海外ミステリ - 茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~
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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

2024年

年始早々に起こった災害についてはなんと書き記したらよいか迷う。
天災についてはあきらめるのしかないだろうがその後の政府の対応やメディアの対応はどうも腑に腑に落ちない。首相にとっては国民の命より憲法改正と次期総裁選に興味があるようだし、海外に数十兆円ばらまくのに今回の震災へはたったの40億円。しかも9日の閣議決定で決めるという。遅い。報道も原発には触れなくなった。志賀原発は稼働停止中とはいえ電源1系統喪失や変圧器油漏れがあるが「異常なし」で片づけられて続報なし。さすが報道の自由度ランキングが低い国だけのことはある。首相の記者会見ではフリーの記者が原発について問うても首相はニヤニヤして答えず退席。その後はテレビ出演し楽しそうに次期総裁選についてお話しされていたようだ。もう支持率なんて気にしていないのだろう。だって憲法改正で緊急事態条項を発動すれば永遠の独裁政権が作れるから。

年末から読み始めたスチュアート・タートンの『イヴリン嬢は七回殺される』をようやく読了。
タイム・リープ+人格転移+ミステリ(端正な英国風ミステリとの事)ですが難しすぎて全く理解できなかった。かなり絶賛されていた作品のようだがこれを理解し面白いと感じられた方々は嫌味ではなく本当に大した読書人だと思う。私は途中で読むのをやめようと思っていたがせっかくここまで読んだのにという思いが強く、結局理解できない部分も多くだらだらと読んだ感じ。やめるにやめられずサンクスコスト(埋没費用)という言葉が常に頭をよぎっていました。

サンクスコストといえば大阪万博にかかる費用。こちらは今までかかった費用がいくらかかっていようがここで中止し今回の災害対策に予算を回してほしい。まあ維新が綱を握っているのでそれもあり得ない。

怒りに任せていろいろ書き散らしてしまいました。ごめんなさい。
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ミルワード・ケネディ『救いの死』

ミルワード・ケネディ『救いの死』



地方名士エイマー氏は金と暇ににあかせて探偵のまねごとを思いつき、かつて人気絶頂の映画俳優が突然引退した謎を解こうと調査を始める。やがて俳優の過去に秘められた2つの事件が浮上するが…。30年代英国ミステリ界の異才が盟友バークリーに捧げた問題作。

第一部 グレゴリー・エイマーの手記
第二部 別の視点

という構成なので第二部でどんでん返しが起こるだろうとまあ予想はしていました。
しかしその予想の斜め上をいく展開に唖然としました。
1931年の時点でこんなことをしていたのかという驚きでいっぱいです。

この”突き放し”具合は現代ミステリの尖った作品にならあるかもしれません。

国書刊行会の世界探偵小説全集は侮れません。
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G・K・チェスタートン『ブラウン神父の無垢なる事件簿』

G・K・チェスタートン『ブラウン神父の無垢なる事件簿』




まるい顔に小さな体、手にはこうもり傘を持ち、シャベル帽をかぶった冴えない神父。しかしひとたび事件が起きれば、その風貌からは想像もつかない鋭い洞察力で、次々と真相を看破していく!シャーロック・ホームズと人気を二分する「ブラウン神父」の傑作短篇シリーズ“第1集”の新訳版。伝説のダイアモンドが消えた「飛ぶ星」、現場付近に残された凶器と死体を巡る「三つの凶器」など全十二篇を収録


本作はハヤカワ文庫での新訳。
創元推理文庫でいえば『ブラウン神父の童心
新潮文庫だと『ブラウン神父の純智
ちくま文庫は『ブラウン神父の無心』
ハヤカワ・ミステリだと『ブラウン神父の無知

やっぱり『ブラウン神父の童心』がしっくりくる。

「賢者が木の葉を隠すのは?」
「森の中」

という有名なやりとりは「折れた剣の看板」に入っていました。
またこの前段に
「賢者が小石を隠すのはどこでしょう?」
「浜辺だね」

というのもありました。

また有名な心理的トリックのアレは「透明人間」でした。
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ヴァレンタイン・ウイリアムズ『月光殺人事件』

ヴァレンタイン・ウイリアムズ『月光殺人事件』




湖畔のキャンプ場に展開する恋愛模様…そして、殺人。オーソドックスなスタイルの本格ミステリ『月光殺人事件』が完訳でよみがえる!


ミステリ黄金期1935年の作品。論創海外ミステリシリーズは侮れませんなあ。面白かったです。
ゆったりと読書を楽しむというのにぴったりとした作品です。

語り手の”ぼく”が”信頼ならない語り手”なのか気にしながら読んでいたのですがそこは”オーソドックスな本格ミステリ”という事で考えすぎでした。
しかし気になる女性への思いで事件の見え方がどんどん変わってくる語り手でやはり信頼ならない、しかしそこも含めてミスディレクション?とやはり考えすぎです。

解説に興味深い話がありました。
その筋の研究者からすれば<眼鏡をはずすと美人>パターンの道標的作品のひとつとして記憶にとどめておく必要はあるだろう、との事。
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アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』

アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』



上巻

1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに
執りおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、
掃除機のコードに足を引っかけて転落したのか、あるいは……。その死
は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。燃やされた肖像
画、屋敷への空巣、謎の訪問者、そして第二の無惨な死。病を得て、余
命幾許もない名探偵アティカス・ピュントの推理は――。現代ミステリ
のトップ・ランナーによる、巨匠クリスティへの愛に満ちた完璧なるオ
マージュ・ミステリ!



下巻

名探偵アティカス・ピュントのシリーズ最新作『カササギ殺人事件』の
原稿を結末部分まで読んだ編集者のわたしは、あまりのことに激怒する。
ミステリを読んでいて、こんなに腹立たしいことってある?原因を突きと
められず、さらに憤りを募らせるわたしを待っていたのは、予想もしな
い事態だった―。ミステリ界のトップランナーが贈る、全ミステリファ
ンへの最高のプレゼント!


ということで本作は、作中作『カササギ殺人事件』とそれを包み込む
本作品の編集者による現代のパートで構成されています。
ということを知ったうえで読みました。
上巻は冒頭部分以外は作中作『カササギ殺人事件』で、すんなりと物語
世界に入っていけました。これはこれで面白い。

さて問題の後半部分ですが・・・・。
「現実世界で起こった事件が作中作と類似しているようだ」
いってみればこれだけなのでたぶん日本作家の作品だとしたらそれほど
評価されないのではないでしょうか。
さらに作中作と現代パートを複雑に絡めるもっとすごいことを日本ミス
テリ界は行っているはずです。

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薪小屋の秘密

『薪小屋の秘密』
アントニー・ギルバート



新聞広告で知り合った男と結婚したアガサは、やがて夫の行動に疑惑を
抱き始めた。若くハンサムな夫エドマンドのもうひとつの顔、幽霊が出
るという人里離れた家で暮らすアガサの胸に忍び寄る不安の黒い影。エ
ドマンドは果して恐るべき青髭なのか。そして、ある日彼女は秘密の扉
をあけた…サスペンスフルな序盤から本格味豊かな後半へ、巧みなスト
ーリーテリングで読者を翻弄する、アントニイ・ギルバートの代表作。


サスペンス(”青髭モノ”というらしい)です。
序盤はちょっと退屈ですが中盤から怪しい雰囲気が立ち込めてきて
俄然面白くなってきます。

何はともあれ
国書刊行会の世界探偵小説全集の一冊!。

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英国風の殺人

『英国風の殺人』
シリル・ヘアー
英国風の殺人 世界探偵小説全集 (6)
英国風の殺人 世界探偵小説全集 (6)

国書刊行会の世界探偵小説全集の6番です。

1951年の作品で英国名門貴族の屋敷で起こった殺人事件を描いています。
典型的な執事がでてくるあたりで英国っぽさを感じます。

雪に閉ざされた空間、集まった人々の関係性。
ただ一人の部外者が探偵役(結果的に)となります。
古典的な探偵小説のフォーマットが心地よい。

ミステリでありながら推理の要素は少なく、
さらに真犯人の決め手となる推論もかなり弱い気もしますが
英国的な雰囲気が楽しめて良かったです。

動機はその英国のある仕組みならばこそ、なのですが
へえそうなのかと感心しました。
別にアンフェアではではないと思います。

しかし国書刊行会のこのシリーズ。
装幀が素晴らしい。
中身よりも本そのものの良さに惹かれています。

英国ということで
English Tea



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貧者の晩餐会

『貧者の晩餐会』
イアン・ランキン
現代短篇の名手たち2 貧者の晩餐会 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

現代短篇の名手たちというシリーズです。

「一人遊び」
すべてはペイシェンスのせいなのだ。
ペイシェンスは忍耐の意味で、一人遊びのトランプ・ゲームの名でもある
ようだ。気難しい老人と奥さんの話。忍耐強く夫の世話をしてきた奥さん
がある日ペイシェンスをしたら3回もうまくいった・・・・・。

「誰かがエディに会いにきた」
内容がいまいちわからない。エディって誰?殺されたのは誰?

「深い穴」
英国推理作家協会賞最優秀短篇賞らしいんですが、なにが最優秀なのか
わからなかった。

「自然淘汰」
ほぼ会話で進む話だが何人いるのか誰が何を喋っているのかわからない。
どうもこのイアン・ランキンという作家とは合わないのではないか。

「音楽との対決」
解説によると”《刑事コロンボ》の最良のエピソードを想起させる”
なるほど。リーバス警部の不可思議な行動から幕を開け、これはなかなか
面白い。

「会計の原則」
またわからなくなってきた。結局犯人側の勝ちなんでしょうが。

「唯一ほんもののコメディアン」
ちょっと洒落てる気もする。唯一ほんもののコメディアンとは○○。

とここまで読んだ後、半年経過しました。
どうも私はこの作品集はあわないようでした。

残り収録作は以下の通り。

「動いているハーバート」
「グリマー」
「恋と博打」
「不快なビデオ」
「聴取者参加番組」
「キャッスル・デンジャラス」
「広い視点」
「イン・ザ・フレイム」
「自白」
「吊るされた男」
「機会の窓辺」
「サンタクロースなんていない」

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ずっと記事の下書きを温めていたのですが
もうそろそろいいかと。
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夜の冒険

夜の冒険 現代短篇の名手たち8
夜の冒険 現代短篇の名手たち8
『夜の冒険 現代短篇の名手たち エドワード・D・ホック』

ホックの短編集ですがサム・ホーソーン医師等のシリーズものではなく、
ノン・シリーズものから厳選された20篇との事です。

「フレミング警部最後の事件」
猟奇連続殺人事件と本事件の捜査で退職するフレミング警部の関わり。
”最後の”なので当然何かあるわけです。

「どこでも見かける男」
謎の男に付きまとわれる中年の話ですが最後のオチが決まる

「私が知らない女」
これも途中で状況がわかってくるあたりから俄然面白くなっていきます。
終始穏やかな雰囲気で物語が進んでいくのがいい感じ。

「夜の冒険」
これはキレのあるタイプではなく悲哀とか無常感を感じさせる1篇です。

「影の映画祭」
これは巻き込まれ型サスペンス。ハードボイルド風です。

「くされ縁」
考え方の異なるふたりの軍人の生き方。
共に出世していき片方はついに将軍のまで上り詰める・・・。

「正義の裁き」
亡き詩人の墓を訪ねる主人公夫妻。
土地の村人はなにか隠している・・・。サスペンス調の作品です。

「空っぽの動物園」
なにやら暗い雰囲気で始まります。ちょっと結末の意味合いがわからん。
(読み方ミスか?)

「静かに鐘の鳴る谷」
なにやら余韻を残す作品。人の来なくなった教会が舞台です。

「やめられないこと」
ハードボイルド調の復讐譚です。ラストは「どこでも見かける男」や
「私が知らない女」と同系統のオチか。ホックの人間観がでてる?

「もうひとつの戦争」
退役軍人たちの親睦団体の話。
なにが”もうひとつ”かはなんとなく読める。

「不可能な”不可能犯罪”」
二人しかいない研究所内での殺人事件。残った方が探偵役です。
ひさびさのミステリ短篇。

「出口」
冴えない女性がたくらむ犯罪譚。
中盤の男女の逃避行的な部分もよいがオチも決まる

「大物中の大物」
犯した殺人から逃げるため大物中の大物を訪ねまわります。
オチは読めますが軽快なテンポなので読みやすい。

「家族の墓」
休養に来たニュースキャスターが気づいた真実。

「サソリ使いの娘」
犯人探しの要素もあり復讐譚にもなっています。

「知恵の値」
誘拐モノですが誰が仕向けたのかがオチ。

「二度目のチャンス」
「出口」のような犯罪譚ですがこちらのほうは余韻が残るラスト。

「スペインの町で三週間」
途中からサスペンス的な雰囲気もでてきますがこういう状況はコワイ。

「ガラガラヘビの男」
賭けを廻る話

といったところですが
ミステリに限らず色んなタイプの作品が入っておりキレのあるミステリを
期待するとちょっと違うかも、という短編集です。

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二流小説家

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2011/03/10)
デイヴィッド・ゴードン

商品詳細を見る

『二流小説家』
ハヤカワポケミス!
本好き、ミステリ好きでありながら、なんと初めて買いました。

さて内容ですが


ハリーは冴えない中年作家。シリーズもののミステリ、SF、ヴァンパイア
小説の執筆で食いつないできたが、ガールフレンドには愛想を尽かされ、
家庭教師をしている女子高生からも小馬鹿にされる始末だった。だがそん
なハリーに大逆転のチャンスが。かつてニューヨークを震撼させた連続殺
人鬼より告白本の執筆を依頼されたのだ。ベストセラー作家になり周囲を
見返すために、殺人鬼が服役中の刑務所に面会に向かうのだが…。ポケミ
スの新時代を担う技巧派作家の登場!


という事でまあ面白そうでした。

特に技巧派作家というところに惹かれました。

小説内に主人公が書いた小説が挿入されていたりするのですが
私の読みが浅いのかもしれませんが
特になにか仕掛けられているわけではなさそうでした。

この小説内小説をもって”技巧派”とするのはちょっと・・・

ただ結構なヴォリュームでしたが一気に読んでしまったあたり
結構面白かったかも。
(これは訳がよかったのかな)

また最後のページにはなにか仕掛けがあったような描写があるのですが
残念ながら読み解けませんでした。

この部分が何を意味するか誰か教えて欲しい。

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