SAKKYのつれづれBAND日記

大学卒業後、Marshallを使用するということは、その後のバンドライフの中で無くなった。

また後述するが、ハイゲイン・アンプがかなり多様化したため、Peavy 5150に浮気をしていたこともあり、二度と戻ってこなかった。

しかし、マーシャルが選択肢に無かったわけではない。

その後、気になったのが３０周年のアニバーサリー・モデルとして出された３チャンネル・モデル。

多チャンネル化に、ようやくマーシャルが追い付いたという感じで、かなり欲しかった。しかし、ちょうどバンド活動から離れていた時期でもあり購入するチャンスを失った。

それから２０００年代に入り、JCM2000が出たが、これは当時のキャッチ・コピーが「大音量のクリーン」なるもので、マーシャルと言えば「歪み」でしょ。というこだわりからあまり食指が伸びなかった。今から考えると完全別チャンネルでボリュームを上げても歪まないマーシャルというのは、画期的だったのであるが、当時は完全にMesa Boogieのレクチファイアーにイカレテおりマーシャルにはいかなかった。

ただ、多チャンネルのアンプは欲しかったので（レクチのクリーンが気に入らなかったというのもあるが)、オークションで、TRIAMPかJCM2000 TSLかと考えたこともあった。実際にスタジオで使ったり、試奏で使うくらいのことはあった。しかし、レクチのインパクトに比すれば劣ると感じたのも無理なかった。

一説によると、空前のレクチブームで、ロック・ギターのアンプの勢力地図は大きく塗り替わり、９０年代の９０％の楽曲がレクチファイアーで録音されたといいます（自分は未だにこのアンプを使っていい音で録音できたためしが無いのだが…）。

昨年、懇意にしていたスタジオが空前の大雨で被災して、ほぼ半年以上使えなくなった。
そのため、別の新興のスタジオに移ったのだが、レクチは被災スタジオに預けていたので、しばらくスタジオのアンプを使うことにした。そこで出会ったのが、マーシャル復権のため満を持して登場したJVM-410Hでした。

マーシャルのフラッグシップ・モデルとしても最強ということですが、それ以上に関心したのが意外に安い。
20万円いかない定価というのも、かなりのコスト・パフォーマンスです。昔は、これより歪みにくくて扱いにくいマーシャルがとんでもない値段で売られていたのに…。

それで、さっそく試してみました。
↓下をクリックしたら試奏画面になります。
Marshall JVM-410H

とにかく、これ一台ですべての音楽がカバーできるように、４チャンネルという多彩さです。さらにマスター部には、低域が効くレゾナンス、高域をコントロールするプレゼンスがついています。このあたりは5150の影響でしょうか。

各チャンネルはさらにグリーン⇒オレンジ⇒レッドと、さらに三つのモードを持っており、モードが上がるにつれ歪みと音の太さが増していきます。

昔のペランとしたクランチやハイゲインなら２チャンネルくらいで十分です。

３チャンネル以上になると、強烈な歪みからハウリングも強烈になってきます。現代的なモダンなウルトラ・ローにも対応できそうです。

セッティングは、基本的にいつもと同じLOW６、Middle４、High６、Gain６くらいです。

イコライジングがボリューム連動で、足していく感じなのは、従来のマーシャルと同じです。マスターボリュームの変化も緩やかなので、昔のJCM800みたいな、０からちょっと上げた１．５くらいからいきなり爆音ということはありません。

使い勝手が良く、何で昔にこれが無かったんだと思えて仕方がありません。

開発者が、レクチに市場を取られ、復権をかけて究極の激歪みにした４チャンネルのすごさは執念を感じます。しかし、レクチは激歪みのようなんですけど、ハウらないんですよね。意外にノイズに強い。このハウリングのきつさは昔のマーシャルと変わっていませんね。

何でここまで歪ませたんだというと、開発者曰く「JCM2000のユーザーは、みんな足元に歪み系ペダルを使っていた。その時点でレクチに負けた」という感じだったような。確かにアンプ直結の力技みたいなのがロックらしいというのは、分かりますが…。マーシャルのユーザー的には、どういうアタッチメントで歪ませるか、良いトーンを得るかというのもギタリストにとっては、結構、面白さみたいなこともあるので、いいのではないかと思うのですが。

実際、バンドではJVMは、Ibanez TS-9　いわゆるTS系、チューブ・スクリーマーをかけてましたけど、とても気持ちのいいトーンが出ました。レクチでは逆にこうはならないんです。

下の動画の演奏では、JVMにTS-9でやりました。ソロ時に踏み込みサスティンといいトーンにしています。

Mosh Under The Rainbow

こっちの画像では、男のアンプ直結の爆音で、メタリカに挑戦しています。
↓下をクリックすると動画が出ます。
Battery Metallica copy