西村京太郎 - 茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~
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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

西村京太郎『イブが死んだ夜』

西村京太郎『イブが死んだ夜』


氷雨の浅草寺境内で若い女性の全裸死体が発見された。太腿には、上品な顔立ちとは不釣り合いなバラの刺青が……。十津川警部が、ある女性の空白の三年間を追う、迫真のサスペンス大作!


久々に西村京太郎を読む。
本作は十津川警部モノだがトラベルミステリー以前の作品。
傑作ではないとは思うがつい引き込まれてしまうという点ではやはり西村京太郎は大したもんだと再確認してしまうような作品。
十津川警部の婚約者が登場するという意味では貴重な作品か?

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西村京太郎『失踪』

西村京太郎『失踪』




私立探偵・左文字進の親友、警視庁捜査一課矢部警部の妻、美加が失踪、部屋には見知らぬ女の死体が…。次々と命を絶たれる美加の友人たち。それも精緻な整形手術をほどこされて…。幾重にも重なり合う謎の核心に、ロス生まれの都会派私立探偵・左文字が迫り、愛妻・史子の直感が女心のヒダを解き明かす。ますます冴える〈左文字シリーズ〉長編推理。


2005年作品。

だが、その一方、この時間に、東京の何処かで、人が一人殺されているかも知れないと、左文字は、考えてしまうのだ。

なぜこんなに句点が多いのだろう。



また会話の度に

と、左文字は、いった。

といった一文が入る。
会話文での登場人物たちの描き分けができなくなっていたのでしょうか。
それとも行かせぎなのでしょうか。

左文字シリーズは未読がもう一冊(シリーズ最後の作品)ありますがいろいろ不安です。
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西村京太郎『悪への招待』

西村京太郎『悪への招待』




あなたのお父さんは自殺ではなく殺されたのです――沢木真介の許に届いた一通の手紙。真相を探るため郷里の徳島を訪れた沢木を待ち受ける不気味な影。そして、沢木の調査に協力を申し出る謎の女――。手に汗にぎるノンストップ・サスペンス。


冒頭2頁目で父親は殺されたのだという手紙が届き、3頁目でその確認に向かう船上で誰かから突き落とされる主人公。
展開が速い。
この勢いのまま500頁を読ませてしまうのだからやはり西村京太郎はスゴイ。
本作は主人公の背景や人となり、というものがほとんど描かれていないのは、そこで物語を停滞させないためなのだろうか。
主人公は政界の闇ともいえる人たちにも臆せず挑んでいくので一体こいつはどんな素性なんだと思いつつ読んだ。
(結局そこにはほとんど触れないまま)

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西村京太郎『伊豆七島殺人事件』

西村京太郎『伊豆七島殺人事件』



「もしもし、おい、どうした?」突然切れた電話に不審を抱いた、海洋開発実験中の片桐主任は、水深40メートルの密室“海底の家”に潜行した。ここ神津島の新日本重工・海底居住基地では、極秘の実験が進行していたのだ。……海底の密室で刺殺された研究員! 濡れた電話機、床一面に散った揚げ羽蝶は何を物語る? 傑作本格推理!


昭和47年の作品。
実験中の海底居住基地での殺人というとんでもない設定だが、初期の海洋モノが得意な西村京太郎なので安心して読むつもりでした。
未読の西村作品も溜まってきたが本作はずっと読みたかった作品で一昨日入手できたので日曜午後のゆったりとした時間をこの本に充てようと……。

そこへ西村京太郎氏の訃報。驚きました。

名探偵シリーズを2冊くらい読んだだけの西村京太郎作品だったが、数年前、たまたま「消えたタンカー」を読み、その後「赤い帆船」「消えた乗客員」と海洋モノを続けて読みスケールの大きさと物語の面白さに驚き、新本格ともいえそうなトリッキーな「殺しの双曲線」に慄き、以降何冊も読むようになりました。
長編ではより社会的な問題を取り上げた作品もあり、短編ではピリリと冴えた作品も多い。それが西村京太郎のイメージとなりました。(トラベルミステリは読んでいません)

さて本作、海底居住基地での殺人という特殊な状況化での事件のため容疑者はすぐに絞られていきます。当時の状況はわかりませんが今から見ると何をいまさらというトリックが一つあるものの、もう一つのトリック(の可能性を示唆)は面白いし、やはり途中で止まらず読み終えてしまいました。

不謹慎かとも思いますが今回の事を機に、西村京太郎のスゴさをもっと多くの方に知っていただきたいと思います。
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西村京太郎『殺意の設計』

西村京太郎『殺意の設計』




新進画家として注目を浴びている田島幸平と幸福な結婚生活を続けていた麻里子は、ある日、夫の不倫を指摘する匿名の手紙を受けとる。麻里子は夫の浮気の現場を目撃し、離婚の意志を固め、男友達の井関一彦に相談する。三者での話し合いの最中、麻里子と夫は毒物の入った酒を飲んで絶命した。無理心中か、他殺か、そして犯人は!?長篇傑作推理。


昭和47年の作品。心中か他殺か?真犯人と目される人物はわかっており、その事件に同席しているためアリバイ崩し要素もなく、他殺の証拠集めと動機探しがメインとなる。プロットの面白さで読ませる作品で古びてはいないと思う。
社会派ミステリの様な問題提起もなければ、事件自体も華(?)がなくトリックもなく登場人物も全員地味ながらも何故か面白い。作者の一番脂ののっている時期だったのかもしれない。


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西村京太郎『殺しのバンカーショット』

西村京太郎『殺しのバンカーショット』




〈この大会中に、あいつを殺してやる〉賞金総額5千万円のビッグなゴルフトーナメントの開催2日前に、こんな脅迫状が届いた。脅迫状はこれで3通目。日本ゴルフ連合会理事・吉田は警察に警備を依頼する。だがその吉田も、交通事故で死亡した。吉田の若い美人妻。ゴルフ界の複雑な人間関係。奇妙な殺人の謎。犯人の狙いは何か?様々な思惑をよそに、ゴルフ・トーナメントは予定通り開催されたが―。十津川の推理が冴える、長編サスペンスミステリー。


昭和48年「アサヒゴルフ」連載作品。
読者をしょっぱなから惹きつけるのは西村京太郎の得意技だが本作も同じ。ただしミステリとしては薄口。
これは2時間テレビドラマにはかなり向いていそう。

時期的には十津川警部モノだが海から鉄道へと活躍の場を移す過渡期の作品のようです。


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西村京太郎『脱出』

西村京太郎『脱出』




ブラジルへ渡航寸前、ふとした口論から、一人の男を刺殺してしまった混血児・岡田サチオ。夜の新宿を逃げまわる彼に、救いの手を伸べてきた4人の若者がいた。週刊誌記者、学生、歌手志望の男、ゴーゴーガール。彼らはサチオの渡航を助けようとするが、真意は何なのか? 息詰まる迫力で展開される、サスペンス劇の会心作。


昭和46年の作品。
殺人容疑で終われる混血児の渡航を手助けすることになった各登場人物の思惑が少しづつ明らかになるあたり、スリリングで読むのが止まらない。社会的弱者であった混血児を描くあたりが西村京太郎ならではなのだろうが、本作はそこをあまり重くせずに手助けする若者達の生き方も存分に描いている。
終盤にミステリとしての意外な展開もありこれは傑作かと。

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西村京太郎『殺人者はオーロラを見た』

西村京太郎『殺人者はオーロラを見た』




連続殺人の裏に民族の悲劇?問題長編
アイヌの血を引く気鋭学者が事件の深い謎に挑む社会派推理

沖縄出身を謳うアイドル歌手が殺された。遺品の名刺から、大学助教授の若杉も警察の事情聴取をうける。実は歌手は若杉の教え子で、しかも若杉同様アイヌの血を引いていた。やがて警察に、「ユーカラ」を引用した犯人からの挑戦状が届く。事件の背後に何が隠されたか。社会問題とミステリーが融合した傑作。


アイヌ民族について深く掘り下げた昭和48年の社会派ミステリ。私はアイヌについて殆ど知らない状態なのでかなり勉強になった。(この昭和48年時点で世の中はアイヌへの理解がないのであるから現時点ではさらに無くなっていそうです)
こういった社会的弱者をテーマにした作品は西村京太郎の得意とするところだろうが、本作は、より怒りというものを表現しているように感じました。
昨今のミステリはパズラーとしての傑作は多いと思いいますがこういった”社会派”はどうなんでしょうかね。

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西村京太郎『夜ごと死の匂いが』


西村京太郎『夜ごと死の匂いが』



東京で若い女性が殺害される事件が続いていた。3人の被害者には、ボウ・ガンで殺された以外に共通点は見つからない。しかし、十津川警部と亀井刑事は、「新宿」というキーワードを見つけて…(「夜ごと死の匂いが」)。私立探偵の秋葉京介の下に、歌手の浅井京子のボディガードの依頼が来た。渋々引き受けた秋葉だったが、事務所は爆破され、浅井も行方不明になってしまう。隠された真相に迫る(「危険なスポットライト」)。全7編。


1971年から1977年に発表された短編小説群ということでまだまだ読むに値する作品を書いていた時代の短編集。
ってエラソーにすみません。
十津川警部が出る作品、私立探偵秋葉京介の作品、ノンシリーズのものとバランスよく収録されている。
割と小品の「私を殺さないで」がなかなか良い、

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西村京太郎『午後の脅迫者』

西村京太郎『午後の脅迫者』




私立探偵が夢みた成功報酬3千万はいったい誰の手に?妻は会社を経営する夫の素行調査を探偵社に依頼した。夫は探偵にしっぽをつかまれるが、逆に妻に「男」を作ってくれれば3千万出すという。成功直前の在る夜、探偵の眼の前で一閃フラッシュが光って……。トリックの妙を示した秀作ぞろいの好短編集。

昭和40年から昭和60年までの作品を集めた短編集。同講談社文庫の『変身願望』と共に初期のちょっと”奇妙な味”風の作品が収録されています。(こちらはまっとうなミステリ寄りですが)
「柴田巡査の奇妙なアルバイト」「成功報酬百万円」が特に面白い。

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