしょうか。
ラインハルトは野望のため、ヤンは・・・
そういう意味で、ご本人たちに語ってもらったということかも知れません。
ラインハルトは元帥となり両翼が固まり、ヤンは正式に提督となり、イゼルローンという拠点(帝国のアキレス腱)を手に入れたのだから・・・
序章
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