「<舞台は核戦争後の失われた世界 生き残った女に質問する> 「双子のベイビーを風呂に入れながら 君は母親らしく笑うのかい?」 「奇妙な番号のついた手足を拭きながら ミサイルについて歌うのかい?」と」by XTC | 嘘八百のこの世界
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「<舞台は核戦争後の失われた世界 生き残った女に質問する> 「双子のベイビーを風呂に入れながら 君は母親らしく笑うのかい?」 「奇妙な番号のついた手足を拭きながら ミサイルについて歌うのかい?」と」by XTC

「THE BIG EXPRESS」XTC


XTCの通算7枚目となる1984年のアルバムである。
超久々に本作を聴いた。
まぁほとんどのレコードやCDが“積んどく状態”であり、本作に限ったことではないのだが(笑)
元から傑作だと思っていたが、やっぱいい。
名盤は何年たっても名盤なのだ。
個別の曲の歌詞の”大まかな部分”に触れておく。

「Wake Up」
君が死んでも誰も気にしない
君がまだ寝ていても誰も気にしない
道に死にかけている男が血を流していても気にしない
目を覚ませ


「All You Pretty Girls」
すべての美しい女性に幸あれ


「Shake You Donkey Up」
彼女はとんまなお前を動揺させる
ロバみたいなうすのろに仕立て上げる
お前をロバにしてしまうぜ

「Seagulls Screaming Kiss Kiss Her」
<舞台は冬の海>
 雨の海岸 二人の男女
グズグズしている男性にカモメが語りかける
「彼女にキスしろ グズグズしてるとしくじるぞ」と


「This World Over」
<舞台は核戦争後の失われた世界 生き残った女に質問する>
「双子のベイビーを風呂に入れながら 君は母親らしく笑うのかい?」
「奇妙な番号のついた手足を拭きながら ミサイルについて歌うのかい?」と


「The Everyday Story Of Smalltown」
<「小さな田舎町でもいろいろあるんだぜ」という設定>
牛乳配達も 恋人たちも 目覚まし時計職人も 死ぬか生きるかの競争をしてるのさ
未婚者も 既婚者も 保守党員も 共産党員も みなそうやって暮らしてるのさ


「Reign Of Blows」
<ファシズム社会の設定>
力による支配
多すぎる男たちが軍服を着こみ
王冠の重みが子羊を地面に押さえつける
暴力は暗黒の女王の復権を助けるだけだということを忘れるな

「Train Running Low On Soul Coal」
僕は魂という石炭でゆっくり走る列車
彼らはあの手この手で汽車の僕を走らせる
もうやめてくれ やめてくれ




本作の発表直後にXTCは今後ライヴ活動をしないことを発表する。
これを発端として、ドラムのテリー・チェンバースは脱退する。
だから、テリーは本作に参加していない。
本作のドラムはゲスト参加のピート・フィリップスであり、ドラムマシーンが併用された。
けっこうタイトなドラムだが(苦笑)
テリーは、今年の1月に来日していたようだ。
EXTCというバンドでライヴをしたようだ。全然知らなかった。
来日時のテリーのインタビューです。

https://rollingstonejapan.com/articles/detail/39006
―そして、テリーさんは『Mummer』の制作中にXTCを脱退するわけですよね。先ほど話に出た「Love On A Farmboy’s Wages」のセッションをしている最中、あなたはスティックを投げ出してバンドを去っていったとアンディは振り返っています。当時の心境を聞かせてください。

テリー:僕はドラマーとしてライブでの演奏を常に大切にしてきたから、「ライブ活動をやめる」というアンディの決断に失望していた。「レコーディングの機会が与えられるなんて恵まれた立場だ」と思う一方で、バンドが進化していくにつれて、ライブの重要性をさらに実感するようにもなっていたからね。アルバムを録音するなら、それをプロモーションするためにもライブをやるべきだと僕は思った。




XTCがライヴ活動をしなくなったのは、アンディ・パートリッジがライヴ恐怖症になったからだ。
そういえば、PANTAも一時神経症になっていたな。
ブライアン・ウィルソンも精神的に病んでいるところがあった。
いわゆる“天才”と呼ばれるミュージシャンには、その手の傾向がある人が多いようだ。
まぁ薬が原因だと私は思うが。
そのへんのことやアンディの近況を伝えている昨年の記事がありました。

https://amass.jp/161811/
2022/10/21
XTCのアンディ・パートリッジ、ツアーをやめた時のこと/音楽業界との戦い/曲を書くのをやめた理由/最近はどう過ごしているのか等を語る



ファンとしては、ライヴは無理でもまたアルバムを作ってくれないかなと思うけど、難しそうですね。
アンディはけっこういかれてきているようです。
新作は出なくても、XTCは最高のバンドでした。いや、今も最高のバンドです。

本作発売当時に私が書いたライナーノーツを、レコードと一緒に今も保管している。
超久々に読み返したが、XTCやアンディへの当時の私の“想い”がへたくそな言葉でつづられている。
今もそれほど変わらんけど(笑)
今のXTCやアンディがどうであれ、本作の“極上ポップサウンド”は、円型ジャケットになった本作の汽車の車輪そのまま、いつの時代になっても回り続ける。決して停まることはない。



評点:100点




XTC


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Posted byソウルマン

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