2017-10-20
■すたれた方言・言葉
(昭和20年代~昭和40年頃までは普通に使われていたが、その後殆ど使われないもの)
方言「加茂村誌」(昭和38年)
➡◆参考資料
・『佐渡方言辞典』(廣田貞吉 昭和49年)
・『佐渡方言集』(著者:矢田求編著 出版者:佐渡新聞社出版部 出版年月日:1909)
(あ行)あくと:かかと
・あたま汁:スケトウ頭にちょっと大根やネギ程度を入れた味噌汁。お椀には頭一つが入り、それを吸ったり、こびりついた肉片などを食べる。何とも言えなくおいしかった。
・あつごい:厚いこと
・あんにゃん:成人女性のこと。片野尾地区ではよく使って居た。
・いけえ:いっぱい・たくさん
・いしゃ:あなた、お前のこと。昭和30年代には普通に使われた。やや目下の人に対して使った気がする。
・いたまかす:道具や品物等を傷つけたりして痛めること。
・いーちゃんげーな:その人らしくない、恰好を付けたような。相手の態度や言葉を冷やかす言葉。
・ええずい:恥ずかしい
・えめぞ:どぶ・側溝
・おけけ:おかゆのこと。おけーっ、とも言った。
・おしたじ:味噌汁
・おぼえる:びっくりする
・お前:水津、片野尾辺りで使う言葉で、普通の用法とは違い、「あなた」とか「あなたさま」と言う意味で、同等や目上にも使った。 古い本来の用法が残っているのではないのか。
※渡辺注:「大辞林」によると、「代名詞」の「お前」は①同等又はそれ以下の相手 ②相手を敬って言う語 と二つの用法が出ている。
・おもしい:面白い
(か行)
・かかやん:おかあさん。どっちかと言えば、よそのお母さんを言う時の言葉。
・ガメ:①ガキと同様に子供のこと。②頭部の皮膚病の一種。
・カンカンとガンガン:金属製の缶詰くらいの小さな缶はカンカン、炊き火などの使う大きくて頑丈な缶はガンガンと言った。
叩いた時の音から来ているのだろう。
・くらつける:なぐる、ひっぱたく。
・蔵の戸が開いてる:男子ズボンの前のファスナーが開いていること。全国的には「社会の窓が開いてる」ともい言う。
・げーら:「~げーら」と使い、「~の様だとの意」。酒飲んで暴れた友を「A君げーら」などと言う。「~気」から来ているのだろう。
・けーろ:「けーろで待っとれ」などと使われ、「街道で待つ」即ち玄関や入り口で待つの意らしい。昭和30年代に年配者が使っていた。(真野合沢 志和さん談)
・ごとばな(ごと鼻):黄色がかった、青みがかった粘着質の鼻汁のこと。戦後の栄養不足が原因か。
(さ行)
・さがねる:探し回る
・しゃつける:はたくこと。
・しゃなる:叫ぶ
・しょうしねえ:恥ずかしい。小心から来ているのだろう。
・じょうだ:「~ならじょうだ」などと使い、「~なら上出来だ」の意味。
・しょうや(庄屋):金持ちの家。
・しらくも:皮膚病の一種で疥癬のことか。
・すなぶる:例えば汁のついたスケトウ(魚)の頭などを吸ってうまい汁を飲むこと。吸う、しゃぶる。津軽語辞典に出る言葉。
(た行)
・だちゃかん:だちかん、らちかんとも言う。駄目であること。「そんなことしちゃだちゃかん」などと使う。元々は「埒(らち)が明(あ)かない」で「埒」は「馬場の周囲にもうけた柵」である。そこから、「物事の決着がつかない」となった。
※両津高校の名物教師で版画村美術館創設者でもある高橋信一先生は、生徒の絵を誉める時の「この絵はうまくてだちかん」とよく言っていた。この場合は、「上手いを強調する」言い方であった。私達にも意味はよくわかった。・
・たっこむ:へっこむの反意語で、すこし高くなる、盛り上がること。へっこむ はへこむ とほぼ同意。皮膚などが押されて少し陥没するような時に使う。反対は たっこむ で少し高くなる、盛り上がる時に使う。
・たなげつ:標準語では棚尻(たなしり)で、「でっちり」(でっ尻)のこと。赤泊地区で現在(平成29年)でも高齢者が使うという。
・ちみぎる:「つねる」ことだが、小さな一部をつねる言葉で、ひどく痛く、血が出そうになるほど痛い。
・ちゃんちゃん:女性性器のこと。
・ちんぽじじ::魚の内臓で男性器の形をした部分。煮物にして食べる。
・どおい:なんと、とっても どおいおもしいっちゃあ、などと使う。
・どっさ:へえそうかい、しかし・・・なるほど、よくそんなこと平気で言うなあ・・みたいなニュアンスの言葉。そんな語感。どうもニュアンスがうまく表現できないが。
・ドリヤン:クラスや学校内の美少女のこと。果物のドリアンが高価であったことから来てるのだろう。
(な行)
・ナンバタ:私の子供の頃、少なくとも昭和30年代まではナンバタという言葉があった。「ならず者」「暴れん坊」「無法者」の意味である。「あそこの家のアンちゃんはナンバタだから」などと使った。『佐渡の百年』(昭和47年刊 山本修之助著)には次のように載る。「明治になっても、相川鉱山を逃げ出し、国仲の村などで乱暴する鉱夫があった。彼らは〝ナンバタ″といわれ、人びとに恐れられていた。〝ナンバタ〟は初めの鉱夫頭が、長野県の南畑からきた人であったところからつけられたといわれている。」
・ねぎもん:寝着物の意味。
・ねじ回し:ドライバーのこと
・ねぶち:内出血があったのか、腕や足の一部が膨らんだ。「タコの吸出し」と『いう薬品で毒素を吸い出した。
・ねまる:すわるとこ。平成19年時点でも、年配者が時々使う。
・ねめる:トイレで大便を出す時などに腹部に力を入れること。「息(いき)む」と同意。本来は、①にらむ②憎むなどの意味。
・のし:一人称の第三者。彼。「のしは最近元気だかや?」
(は行)
・八十:でー馬鹿八十:母の故郷、片野尾地区ではよく使って居た。能力が普通である百に足らない人との意味だろう。
・ひつけもつけ:相手にしない。無視される。あの人は一生懸命頑張ってくれたのに、今では家の人にひつけもつけにされてる、などと使う。
・ひっちゃく:紙などを引っ張って破くこと。
・ぶす色:北海道弁として知られる。内出血した皮膚の色のこと。漢字は附子(府子)と書き、これはトリカブトの根(から抽出されるアルカロイド)を指す。佐渡では「ぶす色」、長野県では「ぶすど色」。
「北海道方言辞書」
ぶしいろ△【附子色・付子色】[名] =ぶすいろ
ぶすいろ△【附子色・付子色】[名] 打撲などにより皮下に内出血したときに見られる青い痣あざの色。濃い青紫色。附子ぶす(トリカブト)の花の色。〈全〉
・ぶすこく:ブスッとする。不機嫌な態度をとる。あの人ってすぐにぶすこく、などと使う。
・古しい:古いこと。新穂の土屋武氏(t15年生)によると、物だけでなく人間にも使ったとのこと。私は物に使われたのは覚えているが、人間に使ったのを聞いたことはない。
・へっこむ:へこむ と同意。皮膚などが押されて少し陥没するような時に使う。反対は たっこむ で少し高くなる、盛り上がる時に使う。
・べっさらづく:おだてる、お世辞を言う
・べと:泥のこと。
・べべやる:セックスすること。子供たちが大人の性行為をそのように言った。大人が使ったかどうか不明。
※「べべ」について 1(幼児語)着物。服 2(近畿方言)最下位。びり。 3女性器 4子牛 とあるので3辺りから来ているのか?!
・べりこく:おだてる、お世辞を言う.。
・ほじくる:何かに穴をあけて、中身をとり出すこと。標準語の一つであり佐渡弁ではない。佐渡でも最近はあまり使わない。
・ほすべ:早くすること。語源は「帆が滑る」から来てるようだ。両津の湊地区独特の言葉かもしれない。昭和26年生まれ、杉山龍子さんから聞く。
・ほていて:騒いで
(ま行)
・まま:ごはん。
・まめ:1.元気なこと。2.小さなこと。
・みんみん:(南部で)それぞれに。民民、皆皆か。
・むっさんこ:無謀なほどにすごいこと。あの人はむっさんこに強い。むっさんこに食べる、などと使う。
(や行)
・山やれ山やれ:もっとテキパキやれ、の意。芸山車(げいやま)を囃す掛け声から来ているようだ。芸山車は主に水主衆(かこしゅう)が担った。昭和27年湊生まれの杉山龍子さんから聞く。
・やんべえ・jやんべん:しっかりと、確実に の意。やんべん数を数えんとだめだぞ、などと使う
・よげ:悪さをする、行いが悪いこと。「あの子はよげだ」などと使う。
・よて:「得手(えて)」、即ち得意のこと。よてでねえ、は得意でない、即ち不得意、嫌いのこと。
・よんろこねえ:恥ずかしいの意。「より所ない」から来ているのだろう。
(ら行)
・~らすけ:~だから
・ろくなかし:ろくすっぽ
(昭和20年代~昭和40年頃までは普通に使われていたが、その後殆ど使われないもの)
方言「加茂村誌」(昭和38年)
➡◆参考資料
・『佐渡方言辞典』(廣田貞吉 昭和49年)
・『佐渡方言集』(著者:矢田求編著 出版者:佐渡新聞社出版部 出版年月日:1909)
(あ行)あくと:かかと
・あたま汁:スケトウ頭にちょっと大根やネギ程度を入れた味噌汁。お椀には頭一つが入り、それを吸ったり、こびりついた肉片などを食べる。何とも言えなくおいしかった。
・あつごい:厚いこと
・あんにゃん:成人女性のこと。片野尾地区ではよく使って居た。
・いけえ:いっぱい・たくさん
・いしゃ:あなた、お前のこと。昭和30年代には普通に使われた。やや目下の人に対して使った気がする。
・いたまかす:道具や品物等を傷つけたりして痛めること。
・いーちゃんげーな:その人らしくない、恰好を付けたような。相手の態度や言葉を冷やかす言葉。
・ええずい:恥ずかしい
・えめぞ:どぶ・側溝
・おけけ:おかゆのこと。おけーっ、とも言った。
・おしたじ:味噌汁
・おぼえる:びっくりする
・お前:水津、片野尾辺りで使う言葉で、普通の用法とは違い、「あなた」とか「あなたさま」と言う意味で、同等や目上にも使った。 古い本来の用法が残っているのではないのか。
※渡辺注:「大辞林」によると、「代名詞」の「お前」は①同等又はそれ以下の相手 ②相手を敬って言う語 と二つの用法が出ている。
・おもしい:面白い
(か行)
・かかやん:おかあさん。どっちかと言えば、よそのお母さんを言う時の言葉。
・ガメ:①ガキと同様に子供のこと。②頭部の皮膚病の一種。
・カンカンとガンガン:金属製の缶詰くらいの小さな缶はカンカン、炊き火などの使う大きくて頑丈な缶はガンガンと言った。
叩いた時の音から来ているのだろう。
・くらつける:なぐる、ひっぱたく。
・蔵の戸が開いてる:男子ズボンの前のファスナーが開いていること。全国的には「社会の窓が開いてる」ともい言う。
・げーら:「~げーら」と使い、「~の様だとの意」。酒飲んで暴れた友を「A君げーら」などと言う。「~気」から来ているのだろう。
・けーろ:「けーろで待っとれ」などと使われ、「街道で待つ」即ち玄関や入り口で待つの意らしい。昭和30年代に年配者が使っていた。(真野合沢 志和さん談)
・ごとばな(ごと鼻):黄色がかった、青みがかった粘着質の鼻汁のこと。戦後の栄養不足が原因か。
(さ行)
・さがねる:探し回る
・しゃつける:はたくこと。
・しゃなる:叫ぶ
・しょうしねえ:恥ずかしい。小心から来ているのだろう。
・じょうだ:「~ならじょうだ」などと使い、「~なら上出来だ」の意味。
・しょうや(庄屋):金持ちの家。
・しらくも:皮膚病の一種で疥癬のことか。
・すなぶる:例えば汁のついたスケトウ(魚)の頭などを吸ってうまい汁を飲むこと。吸う、しゃぶる。津軽語辞典に出る言葉。
(た行)
・だちゃかん:だちかん、らちかんとも言う。駄目であること。「そんなことしちゃだちゃかん」などと使う。元々は「埒(らち)が明(あ)かない」で「埒」は「馬場の周囲にもうけた柵」である。そこから、「物事の決着がつかない」となった。
※両津高校の名物教師で版画村美術館創設者でもある高橋信一先生は、生徒の絵を誉める時の「この絵はうまくてだちかん」とよく言っていた。この場合は、「上手いを強調する」言い方であった。私達にも意味はよくわかった。・
・たっこむ:へっこむの反意語で、すこし高くなる、盛り上がること。へっこむ はへこむ とほぼ同意。皮膚などが押されて少し陥没するような時に使う。反対は たっこむ で少し高くなる、盛り上がる時に使う。
・たなげつ:標準語では棚尻(たなしり)で、「でっちり」(でっ尻)のこと。赤泊地区で現在(平成29年)でも高齢者が使うという。
・ちみぎる:「つねる」ことだが、小さな一部をつねる言葉で、ひどく痛く、血が出そうになるほど痛い。
・ちゃんちゃん:女性性器のこと。
・ちんぽじじ::魚の内臓で男性器の形をした部分。煮物にして食べる。
・どおい:なんと、とっても どおいおもしいっちゃあ、などと使う。
・どっさ:へえそうかい、しかし・・・なるほど、よくそんなこと平気で言うなあ・・みたいなニュアンスの言葉。そんな語感。どうもニュアンスがうまく表現できないが。
・ドリヤン:クラスや学校内の美少女のこと。果物のドリアンが高価であったことから来てるのだろう。
(な行)
・ナンバタ:私の子供の頃、少なくとも昭和30年代まではナンバタという言葉があった。「ならず者」「暴れん坊」「無法者」の意味である。「あそこの家のアンちゃんはナンバタだから」などと使った。『佐渡の百年』(昭和47年刊 山本修之助著)には次のように載る。「明治になっても、相川鉱山を逃げ出し、国仲の村などで乱暴する鉱夫があった。彼らは〝ナンバタ″といわれ、人びとに恐れられていた。〝ナンバタ〟は初めの鉱夫頭が、長野県の南畑からきた人であったところからつけられたといわれている。」
・ねぎもん:寝着物の意味。
・ねじ回し:ドライバーのこと
・ねぶち:内出血があったのか、腕や足の一部が膨らんだ。「タコの吸出し」と『いう薬品で毒素を吸い出した。
・ねまる:すわるとこ。平成19年時点でも、年配者が時々使う。
・ねめる:トイレで大便を出す時などに腹部に力を入れること。「息(いき)む」と同意。本来は、①にらむ②憎むなどの意味。
・のし:一人称の第三者。彼。「のしは最近元気だかや?」
(は行)
・八十:でー馬鹿八十:母の故郷、片野尾地区ではよく使って居た。能力が普通である百に足らない人との意味だろう。
・ひつけもつけ:相手にしない。無視される。あの人は一生懸命頑張ってくれたのに、今では家の人にひつけもつけにされてる、などと使う。
・ひっちゃく:紙などを引っ張って破くこと。
・ぶす色:北海道弁として知られる。内出血した皮膚の色のこと。漢字は附子(府子)と書き、これはトリカブトの根(から抽出されるアルカロイド)を指す。佐渡では「ぶす色」、長野県では「ぶすど色」。
「北海道方言辞書」
ぶしいろ△【附子色・付子色】[名] =ぶすいろ
ぶすいろ△【附子色・付子色】[名] 打撲などにより皮下に内出血したときに見られる青い痣あざの色。濃い青紫色。附子ぶす(トリカブト)の花の色。〈全〉
・ぶすこく:ブスッとする。不機嫌な態度をとる。あの人ってすぐにぶすこく、などと使う。
・古しい:古いこと。新穂の土屋武氏(t15年生)によると、物だけでなく人間にも使ったとのこと。私は物に使われたのは覚えているが、人間に使ったのを聞いたことはない。
・へっこむ:へこむ と同意。皮膚などが押されて少し陥没するような時に使う。反対は たっこむ で少し高くなる、盛り上がる時に使う。
・べっさらづく:おだてる、お世辞を言う
・べと:泥のこと。
・べべやる:セックスすること。子供たちが大人の性行為をそのように言った。大人が使ったかどうか不明。
※「べべ」について 1(幼児語)着物。服 2(近畿方言)最下位。びり。 3女性器 4子牛 とあるので3辺りから来ているのか?!
・べりこく:おだてる、お世辞を言う.。
・ほじくる:何かに穴をあけて、中身をとり出すこと。標準語の一つであり佐渡弁ではない。佐渡でも最近はあまり使わない。
・ほすべ:早くすること。語源は「帆が滑る」から来てるようだ。両津の湊地区独特の言葉かもしれない。昭和26年生まれ、杉山龍子さんから聞く。
・ほていて:騒いで
(ま行)
・まま:ごはん。
・まめ:1.元気なこと。2.小さなこと。
・みんみん:(南部で)それぞれに。民民、皆皆か。
・むっさんこ:無謀なほどにすごいこと。あの人はむっさんこに強い。むっさんこに食べる、などと使う。
(や行)
・山やれ山やれ:もっとテキパキやれ、の意。芸山車(げいやま)を囃す掛け声から来ているようだ。芸山車は主に水主衆(かこしゅう)が担った。昭和27年湊生まれの杉山龍子さんから聞く。
・やんべえ・jやんべん:しっかりと、確実に の意。やんべん数を数えんとだめだぞ、などと使う
・よげ:悪さをする、行いが悪いこと。「あの子はよげだ」などと使う。
・よて:「得手(えて)」、即ち得意のこと。よてでねえ、は得意でない、即ち不得意、嫌いのこと。
・よんろこねえ:恥ずかしいの意。「より所ない」から来ているのだろう。
(ら行)
・~らすけ:~だから
・ろくなかし:ろくすっぽ
Powered by FC2 Blog
Copyright © 佐渡人名録 All Rights Reserved.