マイクロクレジットキャンペーン | 日本リザルツ

マイクロクレジットキャンペーン

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私は、ほんの少しのお金が必要な人のリストを作った。リストには全部で42名の名前が挙がった。彼らに必要なお金は、合計27ドルだった。私はショックを受けた」

経済学者でありグラミン銀行の創設者、ムハメド・ユヌス氏

  • マイクロクレジットの始まりについて

 マイクロクレジットは、小額融資とその他の金融サービス、ビジネスサービスを与えるプロセスであり、極貧の人々への貯蓄がその一例である。これにより、極貧の人々が、小さなビジネスを開始または拡大することができ、その結果、極貧の人々が自らおよび家族を養うことができるのである。

多くの発展途上国では、自営業は、就業者の50%を占めており、その多くは、法外な金利を付けるヤミ金業者に頼らざるを得ない。一方、マイクロクレジットまたはマイクロファイナンスプログラムは、顧客に合理的な金利を提供する。多くの場合、プログラムは顧客にサービスと資源を組み合わせて提供しており、例えば、貯蓄機関、健康と識字訓練、ネットワーク作りとピアサポート(お互いに助け合う制度)を提供している。このようにして、マイクロクレジットは、家庭が尊厳をもって自らの貧困を絶つために働くことを可能にするのである。

世界中のマイクロクレジットプログラムでは、様々なプログラムを利用して、貧しい人々が高い確率で返済しており、多くの場合、従来の借主より高い確率で返済している。返済率が高いのは、多くのプログラムで使われるピアサポートとプレッシャーによって、借主は皆、互いの融資に責任を負っているからである。

1997 年2月、リザルツ教育基金は、最初のマイクロクレジット・サミットを開催した。137カ国から2,900を超える代表者が、ワシントンで開催されたサミットに参加し、2005年までに、1億世帯の世界の最貧困家庭、特に女性に対して、自営のためのクレジット、その他の金融サービス、ビジネスサービスを提供するという9年間にわたるキャンペーンを開始した。

グローバル・マイクロクレジット・サミット・2006は、2006年11月12日から2006年11月15日まで、カナダのノバスコシア州ハリファックスで開催された。スペインのソフィア女王、ホンジュラスのゼラヤ大統領、ノーベル平和賞受賞者ムハメド・ユヌス氏を含む世界のリーダー達の他、マイクロクレジットの貸主、国際銀行、国連関係機関、そして世界から2,300を超える代表者達が参加した。マイクロクレジット・サミットは、昨年1億1300万人を超える顧客が、ビジネスを開始または拡大するためにわずかな融資を受け取り、そのうち8200万人の顧客は、世界の最貧困者であったことを発表した。世界の最貧困家庭1億世帯にマイクロクレジットを広めるという1997年当初の目標は、2006年または2007年の年末までには達成できるであろう。ハリファックスで、マイクロクレジット・サミットの参加者は、キャンペーンの新しい目標を2つ掲げた。1つ目は、2015年までに、1億7500万世帯の世界の最貧困家庭(つまり、8億 7500万人の家族)がマイクロクレジットにアクセスできることを確実にすること、2つ目は、2015年までに、1億世帯の世界の最貧困家庭(つまり、5 億人の家族)が、1日1ドルという生活水準を超えるのを助けることである。

  • マイクロクレジット・サミット・キャンペーン:
    リザルツ教育基金のプロジェクト

1997年2月2日から1997年2月4日まで、ワシントンで行われた最初のマイクロクレジット・サミットには、137カ国から2,900を超える人々が参加した。2005年までに、1億世帯の世界の最貧困家庭、特に女性に対して、自営のためのクレジット、その他の金融サービス、ビジネスサービスを提供するという9年間にわたるキャンペーンを開始した。この目標は、ほとんど達成に近づき、2006年11月には、2015年に向け、新しい2つの目標を掲げるキャンペーンが開始された。

  1. 2015年までに、1億7500万世帯の世界の最貧困家庭、特に女性が、自営のためのマイクロクレジット、その他の金融サービス、ビジネスサービスを受けられるのを確実にすること。
  2. 1億世帯の家庭が、1日1米ドル(1990年から2015年までの購買力平価(PPP)に換算)という生活水準を越えるのを確実にすること。

キャンペーンは、この分野におけるベストプラクティス(最良の実践)を普及させ、知識の共有を促し、目標達成に向け協力するために、マイクロクレジットの実践者、支持者、教育機関、援助機関、国際金融機関、非政府組織、その他マイクロクレジットに関与する人々を集める。

マイクロクレジット・サミット・キャンペーンは、リザルツ教育基金のプロジェクトの1つです。
詳細はこちら

  • マイクロクレジットFAQ(よくある質問)

マイクロクレジットとは?

マイクロクレジットとは、自営事業を開始または拡大し、貧困から脱出するために、小額融資を(支援的な利息で)提供したり、その他の金融サービスを提供することを意味する。マイクロクレジットは、最貧困者が、満足のいく職や必要な現金トを得ることができないことを解決する1つの方法である。

マイクロクレジットで何ができる?

融資(平均150ドル未満の融資が多い)によって、人々が、法外な金利を要求する金貸業者に依存することなく、小さなビジネスを開始または拡大することができるようになる。成功に必要なツールと現金によって、貧しい人々が自らのスキルと熱心な労働を十分に生かせるのである。
マイクロクレジットによって、借主は、自らの生活と子供たちの将来を良くする力を得るのである。少しでも収入が増えれば、より良い食べ物、住居、教育を得ることができる。その結果、社会全体に好影響を与える。
マイクロクレジットは、極貧の人々が直面する貧困に関する最悪な問題を提起する格好のツールである。世界銀行は、3つのバングラディッシュのマイクロファイナンス機関(MFI)であるBRAC、グラミン銀行、RD-12(RD-12は政府プログラム)を14年間にわたり調査した。調査によると、毎年顧客の 3%は、マイクロローンによって貧困から脱出し、顧客以外の人の1%は、村全体の経済活動が活発になった波及効果として、貧困から脱出し、バングラディッシュの田舎では、マイクロファイナンスが、平均的な貧困全体の40%を減少させたことが分かった。マイクロクレジットが賢い融資なのは何故か?
マイクロクレジットは、貧困に打ち勝つための経済的に適切な手段である。発展途上国では、よいマイクロクレジットプログラムの返済率は、95%から99%である。返済率が高いのでは、多くのプログラムで使われるピアサポートとプレッシャーによって、借主は皆、互いの成功に責任を負っており、グループ各人が自らの融資の返済ができることを確実にしているからである。
マイクロクレジットは、費用対効果が高い。お金は貸し付けられ、プログラムに返済され、それから、プログラムの新しい融資に使われ、他の貧しい人にクレジットを与える。たとえば、国際コミュニティ支援財団 (FINCA)が提供するプログラムによると、FINCA地方銀行に投資された100万ドルの貸付資本によって、5年以内には、1500万ドルの小額融資と、300万ドルの貯蓄が生まれると予想されている。
発展途上国のマイクロクレジットプログラムは、効率化のサポートによって、補助金は少なくてもよく、融資と借入保証を活用し、最終的に、正式な金融システムに繋がることができる。発展途上国でうまくいっているマイクロクレジットは、最終的に、利息収入だけで事業が成り立つことができる。実際、融資によって生まれた利息収入で事業の運営コストを100%まかなうことができている。
今までのマイクロクレジットでは、最貧困の人々をターゲットにしつつ、同時に金銭的に自立することが可能であることが分かっている。最貧困の顧客を相手にしているマイクロファイナンスの先導的な機関は、それほど貧困でない人たちを相手にしている機関に比べて、事業継続性が少し劣るものの、実際、事業実績を向上しているのである。
多くのマイクロクレジット機関は、もちろん最初は外国の援助なくして事業を開始・拡大することはできなかったであろうが、今となっては、そのような援助なく、独立して運営している。バングラディッシュのグラミン銀行は、自らの貸付資本を5回を超えて回転させ、グラミン銀行もボリビア共和国のソル銀行も、銀行の運営に、援助資金はもはや必要ではなくなった。1995年、グラミン銀行は、実際、黒字に転じている。1995年の5月時点、ドミニカ共和国の FINCAプログラムの利息収入は、プログラムの運営コストの81%をカバーし、ニカラグア共和国では、126%をカバーしていた。

マイクロクレジット・サミットとは?

1997 年2月2日から1997年2月4日まで、ワシントンで行われた最初のマイクロクレジット・サミットには、137カ国から2,900を超える人々が参加した。2005年までに、1億世帯の世界の最貧困家庭、特に女性に対して、自営のためのクレジット、その他の金融サービス、ビジネスサービスを提供するという9年間にわたるキャンペーンを開始した。この目標は、ほとんど達成に近づき、2006年11月には、2015年に向け、新しい2つの目標を掲げるキャンペーンを開始した。
2015年までに、1億7500万世帯の世界の最貧困家庭、特に女性が、自営のためのクレジット、その他の金融サービス、ビジネスサービスを受けられるのを確実にすること。
1億世帯の家庭が、1日1米ドル(1990年から2015年までの購買力平価(PPP)に換算)という生活水準を越えるのを確実にすること。
キャンペーンは、この分野におけるベストプラクティス(最良の実践)を普及させ、知識の共有を促し、目標達成に向け協力するために、マイクロクレジットの実践者、支持者、教育機関、援助機関、国際金融機関、非政府組織、その他マイクロクレジットに関与する人々を集める。

マイクロクレジット・サミット・キャンペーンは、リザルツ教育基金のプロジェクトの1つです。詳細はこちら。

最貧困の人々とは?

2004年12月、米国下院は、法律を可決し、最貧困の人々の定義を改め、その国が定める貧困ラインの50%より下にあたる生活をしている人々、または1日1米ドル(購買力平価(PPP)で換算)以下で生活している人々を意味するとした。なぜ女性をターゲットとするか?
1日1ドル以下で生活する12億人の多くは、女性である。国際労働機関(ILO)によると、女性は、世界の財産の1%を所有し、その一方で、世界の労働時間の2/3の時間を働いているにもかかわらず、世界の収入のたった1/10しか収入を得ていないのである。したがって、女性は、自らとその子供たちにとって弱い立場にいるのである。
女性は世界の子供達を育てる責任があることが多く、女性の貧困は、子供達の肉体的および社会的発達が遅れることに繋がる。
経験上、女性は、信用リスクの懸念が低く、女性は家族の幸せのために収入を投資する。同時に、女性は、収入を提供することで、家においてより高い社会的地位を得ることができるという恩恵を受けるのである。まだ参加していない人は誰?
マイクロクレジットを利用できる非常に貧しい数千万の家庭が、貧困を脱出するこの方法へのアクセスを持っていない。マイクロクレジットへのアクセスを持たない人々にアプローチするには?
2004 年のマイクロクレジット結果および責任法(Microenterprise Results and Accountability Act)の導入を確実にするため、米国議会は、アメリカ国際開発庁(USAID)を監督し続けなければならない。この法律は、アメリカ国際開発庁 (USAID)が、マイクロクレジットの補助の50%を極貧の顧客に対して提供することを要求しており、実際にその通りになるために、アメリカ国際開発庁 (USAID)は、米国マイクロクレジット資源を一番受けている国々の貧困度を測る効果的なツールを認定し続けなければならない。
マイクロクレジットによって、何百人という人々が貧困から脱出できた。長年、実績のある成果があるにもかかわらず、極貧の人々に対する持続的なマイクロファイナンスは、せいぜい、アメリカ国際開発庁(USAID)や世界銀行などの主要な開発機関のポリシーや手法の補足程度である。
世界銀行が述べたミッションは、貧困と闘い、発展途上の世界にいる人々の生活水準を改善することであるが、世界銀行は、マイクロクレジットに対して、年間利用を承認された資源の1%に満たない資源を費やし、そのうちどのくらいが、1日1ドルに満たないお金で生活する極貧の人々にちゃんと渡っているのかを調べる方法すらない。
2015 年までに絶対的貧困を半分に減らすというミレニアム開発目標を達成するために、世界銀行や他の国際金融機関は、マイクロクレジットに対する投資を増やし、投資額の半分が、極貧の人たちに行き渡るようにするのを確実にしなければならない。現在、世界銀行は、マイクロクレジットに対して、予算資金の1%に満たない資金しか投資していないのである。
世界銀行は、マイクロクレジット資金の50%を極貧の人々に提供するのを目標とし、その通りになるのを確実にするために、効率的な貧困測定ツールを有効活用すべきである。
2007 年度、議会は、マイクロクレジットプログラムに2億ドルを割り当てた。2008年度は、この資金を2億5千万ドルに増やし、そのうち2000万ドルを HIV/エイズの影響を受けている社会に割り当て、3000万ドルをアメリカ国際開発庁(USAID)内のマイクロクレジットセントラルオフィス(Microenterprise Central Office)に割り当てるべきである。
予算が減っている中、優先順位を付けることは大変重要なことである。極貧の人々をターゲットとしているマイクロクレジットプログラムは、優先度の高いものである。なぜなら、このプログラムは、貧しい人々が自給自足できるようにし、海外援助資金を循環させるのに、とても効率がいいからである。
詳細:Microcredit Summit CampaignFreedom From HungerGrameen Foundation USA

  • マイクロクレジット利用者の成功物語

 「私の食料品店を開く前、私は他の人々の家のお手伝いとして働いていた。ごくわずかな収入を得るために、夜明けから夜遅くまで働かなければならなかった。私たちは、わらでできた仮住まいに住んでいた。ひどい日々は今では過去の話となった。今や、スズでできた小屋に住み、私の2人の子供たちは、小学校に通っている。」 ジャミラさん。マイクロクレジット借主。バングラディッシュ農村振興委員会(BRAC)。(世界銀行2000年1月)

「女性でも、このようなお店を出せるなんで、本当に誇りに思っているわ。」飢餓救済プログラムから融資を受けたウガンダ人、バイオレット・ムトトさんは、大きな町の貧しい郊外に住む。バイオレットさんの夫は亡くなり、彼女は、4人の子供と一緒に、彼女の店を構えた小さな部屋の近くに、8 x 10フィートの部屋に住んでいる。ビルは、泥ででき、泥の床とスズでできたトタン屋根がある。配管がなく、家族は、家からそれほど遠くない公衆トイレを共同利用している。バイオレットさんは、家族の唯一の大黒柱である。彼女は、43ドルの融資で、家/店を借り、必需品を買った。そのお金の返済後、彼女は、 2回目の融資を彼女の店の在庫を増やすのに使った。今では、彼女は、料理用油、キャッサバ粉、塩、チーズ、ビスケット、砂糖、マラリア用の薬、コンドームを売り、3回目の融資の返済にあたって全く問題がない。1日5-10ドルの売り上げで、食料や彼女の子供達に学用品を買うことができる。今では彼女は年上の子供達を中・高等学校に行かせるお金がある。彼女は、約100ドルを緊急事態に備えている。飢餓救済運動は、都市と地方の地域にいる極貧の女性を中心に活動している。バイオレットさんの話は、飢餓救済運動のウェブサイトからどうぞ。

Violet’s story on Freedom from Hunger’s

「カシュからの融資をもっと早く受けることができていたら、私の人生はもっと良かっただろう。」クーシード・バジさん、6人の子供を持つ60歳のこのお母さんは、バングラディッシュのカシュプログラムから融資を受けた。彼女は、ラホールから30マイル離れた村に住んでいる。クーシードさんは、伝統的なブレスレットを売るビジネスを始めるのに、マイクロローンを使った。彼女は、追加の融資で、靴のビジネスを始め、それから両ビジネスを拡大した。彼女は、どうしても収入が必要だった。というのも、彼女の夫は、深刻な心臓の問題を抱えており、いつまでも寝たきり状態なのである。夫の収入なく、マイクロクレジットによって、クーシードさんは、毎月25-30ドルという家族を養うのに十分なお金を稼ぐことができるようになった。今では彼女の子供たちは大きくなったが、彼女と彼女の夫は、年老いた貧しい人々用の社会的な援助なく、生活している。

他のマイクロクレジットの成功物語については、リザルツ教育基金のプロジェクトである、マイクロクレジット・サミット・キャンペーンのウェブサイトをご覧ください。 Microcredit Summit Campaign , また、他の素晴らしい以下のサイトもご覧ください。

FINCA

  • マイクロクレジットとHIV/エイズ

マイクロクレジットは、貧しい人々が、クレジットその他の金融サービスにアクセスできるツールの1つである。これによって、貧しい人々は、尊厳を持って貧困から脱出し、家族がより良い生活を送れるようにするのである。

マイクロクレジットの顧客は、世界でもっとも貧しい人々であり、リスクの高い環境で生活することが多く、病気その他の損失を受けやすい傾向がある。言い換えると、貧困の問題は、金銭問題以上の問題でもある。なぜなら、貧しい人々は、より広範で複雑な不利に苦しんでいるからである。

このような高リスクと変化にとんだ環境にもかかわらず、マイクロクレジットプラグラムは、95%を超える高い返済率を誇りにしている。しかし、機関は、融資返済の怠りは、病気や死によるものであり、スキルがないからではないと指摘する。エイズおよび結核やマラリアなどのその他の貧困の災いが急激にまん延している中、健康教育や健康サービスを提供する総合的なマイクロクレジットの提供は、貧困と不安定に戦うのに効率的なツールとして、マイクロクレジットを維持する重要な一部となっている。

マイクロクレジットプログラムは、何百万人という顧客、とりわけ貧しい女性へのユニークな機会を、HIV防止とケアに関する情報と他のサポートと共に提供する。HIVの顧客グループの繋がり(毎週会合していることが多い)や他の健康情報とサービスによって、盛んなエイズ防止活動の主要な新しい機会がもたらされる。マイクロクレジットは、HIVの計り知れない影響を軽減するための現場での解決策を提供する鍵であり、十分に活用されていないメカニズムでもある。例えば、ウガンダでは、国際コミュニティ支援財団(FINCA)プログラムの75-80%の顧客は、エイズ孤児の面倒をみている。ウガンダとジンバブエの750名のオポーチュニティ・インターナショナル(Opportunity International)の顧客に関する調査によると、平均、それぞれの顧客は、2.3名のエイズ孤児の面倒をみており、ビジネス収入の30%は、エイズ関連の出費に費やされている。

マイクロクレジットは、人々が貧困から脱出する道に進むのを助け、自らをエイズ、結核、マラリアから守る方法を教え、自ら、家族そして地域がその道に進み続けられるのを援助することができる。

貧困問題の解決を目指すアドボカシー(政策提言)型の国際市民グループ(NGO)