イタリア編(32):レオナルド生家(12.8) : 散歩の変人

イタリア編(32):レオナルド生家(12.8)

 すこし小高くなった所に、城館を利用したレオナルド博物館、その近くに観光案内所があります。そちらでレオナルドの生家までの地図をもらい、行き方を教えてもらいました。小さな広場にある彼のモニュメントを撮影し、散策を開始。なお現在の時刻は午前11時ちょっと過ぎ、13:05発のバスには乗りたいので二時間ほどで戻ることにしました。車道へとおりていくと、さっそく伊・英・独の三ヶ国語で記された道標がありました。"Strada Verde""Casa natale di Leonardo"…なんとなくわかるぞ、レオナルドの生家へ向かう緑の道ということですね。
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 このあたりからの眺望も素敵です、うねるような緑の丘陵、オリーブ畑、糸杉、眼福眼福。その脇を、二人のサイクリストが風のように走り抜けていきました。
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 数分歩いてわき道へと入り、しばらくは土の道となります。見晴らしはあまりよくないのですが、青い空のもと、清冽な空気を吸いながら、オリーブ畑や石垣の間を抜ける静寂な道を歩いていると、生きているのも悪くないなと思えてきます。柄にもなく、"あげひばり名のりいで、かたつむり枝にはひ、神、空にしろしめす、すべて世は事もなし"という詩を呟いてみました。
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 ふたたび車道に合流すると、見晴らしがよくなります。
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 そしてレオナルドの生家に到着、ヴィンチのバス停から歩いて二十分強かかりました。石造りの質素で頑丈そうな建物が二軒、母屋と納屋でしょうか。受付の窓からは、トスカーナのうねるような丘陵とヴィンチ村を一望することができました。なお内部の写真撮影は禁止とのこと。中に入ると装飾らしきものは一切ない、石の壁と床で囲まれた田舎家。ここでレオナルドが生まれ育ったのかと想像すると感無量です。
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 展示品や解説を拝見し、それではバス停へと戻りましょう。同じ道を帰ったのですが、来る時には気づかなかった素晴らしい眺望でした。糸杉とオリーブの間から、ヴィンチの城館と教会の鐘楼を遠望することができます。人生と同じで、ときどき振り返ることも大事ですね。レオナルド少年もこの光景を見ながら、町の学校や教会に通ったのかと思うと何となく嬉しくなってきます。
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 心を癒してくれるような穏やかで広大な風景を堪能しながらのんびりと歩き、ヴィンチに到着。城館と教会を中心に家々がかたまっている小さい小さい町で、十分ほどでぐるりと一周できてしまいます。
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 さてバスが来るまであと二十分、カフェで珈琲でも飲もうかなと考えていると、城館の鐘楼を見上げていた山ノ神が呟きます。「あそこにのぼれば眺めがいいんじゃない?」 はた。そうだ、レオナルド博物館に入ればあそこに上れるに違いない。たしかに人影も見えます。妻の意見と茄子の花にゃ、千に519ぐらいしか無駄がない。さすがは山ノ神、よくぞ気がついてくれました。
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 さっそく入館し、展示も見ずに、階段をのぼっていくと鐘楼の天辺に着きました。おおっ素晴らしい! 小高い丘の上に立つ鐘楼だけに予想通り360度のパノラマ、トスカーナの素敵な風景を堪能することができました。心地よい風を浴びながら写真を撮りまくっていると、あっという間に時は過ぎ、そろそろバスがやってくる時間です。あわてて階段を駆け下りバス停へ、やれやれ間に合いました。
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 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2013-12-19 06:25 | 海外 | Comments(0)
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