The Good German
1945年のベルリン。ジャーナリストのジェイク・ガイズマー(ジョージ・クルーニー)は、ポツダム会談を取材するためアメリカ軍の大佐の制服を支給され、ベルリンにやって来る。しかしジェイクの本当の目的は、昔ベルリンに住んでいた頃の愛人だったレナ(ケイト・ブランシェット)と再会することだ。ジェイクは自分の運転手として任命されたタリー(トビー・マグワイヤ)が今はレナを囲っていることを知り憤る。タリーの死体がポツダムのロシア領域で発見されるが、ポツダム会談に水を差したくないアメリカ軍は捜査しようとしない。タリー殺害の影にレナの死んだ夫が関わっていることを知ったジェイクだけが真相を知ろうとするが・・・。 映画は完全に白黒です。監督のソダーバーグは、ライティングやレコーディングをわざわざ昔の手法で行い、1945年当時の雰囲気を出そうとしたんだって。 一番の見所は、ドイツ人を演じるためにマレーネ・ディートリッヒとイングリッド・バーグマン(この人は実はスェディッシュですが、とIMDbに注意書きがありましたが)を研究したらしいケイト・ブランシェット。髪を黒く染め、ドイツなまりの重たい英語で「ヴォワット?(What?)」なんて言い、戦争で娼婦にまで身を落とし、ロシア兵にレイプされたりなどの人に言えない暗い過去を持つ敗戦国・ドイツの女になりきっています。 その他にも、バーテンダー役のトニー・カランとか、バーニー役のリーランド・オーサーとかいい味出していた。特にリーランド・オーサーって、『セブン』で刀の形をしたベルトをつけてセックスさせられた被害者の役がすっごい印象強く、今回のように重要な役柄で出ていてくれて嬉しい。トビー・マグワイアはジョージ・クルーニー、ケイト・ブランシェットと並んで一番にクレジットされているんだけど、すぐ死んじゃうし、そんなに重要な役とも思えないんだが、若い人を惹きつけるためかしら? ジョージ・クルーニーって白黒で見ると、案外古風な顔をしていて、この時代の役者さんみたいな雰囲気があるが、そういう風に見せられるくらいの演技力がある人なのかもしれない。ジェイクのズボンの裾が短くて、今の流行から見るとスゲーかっこ悪いのだけど、きっとこの頃のスタイルだからと敢えてそうしたんだろうなーと思った。 原題は『The Good German』、単数でしかも定冠詞付き(この場合、「German」は名詞扱いでいいんだよね?)。「あの、例の良きドイツ人」というのは、やはりレナのことを指しているのだろうか?最初これは、戦争という状況を生き残るために人間ていうのはいろんなことをするものなんですよ、という映画なのだと思っていた。タリーは、軍の供給品を横流ししたり、レナは売春したり、みんなサバイバルのためになんでもする。 近所のパティさんが半分ユダヤ人で、彼女がこの映画を観て、「ああいうことは、ナチの時代には良くあったんだよ」と言ったとき、ああ、私が得たメッセージは間違ってなかったけど、もっと具体的にナチのユダヤ人虐殺の話なのだな、と気がついた。なぜか私にはそれがたいしたことだと思えなかったんだけど、実際ユダヤ人の血を引いているパティさんには直に伝わったみたい。 Key Words 映画 さらば、ベルリン スティーヴン・ソダーバーグ ジョージ・クルーニー ケイト・ブランシェット トビー・マグワイア |
このコメントは管理人のみ閲覧できます
こうゆう映画はぜひ見ておきたいですね。
映画好きでもただただSF娯楽ものをたくさん見るだけではだめなのです。色付きの文字 chuchuさん、こんにちは。
この映画、日本ではほとんど話題になってないんですよ。 原題の『よきドイツ人』っていうのは、やっぱりレーナのことですよね? 題名に、深いテーマが隠されてると思いました。 でも話が分かり難かったよ・・・。 http://thinkingdays.blog42.fc2.com/blog-entry-310.html 真紅さん、
出演見ると、日本でも話題になってそうなんですけどね。まあ地味っちゃあ地味な映画ですが。私も2回くらい観てようやっと「なるほど」って感じでした。 |
|
トラックバックURL削除 |