有栖川有栖 - 茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~
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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

有栖川有栖『スイス時計の謎』

有栖川有栖『スイス時計の謎』



二年に一度開かれていた“同窓会”の当日、メンバーの一人が殺され、被害者のはめていた腕時計が消失!いったいなぜか…。火村の示した間然するところのない推理に「犯人」が最後に明かした「動機」とは。表題作ほか謎解きの醍醐味が堪能できる超絶の全4篇。ご存じ国名シリーズ第7弾。


4編からなる短編集。

「あるYの悲劇」
ダイイングメッセージというものは解釈が無限にでき、近年のミステリではミステリ談義を彩る”にぎやかし”的な扱いを受けてはいるが、本作で使われるダイイングメッセージはなかなか納得できる内容です。(これで犯人が絞られるわけでゃないのでご安心ください)
またバンド内の殺人事件を描く作品のためかでELPについて言及ありとプログレファンにもうれしいところ。

表題作「スイス時計の謎」は、”なぜ被害者の時計が外されていたか”からロジックで犯人を絞り込んでいく作品で評価が高いようです。しかし頭のキレが最近特に弱くなった私には、これだけで犯人を特定できてしまうという事が今一つ腑に落ちない。
とまあこんな感じですがいつもどおり楽しい「作家アリス」シリーズです。
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有栖川有栖『英国庭園の謎』

有栖川有栖『英国庭園の謎』




資産家の人知れぬ楽しみが、取り返しのつかない悲劇を招く表題作。日本中に大パニックを起こそうとする“怪物”「ジャバウォッキー」。巧妙に偽造された遺書の、アッと驚く唯一の瑕疵を描いた「完璧な遺書」―おなじみ有栖川・火村の絶妙コンビが活躍する傑作ミステリ全六篇。待望の国名シリーズ第4弾。


長編が好きなので短編集はこの作品でさえ読んでいませんでした。
喜国雅彦さんの愛に溢れる解説も愉しい。
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有栖川有栖『ペルシャ猫の謎』

有栖川有栖『ペルシャ猫の謎』




「買いなさい。損はさせないから」話題騒然の表題作「ペルシャ猫の謎」。血塗られた舞台に愛と憎しみが交錯する「切り裂きジャックを待ちながら」、名バイプレーヤー・森下刑事が主役となって名推理を披露する「赤い帽子」など、粒よりの傑作集。「国名シリーズ」第五弾、火村・有栖川の名コンビはパワー全開。


つい先日『スウェーデン館の謎』を買って家に帰り、つい半年間に読んでいたことに気づくという失態を犯したが気を取り直して『ペルシャ猫』

「わらう月」はフォーマットは違うものの刑事コロンボを連想した佳品。

「赤い帽子」は大阪府警発行の「なにわ」という雑誌の掲載作品。火村シリーズ脇役の森下刑事が主役の異色作。しかし警察小説としてなかなか面白く最後の幕引きも良い。

そして問題作の「ペルシャ猫の謎」
これは問題だ!

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有栖川有栖『長い廊下がある家』

有栖川有栖『長い廊下がある家』




限界集落を調べていた学生が、山奥の廃村に辿り着いた。そこで彼は「幽霊の出る家」を取材する3人の男女と出会う。地下に別の家と繋がるトンネル状の長い廊下が。中央には扉があり、その西側で死体が発見された。容疑がかかる3人は、犯行時刻、東側の家にいて、鍵のかかった西側には行けない。臨床犯罪学者・火村英生がトリックを華麗に暴く! 表題作ほか全4編。



下記2作が秀逸。

『長い廊下がある家』
2009年の作品だが、その当時には増えていたかもしれないアレ系のトリックかと思わせながら、それとは異なるシンプルな方法で処理している。
↑何を言っているか分からないでしょうがオカルト風味をまぶせた作品で面白い。

『ロジカル・デスゲーム』
読んでいくうちにこれはモンティ・ホール問題を扱っているのではないかと気づく。
あとがきでずばりそうだと書いてあるが、

”その素材からこういう物語を引き出したぞ、と少しだけ自慢するためかもしれない。”

とはなかなかニクイ。
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有栖川有栖『モロッコ水晶の謎』

有栖川有栖『モロッコ水晶の謎』




とある社長邸のパーティに招かれた推理作家・有栖川の目前で毒殺事件が発生!邸内にいた10人の中でグラスに毒物を混入できたのは誰か、そして動機は…。犯罪学者・火村が超絶論理で謎に挑む表題作ほか「助教授の身代金」「ABCキラー」「推理合戦」を収録。本格推理の醍醐味に満ちた“国名シリーズ”第8弾。


久々?に読む有栖川有栖は面白い。派手さがない分、読み続けると飽きてくるかもしれないのだが。

「助教授の身代金」
誘拐モノだがなかなか意表を突く。上手いなあと思う。

「推理合戦」
ほんの数ページのショートミステリー。上手いなあと思う。

「モロッコ水晶の謎」
毒殺ハウダニットモノだが意表を突く。上手いなあと思う。

「ABCキラー」
既読の為今回は読まず。きっと上手いんだろう。

と手練れというか匠の技が光る短編集です。

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有栖川有栖『スウェーデン館の謎』

有栖川有栖『スウェーデン館の謎』




取材で雪深い裏磐梯を訪れたミステリ作家・有栖川有栖はスウェーデン館と地元の人が呼ぶログハウスに招かれ、そこで深い悲しみに包まれた殺人事件に遭遇する。 臨床犯罪学者・火村英生に応援を頼み、絶妙コンビが美人画家姉妹に訪れたおぞましい惨劇の謎に挑む。 大好評〈国名シリーズ〉第2弾! 長編ミステリ。


国名シリーズは短編ばかりと思っていてあまり手に取らなかったため(長編が好み)20年以上前の作品ですが初読です。
雪上の足跡に関するトリックですが巧いですね。本格パズラー(ただし地味目)作品です。
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有栖川有栖『マレー鉄道の謎』

有栖川有栖『マレー鉄道の謎』



旧友・大龍の招きでマレーの楽園、キャメロン・ハイランドを訪れた火村と有栖川。二人を迎えたのは、舞い飛ぶ蝶ならぬ「殺人の連鎖」だった。ドアや窓に内側から目張りをされた密室での犯行の嫌疑は大龍に。帰国までの数日で、火村は友人を救えるか。第56回日本推理作家協会賞に輝く、〈国名シリーズ〉第6弾。


正直な感想は、これで日本推理作家協会賞?というもの。
すみません。

メイントリックは、実現性云々というより、ミステリ最初期に誰か使っていたんじゃないのと思えるレベル。
すみません。

2002年の作品のようですがこれ以前も以後も有栖川有栖さんには傑作はあるので本作は読むのは後回しでいいんじゃないでしょうか。
すみません。

作中アリスが外国語が上手く聞き取れないという設定なのでやたらと会話文に伏字(聞き取れない部分)がでてきており、これが何かの伏線になっているのかと勘繰っていましたが全然そんなことはありませんでした。
ご安心ください。
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有栖川有栖『論理爆弾』

有栖川有栖『論理爆弾』




落人伝説の村を襲う連続殺人! とんでもない事態に遭遇した17歳の探偵・空閑純。彼女の一途な思いが、真実にたどりつく鍵となる。すべての探偵行為を禁止する法律が成立した日本で、探偵を目指す純は、失踪した母親が消息を絶った九州の深影村を訪れる。そこで母の手がかりを見つけた矢先に隣村でテロが起き、村に通じるトンネルが破壊される。孤立した村で連続殺人事件が発生し、純は探偵として恐るべき狂気と対峙する。


「論理爆弾」だなんて洒落た造語だなと思ったら実際にあるコンピューター用語のようで、何らかの条件下で作動するコンピューターウイルスといったことのよう。

本作は全ての探偵行為が禁止された日本という設定のシリーズ三作目。
タイトルから論理で犯人を追い詰めていく物語と思ったが全く違った。狂気には論理で太刀打ちできないといった意味合いを持たせているようだ。
その狂気は犯人の狂気性でありまた国家の狂気も含んでいるのではないか。

「国民は政府の命じられたままに黙々と生きればよい。不可解なことがあっても、決してその秘密を探ろうとしてはならない。自分の頭で考えることは悪である。そんな馬鹿な社会がありますか。」
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有栖川有栖『真夜中の探偵』

有栖川有栖『真夜中の探偵』




数年前に失踪した母親の行方がつかめぬまま、17歳の空閑純は大阪で一人暮らしをはじめる。探偵行為の科で逮捕された父親との面会が許されない状況下、思いがけない人物に声を掛けられたことをきっかけに、純は探偵への道を歩きだす。ある人物の別荘で、木箱に入った元探偵の溺死体が発見され、純は「水の棺」の謎に挑む。


犯罪の真相を究明するのは警察だけに許された権利で、警察類似行為=「私的探偵行為」が法律で禁止される日本という設定。
(北海道は独立し日本と対立しており、京都も原爆被害を受けている)
この時代を生きる、両親が探偵だった少女の物語。そんな背景があるがシリーズ1作目を読まずに2作目の本作を読んでしまい案の定とまどう。

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有栖川有栖『捜査線上の夕映え』

有栖川有栖『捜査線上の夕映え』




「臨床犯罪学者 火村英生シリーズ」誕生から30年! 最新長編は、圧倒的にエモーショナルな本格ミステリ。
一見ありふれた殺人事件のはずだった。火村の登場で、この物語は「ファンタジー」となる。
大阪の場末のマンションの一室で、男が鈍器で殴り殺された。金銭の貸し借りや異性関係のトラブルで、容疑者が浮上するも……。
「俺が名探偵の役目を果たせるかどうか、今回は怪しい」
火村を追い詰めた、不気味なジョーカーの存在とは――。
コロナ禍を生きる火村と推理作家アリスが、ある場所で直面した夕景は、佳き日の終わりか、明日への希望か――。


2020年コロナ禍の中、作中アリスは34歳。不思議な気分だ。本シリーズは誕生から30年たっていたのか!
冒頭に特殊設定ミステリに触れ、作中人物はその設定に悩まないとアリスは考えるが、この年齢設定事体が既に特殊ミステリかもしれませんね。

アマゾンレビューでは普段はあまり見かけないが、この場でネタバレするな、という方が二人いた。
それを受けて、「猫バレで怒る人もいないだろうが、今作は猫でます。」とレビューしている人がいが上手い!

さて、久々に読んだ長編火村モノだが安定の面白さ。
精緻に構築された本格、というよりはあとがきにあるように「余韻が残るエモーショナルな本格が書きたい」から生まれた作品。


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