45年目の結婚記念日を迎えようとしているある夫婦の物語。
夫の変化に妻の胸が騒いで、妻の心に、夫婦の間に小さなさざなみが立つと言う話。
原題は「45years」。
45年目の結婚パーティーまでの6日間で、たった6日間でそれまでの45年間に
さざなみが立って…と言う話。
子供はいないけど45年仲睦まじく暮らしてきたある夫婦。
が、ある日、夫の、事故で亡くなった昔の恋人の遺体が発見されたという手紙が届き、
それから少しずつ、本当に少しずつ2人の何かが変わっていく。
一見それまでと大きく変化していないように見えても、夫の変化に妻は気付く。
女は分かるんです、そう言うのね。
夫が昔の恋人に心を再び揺らし始めている、
既に亡くなった恋人だけど、揺れている。
その夫を見て、妻も揺れる…
45年目なのにまだイチャコラしてるシーンとかって、とても素敵だなーなんだけど、
行為の後に昔の彼女の写真を見るとか、そりゃあかんよー。
誰の事考えながらやっとったんやー!ってなるわ。
そして妻はいよいよ決定的なものを見ちゃう、知っちゃう…
妻が昔の恋人に絶対勝てないこと。
例え42年経ってても、既にこの世にいない女性でも、妻にとってはきつい事実…
そしてラスト…45年目の結婚記念パーティーのシーン…
あれ、どう考えればいいんだろうね。
観る人がそれぞれ考えてくださいのパターン。
妻が日に日にモヤモヤしてるのがとてもよく分かるんだけど、彼女はその気持ちを
なかなか表に出さない。
ただその表情などで、そのモヤモヤが手に取るように分かる。
そういう点では特に日本の女性は共感しやすいんじゃないかなって思った。
ああやって、夫が気付かない間に妻は不満を膨らませ…特に年配夫婦にありそう。
でもだいたいの45年連れ添った夫婦の妻は、元カノに嫉妬するほどの愛は無いかw
さざなみの様に静かでありながら、それはいつしか大波になるかもしれないという緊張が
伝わってくるとてもいい作品でした。
ベルリン国際映画祭で主演男優、女優賞を獲られた主演お二人の演技も素晴らしかった。