Something's Gotta Give
ジャック・ニコルソン演じる63歳のレコード会社社長のハリーは、20代のの女としか付き合わない、という結婚経験なしの、筋金入りプレイボーイで、新しい彼女のマリンに、週末を別荘で過ごそうと誘われてやってくるのですが、芝居の脚本家であるマリンの母親・エリカも、別荘で脚本書きの仕事をしようとやってきて、鉢合わせしてしまいます。自分の娘がこんなジジイと付き合っていると思うと、エリカは憤りを隠せないのですが、結局その夜は、エリカの妹のゾーイも交えて、みんなで一緒に夕飯を食べる。
ゾーイは「女が63歳で一度も結婚したことなかったら、オールド・ミスなんてバカにされる。ところが男のあなただと、哀れむどころか、独身万歳!みたいにこぞって賞賛する(これは、ハリーのことが「かっこいい独身男」みたいな内容で雑誌に掲載されたことに関して言っているんですけど)。さて、そこで私の姉だが、容姿端麗で、しかも最も成功した劇作家の一人でありながら、50歳過ぎでバツイチなので、毎晩一人きりで寂しい夜を過ごしている。こんなことは言いたくないけど、彼女と釣り合うくらいの歳の独身男たちはマリンのような若い女を選ぶのよ。で、蚊帳の外に置かれた50女は、自分磨きに精を出し、どんどん知的で興味深い人間になっていく。しかし男と言うものは-みんな知っている通り-知的で興味深い女を怖がるのよ。特に年齢のいった男は・・・。明らかに50女は最も不幸な層だと思わない?」 これでこの夕飯はぶち壊しになってしまうのですが、これを観ているお茶の間もいやーな空気が漂いますよねえ。これは大学でウーマン・スタディなんかしているゾーイが、感情的になって言ってるんじゃない、The Matter of fact(単なる事実として)ちょっとジョーク交じりに言ってるっていういう設定にはなってますが、要するに年齢を重ねた女性は知性的で非常に面白いのに、男はそれを愛でるだけの脳みそがないから、若い女のケツばっかり追っかけまわして、おまけに世間はそういう男を容認するどころか、かっこいいと褒め称えているってどうよ!と言ってるわけなんですね。 こういう映画をアメリカでは一般にChic Flickと呼んでいるんですが、これは映画に対する蔑称ですね、普通。「女が好きそうな映画」「女向けの映画」ってことで、男はすっごい観るの嫌がるのですが、何でかって言うと、Chic Flickってのは、上記のようなことを映画開始から30分でフランシス・マクドーマンドみたいな女優に言わせといて、あとで回収しないんですよね。つまり、年齢のいった女って、こんなに魅力的なのよ、それに気が付かない男の方が不幸でしょ?みたいな、最後に何らかの形で納得させてくれなかったら、「あーまた女どもがなんか文句言ってる」って思われちゃうわけですよ。 で、キアヌ・リーヴス演じる医者のジュリアンは、女性の知性を愛でることが出来る、非常に数少ない素晴らしい男として描かれているわけなんですね。彼は芝居が大好きで、エリカの脚本の大ファンで、「僕は君の知性を恐れたりしない」とか思いっきりセリフにも出てくるくらいなんですから。しかもエリカより20歳も若い36歳で、超イケメンで、しかもドクターですよ!本当は50女は、こういう男に愛されるべきだ、と言っているんでしょうか? でも、ジュリアンがエリカに魅かれる動機が今一はっきりしないんで、説得力ないんですよね。彼女の作品のファンだからって、恋に落ちると言うのは違うでしょ?唯一これかな、というシーンは、エリカが電話で友達と無邪気に話しているのをじっと見ているジュリアンが、「この人、可愛い人だな」という感じで 「フッ」 っと笑い、エリカをディナーに誘うんですね。その後、ジュリアンはディナーの席で、自分は同い年くらいの女に興味がないわけではないが、魅かれる相手がいない、エリカ、君はセクシーだ、とか言って、首筋にキスして、 「君がいい匂いがする、っていうのはわかっていたよ・・・・」 って言うんですけど、なんかコレを聞くと、ジュリアンは加齢臭とかが好きな「熟女好き」なんじゃないか?!と思えてくるんですね。 しかもエリカって人は、 「これは・・・・石鹸の匂いよ・・・」 なんて、すっごいベタな謙遜しか出てこなくって、「こいつ本当に知的なのかよ!?」と思えてくる。頭いいんだったら、ちょっと実生活でマネしたくなっちゃうよな、かっこいい切り返ししてくださいよ、って感じです。 で、ハリーの方も、エリカを好きになっちゃうんですけど、こっちも説得力ないんですね~。唯一考え付く理由は、心臓発作やって、ついにテメーもジジイだと認めざるを得なくなったハリーが気弱になっているところを、エリカがたまたま面倒見てあげたから、としか思えないんだよね。しばらく一緒に暮らさなければならなくなったのですから、一緒にいる内に情が沸くってことがある、というのは否定しませんが、そうなると、さっきのフランシス・マクドーマンドが投げた爆弾が不発に終わっちゃうんですね。だって、エリカが知的で面白い女だから魅かれたのじゃなくて、面倒見のいい女だからだったら、遊ぶ女は若い女、家で面倒見てくれるのは古女房みたいな、そういう意識から抜け出てないじゃないですか。 そいでエリカはどうかっていうと、ジュリアンよりハリーに魅かれてしまうのですが、これもまた説得力ないんですよね・・・。ハリーが心臓発作で養生するため、エリカの別荘に滞在し始めてから、散歩に誘ったり、同じ家にいるのにメイルのチャットしたりし始めて、ある日二人とも夜更かしなので、夜中にキッチンで落ち会ってパンケーキを作ることになったのですが、そん時突然エリカが 「私はどうしてこんなにもあなたに魅かれるのかしら」 みたいなことを言い出すのですが、私にとっては寝耳に水、ってか、そうなの?!って感じなんですよ。唯一考え付く理由は、もうずっと男と生活したことなかったから楽しくってハマっちゃった、としか思えないんですね。 邦題の『恋愛適齢期』っていうのは「恋愛に適齢期なんてないんだよ、エリカを見て!恋に落ちて泣いたり喚いたり傷ついたり、50過ぎたってこんなもんよ」という、明らかにエリカが主体のタイトルだと思うのですが、原題の『Something's Gotta Give』っていうのは、「(何か重要なもののために)手放さなくちゃいけないもの」というような意味なのですが、そうなると主人公はハリーなんですよね。 というのはですね、ハリーはエリカに恋するんですけど、独身のジゴロ的生活が捨てきれないんですね。セックスした後エリカが舞い上がって、来年の誕生日に一緒にパリに行こう、なんていうとしら~っとしてたりとか、「セックスは二人でするもんだけど、寝るのは一人でするもんだ」と、自室に帰っちゃってエリカをがっかりさせたりとか。こんときははなぜかすぐにエリカの寝室に戻ってきて、「一緒に眠ったらどんな感じか試してみたい」なんて言って一緒に寝るんですが、心臓発作の後遺症がどうやら落ち着いたらしく、シティに帰っていいとなるとすっごいあっさり帰っちゃって、電話の一つもよこさない。で、エリカがたまたまシティでハリーを見かけると、若い女と一緒にいる。口論になるとハリーは、 「私は今更、誰かのボーイフレンドになんかなれないよ」なんて言うわけなんですよ。 要するに、エリカはコミットメントして欲しいので、ハリーは独身貴族的な生活をあきらめなきゃならないのですが、全然そこに気がついてないんですね。 そんで、少女のように傷心になったエリカは、ジュリアンとくっついて、ハリーとの情事の一部始終を脚本に書き、芝居は大当たり、ジュリアンも「君が書いた中で最高の作品だ」と絶賛。で、誕生日にはジュリアンとパリに行くんですが、ハリーは、エリカを追っかけてパリに来る。 で、エリカはハリーを取るんですが、ハリーは独身貴族的生活はどーしたのよ、っていう、そこらへんの説明がないんですよ。エリカがここまでハートブレイクだとか散々大騒ぎしといて、ハリーが独身貴族生活をすっぱりあきらめて来た、っていうくだりがばっさり端折られちゃってると、納得行かないじゃないですか。 そんで最後は、マリンが生んだ赤ちゃんを抱き上げて孝行爺と婆になったハリーとエリカって、こんなベタなラストにするんだったら、フランシス・マクドーマンドに爆弾投げさせる必要がどこにあったんだよ!とツッコミたくなっちゃうんですが、まーこのベタな大団円を見ると、この爆弾は単なるスパイス、というか、なんたって「大人のラブ・コメ」ですから、少し箔をつけたかったってだけで、さして意味なんかなかったんでしょうねえ。 要するに、あんまり理由付けのないエピソードを繋げただけの捨て映画だったんですけど、わざわざ主人公を年配の男女に設定したり、フランシス・マクドーマンドに爆弾投げさせたり、高い金払ってジャック・ニコルソンなんて怪優を持ってきたり、それに、キアヌがなかなかチャーミングなんですよ。こんだけ正の要素が揃っているのに、勿体無いですよねえ。あとほんのちょっと脚本叩いてれば、『リトル・ミス・サンシャイン』みたいなちょっと面白い作品になったかも知れないのに。 key Word 映画 ナンシー・マイヤーズ ジャック・ニコルソン ダイアン・キートン キアヌ・リーヴス フランシス・マクドーマンド アマンダ・ピート |
The Matrix
いやー、この映画、むちゃむちゃ面白いね!なんたって構成がパーフェクトですよ。いきなりトリニティのアクション、続いてネオに謎のメッセージ、次にネオの会社、エージェントの尋問、暗ーいゴシックなビルでモーフィアスとの初会見、レッド・ピルとブルー・ピル、そしてつるつる・ぶよぶよのキアヌが、カプセルの中から起き上がってくるところ!!!わー!!!!この30分間、瞬きもしないで観てしまいましたわ。
「You're the savior. My own personal Jesus Christ」 とか、 「You need to unplug」 とか、始まって5分くらいですでに種明かししてるんだけど、まあこれはすでに物語を知っててみてなければスルーしちゃうような暗喩なんですが、ネオがカプセルから出されて、リカバーして、トレーニングを開始するところでタンクから、ザイアンという人間の都市の存在とか、仲間同士の会話の中でオラクルの存在とか、ちょっとづつだけど絶妙なタイミングで色々な情報が与えられ、飽きさせない。 で、この世界観がまた、非常に納得行くものなんだな~。製作者たちは、明らかにTVゲームや、SFや、アニメのヲタクなので、きっとこれはその道の人たちにしてみたらさして新鮮なコンセプトじゃないのかもな。私にとってはこの世紀末的イメージといい、それを支えるストーリー、機械が人間を支配し、人間は電池にされていると言う話、そして私たちが信じ込んでいる「リアル」ってのは実は、全てマトリックス、頭の中で起こっている、という設定は「おお~」って素直に感動しちゃうよ。 そしてそのディテールも良く練られているんだよな。電池にするために飼育されている人間たちは、死んだら液状にして、生きている人間に飼料として与えられる、っての。これは衝撃だった。だって、これって人間が牛にしていることじゃない。狂牛病ってのは、死んだ牛の血を子牛に飲ませて育てたからだって言われてるよね。これって、知っててそういう設定にしたんだろうか? それから、マトリックスで起こることは結局、頭の中で起こることだから、脳に直接情報を入れちゃえば、カンフー・マスターにもなることが出来ると。でも、そんだけだったら「なんだー、そんだったらなんでもできちゃうじゃん、都合いい」なんて思うのだけど、精神性がついて行かないことは出来ない、つまり、自分が「出来るんだ」と認識できないことは再現しない、というコンセプトがブリリアントだった。で、頭の中で起こっていることだけど、脳が信じちゃえば身体が反応して、血も出れば歯もかける。死ぬことだってあり得るのだ、という設定。これがなかったら、「どうせ死なないんじゃん」って、アクションシーンが全く緊迫感失っちゃうもんなあ。 あと、キャラが立ってますよねー。なんかウィキで読んだら、ネオの役にはウィル・スミスとかニコラス・ケイジとかが挙がってたんだって?いやー、キアヌ当たりだと思います。すごくいい男なのになんとなくヌボーっとした、シャープじゃないところとか、完全にカッコ良くないところが、「世界を救うコンピューター・ヲタク」というイメージにぴったり!ウィル・スミスはしたたか過ぎてイノセンスが足りないし、ニコケイは醜男過ぎ。 ローレンス・フィッシュボーンは私は悪い思い出があって、『ティナ』で演ったアイク・ターナーが、あの鋭い眼光で、いつも女房の才能に嫉妬して、腹が立つと女房を犯す、というロクでもない暴力夫で、それ以来この人怖くて怖くて仕方なかったんだけど、このモーフィアス役は、やっぱ眼光鋭くて怖いんだけど、悟りを開いた落ち着いた感じで、ちょっとローレンス・フィッシュボーンに対するイメージが和らいで来ました。でもこの設定って、ちょっと『ハートブルー』のボディ入ってるよね。あっちは結構都合のいい悟り開いてたけど、モーフィアスはマジに高尚だってとこが大きく違いますが。 タンクとオラクルも、俳優さんの雰囲気と、キャラがすごい合ってるんだよね。二人とも笑顔がすごいいい、なんかこんな世紀末の暗黒の時代に生きているのに、非常に無垢な笑顔。タンクはテキパキと働き者なところが好感持てるし、オラクルはすっごく悟ったおばさんなのだろうけど、タバコとか吸っちゃってちょっと下世話なところが、預言者のステレオタイプ的なイメージじゃなくていい。 サイファーも、要するにユダなんですが、私的には共感するキャラだったね。ステーキ食いながら、嘘でもステーキ食える方がいい、っていうのは、人間の業としてみんな持っているわけじゃない。そういう業を表現するキャラとして、非常に上手かったと思います。 で、やっぱ真打はトリニティなんだよね~。いい!クマ太郎さんをして「潤いのない鳥のささ身のような女」と形容されたキャリー・アン・モスなのですが、あの無機質な顔、髪型、衣装、どれを取ってもそのままTVゲームから抜け出してきたかのようなんだけど、結構人間臭い。冒頭、エージェントとおっかけっこするとき、最後、意を決して窓にダイブするじゃん。で、ごろごろ転がった後「チャっ」と二挺拳銃を構え、 「Trinity, get up... get up...」 ってちょっとビビってるとことか!あと、モーフィアスを助けに行くクライマックスのシーンで、ヘリコプターに歩いていく後姿を見ると、あんだけ痩せてて潤いがないとまで言われているのに、結構ケツぶりぶりで、しかもがに股ってのがなんか逆にカッコいいな、という。あれがシャーリーズ・セロンとか、アンジェリーナ・ジョリーみたいなすっげえスタイルいい人だと、却って面白くないかもしらん。 しかしあれですね、『ハートブルー』『スピード』そして『マトリックス』と続けて観ると、キアヌの相手役っていつも女らしくない女だね。キアヌが出たどーしょうもないラブコメとか観たらもちろん違うんだろうけど、この3部作は揃ってセクシーじゃない女だった。でも、昨日たまたま一緒に飲んだ同僚の男が、トリニティやタイラーのことを「セクシーだ」って言ったので、へー、男ってこういう女をセクシーと思うのか、とちょっとビックリしたんだけどね。 それから、アクション・シーンも、新鮮よね。モーフィアス対ネオのカンフー・バトル、あれはカンフーやってるヤツとか色々文句言うけど、私は面白かったな~。それはやっぱり、カンフーの技術がどうこうじゃなくて、あれがデジタルの世界で、頭の中でやっていること、というコンセプトを楽しむんだよ。それから、あのガン・ファイトのシーン。スローモーションとなくならない弾、銃をどんどん捨てて次のに持ち変えるカッコ良さ、そしてあのTVゲームの音楽!!!あの音楽が雰囲気にどんぴしゃハマっていてうまいよね。このシーンは、アクション映画史上に残って欲しいです。 で、最後にかかるレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの『Wake Up』・・・・かっこええ~!この曲もともと好きだったってのもあるけど、この映画の雰囲気にぴったり合ってるよね。で、なんかこの曲がかかるまでは、映画を映画として楽しんだ、ってだけなんだけど、「うぇ~いかーっぷ!うぇ~いかーっぷ!!」って叫ばれちゃうと、「はっ」っとする!この世界もマトリックスかもしれないってことはあり得るんじゃないか?!なんてね。 非常に哲学的であり、宗教的であり、漫画でTVゲームでSFで・・・・これだけ色々な要素を詰め込んでビシーっと纏めたというのはすごい! Related Articles ■キアヌ・リーヴスの出演作品一覧 ■ローレンス・フィッシュバーン映画偉人伝 key Word 映画 マトリックス キアヌ・リーヴス ローレンス・フィッシュバーン キャリー=アン・モス ヒューゴ・ウィーヴィング グロリア・フォスター ジョー・パントリアーノ マーカス・チョン |
Idiocracy
舞台は2505年のアメリカ。2005年に政府の人工冬眠実験に参加、1年で起こしてもらえるはずが、プロジェクト担当者が売春斡旋容疑で捕まったため忘れられてしまい、500年後のアメリカに目覚めてみると、そこはバカばっかりの国になっていた・・・・・
貧乏=バカ、って短絡的過ぎるんじゃないの?と最初は思ったんだけど、だって、金持ちの娘でちゃらちゃらしてどーしょもない女とか、この間の『イースタン・プロミス』のヤクザのバカ息子とかもいるわけじゃない。でもアメリカって実質階級社会だから、頭の良し悪し、というより、「教育を受けられるか否か」は、育ちにかかっちゃってるというのはあり得る。リテラシー・レベル90%以上と言われる日本の人たちには、この観念はわかり辛いかも。それとも昨今は、日本もアメリカの悪い影響を受けているのかしら。 最後のシーンで、2505年のアメリカの大統領になったジョーが "There was a time when reading wasn't just for fags. And neither was writing. People wrote books and movies. Movies with stories, that made you care about whose ass it was and why it was farting. And I believe that time can come again!" 「読み書きをするっていうことは女々しいことじゃない時代があった。人は本や映画を書いたんだ。ストーリーのある映画、誰のケツが、なぜ屁をこくかを考えさせる映画を。そして、その時代はもう一度来る、と私は確信する!」 という大演説をブツのを見て、「これってトレイ・パーカーとマット・ストーンじゃないか」と思った。『サウス・パーク』も、『☆チーム☆アメリカ』も、最後に「この物語の教訓」みたいのがあるじゃない?そしたらこれ、監督/脚本がビーバス&バッドヘッドのマイク・ジャッジだったよ。でもこの人たちって、共通してるよね。なんというか、人間てバカを笑う生き物なんだけど、この人たちは皆、バカを、見てて笑えないくらい辛辣に描く。「ここまでバカだと、笑えない」というレベルのバカなんだけど、でも良く考えると、実際いたりとかさ~。 この大統領の演説の中のケツ云々の下りは、2505年のアカデミー賞受賞映画が『Ass(ケツ)』というタイトルで、ケツのドアップが延々屁をこく、というものだったので、これからは少なくとも、誰のケツで、なぜ屁をこくかから始めようと言う、涙モンの演説なわけです。 それから「fag」というのを私は「女々しい」と訳しましたが、本当は「ホモ」って意味で、要するに日本では「男が女っぽい」っていうのはかっこ悪い、とされるが、アメリカでは「ホモっぽい」ということがカッコ悪いことなのだな。 この表現とか、人気番組がモンスター・トラックが戦うものとか、とにかくキンタマ蹴り上げる番組とか、バカっぽいものって男性的なものとして描かれているよね。女っぽいものでバカなもんてないんだろうか?テレフォン・ショッピングとか、整形とか。ああいうのはモンスター・トラック・バトルよりはちょっとは知的なのかな。 あと、人間のIQがどんどん下がってくる過程で、過去に存在した科学者たちが、それに対して何かできていたかもしれないのに、禿を直す発毛剤と、バイアグラの研究ばっかりに時間を費やしていた、という下りがあって、ボートックスとかやせ薬とかはどうなんだよ!と思った。良くも悪くも女性の存在を完璧に無視した映画ですなあ。まあ、バカを描く映画で無視されるってことは、女の方が知的だ、と思っていいのかもしれないが。 って色々考えてみると、この映画って色んな意味で差別的だなあ。まあ「Politically Correctness」から一番遠いところにある映画なので、そんなことを云々しても始まらないのですが。というか、きっと製作者が狙っているオーディエンスが、まさにケツが延々屁をこく映画を観て「面白い」と思う輩とか、モンスター・トラックやキンタマ蹴りの番組で盛り上がれる人たちに、それを見ている自分を客観的に見たらどんなにバカっぽいか、そして、読み書きできないお前みたいな人間ばっかになったら、世の中ファンクションして行かないんだよ、と言いたいのだろうけど、多分、当事者たちはこういうの見ても、自分たちのことだと思わないんだろうなあ。 key Word 映画 イディオクラシー ルーク・ウィルソン マヤ・ルドルフ ジャスティン・ロング |
Speed
この映画、長いね~!こんなに長い映画だとは記憶してませんでした。最初のエレベーターのエピソードなんて全く記憶になくて、エレベーターが降下していくところをバックに延々3分ものオープニング・ロールが続いている間、間違った映画借りてきたんじゃないかと不安になった。
可愛い!! あの頃は、キアヌが五部刈にするなんて!とか思ったけど、今見ると似合う!しかも『ハートブルー』のときより銃を撃つ姿もサマになっているし、熱血爆弾処理班・ジャック役はなかなかハマりですね。このエレベーター事件で人質を救出してメダルを貰い、それがTVで放映されて、毎朝行くコーヒー・ショップで会うバスの運転手さんに、 「昨日、TV見たよ!太ってみえたぜ!」 と冗談かまされて、「ははっ」っと笑うキアヌの演技がすっごい自然でいい。でもその後、バスに向かって「Have a good day」とかなんとか言うところはセリフ棒読みで、不思議なバランス悪さは健在でしたが。 でもなんといってもこの映画で一番いいのはサンドラ・ブロックなんだよ。この人が演じるアニーがバスに乗り遅れて、 「きゃー!待って!止まって!サーム!!」 と運転手の名前を叫びながら走ってるところ、最高!レーヨンみたいなヒラヒラしたスカートに、アンクル丈のブーツ、そこからちらっと覗かせたヨレヨレソックス。今観てもすっげえ可愛い。 で、運転手さんが止めてくれて、バスに乗って、「You're a good man!」って言うところとか、ホントこの人ってナチュラルな感じがいい!で、座席に座って前の人に「Hi」って言うときの顔! ちょおおおおお可愛い! 間違いなく、この映画がサンドラ・ブロックの一番旬じゃないかと思う。 しかしタイトルが『スピード』というのは、今考えるとヘン。バスに仕掛けられた爆弾が、時速50マイルを超えると作動し、その後は50マイル以下になったら爆発する、ゆえにずーっと50マイルで走ってなきゃいけないんだけど、50マイルって、速くないよ。遅くもないけど。まあ、曲がるときとかもスピード落とせないってのは辛いけどさ。特に大型バスだから、この速度で曲がったら倒れちゃうし。この場面のサンドラ・ブロックもいいんだよなー。ミニスカなのに、なかなか筋肉質な足丸出しで、ダッシュボードに踏ん張って、 「Here we gooooooo!!!!!!!!」 と叫びながらカーブを曲がる!この、「ひあ・うぃ・ごおおおおおおおおおお」って言うところすごい印象に残ってるもんなあ。 他の役者さんたちもこの頃の映画に良く出てた人たちで、印象深い人がいるんだよね。バス運転手のサムを演じてるハウソーン・ジェイムスっての?この人は『セブン』で図書館の警備員の役をやってた人で、セブン・デッドリー・シンのことを調べにきたサマセット(モーガン・フリーマン)との絡みで、あのものすごい印象的な『G線上のアリア』を流す役なんだよね。それから、スワット隊長のマクマホン役のジョー・モートンは、『ターミネーター2』でターミネーターを研究した科学者の役をやった人で、この人が一般人なのに瀕死の状態で爆弾のスイッチ持たされて、「だめだ、もう支えられない」と言って落っことしちゃうとこの演技がすごい印象に残ってる人。 で、あとは怒涛のアクション連発なのですが、それなりに必然性もあってやり過ぎ感もないし、ハラハラ・ドキドキしながら見れます。多少納得いかないところもあるんだけど(救出された後のアニーがすぐに病院に連れて行かれないで、ジャックが職務に戻っちゃった間救急車に残されたままなんてあり得ない、とか)、そういうの「どーでもいいです!」と思わせるパワーがある。 それに何度も言うようだけど、サンドラ・ブロックが良くて、このあり得ねーとことスレスレのアクション映画にリアリティを添えてくれてます。乗客の女の人が死んじゃったあと、鼻を真っ赤にしてぐずってる表情とか、最後に爆弾つけられて、そのスイッチを持たされてパニくって落としそうになるところとか、この人の天然な演技がすごく普通っぽくていいんだなア。 でさあ、最後、キアヌとサンドラ・ブロックがキスするシーンが意外にいいのよ!『ハートブルー』でも書いたけど、キアヌって本当に愛おしいって眼差しで相手のこと見るんだよね。当時はキアヌってなんてラブ・シーンに説得力ない俳優なんだ!と思っていたんだけど、今見るとなかなかいい。演技じゃなくて、地なのかもしれないけど、そうだったらもっと萌えるなあ! キアヌにはアクション・スターになって欲しくなかったのですが、良く考えると、シュワちゃんとか、スライとか、メルギブとかブルース・ウィリスとかとは一線を画しているよね。年齢が一回り若いってこともあるし、キアヌのジェネレーションの個性とか若さみたいなものを反映しててさ。やっぱこれと『ハートブルー』があったからこそ、『マトリックス』は存在し得たのだと思う。 Related Article ■キアヌ・リーヴスの出演作品一覧 key Word 映画 スピード ヤン・デ・ボン キアヌ・リーヴス デニス・ホッパー サンドラ・ブロック ジョー・モートン ジェフ・ダニエルズ |
Point Break
『ホット・ファズ』でさんざん取り上げられていて、「あーこの映画、大好きだったんだよな!」と借りてきました。当時、この映画を観たきっかけはもちろんキアヌ・リーヴスなんだけど、なんでこの人のことすっごい大好きだったのだろう?これ以前に出ていた映画は印象薄いし、「長髪にGパン」みたいなイメージ先行で好きだっただけかも。
しかし『ビル&テッド』で付いてしまったバカのイメージを払拭する映画を探していたキアヌにとっては、これは調度いいトランジションだったよね。確かにFBI捜査官ではあるけど、サーフィンしたり、普段着のシーンの方が多いので、子供から大人へのイメージの移行が自然に行われたような。この映画がなかったら、『スピード』も『マトリックス』もなかったんじゃないだろうか。 大体、キアヌが演技下手、っていうのは、『ビル&テッド』で付いたイメージなんじゃないかなあ。今回見たらそんな言うほど酷くなかったよ。ラブ・シーンもさ、今回良く観たら、本当に愛おしいという目で相手を見ていたりとかして、ちゃんと演技してるじゃん、と思ったし。ただこの人、キメのセリフが棒読みだったりとか、なんかバランス悪い人なのよ。あとさ、銃を撃つ姿があんまりカッコ良くないんだよねえ。走ると内股だし・・・。後、スカイ・ダイビングをしてすっごい感動しているところとか、はしゃぎ過ぎちゃってバカ丸出しとか。まー、そういうところが逆に、他の俳優さんたちと一線を画していて、個性的なんでしょうが。 で、対するパトリック・スウェイジなんですけど、この人もこれはハマり役だったんじゃないでしょうか。これ以外の役って、すっげーダサくない、この人?日本では、キアヌを前面に押し出してこの映画プロモしていたと思うんだけど、エンドロールのクレジットとか、実はパトリック・スウェイジが先なんだよね。経歴が古いから顔を立てたのかなと思ってたけど、知名度の問題かもしれない。 とにかく、この人が演じるボディと、キアヌが演じるジョニーが、全く同じ熱い性格でありながら一人はFBI捜査官として法に仕え、一人は法を破るビリー・ザ・キッドみたいな犯罪者として対決するという、監督が女性でありながら男性ホルモン大放出な映画なわけです。 で、紅一点、ヒロインのタイラーもタフでワイルドな女にしちゃったとことがまた女性監督らしいとこなんでしょうか?このタイラー役を演じるロリ・ペティに、当時は憧れたもんですよ。スポーツ・ギャルで、真っ黒のショートヘアに大きな青い目で、少年のように無駄な脂肪が全然無い身体。この後に出た、『プリティ・リーグ』のピッチャーの役もハマり役だったもんね。 でも、男の監督だったら、この人がヒロインって、どうなんだろう?タイラーが更衣室も使わず、自分の車の脇でタオル一丁でガンガン着替えてしまうところなんか、女の私から見ると「かっこいい!」と思っちゃうけど、男の観客は、「今の君はぴかぴかに光って~」みたいなムチムチの身体じゃないと、面白くないんじゃない?(このレフェレンスが古過ぎてわからない人は黙ってスルーしてください。コメに「レフェレンスが古過ぎます」とか書かなくていいです)このヒロインは、全く男に性的サービスしない上に、ボディたちの生き方をちょっと批判的な目で見ている姿勢とか、どちらかというと女が見てて共感するキャラなんですよね。 (一応ネタばれ注意報出しときます) だって、このボディって人、矛盾だらけなんだもん。この人をリーダーとしてサーフィン&銀行強盗をしているEx-Presidentsの男の子たち(グロメットというボンクラな名前の金髪が、太ったリバー・フェニックスみたいで可愛い)は、ボディを「悟りの開いた人」(「ボディ」はボディサッファ"菩薩"の略)と呼び、見上げて尊敬しているんだけど、男はそう感じるのかね?私にはアダルト・チルドレンにしか見えないのだが。楽しいことしかしたくない、でも真っ当な仕事するのはいやだし、真っ当な仕事では自分のしたいことをするだけの金は稼げない。一年中サーフィンをしたいから、カリフォルニアが冬になったら、暖かいところへ移動してサーフィンをする。スカイ・ダイビングもお金がかかる、パーティをしてたくさんの人を呼んで、 「俺のものはお前のもの。好きに使ってくれ」 なんてかっこいいことを言うには、金がなきゃできないし・・・・。悟りを開いた人がこんなにお金を使うのだろうか?! で、今まで滞りなかった銀行強盗がヤバくなってくると、Ex-Presidentsの子分たちがビビり出して、ジョニーを始末しようとか、逃げようとか言い出す。するとボディはこんなことを言うのです。 "This was never about the money, this was about us against the system. That system that kills the human spirit. We stand for something. We are here to show those guys that are inching their way on the freeways in their metal coffins that the human sprit is still alive." 「金のためにやってたんじゃないだろ?これは俺たちの、システムに対する挑戦なんだ。人間の精神を殺してしまうシステム。ハイ・ウェイで金属の棺桶に乗り、少しずつ死に掛けてる奴らに、ここに生きたヒューマン・スピリットがあるということを証明するためにやってるんだろ?」 とアジテイトすると、男の子たちは笑顔になって、エネルギー満載になってしまうのですが、おいおいおいおい!!!!金のためだろう、どう考えても!「俺は働くのキライだー。真っ当な仕事なんかくそくらえだ!俺は他人のものを奪ってでも、自分の好きに生きてやる!」と開き直るんだったらあっぱれなんですが、「システムに対する挑戦」とか「生きたヒューマン・スピリット」とか言うなよ! で、その後どうするかっていうと、ロージーという残虐な男にタイラーを誘拐させ、人質として取る。でボディは、「俺は暴力はキライだ。タイラーにナイフを突き立てることなんて、俺にはできない。だからロージーが必要なんだ。ロージーはそんなこと考えないでできるから」って言うんですけど、それって自分の手は汚さないで「暴力反対」って言ってる、最低の男なんじゃないかって気がするんだが・・・・・。 まーそんな感じで色々ツッコミどころはあるんですけど、なかなか面白い映画なんだよね。レッチリのアンソニー・キーディスが、ワルいサーファー役で出てて、ノン・クレジットにも関わらず、セリフも見せ場もあったりして。あと、赤のチェックの袖なしシャツにカーゴ・パンツという当時のサーファーの洋服着たトム・サイズモアが、潜入捜査しているDEA捜査官役で、この人もシリアルにビールかけて食べようとしたり、キアヌに怒鳴ったりという見せ場もあります。で、もちろん、FBIパートナー、アンジェロ・パパス役のゲイリー・ビューシイは、『リーサル・ウェポン』で、氷のように冷たい悪者、Mr.ジョシュアを演じた人なんですよ! PS そうそう、もう一点!1991年という、調度中途半端な時期に作られたせいか、音楽が良くねーんだよな、この映画!LAメタルは日和っちゃってるし、グランジ系はまだメインストリームと言われるほどではなかったせいかね?パーティ・シーンでかかる湿ったメタル・バラードとか、エンドロールなんて、ラットだぜ!ラット! key Word 映画 ハート・ブルー キアヌ・リーヴス パトリック・スウェイジ ロリ・ペティ ゲイリー・ビューシイ トム・サイズモア |
Hot Fuzz
この邦題・・・・いい加減「俺たちなんちゃら」っての止めて欲しいな~と思うのですが。『Hot Fuzz』って言うくらいだから、「熱血」とかそういう言葉を使って欲しかったなあ。『熱血ポリス!ホット・ファズ』とかさ!
私はさすがに全部は観れなくて、だって時々一時停止にしないと読み切らないくらい、画面いっぱいに説明がついてたりするんだもん。でも、2/3くらいは観たんですけど、やはりアクション映画ヲタではないので余りわかるところはなかった。 しかし、これは他のアクション映画に対するレフェレンスだけでなく、このセリフはラスト・シーンの伏線だとか、スタンフォードの町の看板にあるスローガンは何々を示唆しているとかそういう説明もあって、良く、映画って実は登場人物の名前一つ一つに至るまで意味があるんだよといいますが、それがしみじみわかったりして面白かったです。 さらに、この映画を作るにあたって本物の警察官たちにインタヴューしたらしいのですが、そのインタヴューで学んだことを反映したシーンの解説が面白いんですね。 まず、この映画には事件が起こった後のペーパーワークをするシーンが随所に出てくるのですが、これは本物の警官たちが 「刑事モンの映画は、あれだけ人が死んだり物がぶっ壊れたりしたら、どれだけ報告書を書かされるか、その辺に言及しているものが一つもない」 と言ったことから挿入したシーンなのだそうなのですが、それがこの、ニコラス・エンジェルという警察官の杓子定規で大真面目な性格を強調していて、効果的でした。 それから、白鳥が脱走したという電話通報を受けるが、通報してきた民間人の名前がP.I. Stakerで「piss taker(おしっこを受ける人、要するにこれをくらえ、みたいな意)」と聞こえることからイタズラ電話だと判断、相手にしなかったら本当で大恥かいたとか、地元の人の訛りがわからなくて地元の警官に通訳してもらったとか、こういうエピソードは警官たちが語った実話が元だそうです。あと、ダニーが酔っ払い運転でニコラスに捕まった罰でみんなにチョコレート・ケーキを買ったというのも、警官がペーパーワークを間違えたときに本当にケーキやアイス・クリームを罰として買わされる、という話が元だとか。 あ、あと、最後みんなが報告書を書いているときに、一人残った悪の残党がライフルを持って現れると、 「忘れられたキャラが出てきて、またひと悶着起こす、というのは、アクション系TVゲームに見られる、"隠された最終ステージ"を意味している」 とか、この人たち映画だけじゃなくて、アクションもののTVゲームまで好きなんだ!とほとんどあきれ返ってしまいます。 この製作者のアクション映画ヲタ振りは、ダニーという田舎の警察官に反映されていて、『Point Break(邦題:ハートブルー)』とか観ながら本物の拳銃振り回して興奮しているところとか笑う。またコイツがデブでのろそうなところが、さもありなんって感じでいい。 主役のニコラス・エンジェルも、見た目からしてモロ真面目そうな、堅そうな人で、しかも小柄で、アクション・ヒーローっぽくないところがパロディの王道って感じでいいですね。最後、完全武装して、楊枝をくわえて、馬でパカパカやってくるとこなんか超可笑しい。 しかも、デブでのろまのダニーがレイバンかけて、ニコラスを助けようとすると、銃を投げて渡すニコラスが 「That's what I'm talking about」 なんて言うと、なんか今までと違って声が低くなってて妙にカッコ良かったり、レイバンかけたダニーが 「Fuck yeah!」 なんて言うと、案外サマになっていたり、最後のアクション・シーンなんてワクワクしますよ。パロディでありながら、こういう人たちがカッコいいという「敗者復活戦」的なところがなかなか感動的なんだけど、冒頭で通報されて置きながら、全く捕獲できなかった白鳥がカーチェィスの真っ最中に現れて、それを保護したりとか、がんがん盛り上げておきながらまた落とす、というタイミングの良さとかに、製作者のセンスが感じられます。 で、最後に、夢を叶えてキアヌ・リーブスしちゃうダニーを見てやっぱり笑ってしまう。で、このシーンに関しては、ちゃんと中盤で本物のキアヌの場面を観客に見せて置いて、記憶があるヲタじゃなくても笑えるようにしてあるところとか、結構細かいのよね。そういうところが、ただドタバタやって笑わしときゃいいや、というようなコメディとは一線を画しています。 PS 今日、何気にYahoo Japanの映画ニュースをみていたら、お亡くなりになった水野晴郎さんが最後に観た映画がコレだったそうで、爆笑してしまいました。さすが偉大な映画評論家だけあって、「面白い編集をするね」と言って、絶賛されていたそうです。ご冥福をお祈りします。 key Word 映画 ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン! エドガー・ライト サイモン・ペッグ ニック・フロスト ビル・ナイ |
Eastern Promises
『ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス』でマジおしっこちびったので、同じクローネンバーグ/ヴィゴ・モーテンセンのコンビのこの映画、どんなヴァイオレンスが出てくるのだろうと覚悟していたのですが、意外にグロいシーンがなくて、拍子抜けしました。
刺客は不気味な三日月形のナイフで襲ってきて、刺青ビシバシのヴィゴ兄貴の身体に切りつけたりする!ああ!やめて!兄貴!と顔で手を覆うが おお!兄貴のタオルが落ちた! いや、でもきっと、上手いこと見えないように撮影してあるに違いない。まさかモロフルってこともないだろう。ああ!怖い!ナイフでぐさっと!目を覆わなきゃ、と思った瞬間、ヴィゴ兄貴のフルチン・サイドキック!!!!! 丸見えだ!! ここからは、どんなに怖くても兄貴の股間凝視。おかげでこのヴァイオレンス・シーンは堪能させていただきました。兄貴ってば、私のようなヴァイオレンス苦手な女性にこのシーンを見てもらうために身体を張ったのでしょうか?それなら大成功でしたぜ、兄貴! このヴィゴ兄貴演じるニコライは、ロンドンを席巻するロシアン・マフィアの大ボス、セミョンの息子、キリルのお守りをやらされているのですが、ロシアからの移民として生きていくのは楽ではないと、なんでもやって生き残ってきたようなタイプの男で、大分年下で知能レベルもめちゃくちゃ低そうなキリルに偉そうな態度を取られても、親分のセミョンに忠実に、しかし媚びたりせずにじっと耐え、ちょっと高倉健のような寡黙なヤクザであります。ロシア訛りのつたない英語も迫力があり、ちょっとオールバックが滑稽な感じがしましたが(顔が寸詰まりに見える)、やっぱ、兄貴は渋いです。 しかし、私がこの映画で一番おもろいキャラだなあ、と思ったのはバカ息子のキリルなんですが、このキャラのことを書くのにネタバレなしでは書けないので、以下ご注意を。 キリルは、「俺のことをアル中のホモと呼びやがった」という瑣末な理由で手を出しちゃマズイような同じマフィアの人を殺したり、売春宿でニコライにセックスを強要してそれを鑑賞したり、素行が悪くてやりたい放題で、親父が大物なために甘やかされて育ったどーしょもないバカ息子です。 しかし、ゆえにセミョンの、筋モンの人ってのは地位が上がってくると人間できてきて、素人さんには優しいし、結構穏やかないいおじさんだってのが強調されて行くわけなんですね。だから、バカ息子のキリルのことを心配する気持ちもわかる。 さらに、ロシアン・マフィアがヘロイン付けにして売春させていた14歳の処女をレイプして妊娠させたのは、バカ息子のキリルに違いない、とか思うじゃん。すると、お守りであるニコライがそれを処理するのに、事実を知った助産婦のアンナ(ナオミ・ワッツ)を殺したりするのか、ニコライは堅気の人を殺せるくらい冷酷になるのか、というように、ストーリーのバックグラウンドってか他のキャラの印象が、キリルによってものすごい際立ってくるわけなのですよ。 (この辺から段々マジにネタバレ) ところが、事実がどんどん明らかになっていくと、今までいい親父だと思っていたセミョンがこの女の子を犯した、ということがわかってくる。しかも、そのシーンの描写というのが、キリルが女の子を殴って、レイプしようとしたが出来ず、出来ないのでイライラしてもっと殴った。そこへ親父が現れて、自分で女の子を犯し、キリルを罵倒したと。 しかしセミョンはそれを、周りの印象どおりにバカ息子がやったことにし、ニコライを使って証拠を隠滅する。この辺から、今までのストーリー展開とちょっと趣きが変わってくる。 ここまでの展開がブリリアントなのだけど、もっと上手い!と思ったのがラストに近いシーン。スコットランド・ヤードがセミョンをレイプで挙げるため、赤ちゃんとセミヨンのDNAを比較しようと、セミョンの血を採りにくる。で、これで証明されたら捕まってしまうから、キリルに赤ん坊を殺せと命令したらしく、キリルは、赤ちゃんを病院から誘拐し、いつも死体を流すテーム川のほとりに連れて行く。 が、キリルは赤ちゃんを殺せないんだよ! 「パパ、パパ、殺せないよ、まだこんな小さなバブシュカじゃないか!わーん、わーん」 と泣き出してしまう。ここで始めて、 「キリルって、本当にホモだったんだ!」 と気が付くわけなんですね。要するに、「アル中のホモ」と呼ばれただけで人殺したり、ニコライがセックスしているところをじーっと見たり、女の子をレイプできなくて殴ったりしていたのは、コイツが残虐だからじゃなくて、逆に繊細で、また自分が同性愛者であることを恥じていたために出た行動なのよ。 考えてみれば、床屋の殺人も人を雇っているし、死体の処理をしたのはニコライで、自分では出来ないのだろうな。しかも、父親のセミョンはそんな繊細な息子を恥じていて、それを知っているがためにキリルは尊大な態度を取っていたのだな、とか思うと、いままでの印象がガラッと変わって、セミョンはいい親父どころかかなり男根主義の、やっぱりマフィアの大ボスなんだ!とひしひしと感じてくるわけです。 それに、キリルはニコライが高倉健のような「男の中の男」なのが羨ましかったんだろうなあと思われる。しかも、キリルはもしかしたらニコライに恋していたのかもしれないんだよね。ニコライが昇進することになったと告げたときのキリルの態度が変で、最初は、嫉みなのかなと思ったけど、ネタが割れてから考えてみると、ああ、ニコライに惚れていたのか、と思う。 とにかく、キリルって、ヤクザの親分の甘やかされた息子、という結構月並みなキャラであるにも関わらず、すごく複雑なキャラに仕上げているし、またそれがあるからこのストーリーが面白いという、映画的に素晴らしいキャラだと思いましたね。 まだ最後の大オチはネタバレしていないのですが、それは映画を観てください。 key Word 映画 イースタン・プロミス デヴィッド・クローネンバーグ ヴィゴ・モーテンセン ナオミ・ワッツ ヴァンサン・カッセル アーミン・ミューラー=スタール |
The Squid and the Whale
もーこの親父、最悪。こういう人と結婚したり、こういう人が親だったら、本当、最悪なのだが、これがまさにその最悪の状況に置かれた人たちの話です。
「僕とママ、君とパパ、の対決」 と流れ、テニス・コートではこっちにママ(ジョアン)とフランク、あっちにパパ(バーナード)とウォルトがいる。 全くこの父親のバーナードは、家族でやっているテニスなのに、闘争心むき出し。自分と組んでいる長男に 「母親のバック・ハンドを狙え」 なんて指示したり、次男のサーブがアウトだと言い張ったり、挙句はテメーで母親狙って思いっきり球打って、怒らせたり。 次のシーン、子供たちの会話で、実はジョアンもバーナードも作家なんだけど、ジョアンの方は段々売れてきているのに、バーナードは全く売れず、大学の教授(講師かもしれない)でなんとか食いつないでいるらしい。長男のウォルトが 「ママは本物の作家じゃない。パパは本物だ。ママは、パパに感化されるまで、書いたことなかったんだから」 なんて言っているのを聞くと、バーナードがしょっちゅうそう言っているのだな、なんてことがわかる。 弟のフランクはママ派なんだけど、それだけでなく、この子は余り物事に先入観がないらしく、「ママの方が優れた作家なのかもしれない」とか、父親がバカにする、芸術に興味のない体育会系の人たちでも、面白い人はいる、と思ったりする。 ママは、ローラ・リニーが演っているんですが、かなり共感するキャラですね。設定が1986年なので、丁度ヒッピー文化の真っ只中に青春期を迎えたのだと思うのですが、かなり性的に開放されているようで、子供にもその手の話はガンガンしちゃったり。しかし彼女が浮気していたのは、フリー・セックスを信奉しているからではなく、バーナードが自分の才能を認めてくれないばかりか、売れないことで卑屈になっていることに耐えられなかったからだと思います。 結局この二人は離婚することになるのですが、面白いのは、ジョアンは浮気したことをバーナードに隠そうともしなかったらしい。というか、わざと知らしめるように、手紙や映画の半券を見えるところに置いといたりした、という口論があるのですが、これってなんなんだろう、と思ったら、復讐なんですね。ジョアンはバーナードが作家としてのライバル心むき出しにしてくることが嫌いだったと思うのだけど、だからさっさと別れよう、というんじゃなくて、浮気して苦しめる。 バーナードの方は、すっごい離婚したくないみたいなんだけど、これってさー、この人、人のこと批判したり見下したりするけど、自分はこの家族を失ったら何もない、ってことがわかっているからなんだよね。もう別居し始めてからまたジョアンのところに来て 「家事をやったり、ご飯作ったり、なるべく一緒に過ごすように努力したけど、それじゃだめなのか?」 と言うとジョアンは、 「あなたがいつご飯を作ったの?」と言う。するとバーナードが、 「君が具合悪かったとき」と言うとジョアンが 「あれは私が作ってと懇願したから、やっと作ったんでしょ?」と言う。するとバーナードが、 「・・・・じゃあもっとご飯を作ったら、別れないで済むのか?」と言うするとジョアンは・・・・・ 笑い始めてしまうのだ!! この気持ち、良くわかるな~!問題はそんなことじゃないのに、全く気がついてないんだよ、この男は。でもこれってさ、無意識に気がつくのを避けているんだよね、きっと。バーナードは、ジョアンに対する嫉妬や、卑屈になっていることを乗り越えるためには、自分はジョアンより才能なかったんだ、と認めることしかないわけよ。でもこれを認めるということは、自分の人格の崩壊になってしまうわけなんですね。だから自己防衛機能として、認められない。けど、何かしないとこの結婚を救えないので、それ以外のことで埋め合わせしようとする。でもジョアンにとって許せないのはこの一点なので、そこじゃなきゃダメなんだ。あーなんとも難しい。 弟のフランクは、完全に父親の子供依存の犠牲になってますね。アメリカでは離婚のとき、Joint Custodyといって、子供は母親と父親の家を行ったりきたりして、離婚しても2人で平等に面倒みるようにすることができる。私の友達もコレで、娘が週末は彼女と一緒、平日は別れた夫といる。バーナードは、火・水・土は自分で、木曜日は隔週で自分、とか移動する子供たちの苦労は考えず自分に都合にいい決まりを作って、子供が変更したいというと絶対ダメ、という。そのくせ、自分は子供が来ている日にウォルトだけと映画に行っちゃったり、週末に旅行に行っちゃったりしてフランクを置いてけぼりにする。で、フランクはママのところに行くんだけど、ママは、今日は子供といる日じゃないから、恋人といる。 それで、酒飲み始め、学校でオナニーして、精子を図書館の本に擦り付けたりという行動に出る。こういうことする子って、自分の居場所がどこなのかわからなくて、孤独なのだろうな。12歳だから、丁度、性的に目覚めちゃうのと、誰かに自分の寂しさに気づいて欲しい、という気持ちが合体して、こういう行動になってしまうんだろうなあ。でも、こんなことしていても、この子は最初のように、余り物事に先入観もなく、洞察も深く、素直でいい子なのよ。ちなみにこの役を演ってるオーエン・クラインって子は、かのケヴィン・クラインとフィービー・ケイツの息子で、すっごいこの役上手いです。なお、ケヴィン・クラインとフィービー・ケイツは、私の大好きな『殺したいほどアイラブユー』で共演しています。 この物語は、脚本・監督のノア・バームバックのほとんど自叙伝らしい。冒頭のナレーションのせいで、フランクが本人なのかと思っていたら、実は長男の方が本人らしい。この長男は父親そっくりで、父親の言うことならなんでも聞いて、お母さんに辛くあたり、父親似だから屁理屈で尊大で偏見強くて、その割りに才能なくて、超ムカつくガキなんだけど、コイツはPink Floydの『Hey, You』を自分で書いた曲としてTalent Show(学校の文化祭みたいなもの?)で演奏し、加えて宿題もほとんどやっていないことから両親が先生に呼び出され、結局、精神科医のセラピーを受けることになる。 で、最初はもちろん小憎らしいこと言って抵抗するのだが、この子は自分が思っているほど頭良くないので、すぐ色々話始めてしまう。ここで、タイトルにもなっているイカとクジラの話が出てくる。ミュージアムにあった、巨大なイカとクジラの展示。小さいとき、怖くて見れなかったが、うちに帰ってから母親がその展示物の描写をすると、それは怖くなかった。あの頃、母親とは友達みたいだった。あの頃、弟が生まれる前・・・・・ これを聞いて、そうかー、と思った。本当はお母さんが大好きだったんだけど、弟に取られたような気がして、それでお父さん側に着き、愛情を得るためにお父さんの気に入るような子供になった。お父さんは自分に自信がなくて依存心が強いから、この愛情に飢えたウォルトを完全に自分の手下に置こうと、色んな心理的プレッシャーを与えて操った。そう考えると、ただ表面だけ見て「この子キライ」と言えなくなってしまう。この、「やなガキ!」と感じさせて置いてから「この子悪い子じゃないんだ!」と思わせる辺りの流れが、映画的にすっごい上手い。 しかもウォルトは、この一連の離婚騒動を通して、成長するのだ。父親に、もうしばらく父親の家には行かないと言う。バーナードは、いつもの「That hurts my feeling(そんなこと言われると傷付く)」とか「Don't be difficult(難しいこと言うなよ)」とか言って、ウォルトの罪の意識に訴えようとするのだけど、今はウォルトは、こんな父親の本性が見えてしまい、可哀想に思って泣いてしまうのだが、うんとは言えないんですね。そして、ミュージアムに行って、例のイカとクジラの展示を見るところで映画は唐突に終わるのだけど、これはウォルトが、現実に立ち向かう、自分の抱いていた恐怖に立ち向かう準備ができた、ってことを示唆しているのだと思う。 ウォルトはそんな風に出来たんだけど、父親であるバーナードは、ずーっとできなかったんだよなあ。こういうところが、人間って年齢だけで判断しちゃいけない、ってところなのよね。大人うんぬんというより、人間の度量と言うかさ。そういう目で見れば、一番大きいのはフランクだよね。バーナードは度量が小さ過ぎる。 淡々としているんですが、こういう洞察に溢れていて、しかも私のようなアホでもわかる描写、でもタイミングが絶妙なので、押し付けがましくない、しかしインパクトの強いキャラの性格描写のある映画です。特に離婚そのものや、それが子供に与える影響をリアルに描写している。離婚が子供に悪い影響を与える、とか、親の子供への接し方がトラウマになる、とか言われますが、確かにその通りなんだけど、多かれ少なかれ、こういう体験がない人はいないわけで、しかも子供はこういう経験を通して成長できるのだなと思った。私も両親離婚して、トラウマも色々あるので、なんか勇気づけられたわ。 DVD特典のインタヴューでローラ・リニーが 「離婚したからと言って、悪い結婚だったとは限らない」 と言ってたけど、その通りだなと思った。 key Word 映画 イカとクジラ ノア・バームバック ジェフ・ダニエルズ ローラ・リニー ジェシー・アイゼンバーグ オーウェン・クライン ウィリアム・ボールドウィン アンナ・パキン |
Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull
ケイト・ブランシェットが一体どんな役を演ってんだろ、という興味だけで観に行ったのですが、彼女は泣く子も黙るKGBの、氷のように無表情な女科学者役で、ロシア訛りの英語、表情、動作、髪型、と完全になりきってたんだけど・・・。
それに引き換えシャイア君の冴えないこと。でもねえ、これは本人のせいじゃないよ。まず、この子、不良の役は似合わない。リーゼントにバイクってのが、全然カッコ良くない。つんつるてんのジーンズ履いて・・・。それにさあ、若い俳優さんを持ってきたのは、ハリソン・フォードの肉体的衰退をカバーして、アクション担当してもらうためだと思ってたのに、活躍する場面がほとんどないんだもん。。唯一の見せ場が、ターザンみたいにサルと木のつるべを渡っていくところだもんなあ。今時あんなダサいシーン、ディズニーでもないよ・・・。ケイト・ブランシェットとの剣の一騎打ちもあるじゃん、って言うかもしれないけど、あれはケイト・ブランシェットの方がカッコ良かったし。 いやもー、ホントに、ハリソン・フォードが痛々しかった。だって『最後の聖戦』のショーン・コネリーを彷彿とさせる老け具合なのに、高いところから落っこちたり、床に投げつけられたりすると「大丈夫かな~」と思っちゃう。この人、インディアナ・ジョーンズ3部作の頃って、マジちょおおおおおおカッコ良かったじゃん。あの「ニヤリ」と笑う、悪そ~な顔!!!それがさー、なんか冴えなくなりましたよ。老けたというだけじゃない、エネルギーというか、はじけるモンがなくなっちゃった。バカ度?!若さを失う代わりに老練さを身に着けた、てんじゃなくて、普通のおっさんになってしまったな、という。 それに、それにぃぃぃぃ~!!!!あの『失われたアーク』でヒロインだったマリオンがぁぁぁ~~~!!!!この人すっごい可愛らしくて大好きだったのにぃぃぃぃ~~~!!! 四角くなっちゃったよ! 全く、この映画はどこまでもどこまでも「歳は取りたくない」と思わせる映画でしたね。四角くなったマリオンを見ながら、 「アレがコレになっちゃうんだったら、私は一体ナニになるのだろう?」 という、恐ろしい考えが頭の中をぐるぐる回ってました。この人も、老けただけならまだしも、いかにも現役遠のいていたところを引っ張り出されてきましたって感じの演技で、マジ超ガッカリさせられました。 単に役者たちが老けた、と言うならまだしも、コンセプト自体が古臭く感じて、そこがまたショックでした。昔の3部作はあんなにウキウキしながら観てたけど、 「もしかして、今観たら意外に面白くなかったりして?!」 と一抹の不安にかられました。このシリーズの十八番である、寂れた洞窟とか、暗号とかで開く秘密の塔とか満載なんですけど、ディズニーランドみたいなの。満載っていうより、食傷気味。カーチェイスも、アクションも、豪華なセットや特撮も、必然性が余りないのにガンガン出てくる。 映画好きの友達に、インディ・ジョーンズの新作良くなかったって言ったら、そりゃ、あの伝説の3部作は越えられないよ、って言ってたけど、もうそういう次元のダメさじゃないんだよ。これを撮る事で、何をしたかったのかさっぱりわからない。ノスタルジアに浸れるほどの3部作オマージュも感じられないし、かといって、斬新な切り口でもないしさー。大体、エイリアン・コンセプトって今時古いよなー。タイトルになってる「クリスタル・スカル」は、プラスチックみたいだし。エンディングなんか超バカバカしかったなー。 なんかねー、昔と違って、イマジネーションが貧弱なんだよね。まず素晴らしいイマジネーションが存在して、それを再現するのに多額のお金をかけてセットを作るべきなのだけど、そのイマジネーションが錆び付いてるんだよね。新たに創作したいものが存在しないのに、なんで新作なんか撮ったのだろう? これに比べたら、『ダイハード4.0』の方が全然いい。マクレーンは昔どおりの分からず屋で、80年代のメンタリティ丸出しで今時の若者と接していたり、「ばかやろー、歳とったからってなめんじゃねえ」って開き直って、ノスタルジー全開で。だから逆に、若いサイドキックとほのかな友情が芽生えるところなんかも自然だったりして、それなりのクオリティが楽しめる映画だった。ジャスティン・ロングはハマり役だったし。 これネタバレになっちゃうのかな。ウィキでも大々的に書いてあったから、もうみんな知ってるのかも知れないけど、(この先は注意して進むべし) シャイア君が演じるマットは、ジョーンズ博士とマリオンの子だっていうことを劇中でインディが知らされるわけよ。するとインディは、さほど驚いた様子もなく 「Son, son (息子よ)」 て呼び始めるわけよ。それも不自然だなと思ったんだけど、マットが 「俺はあんたの息子じゃねえ」 って、不良が似合わない上に、ものすごベタな切り返しなんかして、見てる方はシラ~っとしてしまうのよ。で、それが大冒険が終わった後、マットが、 「これからは、なんちゃらなんちゃらだよな、オヤジ!」 と、太陽をバックにインディのことを父親と認める、という。なんかもう、目が点。しかも、焼けぼっくいに火がついたインディとマリオンは結婚しちゃうしさ。いや、いいよ、それでも。でもそこに持って行くまでの成り行きがおざなりなんだもん。 まだまだ突っ込みどころいっぱいあるんだけど、もういいや。 key Word 映画 インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 スティーヴン・スピルバーグ ハリソン・フォード シャイア・ラブーフ ケイト・ブランシェット |
Chu's Favorite Movie Personage No.55: Also, who is this guy?!
■1982年4月15日、カナダのヴァンクーヴァー生まれ。 ■16歳のとき、ヴァンクーヴアー・アマチュア・コメディ・コンテストで二位になり、その後LAに引越して、本格的な芸能活動を始める。 ■十代の頃、ジャド・アパトーのTVシリーズ2本に参加。2本目ではライターも始める。 ■サシャ・バロン・コーエンとは幼なじみで、コーエンのTVシリーズのライターをしていたこともあった。『ボラット』にもクレジットなしで少し書いている。 ■TVドラマの雇われライターをしていたとき、ジャド・アパトーに映画に転向しないかと誘われ、アパトーの監督デヴュー作『40歳の童貞』に出演。反響が良かったため配給元のユニバーサル・ピクチャーが、アパトー監督の2作目『Knocked Up』に主演することを承諾する。 ■ジャド・アパトーと主演映画のコンセプトを練っているとき、サイファイ映画にしようとたくさんアイデアをだしたが、アパトー監督に「君は現実的な話の方が似合う」とあっさり却下され、結局、できちゃった婚テーマに落ち着き、『Knocked Up』となった。 ■ローゲンはアドリブのしゃべりが売りなので、アパトー監督はシーンを撮影し終わっても、面白いアドリブをキャッチするためにフィルムをまわし続け、『40歳の童貞』と『Knocked Up』は両方ともフィルムが1ミリオンフィートを超えた。これはコメディ映画では異例のこと。 ■『スーパーバッド』は、ローゲンと共同ライター、エヴァン・ゴールドバーグのフレンド・シップを描いた半自叙伝。 ■「『90210』と『スーパーバッド』が同じカテゴリーに分類されているって言うのはショックだったね。映画と同じくらい、TVショウにも、リアリティを全く無視した物がたくさんあるんだけど、『90210』を観て共感するところなんて、一つもないね。まるで違う惑星の話だよ、あれは。」 ■「うちの母親はソーシャル・ワーカーだし、父親は不営利団体の職員なんだけど、過激な人たちだよ、アメリカのスタンダードで測れば。ここには存在すらしない社会主義を信奉しているから、俺にとっては共産社会ってのはそんなヒドイ世界じゃないよ。」 ■「アダム・サンドラーのCDを初めて聴いたとき、こんな面白いものは他にないと思った。今でもそう思ってる。」 ■「ジャド・アパトーには感謝しきれないよ。彼のおかげでヤク中のホームレスになるところを免れたんだから。」
■チュチュノート■ やっぱり『スーパーバッド』は自叙伝だったんだ!あの映画のレヴューで、最後に別々の道を行く2人、と書いたけど、エヴァン・ゴールドバーグとは未だに友情を持ち続け、共同ライターでさえあるという、なんとも微笑ましい話です。ボラットの人ともお友達だったのね。 出演作品 ■The Green Hornet (2010) (pre-production) .... Britt Reid ■Funny People (2009) (post-production) .... Ira Wright ■Monsters vs. Aliens (2009) (VG) (post-production) (voice) .... B.O.B. ■Monsters vs. Aliens (2009) (post-production) (voice) .... B.O.B. ■Observe and Report (2009) (completed) .... Ronnie Barnhardt ■Zack and Miri Make a Porno(2008) .... Zack Brown ■スモーキング・ハイ (2008) .... Dale Denton ■Fanboys (2008) ■Step Brothers (2008) .... Sporting Goods Manager ■Kung Fu Panda (2008) (voice) .... Mantis ■Horton Hears a Who! (2008) (voice) .... Morton ■The Spiderwick Chronicles (2008) (voice) .... Hogsqueal ■スーパーバッド 童貞ウォーズ (2007) .... Officer Michaels ■ノックトアップ (2007) .... Ben Stone ■Shrek the Third (2007) (voice) .... Ship Captain ■"American Dad!" .... Student (1 episode, 2006) - Camp Refoogee (2006) TV episode (voice) .... Student ■You, Me and Dupree (2006) .... Neil ■"Help Me Help You" (1 episode) - Working Women (????) TV episode ■40歳の童貞 (2005) .... Cal ■Early Bird (2005) (TV) .... Bart ■Wake Up, Ron Burgundy: The Lost Movie (2004) (V) .... Eager Cameraman ■俺達ニュース・キャスター (2004) .... Eager Cameraman ■"Undeclared" .... Ron Garner (17 episodes, 2001-2003) - God Visits (2003) TV episode .... Ron Garner - Eric's POV (2002) TV episode .... Ron Garner - Hal and Hillary (2002) TV episode .... Ron Garner - The Perfect Date (2002) TV episode .... Ron Garner - The Day After (2002) TV episode .... Ron Garner (12 more) ■"Dawson's Creek" .... Bob (1 episode, 2003) - Rock Bottom (2003) TV episode .... Bob ■ドニー・ダーコ (2001) .... Ricky Danforth ■North Hollywood (2001) (TV) ■"Freaks and Geeks" .... Ken Miller (18 episodes, 1999-2000) - Noshing and Moshing (2000) TV episode .... Ken Miller - Dead Dogs and Gym Teachers (2000) TV episode .... Ken Miller - Discos and Dragons (2000) TV episode .... Ken Miller - Smooching and Mooching (2000) TV episode .... Ken Miller - The Little Things (2000) TV episode .... Ken Miller (13 more) 脚本 ■Pineapple Express (2008) (completed) (screenplay) (story) ■Drillbit Taylor (2008) (screenplay) (story) ■Superbad (2007) (written by) ■"Da Ali G Show" (6 episodes, 2004) - Realness (2004) TV episode (writer) - Jah (2004) TV episode (writer) - Realize (2004) TV episode (writer) - Peace (2004) TV episode (writer) - Rekognize (2004) TV episode (writer) (1 more) ■"Undeclared" (3 episodes, 2001-2002) - Truth or Dare (2002) TV episode (writer) - The Assistant (2001) TV episode (writer) - Sick in the Head (2001) TV episode (writer) Key Word 映画 俳優 セス・ローゲン |
Chu's Favorite Movie Personage No.54: Who is this guy?!
■1983年12月20日、カリフォルニアはLA生まれ。本名ジョナ・ヒル・フェルドスタイン。 ■お兄さんのジョーダンはMaroon 5 のマネージャー ■大学時代に芝居を書き始め、ニューヨークのイースト・ヴィレッジにある、Black & White というバーに自ら書いた芝居を演じ始める。少なからずファンもできるが、自分が本当にやりたいことは映画だと気付き、友達であったダスティン・ホフマンの実子、レベッカとジェイクに、ホフマン本人に紹介してもらう。さらに、彼らに促されてI Heart Huckagees のオーディションを受け、映画デヴューを飾る。 ■小さい頃、脚本家になって『シンプソンズ』やSNLの脚本チームに入るのが夢だった。 ■2008年現在、2本の脚本を手がけており、どちらも『スーパーバッド』を撮ったジャド・アパトーにより映画化される予定。
■「普通の人の方がハンサムな人より面白くなるのは簡単だよ。真実味があるだろ、負け組みの方が。つまり、普通の人が苦しむ様が可笑しいんであって、ブラッド・ピットが辛い思いをしてるなんて言っても誰も信じないわけさ。ブラッド・ピットは本当はすげー使えないやつかもしれないし、それはわかんないけど、あんだけカッコ良ければだいたい一生何とかなっちゃうもんだよ。」 ■チュチュノート■ ここ2、3ヶ月でこの人出演の映画を4本も立て続けに観た上、憶えてないけど『40歳の童貞』にも出てたらしいし、その他『クリック』とか『Rocket Science』とかにも出てるんですねえ。これからコメディ映画の常連になること間違いなしですが、脚本も書いてるようなので、そちらもがんばって欲しいです。 出演作品 ■The Adventurer's Handbook (2010) (in production) ■21 Jump Street (2012) (announced) ■Moneyball (2011) (pre-production) .... Paul De Podesta ■Megamind (2010) (post-production) (voice) .... Titan ■Get Him to the Greek (2010) (completed) .... Aaron Green ■How to Train Your Dragon (2010) (voice) .... Snotlout ■Cyrus (2010/I) .... Cyrus ■"The Simpsons" .... Andy Hamilton (1 episode, 2009) ■The Invention of Lying (2009) .... Frank ■Funny People (2009) .... Leo Koenig ■Night at the Museum: Battle of the Smithsonian (2009) (uncredited) .... Brundon the Security Guard ■Night at the Museum: Battle of the Smithsonian (2009) (VG) .... Brandon ■"Reno 911!" .... Daniel Shaheen (1 episode, 2009) ■Just Add Water (2008/I) .... Eddie ■寝取られ男のラブ♂バカンス (2008) .... Matthew the Waiter ■Horton Hears a Who! (2008) (voice) .... Tommy ■Strange Wilderness (2008) .... Cooker ■Walk Hard: The Dewey Cox Story (2007) (uncredited) .... Older Nate ■"Wainy Days" .... Neil (2 episodes, 2007) - Dorvid Days (2007) TV episode .... Neil - Plugged (2007) TV episode (uncredited) .... Neil ■スーパーバッド 童貞ウォーズ (2007) .... Seth ■Evan Almighty (2007) .... Eugene ■無ケーカクの命中男/ノックトアップ (2007) .... Jonah ■"Human Giant" .... Weenie King Customer (1 episode, 2007) - Ta Da (2007) TV episode .... Weenie King Customer ■Just Add Water (2007) .... Eddie ■Rocket Science (2007) .... Junior Philosopher - Lionel ■10 Items or Less (2006) .... Packy ■トラブル・カレッジ/大学をつくろう! (2006) .... Sherman Schrader ■Click (2006/I) .... Ben Newman - at 17 Years Old ■"Campus Ladies" .... Guy (7 episodes, 2006) - Fraternity Row (2006) TV episode .... Guy - Drama Class (2006) TV episode .... Guy - Safety Bathroom (2006) TV episode .... Guy - No Means No (2006) TV episode .... Guy - All Nighter (2006) TV episode .... Guy (2 more) ■Grandma's Boy (2006) .... Barry ■Clark and Michael (2006) (V) .... Derek ■40歳の童貞 (2005) .... eBay Customer ■Pancho's Pizza (2005) ■"NYPD Blue" .... Clerk (1 episode, 2004) - You're Buggin' Me (2004) TV episode .... Clerk ■I Heart Huckabees (2004) .... Bret Key Word 映画 俳優 ジョナ・ヒル |
In the Valley of Elah
概要を書こうと思ったんですけど、なんかこの映画、趣旨が今一ピンと来ないので、allcinema.netから引用させていただきます。
あらすじ: 退役軍人のハンク・ディアフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)は、イラクから帰還してくるはずの息子マイク(ジョナサン・タッカー)が脱走したという知らせを受ける。息子を探すために現地へ向かい、地元警察のサンダース刑事(シャーリーズ・セロン)と捜索を開始。真実が明るみに出るとともに、ハンクは知らなかった息子の素顔を知ることに……。(シネマトゥデイ)" ということなんですけど、まず、トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドンが「重厚な演技のアンサンブル」どころか全く意味なかったですね。もちろんみなさん演技派には違いないんですが、「ハマリ役」とかそういうのではないんですね。特に失踪した兵士の母親役なんか、別にスーザン・サランドンじゃなくても、こういう映画で母親役しか演じない無名の女優さんで十分だったというか。トミー・リー・ジョーンズも、『ノーカントリー』の保安官役は、「やっぱこれはトミー・リー・ジョーンズだったから面白い!」と思えるのですが、この映画は別に無名の人でも・・・・・ (ネタバレしますのでご注意) 脱走兵の父親が知らなかった息子の素顔ってのは一体なんだったんだろう、と興味を惹かれたのがこの映画を観た動機だったのですが、Post-Traumatic Stress Disorder(心的外傷後ストレス障害)だた、と言うオチだったときは正直「なーんだ」と思ってしまいました。それ自体がどーでもいいことだと言ってるわけではなくて、そんなの大問題だと言うことはみんな知っていて、「アメリカの闇」でも何でもないし、ぶっちゃけ「正義のために何をすべきか」なんてことは全く描かれていません。そこが描かれていたら、すごい映画になったかもしれないんですけど、ただ起こったことを描写しているだけで、これなら元になった実話のドキュメンタリー観た方がずっと面白かっただろうなと思いました。 同じ戦争を背景にした映画で実話に基づいている点でも同じなのに、これの前に見た『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』はすっごい面白いと思ったのね。なぜかというと、『チャーリー』は、この物語の中で屈託なく、純粋に、正しいことをしようとしているチャーリー・ウィルソンと、彼がしたことが結局どうなってしまったかということを知って見ている私たちの視点がズレているからなのよ。それを言うなら、『キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!』もこの『告発のとき』よりずっと面白いと思う。これも、ウォーターゲート事件というそれこそアメリカだけではない、世界を揺るがすような事件が、実はあっぱらぱーのティーンエイジャーによって引き起こされていたという、いわば「ツイスト」が入っていたからなんだよね。 『クラッシュ』もこの映画も、こういう「ツイスト」がないから、ドキュメンタリーみたいになっちゃうんだよ、ポール・ハギス!って全部コイツのせいにしようかと思ったら、この人『ミリオンダラー・ベイビー』とか『硫黄島からの手紙』とか素晴らしい映画の脚本書いている人なんだよね。やはり監督っていうのは、映画に及ばす影響が他のエレメントより大きいのだろうか。さっきも書いたけど、『クラッシュ』と『告発のとき』に「んじゃこの問題のために何をすべきか」ということが描いてあったら、両方ともすごい映画になったと思うんだよね。ただ、そうしたらものすごい賛否両論生んで、絶賛もされるけど批判もすごいと思うんだ。ポール・ハギスって人は、絶賛はされるけど大批判はされないという、ギリギリの線で社会問題を扱っているような感じがして、そこが日和見的で好きになれないんだよな。 でもま、色々考えはしましたので、悪い映画ではないと思います。というのは、脱走したマイクを探すお父さんのハンクも元軍人なのだけど、この人の時代には戦争による心的外傷後ストレス障害なんて余り問題にならなかったんじゃないのかな、と思ったの。まあ昔は、今よりもっともっと軍とか政府の「都合悪いことは隠蔽」ってのが激しかったのだと思うのだけど、それだけではないな、と思った。 劇中、やはりイラクから帰って来たばかりの兵士が飼い犬をバスタブに浸けて溺死させ、結局は自分の奥さんも殺してしまう、という話があって、それを見て思ったのですが、昔は、軍人のお父さんって言ったら、厳しくて当たり前だったわけじゃん。すぐ殴ったり、怒鳴ったりしても「まあ、軍人さんだし」みたいな。ところが今は、そういうの許されないじゃない。だからストレス溜まるんじゃないかと。もちろん、私だって奥さんや子供が殴られたり怒鳴られたりする家庭はイヤだけど、殺し殺されの戦士にもなり、家では優しいお父さんしろって言われても、人間にはキャパってものがありますし。いい人にならなくちゃいけない、というプレッシャーが、この心的外傷後ストレス障害ってのを増幅させているんだとしたら、まさに『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』のテーマになっていた塞翁が馬ですな。 最後に、さっき役者さんの話でシャーリーズ・セロンに触れませんでしたが、この人は男の世界である刑事部屋でセクハラに会いながらもがんばってハンクを助ける、という、モロ『スタンド・アップ』のタイプキャストでしたね。これも、もっと地味でブスな女優さんの方が真実味あったかとは思うのだけど。この人の小さな息子にハンクが原題にもある『Valley of Elah』の話を聞かせるシーンがあるんですけど、これも全く回収されてませんね。つか、ハンクは権力にチャレンジして真相を突き止めたのかもしれないけど、映画自体は何もチャレンジなんかしてないので。あ、そいで、シャーリーズ・セロンなんですけど、やっぱこの人いいね。女で「ファック」って言って様になる、数少ない女優さんの一人だなーと、つくづく思いました。 key Word 映画 告発のとき トミー・リー・ジョーンズ シャーリーズ・セロン スーザン・サランドン ジョシュ・ブローリン |