ダイオウイカは、L-Ultimate:デュアルナローバンドフィルターで釣れるのか? - 菜園、PC、そして天文の日々
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ダイオウイカは、L-Ultimate:デュアルナローバンドフィルターで釣れるのか?

 1.F3.9鏡筒とL-Ultimateフィルターでダイオウイカに挑戦  

   9月に続き、10月も前線の停滞により関東地方は曇り空が続いています。ナローバンドフィルターのOIIIとHαフィルターでダイオウイカ星雲の撮影を続行していますが、長期間の冗長な撮影に飽き飽きしてしまっています。そんな中、たまにはカラー撮影がしてみたいと思い立ち、明るい鏡筒を使い、L-Ultimateフィルターでダイオウイカが釣れるのか、を試してみることにしました。 


   使用した機材や、撮影条件は次の通りです。

   ・撮影日時:2024/10/2, 10/10, 10/12 
   ・撮影場所:南関東市街地・自宅庭 
   ・鏡筒:Askar FRA400 + 専用レデューサー(最終 f=280mm, F=3.9)
   ・カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 200, 冷却:0℃)
   ・露光時間:420秒 
   ・赤道儀:ZWO AM5 
   ・フィルター:2" Optolong L-Ultimate 
   ・ガイドスコープ:Skywatcher Evoguide 50ED(f=240mm)
   ・ガイドカメラ:ASi120MM Mini 
   ・マウント制御:ASiair Plus


                   使用した機材 




   2.L-Ultimateフィルターでのダイオウイカ撮影結果  

   ネットではL-Ultimateフィルターでダイオウイカが写るのではないか、という記載が多くあります。しかし、実際に撮影結果に巡り会えたことは一度もありません。Sh2-240:スパゲッティ星雲は撮影できていますが、ダイオウイカはフィフティ・フィフティと予想。



   露光時間7分(420秒)で3日かけて75フレーム(総露光時間:8時間45分)の結果が下の写真です。


          L-Ultimateフィルターで撮影したダイオウイカ星雲
  撮影日:2024/10/2, 10, 12 撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 + 専用レデューサー ( f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 200、冷却:0℃)。フィルター:2インチ Optolong L-Ultimate。ガイド鏡:Skywatcher EVOGuide 50ED(f=240mm)。オートガイド:ASiair Plusを使用。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。420秒露光で合計75コマ撮影。画像処理:75コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, ABE, HT, NXT)。


  ダイオウイカ星雲は8時間45分の撮影でかすかに写っている程度でした。この結果からL-Ultimateフィルターを使っても、市街地での撮影は無理のようです。




 3.あとがき  

   残念ながら、L-Ultimateではダイオウイカ星雲の姿を明確に見ることは出来ませんでした。このままではつまらないので、同じ鏡筒でOIIIフィルターを使って撮影したダイオウイカとL-Ultimateの画像を合体してみました。


   下の画像は、同じ鏡筒:FRA400+専用レデューサーでOIIIフィルターを装着してのモノクロ撮影の画像です。



     同じ鏡筒でOIIIフィルターとAsi294MM Proで撮影したダイオウイカ星雲
  撮影日:2024/10/20 撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 + 専用レデューサー ( f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MM Pro (Gain: 250、冷却:-10℃)。フィルター:SVBONY OIIIフィルター (2”, 5nm)。ガイド鏡:Skywatcher EVOGuide 50ED(f=240mm)。オートガイド:ASiair Plusを使用。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。420秒露光で合計46コマ撮影 (総露光時間:5時間22分)。画像処理:46コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, ABE, HT, NXT)。 


   上のOIIIフィルターでの画像をUltimateフィルターの画像とをPixInsightのStarAlignmentを使って星の位置を同期させ、OIII画像のStarless画像とPixelMathを使って合体させた。OIII 画像は、カメラがASi294MM Proであり、Ultimate画像は、カメラがASi2600MC Proと異なるカメラでの画像でしたが、StarAlignment処理は、異なるカメラでも正常に処理できた。


         L-Ultimateで撮影した画像とOIIIで撮影した画像を合体
  撮影日:2024/10/2, 10, 12, 20。 撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 + 専用レデューサー ( f=280mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:L-Ultimateフィルターの場合、ASi2600MC Pro (Gain: 200、冷却:0℃)。カメラ:OIIIフィルターの場合、ASi294MM Pro(Gain:250、冷却:-10℃)。画像の合体:PixInsightにて実行(StarAlign, StarNet2, PixelMath (計算式:Ultimate +0.5*OIII)。






 
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