先週末、とあるイベントの為に訪れたオタワで、
思いがけない素晴らしい再会がありました。
カツが保護されていた緊急シェルターで働いていたアイリーンさんという女性です。
私たちは知らなかったのだけど、600匹もいる、犬に名前など与える余裕のない
異常事態なシェルターの状況で、常にカツのことを特別に思ってくれたのだそうです。
アイリーンさんは、涙ながらにカツとの再会を喜んでくださいました。
5年ぶりの再会です。
片時もカツの事は忘れた事がないと言ってくださりました。
そんな彼女が、Facebookの彼女のページに素敵な投稿をしてくださったので
当ブログでも紹介させていただきたく思います。
適当に私が訳したので、日本語訳よりも、
英語を解する方はぜひともリンク先の本文を読んでいただければと思います。
シェルター時と再会時の写真もあります。
Puppymill Awareness Solution本文にご興味がある方は
このページの、Story of Sad eyesという投稿をご覧ください。
また、カナダのパピーミルの状況等を伝えているグループでもあります。
Facebookアカウントをお持ちの方は、是非このグループをFollowされることをお薦め致します。
+ + + + + + + + + +
以下、アイリーンさんの投稿の訳。
誰にでも、心の中に一匹、心を溶かしてしまうような特別な存在の犬がいると思います。
私にとってのその一匹は、2011年、ケベック州で摘発された、
今日においてカナダ国内で一番大きなスケールのパピーミルのレスキューの為の、
緊急シェルターにいた犬です。
500匹を越える犬が保護された状態で、更には連日子犬達が誕生する始末、
私たちスタッフとボランティアは、早朝から夜遅くまで、休みなしに毎日働いていました。
犬たちに名前を与える余裕などなく、犬達は番号で管理されていました。
そんな中、密かに『Sad eyes 悲しい瞳』と心の中で名づけた犬がいました。
彼がいる建物とは別の建物で働いていましたが、毎日彼の様子を見に行くようにしていました。
彼はとてもシャイで、人間の存在になかなか心を許してくれなかったけれども…
それまでの彼の犬生で、人間という存在から虐待を受け続けてきたのだから仕方のないことです。
月日が流れ、摘発されたパピーミルのオーナーに対する有罪判決が法廷で下されると、
多くの犬達が、第二の犬生を送るため、緊急シェルターを去っていくようになりました。
更に日が流れ、緊急シェルターは静かになってきました。
レスキューグループは、自分達が得意とする犬種を選んで引き出し、
更にHumane Societiesは他の犬達を引き出していき、
犬達のケージには行き先の書かれた紙が貼られます。
ほとんどの犬の行き先が決まっているのにも関わらず、Sad eyesはなかなか行き先が決まりません。
彼はどうなってしまうのかと思いながら、彼の様子を見に行くことを毎日続けました。
すると、ある日、私が彼の様子を見に行くと、若い男性とスタッフが彼のことを見ているのです。
この若い男性は、Sad Eyesを引き取りに来たとのことでした。
私はうれしさで胸がはり裂けそうでした、
Sad Eyesの新しい家族達は、彼に『カツ』という名前を与えてくれました。
日本語で『Victory(勝利)』の意味です。
更に年月が流れ、その間沢山のレスキュー犬達が新たにやって来ました。
でも私はずっといつでもSad Eyesのことを忘れたことがなかったし、
恋しく思っていました。
そして5年の月日が経過した先週末、オタワの犬イベントでのことでした。
ある犬が私の目に止まりました、
私は思わず飼い主に駆け寄って、犬の名前を聞きました。
『カツ』が彼らの答えでした。
そして、この男性私のことを覚えていてくれて、とても素晴らしい再会を果たすことができたのです。
カツは決して虐待の過去を振り返ることはなく、愛すべき2匹の兄弟犬達と、家族達と、
犬としてふさわしい、彼が当初から送るべきだった生活を満喫していました。
ありがとう。
私の心がまた感激で震えた瞬間でした。
+ + + + + + + + + +
緊急シェルターは、あくまでも裁判で有罪判決がでて、
パピーミルの所有者が所有権を諦めるか剥奪されるまでのシェルターです。
ここから直接里親に犬を送るのではなく、ケベック内外の大小様々なシェルターや
レスキューグループが、犬を選びます。
精神的に壊れた、雑種犬であるカツは、なかなか行き先の見つからない犬でした。
本当は僻地のSPAへ送られるはずだったのだけど、
どこかで間違いがあったのか、取りやめになって…。
シェルターで働いたりボランティアをしている場合は、
直接里親希望を出せる事ができるので、
私たちも里親希望を出していましたが、
なかなか進展がない状況でした。
あと1週間でシェルターも閉まるような寸前の状況で、
ボランティアを終えて帰宅する前に、カツのケージの前で
カツに話しかけていると、シェルターを管理するHSIの責任者がたまたま現れ、
「この犬の行き先が心配で…
里親希望を出している。」
と告げると
「それならあなたの犬に決定」
と、土壇場で我が家に来る事が決まったのでした。
それから今年で5年。
アイリーンさんのこの素敵な投稿で、一つだけ間違いがあります。
『カツ』は『勝つ=VICTORY』の意味ではなくて、『鰹節』です。。。
鍋ヲ君が、「鰹節は温かい食べ物の上で踊るから」(カツオ踊り)
我が家で人間の温かみを知って踊って欲しい。
との願いでつけたそうです。
私は、ただ単に、ポン酢…昆布…次はワカメか豆腐か…?
と食べ物シリーズで決めたに他なりません。
強いて言えば普通の犬よりも頻繁に肛門腺を発射させるカツ、
時々カツオ臭いと思っている今日この頃。
カツは今日も我が家で私たち飼い主はもちろん、
私たちの友人や私の職場の上司同僚お客様に愛されて
元気に暮らしています。
そして今まさに引越しシーズンであるケベック州。
さらには、先日どうしようもない悲劇があり、犬を取り巻く環境が厳しくなった今日この頃、
シェルターには犬が溢れかえっています。
どうか、今後犬を飼いたいと思っている方は、
一度レスキューやシェルターをインターネットでも良いので覗いてくだされば…
と言うのが私の常々の思いであります。
にほんブログ村