No.030
昭和レトロなお人形、歩行人形
ロサ・アンティカでは当初、ヨーロッパのアンティークドールを主力商品にと考えていました。ただ、当然ですが国内にいて、フランスやドイツのビスクドールなどを仕入れる道は限られています。
それなら国産の人形はどうかというと、和洋折衷のさくらビスクや玩具メーカーから販売されていた西洋風のビスクドール、少数生産や個人製作のレプリカドールなどあるにはありますがはやはり趣味性が強く、たまに見掛ける程度です。
市場や骨董市でよく見掛けるのはやはり和人形。胡粉塗りの市松人形や雛人形、衣装人形。土や木で作られた郷土人形。
次いで、昭和の時代の子供たちの遊び相手であったり、文化的な生活の象徴である人形。文化人形やフランス人形、セルロイド人形にソフビ人形。
因みに「青い目の人形」の曲の歌詞「アメリカ生まれのセルロイド」ですが、実際の人形使節はほとんど、おがくずやパルプを混ぜて作られたコンポジション・ドールだったようです。
2ヶ月程前の市場で、箱に入った60cm程のビニール製の人形をいくつか落札しました。箱には「歩行人形」と書いてあります。
開けてみると、中には未使用らしくビニールに包まれた、シミや退色はあるもののかなり良い状態のスリーピング・ドールたち。
一緒に入っている紙には「このお人形はあるく人形です」と書いてあります。
左手を引いてあげると歩く?しかしスイッチや電池ケースもぜんまいも、動力源らしきものは見当たりません。
試しに手を引いてみたところ、確かにぎこちないながらも歩くではありませんか!
調べてみたところ、歩行人形のオリジナルは1939年アメリカのトーングレン夫人が発明した「ウォーキング・ドール」だそう。
機構は二本の棒とそれを繋ぐ板、棒を留める横木、という極めて単純なもの。
1961年、オオイケ(当時は大丸玩具製作所)の大池貴哉氏がアメリカ視察の際、ニューヨークのデパートで見掛けたウォーキング・ドールを持ち帰り、一年間の開発期間を経て1962年に日本で発売。大ヒット商品となりました。
後追い商品も多く出たそうです。
また、歩行人形と呼ばれるものにはビニール以外にプラスチックやブリキ製もあり、ゼンマイ仕掛けや電動の自動歩行人形も発売されていた模様。
歩行人形を発売していたメーカーは、以下が確認できました。(他にもあると思いますが)
オオイケ、セキグチ、ヨネザワ、マスダヤ、トミー、セキトモ、中嶋製作所、新堀産業、大越玩具、東京カサハラ、オリエンタルトーイ
今残っているのはこの子のみになりました。
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