Manic
学校で口論になった友達に頭を50針も縫わせる重症を負わせ、未成年者用の精神病院に送られるライル(ジョセフ・ゴードン-レヴィット)は、そこで同じような問題を抱えたティーン・エイジャーたちと出逢う。精神科医のDr.モンロー(ドン・チードル)は、グループ・セラピーを通してこの若者たちの心に訴え、自分の行動に責任を持つことの大切さを教えようとする。
ドン・チードルもかなりありがちな、子供たちにストレートに正直に体当たりして行くが、なかなか報われない悩める精神科医という役柄です。子供たちに投げかける言葉も陳腐で、「B-Boyであると言うのは馬鹿なこと言ってバギー・パンツをはくことなのか」とか、私が中学のときどうしても好きになれなかった、子供たちの目線で話していると勘違いしている先生を思い出してしまいました。 この精神科医が、子供たちのグループ・セラピーをリードしていくシーンが何度か出てくるんですが、子供たちの話を聞いていて「えー・・・同情しなくちゃだめですか?」と思った。いや、可哀想なんですよ、話自体は。親に「お前なんか生まなきゃ良かった」と言われたりとか。でも、映画がそれをことさら「親や社会のせいで病める子供たち」という風に描こうとするので、観ているとうんざりしてきます。 また、撮り方がちょっと『ブレア・ウィチ・プロジェクト」』のような、ハンディ・カメラで素人っぽく撮った映像で、いきなりアップになったり、わざとピントがずれていたりして、リアリズムを出したかったのだろうけど、却って「社会派気取りの表面的なインディ映画」という印象になってしまったと思います。 ストーリーらしいストーリーはなく、エンディングもあいまいな感じで、ただ精神病院に入っている子供たちの生態を描くという手法が、要するに問題意識はあるけれども明確なテーマはないというのを良く表していると思うし、だから観ていて他人事、ゆえにつまらない、というのが正直な感想です。 Key Words 映画 マニック ジョセフ・ゴードン-レヴィット ドン・チードル |
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