笠井潔 - 茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~
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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

笠井潔『煉獄の時』

笠井潔『煉獄の時』




著者のライフワーク〈矢吹駆シリーズ〉11年ぶりの最新作、800ページの超大作!
1978年6月。ナディアは著名な作家のシスモンディに、友人・矢吹駆を紹介する。シスモンディのパートナーであり、戦後フランス思想家の頂点に立つクレールが彼女にあてた手紙が消失した謎を駆に解き明かしてほしいというのだ。しかし手紙をネタに誘い出されたシスモンディとナディアは、セーヌ川に係留中の船で全裸の女性の首なし屍体を発見する。事件の調査のためリヴィエール教授を訪ねると、彼は若き日の友人、イヴォン・デュ・ラブナンのことを語り始める。39年前、イヴォンも首なし屍体事件に遭遇したというのだ――。
時空を超え広がる謎の迷宮に、矢吹駆が挑む!


内容的にも物理的にも重い。
哲学、近代史に疎いので楽しく読めたかというと決してそうではない。

ところで本作、文庫本ではなかったのでボリューム感が把握できないまま読みはじめまるまる1週間かけて読み終えた。
その充実感はいっぱい。

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笠井潔『オイディプス症候群』

笠井潔『オイディプス症候群』




ナディア・モガールと矢吹駆は、ウイルス性の奇病に冒された友人の頼みで、彼の師であるマドック博士に資料を届けるため、クレタ島南岸に浮かぶ孤島、「牛首島」へと向かう。牛首島にある不思議な建造物「ダイダロス館」を訪れた十人の男女を次々と襲う、奇怪な連続殺人の真相とは!?本格探偵小説を代表する傑作。


分厚い新書版で読破。
難解な哲学談義とギリシャ神話の引用、本自体の重さとダイダロス館の見取り図を常に確認、という状態で4日かけて読みました。
まさに読破という感じです。

『内側からの特権的な死の夢想の封じ込め』。ミステリだけどこんなキーワードが多数出てくる重厚な物語です。

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『魔』
笠井潔



ストーカー被害に悩む女子学生、父を亡くし、拒食症を再発した女性の
謎の失踪事件…。サイコセラピスト・鷺沼晶子の依頼を受けた私立探偵
・飛鳥井が、現代社会を揺るがす“魔”に挑む。
社会病理を鮮やかに描き、驚愕の謎解きをも達成した傑作ミステリー。
単行本に付されたスペシャル・エッセイを収録。


天才型で自由人の探偵でなく職業私立探偵を主人公とした2編が
収録されています。

ハード・ボイルド風の作品ででトリック云々のミステリでなく
事件の構造をひっくり返すタイプのミステリ作品です。

本格とハードボイルドの融合のようなことが解説で書かれていますが
本格という感じはしませんでした。

「追跡の魔」「瘠身の魔」2編とも似たような構造になっているのは
わざと何でしょうか。

笠井潔だけになにか意図があるような気がします。

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天啓の宴

天啓の宴 (創元推理文庫)
天啓の宴 (創元推理文庫)
『天啓の宴』
竹本健治に『ウロボロスの偽書』という作品がありますが、解説によると

メタフィクションと探偵小説とを綯い交ぜにした『ウロボロスの偽書』だ
が、そこに探偵小説としての不徹底さを見た笠井潔が執筆した小説こそ
本書『天啓の宴』なのである。

との事でありました。

実名こそ出ませんが竹本健治や笠井潔をモデルとした登場人物(作家)が
本書の語り手で書き手になっています。

本書自体もメタ・ミステリなのでしょうが
とにかく仕掛けに驚け、といった類のものではなく
別の意味でややこしい話になっています。
(ここらへんはいつも通りか?)

小説やミステリを小難しく考えていくと
このような小説が出来上がるんですね。

でもサスペンス風なところとか結構読みやすかったし面白かったんです。

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青銅の悲劇

青銅の悲劇  瀕死の王青銅の悲劇 瀕死の王
(2008/07/25)
笠井 潔

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『青銅の悲劇』

1988年末、東京郊外頼拓市の旧家、鷹見澤家で奇妙な現象が続発。
不穏な空気の中、冬至の日に執り行われた会食の席上で、当主、鷹見澤信輔が突然倒れる!
それは、トリカブトを使った毒殺未遂事件だった…。
昭和の最期、一族を襲う悲劇と、それに纏わる深い闇に迫る。


ノベルスで680頁。非常に分厚いです。
矢吹駆連作の日本篇という位置づけのようですが
矢吹駆は登場せず、人々の回想で少し話題に上るだけです。

物語は旧家の毒殺未遂事件とそれに続く殺人事件ですが
毒を入れたのは誰か、どのように入れたか、を
登場人物が延々と推理し続けます。

あらゆる可能性を検討しますが
エキセントリックな登場人物も
アクロバティックな推理もないので
物語としての展開は全く地味です。

あらたな証拠や証言がでてくると
都度新たに推論しなおします。

小森健太朗氏の解説をひくと

これまでは、作者と読者の間に、
黙約のようなものが成り立ち、あらかじめ考えなくていい可能性を
作中の探偵役がばっさりと除外することがかなり許されてきた。

そのような黙約が成り立ちにくくなっている状況で、
執拗なまでに肥大化した論理的考察を突き詰めることで、
あらためて探偵小説の論理の本質を正面から問いなおそうとしている。

これが笠井氏の考える二十一世紀本格なのかもしれません。

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薔薇の女

薔薇の女―ベランジュ家殺人事件 (創元推理文庫)薔薇の女―ベランジュ家殺人事件 (創元推理文庫)
(1996/06)
笠井 潔

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『薔薇の女』

笠井潔の初期?矢吹駆シリーズでもあまりミステリ的な評価は受けていないようです。
しかし思想的な部分での評価が高いようであり
実は私はその部分はほとんど理解できぬまま読み終えてしまいました。

この矢吹翔シリーズですが

「バイバイ・エンジェル」 昔読んで難しかったが数年前読んで面白さ再発見。
「サマー・アポカリプス」昔読んだまま。再読したい
「薔薇の女」たぶん今回初読
「哲学者の密室」昔読んだまま。再読したい。

という状態です。
あと数作あるようですが
日本篇の「青銅の悲劇」を購入。読むのが楽しみです。

ついでにシリーズ0作目という位置づけらしい、
「熾天使の夏」も持っていますがこれは未読です。
(だって”テロリズム小説”だそうで読むのがしんどそう)

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