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ありがとう 三江線
トータルすると10回くらい。
足繁くと言えないまでも、東京からの距離を考えるとよく通った三江線。
明日、いよいよ廃止の日を迎える。

最後はお世話になった方々の挨拶廻りを兼ねて、のんびりと好きな場所で最後の勇姿を留めておきたかった。

ありがとう 三江線_c0211961_21211029.jpg
田津〜石見川越
開花から2日で満開となった田津の枝垂れ桜。何度かお邪魔させて撮らせてもらったお婆ちゃんに最後の挨拶。
軒先でお茶を頂きながら列車を待った。
少し照れながらも、桜の樹の下で列車に向かって手を振ってくれた。

ありがとう 三江線_c0211961_21212223.jpg
鹿賀〜因原
僕の三江線訪問の最初の地。鹿賀は思入れのある駅。
ここの桜も、廃止の日に合わせたかのように急ぎ足で満開を迎えてくれた。

ありがとう 三江線_c0211961_21213771.jpg
鹿賀駅

そして三江線の撮影では何度もお世話になった鹿賀の民泊。部屋でお酒を飲みながら、列車の時間を待つ。
15分前に宿を出て、歩いて撮影地へ。
暗い夜道も、今日はお寺のライトアップされた枝垂れ桜が道標。
江津行きの最終列車をここでバルブして〆るのが僕のルーチンだった。

さようなら、そして、ありがとう三江線。

# by feel-railside | 2018-03-30 21:53 | 鉄道と四季
雪の朝
雪の朝_c0211961_00593689.jpg
大雪の翌朝。
雪の積もった横断歩道を、一歩一歩踏みしめて。

2018.1.23 都電荒川線・飛鳥山〜王子駅前

# by feel-railside | 2018-01-24 01:14 | 路面電車・LRT
さようなら 松尾ハム製造所
年始に実家に帰った時のこと。
「松尾ハム、この年末でのうなったよ」
と母から衝撃の一言。
久留米の実家に帰るたびに楽しみにしていた、松尾ハムの生ハムとベーコン。
久留米市内はもとより、福岡や北九州の飲食店からの引き合いも多く、年末最後に何とかキャンセル待ちで手に入れたとのこと。
さようなら 松尾ハム製造所_c0211961_21424839.jpg
最後の100gを東京に持ち帰り、今日最後の4切れを食べました。
で、このハムの画像と素晴らしさを後世に残すために最後に撮影しました。

生ハムなんて、わざわざ久留米で買わなくても、どこでも手に入るだろう、とみなさんお思いでしょう。
でも、違うんです。
瑞々しさ、きめ細かい繊維質がもたらす食感、控えめの塩加減、そして程よい薫香。全てが絶妙なバランスで成り立っています。
生まれて初めて知った味が、松尾ハムの生ハム。それ以来、僕の舌の生ハムの基準はここでした。
残念ながら、どんなに高級なスペイン産のハモンセラーノを以ってしても、これまでこの味を超えるハムはありません。

では、いったいなぜ九州の久留米の地で、こんな美味しい生ハムが出来たのでしょう?
松尾ハムの創業は大正4(1915)年。今から80年以上も前。時は第一次世界大戦の真っ只中。
その前年、日本はイギリスとの連合軍で、ドイツ帝国の東アジアの拠点である中国・青島を攻略しました。
そして大量のドイツ兵が俘虜として日本の収容所に移送されました。
その最大の収容先が、当時は日本有数の軍都で十八師団のあった久留米でした。その数1300名以上。

俘虜収容所では、多くの俘虜が故郷の味(ハムやソーセージ、ビールなど)を渇望していたとのこと。
また俘虜の多くは志願兵で元民間人が多く、その中には食肉に従事していた者もおり、久留米のキリスト教会を通して、
紹介されたのが、キリシタンでもあった初代の松尾ハムの創業者でした。
松尾氏は、そのドイツ人から伝統的なドイツのハム・ソーセージの製法を学び、製造に漕ぎ着けました。
その味はドイツそのもので、多くの俘虜から拍手喝采で迎え入れられたことでしょう。
(以上が、以前松尾ハムのご主人(三代目)に買い物ついでに伺った話です。最後だけ盛りましたw)

さようなら 松尾ハム製造所_c0211961_21480909.jpg
ちなみに俘虜収容所では音楽活動も盛んに行われ、ベートーヴェンの交響曲1,5,7,8番の日本初演は久留米とのこと。
もちろん演奏は俘虜で組成されたオーケストラです。

また大正8(1919)年のヴェルサイユ条約発効後、収容所は閉鎖され、多くの俘虜がドイツへ帰国したものの、そのまま日本滞在を望むドイツ人もおり、
中でも日本足袋のヒルシュベルゲル氏、つちや足袋のウェデキンド氏は有名です。
二人ともドイツでは技術科学者であり、その二人の尽力で前者は日本足袋タイヤ部を経てブリヂストンタイヤへ、後者は月星化成(現・ムーンスター)
へと発展し、久留米の近代工業の礎を作ったと言っても過言ではありません。

このように久留米に文化、芸術、産業で多くの発展と近代化をもたらしたドイツの俘虜兵。
松尾ハムの閉店は、単なる地方都市の衰退で片付けることのできない、文化・産業の継承という点でも大きな痛手です。
松尾ハムの製法を継承し、あの味を後世に伝える職人が、またいずれ出現することを願ってやみません。

参考文献:「ドイツ兵久留米俘虜収容所展」パンフレットより(久留米市文化保護課)

※久留米のドイツ俘虜収容所に関しては以下のブログが詳しいです。
ご興味ある方は以下のリンクからどうぞ。





# by feel-railside | 2018-01-21 23:16 | その他
本日よりグループ展、開催します。
ギリギリの告知になってしまいましたが、本日1/18〜よりグループ写真展に出展いたします。
本日よりグループ展、開催します。_c0211961_07482920.jpg

鉄道写真家集団「Railway Graphic D.E.F」の第5回写真展、今回のテーマは「郷愁」です。
私も6点、出展しております。
メンバーの個性光る、「郷愁」のイメージをお楽しみ頂けたらと思います。
在廊予定はこちら↓
本日よりグループ展、開催します。_c0211961_07593253.jpg
地図はこちら↓

○会期  2015年1月18日(木)~1月24日(水)  ※21日(日)は休館
○時間  10:00~18:00(最終日は15:00)  ※入場無料
○会場  アイデムフォトギャラリー「シリウス」  東京メトロ丸の内線新宿御苑前駅すぐ 〒160-0022 東京都 新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F
○出展者  今井英明 内田伸太 衣斐 隆 遠藤真人 大鶴倫宣 大藪琢也 佐藤武志 高木比呂志 船越知弘 吉永陽一

以上、皆さまのお越しをお待ちしております!

# by feel-railside | 2018-01-18 08:06 | 案内
「ただいま帰りました!」
「ただいま帰りました!」
カメラを持って列車の通過を待っていると、背後から元気よく声をかけられた。
一瞬、どう言葉を返したがいいか戸惑いつつも、
「おかえりなさい」
二人の女子中学生は、笑顔で返して夕暮れの雪道を帰って行く。
その数秒後、待っていた列車が過ぎて行った。
「ただいま帰りました!」_c0211961_22031623.jpg
JR芸備線・平子〜備後西城

この日は三江線の雪景色を撮るつもりであったが、残念ながら積雪で運休に。
木次線も前日からストップしており、この辺りで唯一動いていた芸備線に向かった。

久しぶりに芸備線の三次以東をロケしたが、三江線に負けず劣らず魅力いっぱいの路線。
三江線廃止後も、また中国山地の山あいに足を運ぶことも多くなりそうだ。

# by feel-railside | 2018-01-14 22:15 | ローカル線