Charlie Wilson's War
しかし、トム・ハンクスって、貫禄付きましたよね。『ビッグ』とか演ってた人が、遊び人の国会議員なんか演じられるようになってしまったんだからなあ。でも、トム・ハンクスだから、遊び人だけどなんだかおおらかで愛すべきキャラである、このチャーリー・ウィルソンって人の人柄が表現できたのかもね。これがアレック・ボールドウィンだったら、単なるスケベ親爺になってしまうよ。
そんなチャーリー・ウィルソンがほのかに好きらしい、テキサスで6番目に金持ってる女、ジョアンをジュリア・ロバーツが演ってます。会ったその日にやっちゃうチャーリーとジョアンなのだが、その後ものすげー豪奢なジョアンのバスルームで、ジョアンが化粧をしているんだけど、ジュリア・ロバーツ、お前、顔の部品が一つ一つデカいな!そんな派手な顔しているのに、そんなマスカラ塗るなよ。しかも、マスカラで固まったまつげをほどくのに安全ピンを使うのが怖い。 この人は、こんな金持ってんだから、そうとうなお嬢様で育ったと思われるんだけど、なんでこんな政治とか詳しいのだろう?よだれ垂らしてぼーっとしてたって、生活して行けるんどろうにさ。それともやっぱ金持ちだと、政治家がらみになってくるから、逆に自然にそういう環境に放り出されるんだろうか。 で、この2人に絡む、やさぐれCIA、ガストにフィリップ・シーモア・ホフマン。これはいつものフィリップ・シーモア・ホフマンでしたね。なぜかこの人はいつもはぐれ者なんだなあ。この役も、なんか重要なプロジェクトから降ろされて、怒ってボスのところに怒鳴り込み、ボスのオフィスのガラスかち割っちゃう役どころで、デブでダサくて変わり者な上に 「俺の父親が駄菓子屋経営してるからか?!」 と育ちも悪いらしい。(お父さんは、ソーダ・ポップのセールスマンとかって言ってたと思うんだけど、それって私のイメージでは駄菓子屋かなと。違うかもしれませんが)。実際、80年代のCIAでは、家柄や出身大学がいい人が幅を利かせていて、そうじゃないガストみたいな人が干されてしまうという時代があったんだって。だからガストがオフィス中の人が注目している中、ボスにファック連発しガラスかち割って大股に去っていくとき、タイピストの女の人がサムズアップしたんだね。 DVDの特典で出演者のインタヴューがあったんだけど、誰一人として、このソビエト・ユニオン崩壊のきっかけを作ったチャーリー・ウィルソンという人の存在を知らなかったんだそうだ。フィリップ・シーモア・ホフマンは、「自分はそういうの、結構興味を持って読んだりするけど・・・・全然知らなかった」と。ソビエトに侵攻されたアフガニスタンを支援することは映画の中でCovert Warと呼ばれていて、要するにUSが関わっていることは内緒になってる、USにとっては隠密(Covert)な作戦だったのだ。 お金を調達し、武器のスペシャリストに会って支援に最適な武器は何かを調べたり、テキパキと仕事をこなすチャーリー・ウィルソンは「さすが国会議員」と思ったのだが、持ち前の屈託のなさで、お互い憎み合っているエジプトとパキスタンとアフガニスタンとイスラエル(だっけ?)を協力関係に持ってってしまうところが一番「へえええ~」と思ったね。こういうことが出来る人っていうのは、こういう一見なーんも考えてなさそうな、まあ裏表がない人なんだろうな。 で、当初5ミリオンだった支援金を1ビリオンまで引っ張り上げ、最新鋭の武器をアフガニスタンのレジスタンスに買ってあげて、その後ソビエトのヘリコプターが一機、また一機と落とされて行くところは不謹慎と知りつつ 「ハレルヤ~」 って感じだったね。この映画はロシアでは公開されなかったらしい。ネットで映画を見たロシアの人が、 「これはロシア人が血も涙もない殺人鬼のように描かれている」 と怒ったらしいけど、そりゃアフガニスタンの人たちにとか、惨状を目の当たりにしたチャーリー・ウィルソンにしてみればそうだったんだろうなあ。そういう他人の目から見た自分たちが醜いと感じるのがイヤ、という気持ちはわかるのだけど、映画ってのは劇中のキャラの視点をを反映するものだから、しょうがないよね。「これは違う!」と思うのなら、自分たちも自分の視点や意見を、積極的に発表して行くしかないよね。 最後、ソビエトがアフガニスタンから撤退していくのをCNNで観ながらお祝いしているとき、ガストがチャーリーに言う中国の話。これ、他の映画でも聞いた気がするのだが、『How Harry Became a Tree』だったかな? 「中国のある村で馬を捕まえた男がいた(だったよな)。村人たちは『ラッキーね~』と言ったが、男は『さあ、どうなるかな』と言った。 数日後、男の息子がこの馬から落ちて足の骨を折った。村人たちは『お気の毒に』と言った。男は『さあ、どうですかね』と言った。 数日後、戦争が始まり、村の若者は徴兵されて行ったが、男の息子は足が骨折してたために戦争に行かないで済んだ・・・・」 というような内容で、要するに、アフガニスタンの人たちを助けようとしたことが結局はオサマ・ビン・ラディンのようなテロリストを生み出すことに繋がった、ということを示唆しているのだな。 特典のDVDを観ると、チャーリー・ウィルソンて人は、このままではテロリストがアフガニスタンを牛耳るようになってしまう、と実際に予想して、映画にあるように色々がんばったけど、結果は現在のイラク戦争をみればわかるよね。私はこういうのめっさ弱いので、なんでUSが恨まれるようになったのかが今一ピンと来ないんだけど。 これを観て思ったのは、第二次世界大戦のあとアメリカが日本に入ってきて、日本人を洗脳した、と『ゴーマニズム宣言』で読んで「なんかムカつく!」とか思ってたけど、アフガニスタンみたいに放って置かれて、 「アメリカ憎し」 で育たなくて良かったのかな、と思った。ほいほい洗脳された日本人てバカ、とか思ったけど、人を憎んで生きるんだったら、ボケーっとバカやってた方がいいかなと。もし、チャーリーがアフガニスタンに学校を建てるお金を調達できたら、きっとその学校では 「アメリカは、私たちを救ってくれたいい国なんですよ。この学校も、アメリカが建ててくれたのよ」 と親米的なことを教えないわけないんだし、それこそさっきの中国の逸話じゃないけど、これでアフガニスタンが親米になっていたら、またそれはそれで違う問題を生み出して行ったかもしれないしね。こういうどうにでも転んでしまう可能性があって非常に難しいから、私って政治関係のことうっちゃってるんでしょうが。 でもま、あれですよね。予想が付かないからこそ、今最善と思われることを精一杯やって行くしかない、ってことね。 Related Link ■アタシなんかよりずっと的を得ている極楽三十路生活賛歌 Evolutionさんのレヴュー key Word 映画 チャーリー・ウィルソンズ・ウォー マイク・ニコルズ トム・ハンクス ジュリア・ロバーツ フィリップ・シーモア・ホフマン エイミー・アダムス |
chuchuさん、
あの安ピンはインパクトありましたね~。 アレック・ボールドウィンって政界進出するって言ってたけど、本気なのかしらん・・・。 http://thinkingdays.blog42.fc2.com/blog-entry-467.html chuchuさん、こんにちわ&はじめまして!
コメントどうもありがとうございました(^ー^) 実話だけあって、興味深い内容の映画でしたね トム・ハンクスをはじめ、キャストの演技も良かったですし、テンポも良くて旨くまとまっていたと思います。 chuchuさんからのTBがどうやら届かなかったようなので、記事の中でリンクさせていただきました♪ どうぞよろしく!(^.^*) http://favoritemovie.blog81.fc2.com/blog-entry-286.html tessさん、
すいませ~ん、気ぃ遣ってもらっちゃって・・・。 こちらこそよろしく |
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