重力ピエロ
2009年05月26日(火曜日)
楽しみにしていた重力ピエロを見て来た。伊坂ワールドが、どのように描かれているのかとても期待していたのである。
キャストが発表になって、お父さん役が小日向さんだと解った時、イメージが違うと感じていた。しかし映画を見て、小日向さんが小説のままのお父さんに思えてくるのだから、彼の演技の素晴らしさときたらない。カツラをかぶり、若い頃のエピソードを演じる小日向さんに思わず微笑んでしまう。
この小説は、お父さんのキャラクターがとても良かった。決して存在感がある訳ではない、むしろ梲が上がらないタイプなのに、不思議と人を引きつける魅力がある。そのエピソードの一つが、春を産む決意をする時、春へのカミングアウト、その台詞一つ、一つに励まされ、勇気づけられる。親父のでかさと言う物が、文章一つ一つに感じ取る事が出来た。映画でも、その魅力は充分に発揮されていると思った。小日向さんのお父さん像に触れて欲しいと思う。そこがこの映画の魅力の一つと言えるだろう。
春役に、岡田将生さんとあるが、映画を見てなるほどと感じた。小説を読みながら三浦春馬君を思い浮かべていたのだが、なるほど岡田将生氏もイケメンやないの。と、美形の顔と演技力にうなり声を上げたのだった。
加瀬亮氏は、相変わらずの淡々とした演技。このお兄さん役にはぴったりだと感じた。実は、加瀬さんの映画を初めて見たのだが、人気がある理由が解った。結構色々な映画に出ているんですね。自分の中の注目度が、グンと上がりました。
お母さん役の鈴木京香さんは、イメージ通りのキャラクターでした。特に映画内で出て来た(置いてあった?)写真は、モロにイメージでした。やっぱり、残酷なシーンでは人でありましたが、コンクールでの春に味方をしておばさんのケツをひっぱたくあたりは、小説のまんまの豪快なイメージを繰り広げてくれます。欲を言えば、市役所に鞄一つを持ってプロポーズをしに来るシーンを見てみたく、ありましたが....
そして最も映画内で興味深かったのは、夏子役の高由里子さん。春のストーカーの夏子さんが大人になって整形をする。美人にはなったけど、かつてのストーカーぶりは健在と言う様な、シュールな演技は陰の主人公だと感じた。これから注目度の最も高い女優さんではないだろうか?
ストーリーは公式サイトで見て頂くとして、
自分が言いたいのは、小説と映画の違い。やはり小説の内容を大分端折られている。多少の背景も変わっている。小説の内容を、2時間の枠に収めるの難しい事は否めない。しかし、逆を言うとよく2時間に収めたなと言う感想を持った。放火と遺伝子配列、家族の愛と謎の男、責任をとらないのか?と言う意見もあるようだが、そっちの方が気持ちいいではないか。小説の時よりも爽快感は無かったが、兄弟が語る真相、屋根から飛び降りる兄弟、そして『春が二階から落ちて来た』と言う台詞。
原作をリスペクトしてると思う。
piccolo
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