Rosa†Antica(ロサ・アンティカ) - アンティーク・レトロ雑貨店店主、女優、人形作家、由良瓏砂のブログ -

Rosa†Antica(ロサ・アンティカ) - アンティーク・レトロ雑貨店店主、女優、人形作家、由良瓏砂のブログ

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08

29

01:02
Mon
2016

No.033

河口湖の旅・後編 オルゴールの森

オルゴールの森に着いて門扉のアーチを潜り、蛇行する小路を進むと、前庭にローズガーデンが現れました。何とも心躍るつくりの施設です。
園内に足を踏み入れると、そこは背景に湖を抱いた施設全体が見渡せる素晴らしいビュー・ポイント。



自動演奏楽器とオペラ歌手とのコラボレーションコンサートの上演時間が迫っていた為、早速左手のヒストリーホールへ。
タイタニック号に搭載予定だった自動オーケストラ演奏機、ヴァイオリン自動演奏器など、貴重な楽器が並ぶホールで、自動演奏楽器や手回しオルガン、自動ピアノの奏でる「蝶々夫人」のアリア「ある晴れた日に」などの楽曲に合わせた歌声を拝聴しました。

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相方が食事をしたいというので、園内のカフェへ。残念ながらランチタイムは終わってしまっていたので、デザートとお茶を頂きました。
窓の外にはクリスタルガラスのツリーがキラキラ日の光を反射していて、ガラスの森を思い起こしました。

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定時にはカリヨンの音とからくり人形の動きに合わせた噴水ショーが見られます。

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カフェを出て眺めていると、続いてサーカスでも芸をやっているという大道芸人のパフォーマンスが始まりました。見ているうちにオートマタの実演時間になったので、慌てて再びヒストリーホールへ。
先程は通りがかりにざっと眺めただけでしたが、オートマタには言い知れぬ魅力を感じている私としては、これは絶対見逃せなかったのです。
ちょうど展示品の中でも一番魅力的だった、「鳥に唄を教える少女」の実演が始まるところでした。
少女が手回しオルガンを回すと、鳥篭の中の鳥が同じように歌うのですが、途中でつかえてしまいます。もう一度回すと、今度は上手く歌え、少女は満足そうに頷きます。
他に一人で幾つもの楽器を奏でる楽師や、フルートを吹く少年、シャボン玉を吹くテディベア、どれも動きが本当に生きてるみたい!

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伊豆の野坂オートマタ博物館の展示作品も素晴らしかったけど、ここも負けていないどころか、オルゴールのみならずこれだけ色々なコレクションが見られるなんて相当立派な博物館ではないかしら。

オートマタを堪能した後は、モルティエ(モティエ)社の世界最大級のダンスオルガンの為に作られた、オルガンホールへ。
ホールと一体化したような作りの20mもあるダンスオルガンは壮観でした。
ダンスオルガンの最後の回の演奏までまだ時間があったので、ミュージアムショップやその他の施設をぶらぶら眺めて回りました。
ミュージアムショップにはリュージュ社の高級オルゴールのコーナーなどもあり(そういえばヒストリーホールのアンティークオルゴールも一部販売していました)、店員さんに頼めば演奏してくれます。
一通り回ったところでオルガンホールへ戻り、いよいよダンスオルガンの演奏です。
大迫力のオルガン演奏は数十名編成の楽団に匹敵するとのこと。演奏に合わせて、43体の人形が持っている楽器を鳴らします。持っている楽器のほとんどがベルなのはご愛嬌といったところでしょうか。
最後にスタッフさんが「記念撮影ご希望の方はお申し付け下さい」と仰るのでお願いしたところ、オルゴールの森の会員になりませんかというオペラ調のCMソングを歌いながら撮影して下さいました(笑)。
このCMソングはロッカールームでも流れていました。恐らくスタッフにもミュージシャンの方が多いのでしょうね。

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オルゴールの森、本当に楽しかったのですが、ただ一つ残念だったのは、以前ブログに書いた(→こちら)むらいこうじ氏の常設展示が終了してしまい、見られなかったこと。
また企画してもらえたら嬉しいのですが・・・。

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08

27

16:17
Sat
2016

No.032

河口湖の旅・前編 北原ミュージアム、宝石博物館

久しぶりに旅行でもと思いながら、なかなか休みが取れず雑務が山積み状態の中、1日だけ河口湖に行ってきました。
以前ブログで書いた(→こちら)、箱根ガラスの森と同じうかいグループの、河口湖オルゴールの森が第一の目的でしたが、周辺にも面白そうな博物館が多いので幾つか回ることに。

古物市場の時と同様24日夜にレンタカーを借り、深夜に近隣のホテルにチェックイン。25日の朝から行動開始。
懸念していた台風もいなくなって、最高のお天気でした。
まずは北原ミュージアム。昔のおもちゃやレコード、宝塚歌劇のポスター、化粧品の瓶などのコレクションが収められています。
横浜ブリキのおもちゃ博物館やマリンタワーにあった機械仕掛けのおもちゃ館には昔行ったことがありますが、古物商を始めてからの目で見ると、改めて歴史的価値を強く感じます。
男の子のおもちゃゾーンにあったブリキのおもちゃは宇宙船やUFO、ゴーカートや観覧車などデザインが楽しくて、どんな動きをするのか興味津々でしたし、女の子のおもちゃゾーンのフランス人形や文化人形には色々なタイプのお顔があったり、おままごと道具も和洋折衷だったり、ワクワクして時間が経つのも忘れるくらいでした。


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次に宝石博物館。展示は小規模ながら見応えという意味では十分過ぎる程。
ずらっと並んだケースの中は、石ごとに原石とカットされた石、セットされた石が展示され、カットの見事なことには原石好きな私も息を呑みました。そして最高級の石の色や輝きは、日頃イメージしているものとは結構違うのだと実感。
例えばルビーやエメラルドは蛍光色に近いくらいに鮮やかなピンクやグリーンでした。
ブラッドストーンやサンストーンが、研磨すると意外と魅力のある石になるのだという新たな発見も。
水晶の産地として知られる山梨だけあって、巨大な水晶のクラスターが多く展示され、なんとなくパワーを貰った気もします(笑)

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河口湖では釣りをする人やボートに乗る人の姿も見られました。時間があったら水遊びもしたかったな。
そしていよいよ今回のメイン、オルゴールの森へ!(続く)

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08

22

23:34
Mon
2016

No.031

廃墟というユートピア

廃墟、そして廃墟画や荒涼とした風景を描いた絵が好きです。
骨董やアンティーク好きの方にも、廃墟好きな方は多いかと思います。
古色を帯びたこれらが、かつて在ったものへのノスタルジーを惹き起こす為でしょうか。

私が初めて購入した作家ものの絵は、山下清澄氏の「イタリアの幻想III」の陶版画でした。
ローマのフォロ・ロマーノの遺跡を描いたものです。
大学時代にアルバイトをしていた出版社近くのギャラリーで購入したのですが、同じ作者の着色銅版画の「ノスタルジア」の方は予算オーバーだったので、陶版画で我慢しました。



この方の絵特有の、彫像のような女性が横たわっているのがまた良いのです。
廃墟画や風景画には人物の姿があって欲しいけれども、人物はあくまで風景の一要素であって欲しい。
もしくは風景に溶け込むような、生気の無い姿であって欲しい。
以前ブログに書いた(→こちら)マックス・エルンストの「沈黙の目」なども理想的。
他に好きな廃墟画家、風景画家を挙げると、モンス・デジデリオ、クロード・ロラン、ジョバンニ・バッティスタ・ピラネージ、ユベール・ロベール、ウィリアム・ターナー、ジョン・マーティン、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒなど。
17~19世紀のイギリスでは、イタリアやフランスの文化を学ぶ所謂「グランド・ツアー」が流行しました。そして彼らは古代ローマやイタリアに対する憧れを、ピラネージやロラン、ニコラ・プッサンやサルヴァトーレ・ローザ等の描き出す廃墟画や風景画と共に持ち帰ったのです。
それらの絵は文字通り「ピクチャレスク(絵のような)」と呼ばれ、イギリス式風景庭園の中に再現されます。
人口廃墟やグロッタ、神殿など、「フォリー」と呼ばれる装飾用の建造物。時にはそこに隠者を住まわせることもあったとか。

ピクチャレスクからヌミノーゼまで話を広げるとなると長くなりますので、又の機会に譲りますが、ユートピアとしての廃墟に心を遊ばせるのに、一幅の絵はうってつけではないでしょうか。
ロサ・アンティカには残念ながら現在廃墟画はありませんが、ジョン・マーティンターナーの銅版画がございます。
良かったらご覧になってみて下さいませ。

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08

16

20:44
Tue
2016

No.030

昭和レトロなお人形、歩行人形

ロサ・アンティカでは当初、ヨーロッパのアンティークドールを主力商品にと考えていました。
ただ、当然ですが国内にいて、フランスやドイツのビスクドールなどを仕入れる道は限られています。
それなら国産の人形はどうかというと、和洋折衷のさくらビスクや玩具メーカーから販売されていた西洋風のビスクドール、少数生産や個人製作のレプリカドールなどあるにはありますがはやはり趣味性が強く、たまに見掛ける程度です。
市場や骨董市でよく見掛けるのはやはり和人形。胡粉塗りの市松人形や雛人形、衣装人形。土や木で作られた郷土人形。
次いで、昭和の時代の子供たちの遊び相手であったり、文化的な生活の象徴である人形。文化人形やフランス人形、セルロイド人形にソフビ人形。
因みに「青い目の人形」の曲の歌詞「アメリカ生まれのセルロイド」ですが、実際の人形使節はほとんど、おがくずやパルプを混ぜて作られたコンポジション・ドールだったようです。

2ヶ月程前の市場で、箱に入った60cm程のビニール製の人形をいくつか落札しました。箱には「歩行人形」と書いてあります。
開けてみると、中には未使用らしくビニールに包まれた、シミや退色はあるもののかなり良い状態のスリーピング・ドールたち。
一緒に入っている紙には「このお人形はあるく人形です」と書いてあります。
左手を引いてあげると歩く?しかしスイッチや電池ケースもぜんまいも、動力源らしきものは見当たりません。
試しに手を引いてみたところ、確かにぎこちないながらも歩くではありませんか!


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調べてみたところ、歩行人形のオリジナルは1939年アメリカのトーングレン夫人が発明した「ウォーキング・ドール」だそう。
機構は二本の棒とそれを繋ぐ板、棒を留める横木、という極めて単純なもの。
1961年、オオイケ(当時は大丸玩具製作所)の大池貴哉氏がアメリカ視察の際、ニューヨークのデパートで見掛けたウォーキング・ドールを持ち帰り、一年間の開発期間を経て1962年に日本で発売。大ヒット商品となりました。
後追い商品も多く出たそうです。
また、歩行人形と呼ばれるものにはビニール以外にプラスチックやブリキ製もあり、ゼンマイ仕掛けや電動の自動歩行人形も発売されていた模様。
歩行人形を発売していたメーカーは、以下が確認できました。(他にもあると思いますが)

オオイケ、セキグチ、ヨネザワ、マスダヤ、トミー、セキトモ、中嶋製作所、新堀産業、大越玩具、東京カサハラ、オリエンタルトーイ

今残っているのはこの子のみになりました。

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08

12

00:00
Fri
2016

No.029

上野夏まつり骨董市、終了!

ブログの順番が前後しますが、7日の上野夏まつり骨董市最終日は東京交通会館2階ギャラリーで開催される幻獣神話展Ⅲの搬入日で、マンタムさんが企画者の一人として朝からそちらで作業の為、骨董市の方のお手伝いに行きました。
他人のお店を一人で開けるのは初めてでしたので、がんばって売らないと、と普段より話しかけやすそうな格好を意識してお店へ向かいました。


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不忍池は蓮に埋め尽くされ、それは見事な光景でした。池の周囲はポケモンgoをプレイする人々で溢れています。
でも皆スマホ画面を見ていて、骨董市に注意を払う人はごく僅か。
そんな中、長身の男性がつかつかと近づいてきました。あ、お客さん?
「綺麗ですね!」「有難うございます」「あ、お店の方ですか?」「はい。何か買ってくれます?」「ハグしていいですか?」「嫌です」
・・・彼はさっさと離れていきました。
出鼻を挫かれ、結局留守番中は木の枝しか売れず。
やがて搬入を終えたスタッフの女の子たち(マンタムさんのスタッフはなぜか皆可愛い)と、マンタムさんが戻ってきて、友人知人やお客様も姿を見せ始め、品物もぽつぽつ売れてゆきました。
それにしても暑い!何しろ店頭に置いたリングケースから指輪を手に取ったお客様が「熱っ!」と叫んで手を離すくらいの強烈な日差しです。
お客様の差し入れのドリンク類やアイスがとても有難かったです。
ほぼ一ヶ月店を開け続けた業者さんたち、本当にお疲れ様でした!
この日は搬出に手間取り、終電まで手伝いましたが残り僅かというところでお先に失礼しました。
いつも車に良くこれだけものが入るものだと感心します。

あ、前にこの骨董市の開催を年に数回と書きましたが、今は桜まつりと夏まつりの2回のみだそうです。
場所も今回は桜まつりの時とは少し違って、下町風俗資料館から野外ステージとは反対側の方に並んでいました。
次回の桜まつり骨董市、私は出店するか分かりませんが、是非とも遊びにいらして下さいね。

夜の蓮池。
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08

09

23:40
Tue
2016

No.028

古物市場での初売り

上野骨董市終了の記事を書くタイミングがないまま、古物市場で初の売主を体験してきましたので、先にそちらを書きますね。
以前買取に伺ったお客様が、9月には引越しをされるそうなので、先日拝見した品物を引取り、その足で市場に持ってゆくことにしました。
8日の仕事後、車を借りて西川口へ。
荷物は大体まとめてありましたので、袋などに入れて運び出します。
ところが、借りた車が小さく、相方がこれ以上積むと後ろが見えないと言い出し、やむなくあまり値段のつかなそうなものは置いていくことに。
予定より遅れ、下道を通って御殿場へ向かいました。
途中食事休憩を挟みつつ、御殿場へ着いたのは午前2時半過ぎ。
マンタムさんから、市場へは6時には着くようにと言われていたのですが、相方は運転は上手いのですが高速の乗り降りが苦手で、何度となく間違えて乗ったり間違えて降りたりしているので、万一遅れては大変と現地近くでホテルに泊まることにしたのです。
5時過ぎに起床。広いお風呂場にはジャグジーの付いたバスタブがありました。折角なのでバスを使ってから市場へ。
着いたのは6時数分過ぎ。ところがまだ2、3人の姿しか見えません。
結局会主さんが姿を見せたのは7時を回ってからのことでしたが、それまで先輩業者さんに色々と教えて頂き、品物の準備ができました。
競りが始まると、「掛軸は誰々が持って行くだろう」という先輩の予想通り、専門分野の骨董屋さんたちが競り合って落札していきました。
予想外だったのは価格で、掛軸数本には思いの外高値がつきました。
他のものは大したことありませんでしたが、お陰で経費と手数料を引いても十分な金額になり、一安心。
それにしても、大変な猛暑のせいもあってか全体にいつもより勢いがなかったような気がします。
私もまだ家に未整理の品物が多いせいもありますが、声を出すタイミングを逸することが多く、前から欲しかった象牙風多層球もみすみす見逃してしまいました。
でも嬉しかったのが、やはり声を出しそびれた帆船の模型を、落とした人が要らなかったのか置いていってしまったのを、欲しいとお願いしたら譲って貰えたこと。
有名なティー・クリッパー(紅茶輸送船)、カティ・サーク号の模型です。
1872年のサーモピレー号とのティー・レースには惜しくも負けたカティ・サーク号ですが、唯一残ったティー・クリッパーとして保存展示されている為か、名前は一番有名なのではないでしょうか。
船首像のカティ・サーク(短いシュミーズをまとった魔女)像は残念ながらついていませんでした。



相方が撮影した、市場の庭。

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08

04

02:29
Thu
2016

No.027

atelier Asphodelのアクセサリ

本日は趣向を変えて、私が製作しているアクセサリのご紹介です。
atelier Asphodelという工房名、で人形やアクセサリを製作しております。
以前はセレクトショップなどに委託していたのですが、新作を作ったり納品に行くのもままならなくなってきましたので、インターネット販売に切り替えました。
幾つか試してみた結果、minneというハンドメイドマーケット最大手のサイトに絞りました。
登録者数が少ないところの方が目立つかな、とも思ったのですが、やはり登録者数が多いところでないと、そもそも見てもらえず、販売は難しいという判断です。
私が製作しているのはオリジナルの人形の顔をベースにした「ドールフェイスシリーズ」、布を土台に様々な素材を組み合わせた「コラージュシリーズ」、色々なパーツを樹脂で固めた「樹脂シリーズ」など。


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自分でも何か購入してみようと、欲しかったものを探してみたら、ありました!
市販ではなかなか売っていないものだったので、嬉しかったです。
皆さん梱包にも凝っているし、大抵おまけをつけてくれるし、プレゼント等にも良さそうです。
様々なジャンルの創作物がありますので、お好みの作品を探してみてはいかがでしょう?
atelier Asphodelのページはこちらです。是非、ご覧になって下さいね。

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