晴れません。「天高く馬肥ゆる秋」はどこに行ったのでしょうか。悪天候にかこつけての電動フォーカサー化の第2弾です。今回は、月や惑星観測に多用するSkyWatcherのMAK127へフォーカスモーターを取り付けた話題です。この鏡筒のフォーカサーは軽くて回しやすく不満はないのですが、これまたお気軽撮影で多用する架台のAZ-GTiを使うと視界が揺れまくって焦点を合わせにくくなります。しっかりとした赤道儀の場合は何ら問題はありません。
SkyWatcher社のフォーカスモーターは安価でトルクも結構あり使いやすい。先にニュートン反射鏡BKP150に取り付けた記事を記載しています。
SkyWatcher社のフォーカスモーター【写真クリックで拡大します】
MAK127のフォーカスモーターの取り付けは、YouTubeを検索すると複数例出てきます。一番丁寧に解説されているのが、下の写真のようにモーター固定用のアルミ板を鏡筒に取り付ける方法です。この方法を実行してみることにし、ホームセンターで2mm厚のアルミ板を購入してきました。
MAK127にアルミ板を固定する方法
2mm厚のアルミ板を購入し、手始めに型紙で実寸大の型を作製します。鏡筒の根元にあるアダプターを外し、この型を装着しアダプターをネジ込もうとしても固定できないことが分かりました。多分、鏡筒とアダプターとの接続強化のために設計変更したためだろうと推測しています。アダプターをグラインダーで削れば何とかなりそうでしたが、接続が弱くなりそうなので思い留まりました。
フォーカスモーターを固定化する足掛かりがあれば良いと言うことで、鏡筒にネジ止めしてあるダブテールバーを足掛かりにする方法を思いつきました。あれこれと、プレート類を持ち出してモーターの取り付け方を検討していると、2年前に購入した中華製のフラッシュマウントプレートが最適な橋わたしになることが分かりました。
最終的な完成の形が下の写真です。YouTubeに取り付け方やフォーカサーの使用例を動画にしてアップしています。ブログよりも分かりやすいと思います。
電動フォーカサーを取り付けたMAK127【写真クリックで動画へ飛びます】
1.電動フォーカサー化に必要なパーツ
フラッシュマウントプレートの部品L字プレートをダブテールバーとモーターの橋渡しに使います。下の写真は、フラッシュマウントプレートです。AmazonやAliExpressで1,000円程度で手に入ります。
フラッシュマウントプレート
実際に橋渡しとして使う部品は、下の写真のL字プレートです。
L字プレート
ダブテールバーL字プレートを固定する部品としてVixen規格クランプを使います。
Vixen規格クランプ
タイミングプーリーは、次の規格の2種類を使いました。
1)GT2タイミングプーリー:20歯、6.35mm穴、6mm幅
2)GT2タイミングプーリー:40歯、12mm穴、6mm幅
基本的にはAmazonとAliExpressにありますが、日本のAmazonは商品説明が不親切で探しずらいです。私は、Amazon USに発注しました。
タイミングプーリー(左:20歯、右:40歯)
タイミングベルトは、GT2あるいは2GT規格の2mmピッチのものを使います。158cmのものが日本のAmazonにありましたが、中国からの発送で1ヵ月以上かかりました。
GT2タイミングベルト
2.組み立て
最初に、L字プレートにVixen規格クランプをネジ止めします。M4の六角穴付きボルトを使いました。
L字プレートにVixen規格クランプをネジ止め
次に、L字プレートに上下逆さまにならないようにモーター取り付け金具をネジ止めします。M4のボルトナットを使いました。
モーター取り付け金具のネジ止め
モーターに20歯のタイミングプーリーをワームねじで固定し、それをL字プレートの金具にネジ止めします。最終的にはタイミングベルトのテンションに合わせて調整するので、今は仮止めです。
L字プレートにモーターを仮止め
鏡筒フォーカサーのノブのゴムカバー部分をワームネジを緩めて外します。外したノブに40歯のタイミングプーリーを固定します。
40歯のタイミングプーリーを取り付けた鏡筒
鏡筒のダブテールバーに、モーターを仮止めしたL字プレートを取り付けます。モーターの位置が適当でない場合は、ここでVixen規格クランプやモーター取り付け金具の位置を調整します。
ダブテールバーにモーター付きL字プレートを取り付け
タイミングベルトを架けます。適当なテンションがかかるようにモーターの取り付けネジの位置を調整して、ネジを固く固定します。これで完成です。
完成した電動フォーカサー
3.電動フォーカサーの使用感
MAK127のフォーカサーは軽く、電動フォーカサーは不要だと思っていました。ところが、実際に電動フォーカサーを使ってみると、便利過ぎて、もう離せません。あれほど嫌なピント調整作業がきっと楽しい作業に変わるのではないかと期待しています。
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