Rosa†Antica(ロサ・アンティカ) - アンティーク・レトロ雑貨店店主、女優、人形作家、由良瓏砂のブログ -

Rosa†Antica(ロサ・アンティカ) - アンティーク・レトロ雑貨店店主、女優、人形作家、由良瓏砂のブログ

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07

30

01:06
Tue
2024

No.0561

ミンゲキはじめました

昨年、私のSNS情報をまとめた記事を書きましたが(こちら)、今年になってから新たに「ミンゲキ」というSNSをはじめました。
「1億人のコンテンツを残す」というコンセプトの紹介制のSNSで、登録は無料、誰でも自分のページを作成してコンテンツを販売することができます。
はじめてみたら結構知人も登録していたので、やっぱり世界は狭いなあ、と思いました。
私のページはこちらになります。

特徴的なのは、直接メンバーと交流を持つ機会があるということでしょうか。
カラオケ交流会やライブイベント、レコーディングなどが開催されています。
音楽関係のイベントが多いのは、音楽プロダクションが関わっている為で、販売可能なコンテンツは音楽に限りません。
今までにも何人かお声がけして、10人ほどの方にご登録頂きました。
もしご興味のある方がいらしたら、ご紹介しますのでご連絡下さいね。

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07

21

14:18
Sun
2024

No.0560

日用品リメイク 作例:ショートブーツ

人形修理や家具のリメイク例を何度かご紹介してきましたが、今回はボロボロになった合皮のブーツを貼り替える過程をご紹介していこうと思います。

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このブーツはリサイクルショップで500円で購入したものですが、ライブなどで何度か履いているうちに、表面が剥がれてきてしまいました。
捨ててしまおうかとも思ったのですが、前にひびの入った鏡を布を使ってリメイクしたことがあり、そんな感じで靴もリメイクできないかな、と思いました。
以前危機裸裸商店さんでゴブランのコルセットワンピースをオーダーしたことがあり、その時の余り布があったので、これを貼ってみることにします。
(ゴブランについての記事はこちら

まずは靴紐を外します。

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それから表面の皮を剥がします。
剥がした部分に薄い布を当てて、鉛筆で形をなぞります。
その布を更にゴブランの布に当て、同じ形に切り抜くのですが、この過程の写真を撮りそびれました……。

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最初は一枚の布で取ろうと思ったのですが、立体的なので歪みが出てしまい、前と側面は別々に切ることにします。

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多目的強力接着剤で貼り付け、周りを黒い糸で縫います。

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布がほつれた部分を小型の鋏で切って、完成です!

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作業時間はトータルで3時間くらいでしょうか。
針が通りにくい部分を縫うのが大変でした。

今回は当初、ブログに載せるつもりではなかったので、写真が少なめですが、ご参考になれば幸いです。
皆さんも色々なもののリメイクを楽しんでみて下さいね。

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07

19

01:54
Fri
2024

No.0559

おきあがり赤ちゃんのハルモニウム

大塚の月白亭という、民族音楽のライブがよく行われる邸宅で、亭主の杉田氏の蒐集する民族楽器の中に、ハルモニウムがありました。
箱型の小さな鍵盤楽器で、背面にある蛇腹式のふいごを動かしながら、鍵盤を弾きます。
あらゆる楽器の中で、パイプオルガンを最も愛する私は、パイプオルガンとアコーディオンを合体させたかのようなこの楽器に、すっかり魅せられてしまいました。
調べてみるとインドの楽器で、キールタンという瞑想の伴奏として使われることもあるのだそう。
お値段は5万から10万くらいするようです。
しかも、私の大好きなアーティストのニコが弾いていたと知人から聞き、ますます手に入れたいという気持ちが強くなりました。

5月、昨年亡くなったミュージシャン「おきあがり赤ちゃん」こと高山吉朗氏の遺品であるおきあがりこぼしのコレクションを、伊豆まぼろし博覧会に搬入するので、手伝いに来て欲しいとの連絡が、盤魔殿というイベントを主催しているミュージシャンの剛田武氏からありました。
もともとは私の発案で、こどもの日におもちゃ楽器などのイベントを剛田氏主催でやることになり、去年そのイベントに出演するはずだったおきあがり赤ちゃんが姿を見せず、その後逝去が確認されたという経緯があり、つまり私はおきあがり赤ちゃんとは共演しそびれてしまっているのです。
実はその搬入作業日の翌日にライブがあり、準備もろくにできていないので、お手伝いは断ろうかな、とも思ったのですが、まぼろし博覧会とも何かとご縁があるので、やっぱり行こう!と前日に決心し、作業のしやすい格好で千葉の高山宅へ向かいました。

まるで倉庫のような住居へ到着すると、建物の前のガレージのようなスペースには、もうダンボールの山が出来ています。
結構な人数の人々が出入りしていて、これなら私来なくても大丈夫だったのでは?と思いながら2階へ向かいます。
かなりの広さの部屋には大量のレコードやスピーカー、各種楽器が残されており、その中に箱型の楽器が……。
ハルモニウムだ!!!
たちまち、テンションが上がる私。
部屋を見回すと、別の場所にももう一台、ハルモニウムが置かれています。
最初に見つけた小さい方は、もう貰い手が決まっていました。
大きい方は鍵付きの蓋がついてましたが、無事開いたので、中を調べます。
ストップを引いても音が出ないな、と色々動かしてみたら、鳴りました!
形見分けなのでどうぞ持っていって下さい、とキチロー氏のお姉様に仰って頂き、有難く受け取ることにしました。
やがて4トントラックが到着。バケツリレー方式で、300個ほどのおきあがりこぼしたちを無事積み込むことができました。

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トラックが行ってしまってから、大量のレコードを皆で漁ったり、ディスクユニオン行きのものを箱詰めして、三々五々、解散。
20kgはあろうかというハルモニウム、宅配便などで送ることも考えたのですが、繊細な楽器なので壊れてしまわないか心配です。
結局手持ちで運ぶことにしました。
こんなことになるのだったら、カートを持ってくればよかった……。
暑さと重さで数十メートルごとに休憩を取りながら、通常の2倍くらいの時間をかけて、帰宅しました。

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ハルモニウムはふいごを押しながら鍵盤を弾くだけでは、音が出ません。
真鍮のストップが5つ、銀色のストップが4つあり、左から2番目の銀色のストップを引いた時だけ、音が出ます。
真鍮のストップの場所によって、違う持続音が出ますが、銀色の方は変化がありません。
転調用のレバーもついていますが、Cに合わせておけばとりあえずは問題なさそうです。
コード弾きにはあまり適さないようですが、私がよく歌う聖歌などの伴奏には、もってこいかも知れません。
そのうちライブでご披露できればいいな、と思います。
キチロー氏はどんな時に使っていたのかな、と思いながら、ハルモニウムに触れています。

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まぼろし博覧会 高山吉朗コレクション「赤ちゃん人形館」7月6日無事オープンしました。

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07

10

02:34
Wed
2024

No.0557

人形を語る─『夜想』と『DOLL FORUM JAPAN』他企画展@横浜人形の家

去る6月22日、土井典追悼トークショー&小林嵯峨舞踏公演 “人形を語る─『夜想』と『DOLL FORUM JAPAN』”を見に、横浜人形の家を訪れました。
『夜想』は、私が物心ついて以来その美意識に影響を受け続けてきた雑誌であり、『DOLL FORUM JAPAN』は人形という表現に関わるようになってから、ずっと購読してきた雑誌です。
その2つの雑誌を牽引してきた、ミルキィ・イソベ氏、 羽関チエコ氏、榊山裕子氏のトークと小林嵯峨氏の舞踏が見られるとは、又とない機会ではありませんか。

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あかいくつ劇場に来るのは何年か前、公演のお話があって下見にお邪魔して以来です。
150席程の小規模な劇場とはいえ、このような専門性の強いイベントに、訪れた観客の列ができているのを見て、なんだか嬉しくなりました。

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イベントは、小林嵯峨による舞踏で幕を開けました。
嵯峨さんの踊りを拝見するのは、昨年だったかの鼠派演踏館Ωの公演ぶりです。
今回は帽子を被りドレスを纏った、舞踏の衣装としては珍しい、上品なマダムのような装いで登場。
扇情的なクラシック曲に合わせて衣装が乱れ段々と剥き出しになってゆく身体は、人間から非人間へのメタモルフォーゼを体現しているかのよう。

続けて行われたトークでは、人形界に於いて異端とも言える、土井典という存在が解体されてゆきました。
被写体になることを嫌がったという土井さんの貴重な写真の紹介を交えて、トークは進みます。
土井さんの作家としての経歴は少し変わっていて、女子美術大卒業後、マネキン会社に就職しメイクを担当した後、アスベスト館のダンサー芦川羊子氏の衣装の貞操帯の制作を依頼されたのが始まりだそう。
その後も土方巽の依頼で様々な衣装や小道具を手掛けたり、澁澤龍彦の依頼でハンス・ベルメールの球体関節人形のレプリカを作成したりします。
シュルレアリスムの作家であるベルメールの球体関節人形は、日本の創作人形の源流とも言えるものですが、関節のある人形というよりは関節のみで出来ている人形と言った方がいいようなフォルムをしています。
澁澤宅にある有名なベルメールのレプリカは、お腹の球体関節で連結された二体の下半身で構成されています。
この人形が動くのかどうか、という話題になりましたが、土井さんによれば「ポーズを少し変えるくらいは可能だが、動かす為の関節ではない」との答えだったそうです。
つまり今の創作人形のような、自由にポーズを取らせて遊べるようなものではなく、むしろオブジェに近いものだと言えるでしょう。

土井さんの人形を、自作の登場人物である「大山デブ子」として愛した寺山修司との逸話も、興味深いものでした。
展示されていた土井さんの太った女の人形を、たまたまギャラリーに立ち寄った寺山修司が、気に入って購入したものだそうで、元々大山デブ子として作られたものではなかったのだそうです。
その後、寺山さんは土井さんに制作の依頼をするのですが、土井さんは寺山さんには塩対応だったらしくあっさり断られてしまったのだとか。

創作人形界において異端的な存在であった土井さんは、2004年に東京都現代美術館で開催された球体関節人形展に於いても、人形作家の輪から少し離れたところにひとり居たそうです。
羽関さんの「ニキ・ド・サンファルや草間彌生、或いは合田佐和子のように、美術家という位置付けにならなかったのは何故か」という言葉が印象的でした。
確かに三名とも人形も作っていますが、人形作家と呼ばれることはありません。
ではなぜ土井典は人形作家なのか、と言えば、本人が人形作家と名乗っていたからではないかと思うのですが、しかし本人は自らの人形を「愛玩拒否」の人形と呼んだのだそう。
私は人形の歴史を調べて、呪術的な存在に始まり玩具、ファッションドール、美術品などと様々に形を変えているところにも興味を覚えているので、人形=愛玩物とは思わないのですが、人形=可愛い とか、逆に人形=怖い などの固定観念を持たれやすいのには常々歯痒く思っています。
トークは「不思議の国のアリス」から少女論に移ってゆき、人形作家(特に女性の)は大体ロリコンだと思っている私には興味深い話題ではありましたが、予定時間をオーバーしており、展示が見られなくなってしまうといけないので後ろ髪を引かれつつ退出。
館内を見て回ることにしました。

企画展「ひとはなぜ ひとがたをつくるのか」

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原始の呪物から現代のアクリルスタンドまで、年代を追って様々な人形たちがざっと紹介され、それぞれのジャンルの専門家の解説がついています。

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私がメタバース芸大で行った講義「ドール進化論~形代からアバターへ」と重なる部分もあったように思います。
5月に渋谷公園通りギャラリーで開催された「共棲の間合い」展で知った、障害者施設・やまなみ工房のメンバーの展示も、大変興味深くはありました。

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上記2点、土井典

ただ、人形作家のセレクトがかなり限定的であったことは否めません。
トークショーでも登壇者が「トークテーマが『20世紀から今日に至るまでの創作人形文化について』とありますが、それを語るのは無理です」と仰っていましたが、この企画展についても同様だと言えます。

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工藤千尋

土井典や工藤千尋、高橋操ら、今回の展示の為に集められた数名の作家の作品から、「ひとはなぜ ひとがたをつくるのか」という壮大な問いへの答えを模索するしかなかったのでしょう。

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上記2点、栗田淳一

そんな中で、やまなみ工房のメンバーの一人である、栗田淳一氏の作品を知ることができたのは、私にとって大きな収穫でした。

第二企画展「いざなぎ流のかみ・かたち ー祈りを込めたヒトガタたちー」


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今回私の中で、もう一つの目玉だった展示です。
高知県香美市物部町に伝わる「いざなぎ流」という民間信仰で使用される、和紙の切り紙「御幣」をメインとした展示です。

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それぞれ切り方を指定された御幣はなんと200種以上。
水神、邪霊、生霊、キジン、呪詛のミサキ、山の魔群、川の魔群、などの説明が添えられた御幣は目と口が切られていて、かわいいのですが、邪を祓うなどの目的を考えると、決してかわいいだけのものではないでしょう。

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他に、いざなぎ流の祭司である太夫が用いる梓弓や、神楽の時に身につける衣装や笠、仮面などの展示もありました。

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TVモニターでは、祭儀の様子が延々と上映されていました。貴重な映像資料です。

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私がいざなぎ流を知ったのは、昔、映画で犬神憑きの少女役をオファーされ、監督から資料として小松和彦氏の「日本の呪い」等を渡されたのがきっかけです。
残念ながらその企画は立ち消えてしまいましたが、いざなぎ流や憑き物筋に対する関心は、現在に至るまで持ち続けています。

展示室がそれほど広くなかったので、二つの企画を見終わってもまだ少し時間があった為、常設の展示室も鑑賞。
世界の民俗人形や日本全国の郷土人形、ビスクドールから現代創作人形まで、いつもながら興味深い展示でした。

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常設コーナー展示「山本福松 と 平田郷陽 ―生人形・見世物からの系譜」
ミニ展示「ふわふわたっとん」サンレモン40周年記念
などの展示も拝見できました。
1階のミュージアムショップにも立ち寄ろうと出口に向かいかけたところ、羽関チエコさんと遭遇。
思いがけずご挨拶できて、嬉しかったです。

今月、ドールフォーラムジャパンより土井典氏の評伝が出版されるそうで、私もプロジェクトに出資させて頂きました。

「愛玩拒否」の人形作家、土井典。評伝発行プロジェクト

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