2.天体改造のビフォーとアフターの画像比較
天体改造前と後を、M8とM20との星雲撮影で比較してみました。。
1)天体改造前のM8とM20
天体改造前のM8とM20 撮影日:2023/7/28。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000 (ISO 3200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。90秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて10回撮影。画像処理:自動保存された10枚のライトFitsフレームをDeepSkyStackerにてコールドピクセル除去条件下(3 Pix, ThreHold 20%)、フラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。
2)天体改造後のM8とM20
天体改造前のM8とM20
撮影日:2023/8/12。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000 天体改造 (ISO 3200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。90秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて16回撮影。画像処理:自動保存された16枚のライトFitsフレームをDeepSkyStackerにてコールドピクセル除去条件下(3 Pix, ThreHold 20%)、フラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。
M8-M20の場合は、改造前後で星雲の色や濃さに差が無いように見えます。改造後も明るい星に穴あきが見られたので、スタックの際にCold Pixel除去条件でスタックしました。
3)天体解像前のM17
天体改造前のM17
撮影日:2023/7/28。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000 (ISO 3200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。90秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて5回撮影。画像処理:自動保存された5枚のライトFitsフレームをDeepSkyStackerにてコールドピクセル除去条件下(3 Pix, ThreHold 20%)、フラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。
4)天体解像後のM17
天体改造前のM17
撮影日:2023/8/12。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Askar FRA400 (f=400mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000 天体改造 (ISO 3200)。ガイド:オフアキシスガイド。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチKenko ASTRO LPR Type2。90秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて16回撮影。画像処理:自動保存された16コマのライトFitsフレームをDeepSkyStackerにてコールドピクセル除去条件下(3 Pix, ThreHold 20%)、フラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。
M17の場合は、IRフィルターの除去が効いたのか改造後に星雲の赤味が随分と出て来ています。
3.改造α6000とASi2600MC Proとの比較
改造後のα6000をASi2600MC Proと比較撮影してみました。α6000の場合は30℃、ASi2600MC Proは0℃での撮影です。
1)クレセント星雲での比較
1-1)α6000によるクレセント星雲
天体改造α6000のクレセント星雲画像
撮影日:2023/8/28。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit(最終焦点距離 f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000(ISO 3200)。ガイド鏡:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチOptoLong L-eXtreme。300秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて13回撮影。画像処理:自動保存された13コマのライトFitsフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。
フィルターとしてデュアルナローバンドフィルターであるL-eXtremeを使用したため、明るい星にも穴あきは見られなかったので、スタックはコールドピクセル除去条件は使わなかった。
1-2)ASi2600MC Proによるクレセント星雲
ASi2600MC Proでのクレセント星雲画像
撮影日:2023/8/26。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit(最終焦点距離 f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 0℃)。ガイド鏡:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチOptoLong L-eXtreme。300秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて13回撮影。画像処理:自動保存された13枚のライトFitsフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoise AIにてデノイズ処理。
クレセント星雲での比較結果は、解像度においてはASi2600MC Proの方が上であった。さらに星雲の外側にある青いオブラートのようなものは、ASi2600MC Proでは良く映っているが、α6000の場合は、殆ど写っていません。
2)網状星雲・東側での比較
2-1)α6000での網状星雲・東側
α6000での網状星雲・東側
撮影日:2023/8/28。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Takahashi TSATakahashi TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit (Final f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000(ISO 3200)。ガイド鏡:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。300秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて6回撮影。画像処理:自動保存された6コマのライトFitsフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。
2-2)ASi2600MC Proでの網状星雲・東側
ASi2600MC Proでの網状星雲・東側
撮影日:2023/8/26。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit(最終焦点距離 f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 0℃)。ガイド鏡:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチOptoLong L-eXtreme。300秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて11回撮影。画像処理:自動保存された11コマのライトFitsフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。
3)網状星雲・西側での比較
3-1)α6000での網状星雲・西側
α6000での網状星雲・西側 撮影日:2023/8/28。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:Takahashi TSATakahashi TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit (Final f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:SONY α6000(ISO 3200)。ガイド鏡:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ オプトロン L-eXtreme。300秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて6回撮影。画像処理:自動保存された6コマのライトFitsフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。
3-2)ASi2600MC Proでの網状星雲・西側
ASi2600MC Proでの網状星雲・西側
撮影日:2023/8/26。撮影地:南関東市街地、自宅庭。鏡筒:TSA-120 (f=900mm)。レデューサー:Vixen SD Flattener/Reducer HD Kit(最終焦点距離 f=725mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi2600MC Pro (Gain: 100, 0℃)。ガイド鏡:Evoguide 50ED (f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチOptoLong L-eXtreme。300秒露光で、ダーク、フラット、バイアスなしでASiairにて10回撮影。画像処理:自動保存された10コマのライトFitsフレームをASiDeepStackにてフラット、ダーク、バイアス補正後スタック。FlatAideProにてレベル調整後シェーディング補正、Topaz DeNoiseAIにてデノイズ処理。
4.まとめ
1.改造前後でSONYの虫食い現象は変化はありませんでした。特に、明るい星に穴が開く現象は発生します。今回、デュアルナローバンドフィルター(L-eXtreme)を使ってみると、これらの虫食い現象は見られませんでした。
2.天体改造により赤い星雲は写りが良くなった。M8やM20は、やや赤味が増加した感がある程度だったが、M17は改造後の方が星雲のモクモク感が圧倒的に増加した。
3.ASi2600MC Proとの比較をクレセント星雲と網状星雲で行ってみた。
・全体的にはα6000とASi2600MC Proとの映りの違いは余り感じられませんでしたが、細かくみれば下記のような相違が感じられました。
・クレセント星雲の全体的な映りは同程度だったが、星雲頭の詳細や星雲にかかる青味のベール状の映りは、ASi2600MC Proの方が良かった。
・網状星雲・西側の中心付近の明るい星には、α6000で撮影しても穴開きは見られなかった。フィルターがデュアルナローバンドフィルターであればSonyの虫食いは発生しない様子。
・網状星雲・西側の上部にある薄暗い背景は、ASi2600MC Proでははっきり映っていますが、α6000ではほとんど映っていません。弱い光のものにはα6000は弱そうである。
4.α6000でのフィルターによる虫食い現象の違いについては、今後慎重に検討してみようと思っています。
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