Mother and Child
私は実は、母親と少なからず確執があるので、この映画を観て、母親との関係をじっくり考えさせられるかしら!なんて思って観たのですが、お話は養子に関することにかなり限定されていて、そういう意味であんまり共感しませんでした。まあさ、養子の問題を通して、母と娘の関係性を描く、って感じなのかもしんないけどさ~。
このエリザベスの冷たい、でもしっかりした感じが良く出てたね~。仕事は弁護士で、すっごい切れるキャリア・ウーマンで、男に絶対心を許さない。男だけじゃないな、ご近所さんとか、表面的な付き合いは避けるようなタイプかな。 で、エリザベスを生んだカレンを演じるのが、『キッズ・オールライト』の好演でオスカーに主演女優賞にノミネートされるんじゃないかとウワサされている演技派のアネット・ベニングなんですが、もー、この人暗い。 カレンは、老人ホームの介護士なんだと思うんだけど、自身の母親の面倒も家で見ていて、なんかもう枯れてますよ。自分も年を取っていくので、お年寄りにネガティブな印象は持ちたくないんだけど、カレンのお母さんってすっげえ落ち込んでるしさー。 カレンも、14歳の時に養子に出した娘に悪い悪いって思い続けて来たらしく、結婚もしてないし、多分あんまり男とも付き合ってないような感じ。で、老人ホームに新しくやってきた男の介護士がカレンに興味を示すんだけど、なんかもう人間関係ってどうやってつむいで行くのか全然わからないって言わんばかりの、すっげえ変な態度を取るのよ。 アタシの正直な感想としては、14歳の時に間違って妊娠しちゃった子供をそこまで思うかなあ、つか思うかもしれないけど、そのことで自分の人生を楽しまないってどうかと思う。 でさ、そん時セックスした男の子のことがずっと好きだったみたいで、50歳になった今会いに行ってセックスしちゃうんだよ!で、彼に「あの時のこと、憶えてる?」って訊いたら、「うん」って言っただけ、って言うのにヒドく傷つくの。要するに、自分に取っては今でもすっごく重大なことなのに、彼に取っては「一つのいい思い出だよね~」みたいな感じが許せないらしい。 とまあ、カレンはもう、私が「ささいなこと」って思うこと全てにドラマッチック過ぎて、張り倒したくなる。 エリザベスの方は、17歳で避妊手術を受けていたのにも関わらず、アクシデントで妊娠してしまうんだけど、ここで態度が豹変する。今までは、一人で生きていくって感じで他人を寄せ付けなかったのに、子供を生むことにするんだよ。 なんかさ、このくだりを見ていたら、要するに何、「女は妊娠すると母性に目覚める」って言いたいの?って思ってしまった。 14歳でも妊娠して生んだ子供のことは一生忘れない、絶対に子供なんか要らないって思っていても、妊娠したら母性に目覚める、とかさ。 私も妊娠したらそうなるかもしれないので「それは違うでしょ」とは言わないけど、でもそうかな~。つか、それが「Mother and Child」の極意なわけ? 要するに「血」だって言ってるわけよね。エリザベスとカレンは、離れて暮していても、他人に対して突っぱねるような態度が似ているって感じに描かれてたし。 アタシは「血」よりも、一緒にいる時間が長いことが大事だと思うから、なんかこの展開について行けなかったなあ。 Related Article ■エリザベスと肉体関係になって、初老の濃い~肉体を披露してくれているサミュエル・L.・ジャクソン出演作品一覧 |
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