澤村伊智 - 茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~
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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

澤村伊智『などらきの首』

澤村伊智『などらきの首』




「などらきさんに首取られんぞ」祖父母の住む地域に伝わる“などらき”という化け物。刎ね落とされたその首は洞窟の底に封印され、胴体は首を求めて未だに彷徨っているという。しかし不可能な状況で、首は忽然と消えた。僕は高校の同級生の野崎とともに首消失の謎に挑むが…。野崎はじめての事件を描いた表題作に加え、真琴と野崎の出会いや琴子の学生時代などファン必見のエピソード満載、比嘉姉妹シリーズ初の短編集!


短編集。

表題作は怪奇譚をミステリ手法で解決しつつ……
という系譜の作品で面白コワい。

「ゴカイノカイ」は本筋ではないが”ローソク”がコワい。

「ドグラ・マグラ」を引き合いに出した「居酒屋脳髄談義」は絶品。
余韻無くぶち切るようなエンディングもこの作者の味か。

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澤村伊智『ずうのめ人形』

澤村伊智『ずうのめ人形』




不審死を遂げたライターが遺した謎の原稿。オカルト雑誌で働く藤間は後輩の岩田からそれを託され、作中の都市伝説「ずうのめ人形」に心惹かれていく。そんな中「早く原稿を読み終えてくれ」と催促してきた岩田が、変死体となって発見される。その直後から、藤間の周辺に現れるようになった喪服の人形。一連の事件と原稿との関連を疑った藤間は、先輩ライターの野崎と彼の婚約者である霊能者・比嘉真琴に助けを求めるが―!?


面白い。
”ずうのめ”という語感と”不審死を遂げたライターが遺した謎の原稿”ってもうこの時点で惹かれます。

怪異現象は怪異現象としてコワいですがそれを生み出す人間のコワさみたいなものが出ています。
小説内小説で描かれるとある家庭のイヤな雰囲気、またラストでのある人物の暗い想いなど息苦しさを感じるほどです。

ところで最後の大惨事、あっさり書かれているがあれは関係のない人たちにとってあまりに不条理。


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澤村伊智『予言の島』

澤村伊智『予言の島』




初読はミステリ、二度目はホラー。この島の謎に、あなたもきっと囚われる。

瀬戸内海の霧久井島は、かつて一世を風靡した霊能者・宇津木幽子が最後の予言を残した場所。
二十年後《霊魂六つが冥府へ堕つる》という――。

天宮淳は、幼馴染たちと興味本位で島を訪れるが、旅館は「ヒキタの怨霊が下りてくる」という意味不明な理由でキャンセルされていた。
そして翌朝、滞在客の一人が遺体で見つかる。しかしこれは、悲劇の序章に過ぎなかった……。

すべての謎が解けた時、あなたは必ず絶叫する。
再読率100%の傑作ホラーミステリ!


”初読はミステリ、二度目はホラー。”という煽り文句を知らなかったのでホラーだと思って読んでいました。
途中でミステリ的解決が出てきてここでミステリだったのかと納得しましたが、終盤にかけて”それでも不可解な現象は存在する”といった締めくくりをするかと思ったら、とんでもないことが起こりました。

確かに言動にちょっと引っ掛る部分があったのですが、なるほどそうきたかという仕掛けでびっくりしました。(手法は過去にいくらでもあるオーソドックスなものですが)

時間的に今は再読はしませんが、いずれその際はしっかりとチェックしながら読んでみたい。
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澤村伊智『恐怖小説キリカ』

澤村伊智『恐怖小説キリカ』




大きな文学賞を総ナメにしている錚々たる作家たちが選考委員を務める新人文学賞を獲得した「僕」。隣には最愛の妻・キリカ。作家デビューは順風満帆かと思われたが、友人が作品を曲解して、「作家とは人格破綻者である」「作家は不幸であるべき」と一方的な妄想を僕に押し付け、執拗な嫌がらせをはじめる。しかしその結果、僕は妻のとんでもない秘密を隠し切れなくなり……これぞ最恐のサイコ・ホラー!


澤村伊智は先のこの本を買ってはみたものの「ぼぎわんが、来る」に関係しているようだったのでそちらを読了後そのままこちらに突入。

主人公は”「ぼぎわんが、来る」でホラー大賞を受賞した澤村伊智”という設定。メタミステリの手法ですがとんでもない事になっていきます。
本文の後の、”その後 ー 文庫版あとがきにかえて”まで企みに満ちている。

いろいろとコワい。

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澤村伊智『ぼぎわんが、来る』

澤村伊智『ぼぎわんが、来る』




“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。それ以降、秀樹の周囲で起こる部下の原因不明の怪我や不気味な電話などの怪異。一連の事象は亡き祖父が恐れた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか。愛する家族を守るため、秀樹は比嘉真琴という女性霊能者を頼るが…!?


面白い、そしてコワい。

まず”ぼぎわん”という語感がもうコワい。ここから始まる土着的で日本的なものと現代のホラーの怖さが融合してとんでもない事になっています。
章が変わり別視点で語られる登場人物像の変化も怖い。
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