Twelve Monkeys
おお~こんな話だったのか!ブラピのキ☆ガイ役サイコー!ということしか記憶にない映画だったのですが、1995年っつったら、ちょーどアメリカに来たばっかの頃で、英語だけで観たんだろうなあ。わかるわけないよ!ものすごセリフ多いし、多分色んな伏線だの、暗喩だのが入ってるんじゃないかしら。文学とかSFとか好きな人だったら、「ああ、これはアレ!」とか思っちゃうような。
1990年に突然現れたジェームスは、保護しようとした警察と格闘になって留置所に入れられ、精神分析医のキャスリン・ライリー(マデリーン・ストー)に妄想癖と診断され(未来から来たとか、人類は滅びるとか言うもので)、精神病院に入れられる。そこで出逢うのが、ブラピ演じるジェフリー・ゴインズ。もー完全に目とか行っちゃってるし、とにかくサイコーに可笑しいです。のびのびと演じてるなあ。こういうの大好きなんじゃないかしら。 なぜかジェフリーはジェームスを助けてあげたいらしく、鉄格子の鍵を手に入れ、自分が一騒動起こしている間にジェームスを逃がそうとするのだが失敗、ジェームスはベッドに縛り付けらるのだが、ある日忽然と姿を消してしまう。 これが結局、未来社会でタイム・ワープさせてるからなんですけど、未来から過去へ送るときはなんかチューブみたいのを通って行くんだけど、うーん。なんかこの辺のディティールはあんまり突っ込んでなかったですね。 あと、音楽が可笑しいの。1995年って、こんな映画音楽だったっけ?とか思いながら観てたんですけど、allcinema.netの記事に「エキゾチックな音楽」って書いてあったから、きっと当時からみんな「ヘン」って思っていたのかも。私は、白黒映画の時代のSFモノの音楽を意識しているのかな~と思った。『トワイライト・ゾーン』とか、あんな感じ? 未来に連れ戻されたジェームスは、もう一度1996年にタイム・ワープさせられるのだが、今度は12モンキーズという集団を探せと言われる。どうやらこの集団がウィルスを撒いたらしいのだ。キャスリン・ライリーが講演をすると知ったジェームスは彼女を駐車場で誘拐し、彼女の車とお金を遣って12モンキーズを追跡する。 地下で暮らしていたジェームスは、地上の空気とか、太陽とか、ラジオから流れてくる音楽とかに反応して嬉しそうにするんですけど、そういうのがあんまりジンと来ない映画なんですよね。『この素晴らしき世界』をラジオで聞きながら、ブルース・ウィリスが超可愛い、憎めない顔とかするんだけどさー。キャスリンも、最初はジェームスのこと恐がっていて、それが段々、彼の言っていることが本当なんじゃないか、と思ってくるくだり、そしてジェームスに魅かれて行くくだり、とかそういうのもあんまり・・・・。 ジェームスは、子供の自分が空港で人が撃たれるのを目撃する夢を繰り返し見るのだけど、それに出てくる女の人がキャスリンであるのに気が付く。しかしキャスリンは精神科医だから、「私と過ごすことによって、夢の方が現実を取り入れて変化していくのよ」という。 で、12モンキーズのリーダーが、かつて精神病院にいたジェフリーで、しかもジェフリーのお父さんが生物学者で、危ないウィルスを持っていることを突き止めたジェームスと、ジェームスの話が本当だと信じるようになったキャスリンがジェフリーを止めようとするんだけど、ジェームスは今まで色々してるから(キャスリン誘拐も含めて)警察に追われてるし、上手く行かない。 精神病院は退院したけど、未だにぶっ飛んでるブラピ、ロン毛に毛糸の帽子被ったりして可愛い。しかもサイコーにキレた演技!ちょっとやり過ぎ感もあるけど、あのくらいやってくれないと、他に笑うところとかないのでね~。 ストーリーは、時空もの、サスペンスもののベタなストーリーで、「自分が過去に行ってしたことが、実は現在を形作っていた」という、私が一番苦手なプロットなの!だって、だって~!それってヘンじゃん!つまり、過去に既に起こったことを自分が知っている。で、それを変えるために過去に行くんだけど、実は過去に起こってしまったことは、自分が未来から来たために起こったという・・・・・。ということは、自分が過去に行かないことにしたら、自分の現在は変わるのか? と、考えると眠れなくなるのですが、『ターミネーター』とか、こういうコンセプト取り入れた映画って結構あるので今更「すごい!」とかいうのではないのですけど、さすが元モンティ・パイソンのテリー・ギリアム、「ヘン!」というかユニークな発想がありますね。現在と過去を行き来していく内に、どの世界が現在か混乱してきちゃう主人公とか、ライオンやクマが廃墟と化した雪のフィラデルフィア(だったっけ?)で雄たけびを上げていたりとか。あと、消費社会とか、現代人に対する批判がセリフの端々に見られるのですが(特にブラピ)、変人ギリアムの思想から噛み砕かれてなくて、私のような凡人にスパッと入ってこない。その辺が、すごく斬新で面白いものになりそうなんだけど、まだ原石のままごろごろと転がっている感じで、とっちらかってる印象を与える。 あと、キャスティングがどうかな~と思う。ブルース・ウィリスか~マデリーン・ストーか~・・・・・って感じ?悪役の人とか、12モンキーズのメンバーとか、そういう端役だけど大切なサイドキックになり得る人たちも印象薄かったしな~。ブラピは良かった。ブラピだけがすっごい印象に残る映画だった。 ■ブラッド・ピットの映画偉人伝 ■ブルース・ウィリスの出演作品一覧 key Word 映画 12モンキーズ テリー・ギリアム マデリーン・ストー |
Signs
ああ~また寝ちまった。シャマランの映画、良く寝ちゃうんですよ~。面白くないんじゃないんだけど、リズムが違うというか・・・・
それにしても面白い配役ですよね。元神父の農場主・グラハムにメル・ギブソン、そのちょっとスローな弟・メリルがホアキン・フェニックス、グラハムの喘息を患ってる息子が、マコーレ・カルキンの弟、ロリー・カルキン、その妹でちょっと霊能者っぽい妹が『リトル・ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリン。で、よーく考えてみると結構ハマりの配役だなとも思う。メル・ギブソンって、私生活でも信心深いらしいし、ホアキンがちょっとスローな人って合ってるかも。子役は二人とも上手いし、事故って神父の奥さんを殺したことでかなりダメージ受けているレイ役をシャマランさん自身が演じているのも結構ハマってるし。 信仰を失った神父とか、偶然を信じるかとか、結構色々示唆するものがある映画なのでしょうが、私が一番楽しかったのは構図でしたね。なんかいちいち可笑しい。ベビー・モニターで宇宙人の通信を捕らえようと4人が車の屋根から連なっている絵とか、宇宙人に考えを読まれないためのアルミホイルの帽子をかぶったメリルが子供たちと一緒にカウチに座ってるところとか、もう何も言わなくても可笑しい。 核になるお話は、グラハムのとうもろこし畑に宇宙人からの「サイン」が残されたらしいのだが、最初はいたずらかと思っていると、世界の各地で同じようなものがみつかり、未確認飛行物体や、未確認生物(?)の映像がニュースで流れ、「やばい~これはマジだ!」となってくる。 で、それに絡んで、なんでグラハムが神父をやめちゃったかって言うと、奥さんが不幸な事故で死んだから。息子は喘息だし、娘は敏感だし、弟はバッティングの才能がありながら「ぶんぶん丸」なためにマイナーリーグ止まり。静かに穏やかに怒っているグラハム。 『ハプニング』もそうだけど、この映画も、「人類滅亡か、ヤバイ!」って思わせて置きながら、あっさり一晩で当面の問題は解決されちゃうのね。で、「ここではコレで済んだけど、また何かが起こる可能性はある・・・・」と匂わせる。で、グラハムは、今回の宇宙人との対決で、人生で起こることにはみんな意味があり、奥さんの死でさえ無駄でなかったと思い直し(だよな)、再び神父さんの格好をしているんだけど、信仰って、そういうもんなのか?奥さんが事故で死んだからとか、息子が喘息で苦しんでいるからとか、そういう理由で「もう、信じない!」って言ったり、宇宙人と戦って勝ったから「やっぱり、信じる!」っていうもんなのかな~。それともそうやって皮肉っているの、信仰というものを。それともなんか大事な「サイン」を見逃したのかしら、私。こういうの疎いから、見逃したことも大いにあり得る。 Related Article ■M・ナイト・シャマラン監督作品一覧 key Word 映画 サイン M・ナイト・シャマラン メル・ギブソン ホアキン・フェニックス ロリー・カルキン アビゲイル・ブレスリン |
Sunshine
時は西暦2057年。太陽が死につつあり、光源を失ったら地球も死んでしまう。人類を救うため、8人の科学者を乗せた宇宙船イカロスは、太陽に向かって旅をしている。太陽の中に太陽を作るためだ・・・・。
そしたらいきなり真田広之じゃん!おお~出ていたとは知らなかった。この人英語むちゃむちゃ上手いねえ。昔からしゃべれたの?役柄はキャプテンで、『ラストサムライ』の氏尾を彷彿とさせる、実直で頼れるキャプテンって感じで良かった。私、ほとんど日本人って好きじゃないけど、この人はいいね~。すっげえいい男だしさ。あ、でも、氏尾はアレか、結構血の気の多い頑固な人だったか。 『ラストサムライ』の時も、真田さんは日本のことが間違って伝わらないようにと、映画製作者側に色々意見をしたらしいけど、この映画でも当初この役は「Kanada」という名前だったのを「Kaneda」に直してもらったんだって。まあ、かなださんがいないわけじゃないだろうけど、カネダさんの方が自然だよね。なかなか考えてる真田さん。 とか思っていたら、宇宙船の家庭菜園(?)を育てているおばさんがミシェル・ヨー?!わー久しぶり。この人も元はマーシャル・アーツで出てきたわけだけど、普通の役演じても全然違和感ないよね。ジェット・リーとか、ジャッキー・チェンはちょっと苦戦してるけどねー。やっぱ英語なのかなあ。ミシェル・ヨーも英語上手いもん。それと演技力ってのもあるかも。ジャッキーもジェット・リーも普通の役演じてるときってやっぱり演技力今一歩だと思う。 とか色々考えながら観ていたら、やはりキリアン・マーフィーが主人公だった。彼が演じるキャパは、太陽で爆破さして、「太陽の中に太陽を作る」爆弾を作った物理学者で、彼しかこの爆弾を取り扱えない、という設定らしい。もうすぐ地球と交信できなくなるから今のうちにメッセージを送っておけば、と言われ、カメラに向かって「お父さん、お母さん、」とやってるキリアン、キリアンらしい目の動きとか口の動きとか、萌えるな~。しかし、キリアンの年齢で、交信する相手が両親だけなの?彼女はいないのかな?こういう仕事してたら忙しくて彼女なんか作れないのか。 ストーリーはこういう宇宙船もののお決まりで、計画外のことが起こり、宇宙船は少しずつ壊れ、船員は一人、また一人と死に、任務を遂行できても、地球に帰れるか分からない、とかかなりベタなもの。 私的に面白くなかったのは、話が難し過ぎること・・・って言うと自分のバカを晒すようでイヤなのですが、なんか問題が起こって、船員が危険を犯してまでそれを解決しなくちゃならないんだけど、問題が難し過ぎるので「なんでそんなことしなきゃならないの?」と必然性が感じられず、傍観してしまう。 そりゃ大雑把にはわかるのよ。酸素が5人分はないけど、4人分ならあるので、一人死んだ方がいいとか、太陽の光にモロ晒されると暑過ぎて死んじゃう、とか。わかんなかったのはね、キャプテンとキャパが宇宙服着て外出てる時、宇宙船のコンピューターが突然人間の指令を無視してコントロールし始めたり、あと、トレイって人が軌道修正で計算を間違えて、太陽に対する角度がどーのこーのって、「それって、マズイのか~」としかわからなくて、なんか緊迫しないの。 観終わった後でウィキとかでストーリー観てみたけど、やっぱ私が大雑把にわかったことしかわからない。どーも監督の名前に見覚えがあると思ったら、『28日後・・・』撮った人なのね。この人、人類滅亡が好きだね。『28日後・・・』はストーリーわかりやすいじゃん。何が危険で、怖いかって。それと、そういう無法状態になったとき、女の子がどう扱われるかという、ちょっと意外な鋭い指摘とかあってなかなか佳作だったけど、『サンシャイン2057』はわからん。宇宙服着て外で作業する間のスローモーションが『2001年宇宙の旅』を彷彿とさせたりとか、宇宙船という密室の中で敵と戦う後半とか『エイリアン』ぽかったり、この手の映画がとりわけ好きな人にはオマージュも感じられて面白いかもしらんけど、私にはスローで退屈な映画でした。 key Word 映画 ダニー・ボイル キリアン・マーフィ 真田広之 ミシェル・ヨー クリス・エヴァンス ローズ・バーン トロイ・ギャリティ ベネディクト・ウォン クリフ・カーティス |