Point Break
『ホット・ファズ』でさんざん取り上げられていて、「あーこの映画、大好きだったんだよな!」と借りてきました。当時、この映画を観たきっかけはもちろんキアヌ・リーヴスなんだけど、なんでこの人のことすっごい大好きだったのだろう?これ以前に出ていた映画は印象薄いし、「長髪にGパン」みたいなイメージ先行で好きだっただけかも。
しかし『ビル&テッド』で付いてしまったバカのイメージを払拭する映画を探していたキアヌにとっては、これは調度いいトランジションだったよね。確かにFBI捜査官ではあるけど、サーフィンしたり、普段着のシーンの方が多いので、子供から大人へのイメージの移行が自然に行われたような。この映画がなかったら、『スピード』も『マトリックス』もなかったんじゃないだろうか。 大体、キアヌが演技下手、っていうのは、『ビル&テッド』で付いたイメージなんじゃないかなあ。今回見たらそんな言うほど酷くなかったよ。ラブ・シーンもさ、今回良く観たら、本当に愛おしいという目で相手を見ていたりとかして、ちゃんと演技してるじゃん、と思ったし。ただこの人、キメのセリフが棒読みだったりとか、なんかバランス悪い人なのよ。あとさ、銃を撃つ姿があんまりカッコ良くないんだよねえ。走ると内股だし・・・。後、スカイ・ダイビングをしてすっごい感動しているところとか、はしゃぎ過ぎちゃってバカ丸出しとか。まー、そういうところが逆に、他の俳優さんたちと一線を画していて、個性的なんでしょうが。 で、対するパトリック・スウェイジなんですけど、この人もこれはハマり役だったんじゃないでしょうか。これ以外の役って、すっげーダサくない、この人?日本では、キアヌを前面に押し出してこの映画プロモしていたと思うんだけど、エンドロールのクレジットとか、実はパトリック・スウェイジが先なんだよね。経歴が古いから顔を立てたのかなと思ってたけど、知名度の問題かもしれない。 とにかく、この人が演じるボディと、キアヌが演じるジョニーが、全く同じ熱い性格でありながら一人はFBI捜査官として法に仕え、一人は法を破るビリー・ザ・キッドみたいな犯罪者として対決するという、監督が女性でありながら男性ホルモン大放出な映画なわけです。 で、紅一点、ヒロインのタイラーもタフでワイルドな女にしちゃったとことがまた女性監督らしいとこなんでしょうか?このタイラー役を演じるロリ・ペティに、当時は憧れたもんですよ。スポーツ・ギャルで、真っ黒のショートヘアに大きな青い目で、少年のように無駄な脂肪が全然無い身体。この後に出た、『プリティ・リーグ』のピッチャーの役もハマり役だったもんね。 でも、男の監督だったら、この人がヒロインって、どうなんだろう?タイラーが更衣室も使わず、自分の車の脇でタオル一丁でガンガン着替えてしまうところなんか、女の私から見ると「かっこいい!」と思っちゃうけど、男の観客は、「今の君はぴかぴかに光って~」みたいなムチムチの身体じゃないと、面白くないんじゃない?(このレフェレンスが古過ぎてわからない人は黙ってスルーしてください。コメに「レフェレンスが古過ぎます」とか書かなくていいです)このヒロインは、全く男に性的サービスしない上に、ボディたちの生き方をちょっと批判的な目で見ている姿勢とか、どちらかというと女が見てて共感するキャラなんですよね。 (一応ネタばれ注意報出しときます) だって、このボディって人、矛盾だらけなんだもん。この人をリーダーとしてサーフィン&銀行強盗をしているEx-Presidentsの男の子たち(グロメットというボンクラな名前の金髪が、太ったリバー・フェニックスみたいで可愛い)は、ボディを「悟りの開いた人」(「ボディ」はボディサッファ"菩薩"の略)と呼び、見上げて尊敬しているんだけど、男はそう感じるのかね?私にはアダルト・チルドレンにしか見えないのだが。楽しいことしかしたくない、でも真っ当な仕事するのはいやだし、真っ当な仕事では自分のしたいことをするだけの金は稼げない。一年中サーフィンをしたいから、カリフォルニアが冬になったら、暖かいところへ移動してサーフィンをする。スカイ・ダイビングもお金がかかる、パーティをしてたくさんの人を呼んで、 「俺のものはお前のもの。好きに使ってくれ」 なんてかっこいいことを言うには、金がなきゃできないし・・・・。悟りを開いた人がこんなにお金を使うのだろうか?! で、今まで滞りなかった銀行強盗がヤバくなってくると、Ex-Presidentsの子分たちがビビり出して、ジョニーを始末しようとか、逃げようとか言い出す。するとボディはこんなことを言うのです。 "This was never about the money, this was about us against the system. That system that kills the human spirit. We stand for something. We are here to show those guys that are inching their way on the freeways in their metal coffins that the human sprit is still alive." 「金のためにやってたんじゃないだろ?これは俺たちの、システムに対する挑戦なんだ。人間の精神を殺してしまうシステム。ハイ・ウェイで金属の棺桶に乗り、少しずつ死に掛けてる奴らに、ここに生きたヒューマン・スピリットがあるということを証明するためにやってるんだろ?」 とアジテイトすると、男の子たちは笑顔になって、エネルギー満載になってしまうのですが、おいおいおいおい!!!!金のためだろう、どう考えても!「俺は働くのキライだー。真っ当な仕事なんかくそくらえだ!俺は他人のものを奪ってでも、自分の好きに生きてやる!」と開き直るんだったらあっぱれなんですが、「システムに対する挑戦」とか「生きたヒューマン・スピリット」とか言うなよ! で、その後どうするかっていうと、ロージーという残虐な男にタイラーを誘拐させ、人質として取る。でボディは、「俺は暴力はキライだ。タイラーにナイフを突き立てることなんて、俺にはできない。だからロージーが必要なんだ。ロージーはそんなこと考えないでできるから」って言うんですけど、それって自分の手は汚さないで「暴力反対」って言ってる、最低の男なんじゃないかって気がするんだが・・・・・。 まーそんな感じで色々ツッコミどころはあるんですけど、なかなか面白い映画なんだよね。レッチリのアンソニー・キーディスが、ワルいサーファー役で出てて、ノン・クレジットにも関わらず、セリフも見せ場もあったりして。あと、赤のチェックの袖なしシャツにカーゴ・パンツという当時のサーファーの洋服着たトム・サイズモアが、潜入捜査しているDEA捜査官役で、この人もシリアルにビールかけて食べようとしたり、キアヌに怒鳴ったりという見せ場もあります。で、もちろん、FBIパートナー、アンジェロ・パパス役のゲイリー・ビューシイは、『リーサル・ウェポン』で、氷のように冷たい悪者、Mr.ジョシュアを演じた人なんですよ! PS そうそう、もう一点!1991年という、調度中途半端な時期に作られたせいか、音楽が良くねーんだよな、この映画!LAメタルは日和っちゃってるし、グランジ系はまだメインストリームと言われるほどではなかったせいかね?パーティ・シーンでかかる湿ったメタル・バラードとか、エンドロールなんて、ラットだぜ!ラット! key Word 映画 ハート・ブルー キアヌ・リーヴス パトリック・スウェイジ ロリ・ペティ ゲイリー・ビューシイ トム・サイズモア |
TB&コメント、どうもありがとうございました~♪
キアヌ、若くて素敵でしたね~♪ そうそう、この映画がなかったら、おっしゃる通り「スピード」も「マトリックス」もなかったかも・・ですね。 彼はアクション向きとは言えない感じでしたもんね。 私はどちらかというとこの映画はパトリック・スウェイジ目当てで見ました~(^^ゞ 相変わらず素敵でした(^ー^* )フフ♪ 「ビッグ・ウェンズデー」に出てたゲイリー・ビジーが、こういうサーフィンがらみの映画にでるっていうのも、なかなか粋なキャスティングだなぁ、って思いました~♪ メルさん、
コメ、サンクスです! ああああ~~~~~!!!!ゲイリー・ビジー(ビューシイ)って、『ビッグ・ウエンズディ』の人か!気づかなかった~けど、言われてみりゃそうだな。なんかすっげー小さい頃観て、わけわかんないんだけど感動した記憶があります。 あ~どんどん「懐かしの」シリーズにハマって行っちゃいますよ~ チュチュ姫さん、こんにちは!
「ハートブルー」 私、これ予告編はすごく面白そうだったんだけど、本編いまいちという記憶が物凄く強い映画だったんですよ。 内容もあんまり覚えてないし。 でも、レビュー見ていて、もう1回見てみようかな~。 新たな発見があるかも。 Minitaさん、
私が今になって観た感想は、本文の方にしっかり書いたんでいうことなす!ですが、当時観た時は、なんだかすげえかっこいいな~って感じでしたね。『ホットファズ』ではアクション映画として信奉されていたのですが、私はコレをアクション映画だと思ったことなくて、青春映画として観てましたね。 |
|
トラックバックURL削除 |